差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

「嫌韓」の主張


アメリカ・グレンデール市に慰安婦像が建てられて以来、多くの在米日本人が差別や嫌がらせの被害に遭っている。特に日系アメリカ人の被害は深刻だ。

反論


デマである。そのような事実は確認されていない。日系アメリカ人に関して言うならば、むしろ慰安婦像を批判する日本の保守勢力に対して「迷惑だ」と感じている人が少なくない。

『マンガ大嫌韓流』第一話「米国で差別されイジメに苦しむ日本人「慰安婦像と反日プロパガンダ」」では、アメリカに短期留学中の主人公が駐在員の日本人から「あの像(引用者注:慰安婦像)が建てられて以来ですよ…日本人への差別が酷くなりました」と漏らされる場面が描かれています(24・25ページ)。

その駐在員は「本当に気の毒なのは日系米国人たちです」「彼らはこの国で生きていくしかないのですから…」とも話しており、在米日本人以上に日系米国人が深刻な被害を受けていることを示唆します(25ページ)。

この描写についてのソースは『マンガ大嫌韓流』には一切明記されていませんが、こうした情報はいくつかのメディアで報道され、また何人かの保守系政治家もそうした発言をしています(※注1)

しかしアメリカ在住の小山エミ氏が現地で取材した結果、これらがデマ(少なくとも出所が確認できない情報)であることが明らかになっています。


「グレンデール市に慰安婦像が設置されたことによって日本人の子どもがいじめられている」というデマについて


もちろん、小山氏も言っているように、どんなに綿密に調査・取材をしても「慰安婦像が設置されたことによっていじめられた在米日本人や日系人の子どもは一人もいない」のを証明することはまず不可能です。しかし『マンガ大嫌韓流』に描かれているような「日本人の子どもたちはみんな学校でイジメられて」というような実態を裏づけるような明確な証拠は全くありません。確かにアメリカには深刻な人種差別が存在していますが、それゆえに差別やヘイトクライムを断固許さないという姿勢も持っています。慰安婦像がきっかけで日本人・日系人への差別・いじめの事例が多発したならば、アメリカ国内で問題にならないはずがないのです。また、もし仮に慰安婦問題を口実にした日本人・日系人への差別やいじめが存在するならば、責めれるべきは慰安婦像を建立した側ではなく、それを口実に差別やいじめをした加害者です

なお、『マンガ大嫌韓流』が「本当に気の毒」だと描いている日系アメリカ人ですが、「慰安婦像」よりむしろ「慰安婦像に抗議する日本保守勢力」への反感が強いようです。

グレンデール慰安婦像裁判で迷惑を受けている日系人たちに取材した件。




こうしたデマは(1)慰安婦問題に対する理解から人々を遠ざけ問題解決への道を阻害するというだけでなく、(2)アメリカ人の名誉を棄損し、(3)日系アメリカ人や在米日本人をいたずらに困惑させるということに加え、(4)韓国への憎悪を煽り、かつ在日コリアンに対するヘイトスピーチを助長・後押ししているという点で何重にも悪質で、絶対に許すべきではありません。


【付記】
ここまで読んで、もし「そんなはずはない、慰安婦像のせいで多くの日本人・日系人が差別・いじめの被害に遭っているのは事実だ!」という方がいらっしゃいましたら、作者の山野車輪氏(ツイッターアカウントはこちら)に直接尋ねることをおすすめします。もしこの部分が「単なる創作」ではなく「事実に基づく描写」であるなら、当然明確な根拠を示してくれるはずです。

(※注1)
なお、同様の主張はマンガ『日之丸街宣女子』でもなされています。詳しくは『日之丸街宣女子』のデマとウソ●(8)慰安婦像の設置により日本人の子どもがいじめられる事件が何件も起きているという「デマ」をマンガ化 の項を参照のこと。

<2015.9.17追記>
なお、ツイッター上で上記のエミコヤマ氏と『日之丸街宣女子』の作者富田安紀子氏との間で「慰安婦像設置が原因の日系人いじめ」描写に関してやり取りがなされました(参照:富田安紀子氏が自身の作品『日之丸街宣女子』における「慰安婦像のせいで日系人の子どもがいじめられている」というエピソードが「創作」であることを事実上認めた件)。まとめのタイトルにもあるように、富田氏はくだんの場面が「創作(フィクション)」であることを認めています。

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