差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

たとえば朝鮮学校無償化や、あるいは在日外国人の権利獲得/向上を求める主張に対して、上記のようなことを言う人(いわゆる「保守」と自称・自認する人に多いようです)がいます。

在日外国人も日本人と等しく納税しているのですから、「日本人の税金をなぜ外国人のために使わなくてはならないのだ」という主張は、単純に間違っています。むしろ、同じように納税しているのに、日本人と在日外国人で社会福祉などの面で差があるならば、それは是正されなければなりません。日本が批准している「国際人権A規約」や「難民の地位に関する条約」では、福祉や社会権について「内外人平等」をうたっています。

もう一方の「日本は日本人だけのもの」という主張ですが、これは鳩山由紀夫氏が総理大臣の時に語った「日本は日本人だけのものではない」という言葉に反発した人々によってよく言われてきました。果たしてそれは正しいのでしょうか。

話はいったん脇道にそれますが、いわゆる保守の人々が好んで口にする言葉に「現在の日本の繁栄があるのは先人の努力のおかげだ。我々はそれに感謝しなければならない」というものがあります。この言葉自体は間違っていないでしょう。ただここで忘れてはならないのは、「現在の日本」を築いてきた「先人」には「日本人以外の人々」も含まれているということです。

たとえば終戦直後の日本では、多くの在日コリアンが鉄屑回収業などに従事し、日本の工業を底辺から支えてきました。またバブルの時代は多くの外国人がいわゆる「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれた、日本人がやりたがらない仕事に従事していました。また現在では、「外国人研修生」の名の元に多くの外国人が低賃金・悪条件の下で働いています(※注1)。現在私たちが安価な衣料品を買うことが出来る背景には、そうした人々の存在もあるのです。

また、芸能界やスポーツ界で活躍する在日外国人、在日コリアンは少なくありません(※注2)。歌手のにしきのあきらさんは日本国籍を取得した在日コリアンですが、ある会合で「我々(在日コリアン)がいなかったら紅白歌合戦は出来ないんですよ」と発言しています(※注3)。これは決しておおげさな表現ではないでしょう。

あるいはもっと目立たないところでも在日コリアンによって支えられてきた分野があります。日本の伝統である京友禅や西陣織を戦前から支えてきたのは京都の在日コリアンです(※注4)。日本の伝統を尊ぶ「保守」の立場ならば、当然そうした人々にも感謝しなければならないはずです。


人が一人では生きていけないのと同様に、今の日本も日本人だけで成り立っているのではありません。それを忘れて「日本は日本人だけのもの」などと軽々しく言うのは、自分が自分の力だけで生きていると思い込むのと同様、傲慢で恥ずかしいことではないでしょうか。

(※注1)現在の日本では本来単純労働を目的とした外国人の入国は認められていません。しかし、外国人研修生は名目上「労働者ではない」とされているため、実質的にはれっきとした労働者であるにも関わらず労働基準法が適用されません。また不利な契約を結ばされ、劣悪な条件で働かされるなど、多くの問題が起きています。詳しくは安田浩一氏の『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』『外国人研修生殺人事件』などを参照のこと。

(※注2)これは在日コリアンが昔から、いわゆる「普通の会社に就職する」ことが困難で、芸能界・スポーツ界など出自に関係ない実力勝負の世界を志望する人が多かったためでしょう。こうした傾向は日本に限ったことではなく、たとえばアメリカの俳優やミュージシャンにはマイノリティであるユダヤ系・アイルランド系などの人が多いことはよく知られています。

(※注3)野村進『コリアン世界の旅』

(※注4)民団新聞:京友禅 底辺で支えた在日 調査・研究で立証へ 2008-10-08





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