差別・偏見やヘイトスピーチを助長する「嫌韓」デマ・中傷に対抗・反論するウィキです。

「嫌韓」の主張

2015年7月9日以降、多くの在日コリアンは不法滞在となり、韓国に強制送還され、男性は兵役を余儀なくされる。

反論

全くのデマ・デタラメ

1980年代オカルトブームの代表格「ノストラダムスの大予言」。その中でも有名なのが「1999年7月、恐怖の大王が地球に降り立つ(人類は滅亡する)」という「予言」(以下「恐怖の大王説」と略)です。言うまでもなく、そして幸いなことにこの「予言」は外れたわけですが、80年代の若者の中にはそれをかなり本気で信じていた人も少なくありませんでした。後に地下鉄サリン事件を起こすオウム真理教に多くの若者が惹き付けられ、入信した遠因のひとつに「恐怖の大王説」があったとも言われています。

さて、この「大予言」を彷彿とさせる噂が最近ネットを中心に広がっています。それが「2015年7月9日以降、多くの在日コリアンが強制送還される」'というもの(以下「7・9強制送還説」と略)。

「恐怖の大王説」がそうであったように、この「7・9強制送還説」にも様々な解釈・解説のバリエーションがあるようです。たとえば以下のページ。

(注意)以下のリンク先は差別的表現及びポルノ広告が含まれています。閲覧にはご注意下さい。
【拡散】2015年7月9日以降、在日韓国人男性が【 1人残らず不法滞在者 】になる理由が す ご す ぎ る !!!

はっきり言ってデタラメだらけで、かつ文章のつながりも脈絡がなく非論理的なため、きちんと批判することすら困難なのですが、明らかな誤りを二点だけ指摘しておきます。
2015年7月9日に関する在日問題。/ 通名が事実上使えなくなって、それでそれで?
「通名(通称名)が事実上使えなくなる(廃止になる)」はデマです。単に外国人登録法の廃止に伴い、それまでの外国人登録証明書(通称外登証。通称名を使っている外国人の場合、本名と共に併記されていた)に代わる在留カードや特別永住者証明書に通称名が記されなくなるだけのことが「通名が廃止になる」というデマにすり替えられただけ。ちなみになぜ「2015年7月9日」なのかと言えば、特別永住者(在日コリアンの多くがこれに該当する)の一部が外国人登録証明書から特別永住者証明書に切り替えなければならない期限が2015年7月8日だからでしょう。
25才以上の在日韓国人男性の大半は/ 大韓民国兵役法第70条並びに/兵役法第94条違反に該当しております。

これもデマです。こちらでも触れているように、在日コリアンは韓国での兵役を免除されています(ただし、日本生まれの在日コリアンであっても韓国に通算3年在留すれば兵役義務が課せられる)。ですから、これを根拠にした強制帰国云々も全くのデタラメに過ぎません。

類似の「嫌がらせデマ」


さて、こうした在日コリアンへの「嫌がらせデマ」―いわゆる「在日特権デマ」のような「在日はこんな不当な利益を得ている」というものとはある意味逆ベクトルの「お前たち在日はもうすぐこんな不利益を被ることになる(ざまあみろ)」というたぐいのもの―は定期的に発生しています。前述の兵役義務についても「○年○月○日から在日にも兵役が適用される」というデマは今までも何度か現れています。また、最近では韓国、国民に海外資産全て申告の義務 違反者には罰金・税務調査もというニュースに関連して「海外資産の申告義務は在日コリアンにも課せられる。(韓国から見て)海外、つまり日本に資産を持つ在日コリアンも申告義務があり、申告しなければ罰金が生じるし、強制帰国もあり得る」というデマも流れています(※注1)

「嫌がらせデマ」の醜悪さと悪質さ


こうした「嫌がらせ」デマの大半は事実無根かつ荒唐無稽なので、これを真に受ける在日コリアンはほとんどいないでしょう。こうしたデマが広まるのは、在日コリアンへの嫌がらせが目的というより、同じような価値観を持つ者、つまり在日コリアンに嫌がらせをして快感を感じる者同士が同じ「愉しみ」を共有するために機能していると言えます。彼らにとっては「価値観・快楽の共有」が第一の目的なので、その真偽はどうでもいいのです。これは先に挙げたまとめサイトの「素晴らしい2015年の夏になると思います。」「ザマーミロwwwwww」「ああ来年の夏が待ち遠しいwww/日本が少しだけ平和になるんだねwwwww」といった書き込みに端的に現れています。おそらくこうした人々の多くは「2015年7月9日」以降、これらがデマであったことが明らかになっても、自分たちがデマに踊らされていたなどとは思わず、その愚かしさ・醜悪さを自覚することもなく、似たようなデマに飛びつき、同じような「歓喜の声」をあげるのでしょう。

また、デマの内容そのものは「嫌がらせ」としてほとんど機能しないとはいえ、そうしたデマに飛びつく人間(在日コリアンへの悪意を表明してはばからない)が多数存在するということが可視化されること自体が、在日コリアンにとっては脅威であり、悪質です。よって、どんな荒唐無稽なデマであっても看過することなく、その醜悪さ・悪質さを指摘・批判することが必要と言えるでしょう。

※2015年7月9日追記

さて、問題の7月9日になりました。ツイッターなどを見ると、今なお「7・9強制送還説」を煽動する言説が後を絶たないようです。





そうした中でもより悪質と思われるのが元農林水産省官僚を自称する林雄介氏の発言です。



在日コリアン強制退去デマとデマの根拠、ならびに入管への無根許な通報により自らが刑法犯となる可能性について - Togetterまとめにもありますが、もし林氏の言うように「在日コリアンの皆様」や「この手の記事に反論してきた人間とその賛同者」を「片っ端から通報」すれば、報奨金どころか業務妨害として訴えられる可能性もあります。その意味で林氏の発言はきわめて悪質なヘイトスピーチであると同時に犯罪教唆と見なされても当然です。


※2015年7月10日追記

問題の7月9日ですが、デマを鵜呑みにした人々が「集団通報」と称し、入国管理局(入管)のホームページの不法滞在外国人通報窓口に大量の「通報」を寄せたため、一時入管のサーバがダウンするという状況にまでおちいったようです。

悪質な「7月9日在日強制送還デマ」で、扇動した者たちと扇動された者たち、そして温床となった入管行政(韓東賢)

7月9日デマを信じたネトウヨが入管のサーバをサイバー攻撃中。これが #ウヨマゲドン だ。 - Togetterまとめ



なお、通報を煽動したブログに掲載されている「通報リスト」には、適法に在住する在日コリアンばかりか、明らかに日本国籍である人々の名前も載せられています。そしてツイッターを見ると、このリストに載せられた名前を全て通報したと誇らしげに報告するツイートが多数見られます。本来不法滞在外国人を摘発するための窓口にこのような「通報」ばかりが寄せられたら、とても通常の業務を行うどころではなくなるでしょうから、業務妨害の要件を満たすには充分のはずです。


(※注1)韓国で「海外資産の申告義務がある」のは、韓国在住の韓国人及び外国人永住者などであって在日コリアンは対象ではありません。ちなみに日本でも国外に5000万円を超える資産を持っている居住者(日本国籍者及び永住者)には申告義務があります(国外資産調書制度)。こちらは在日コリアンも対象になります。

Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

管理人/副管理人のみ編集できます