忘却からの帰還〜Atomic Age - まったくばかげた、そして最も恐ろしい動画

まったくばかげた、そして最も恐ろしい動画"Protect and Survive"


1945年7月16日の最初の核爆弾トリニティの爆発成功に始まる核の時代。西側世界の政府はもとより、中ソ政府も、核攻撃から身を守る方法と称するものを宣伝すべく、動画・音声・ブックレットを作成した。それらは、ときに冷笑・批判・炎上という国民の反応を招いてきた。


[ Protect and Survive (1981)]

This was a take on the government booklets that were to be distributed if the country was under threat from nuclear attack in the 1970s, as part of a public information campaign. It was full of totally ludicrous instructions, like telling people to remove their lace curtains in the event of an attack; and “when you hear the all-clear you may resume normal activities” - after a Third World War!

これは、1970年代に核攻撃の脅威が迫ると、公共情報キャンペーンのひとつとして、配布されることになっていた政府のブックレットから取ったものである。核攻撃時にレースのカーテンをはずせといった、まったくばかげた指示に満ち溢れていた。そして「空襲警報解除を聞いたら、通常生活にもどれる」と。第3次世界大戦の後に。

[ Peter Kennard- Unofficial War Artist ]

中でも、1970年代後半に英国政府が制作し、72時間以内に核攻撃を受ける可能性があるときに放映されることになっていた動画"Protect and Survive"は、核の時代の象徴するものとなった。


この映像は何ら恐怖を感じさせるものではなく、ナレーションも不安をあおるものではない。でも、この動画はいかなるホラー映画よりも恐ろしいものだ。なぜなら、世界の終末がまじかであることを告げるものだから。