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さつき 9/7(金) 10:09:26 No.20070907100926 削除
義父を送り出し、私もパートに出かけました。

仕事をしながら、初めて体中の筋肉が痛いのに気づき、
一人で苦笑しました。

『きっとお義父さんは、もっと体中が痛いだろうな』
そう思うと可笑しくなってくるのでした。

パートから帰るとポストに封筒が一通入っていました。
私はすぐに予想が付きました。
差出人は、やはり夫でした。

中身も想像は付きます。
家に入って開封してみると、予想通り、離婚届が入っていました。
夫の名前が書かれ、印も押されていました。

「氏名記入、捺印後の返却先」と書かれてあるだけで、
あとは一切何も書かれていませんでした。

返却先の住所の主は、女性の名前でした。
その名前の女性は、この家にも一度、食事にお呼びしたことがある
主人の会社の方でした。

その日、主人は気持ち良さそうに酔って、
「彼女はぼくの右腕だ。いわば会社では妻的存在なんだよ。
ほんと、『つーかー』の関係ってやつだな」などと
浮かれていたのを思い出します。

『やっぱり、彼女だったんだ・・・』
どこかでそう思っていましたが、現実となって分かった今も
不思議と何の嫉妬も恨みも感じてきませんでした。

やはり、とうに私と夫の心は離れていたのでしょう。

夫にとっても、今回の事件は、私と分かれるいいきっかけであったのかもしれません。

私はテーブルに腰掛け、何の感情も持たず、
自分の欄に名前をゆっくり記入しました。

そして呆然とハンコを出し、朱肉をつけ、押そうとした時、
手が止まってしまいました。

離婚届けに殴り書きのような字で書かれた主人の名前と、
私の名前を見ていました。

涙が溢れてきました。
でもその涙の意味は、はっきりとは分かりませんでした。





夜8時を過ぎた頃、お風呂を上がって、
一人が寂しくて、缶ビールを久しぶりに飲みました。
顔は紅潮し、なんだか気持ちが良くなってきたところに、
「ピン、ポン♪」とチャイムが鳴りました。

『今頃、宅急便かしら?
それともお義父さんが、何かあって帰ってきたのかしら?』
そんなことを考えながら、すでにパジャマ姿でしたので、
急いで上だけ羽織ってドアを開けました。


「こんにちわー」
ドアを開けると、隣の吉田さんが立っていたのでした。

『この人の冷やかしが、あの修羅場の原因になった・・・』
その吉田さんが立っていたのです。



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