主に哀咲のTRPG(CoC)用wiki。ほぼ身内様向け。「そこのレディ、ティータイムの御供にクトゥルフ神話は如何かな」

概要

製作:哀咲
プレイ時間:テキストオンセ2時間半〜4時間
傾向:一本道、仲良くなりたいPC同士などがおすすめ。
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。
シナリオ名:すいめいのきわ

シナリオ


<あらすじ>
いつものように目覚める。だが、いつものように「おはよう」と言ってくれるあの人はどこにもいない。
探し回った果ての、けたたましい着信音。縋るように、それに手を伸ばす。

<キャラシについて>
職業制限はない。
推奨技能としては探索技能。あるといいのは戦闘技能。
振る機会がある技能としては、化学、物理学、博物学、オカルト、生物学、精神分析、心理学、医学、応急手当、薬学

<舞台>
???

<推奨人数>
一人
(導入次第では人数も増やせる)

<友好>
探索者の大切な、信頼している人物→シナリオ終盤では「NPC」と記述する
(恋人や兄弟など同居している方が導入しやすい。親戚の家に泊まりに来て…なども可)

<敵対>
クトゥルフの奴隷(マレウス・モンストロルムp38)
クトゥルフの大理石像
とある狂信者
すべてのサメの父(マレウス・モンストロルムp165)

<その他事項>
微細だがR指定に相当する可能性のある表現がある。他、KP、PLのRP次第ではR指定傾向が強くなる場面もなくはない。
また、SANチェックが多いため、PCのキャラクターシートチェック時にSANをしっかり確認すること。
PCの感情にダイスの女神がついていけないと、大変なこと(ロスト他)にもなる。



<目覚めとともに来た異変>
探索者はいつものように目覚める。
恋人、もしくは伴侶を持ち、寝台を共にしているのならば、異変はすぐさま目に入るだろう。寝台を共にしていなくとも、同じ家にいるのならば、異変に気付くのにそう時間は掛からない。
寝台に大切な人の姿はなく、そこにはわずかな水気が残るばかりだ。
家の中を探したとしても、家を飛び出して町中を探したとしても、その姿を追うことはできない。たとえ国中を探せども。
家にはその人の私物がすべて残されている。急に失踪する理由も思いつかず、ただ「いなくなった」という事実に呆然とするだろう。(1/1d6)
呆然と……ただ訪れた残酷な何かに溺れていれば、それを引き上げるようにけたたましい着信音が鼓膜を劈くだろう。
着信するのは携帯か家の電話か、どちらにせよ、非通知である。怪訝に思う冷静さがあればいいが、藁にもすがりたくなるような探索者はその着信に一縷の希望を乗せて、耳に当てる。

『―――……つめ、……ここは、……―――くらい、……いい……?―――』

激しい雑音のなか、間違えるわけもない声が聞こえてきた。何を言っているかははっきりとは聞き取れない。けれども、確かに探し求めている人の声である。
つい探索者はその人の名を、口にするだろう。

『だ……―――……ここは』

声が返事をした。

『―――――――――。』

聞き取れないその声に、ふらりと視界が暗転する。


<堕ちた先の視界>
再び目が覚める。そこはひんやりとして、一言で言うならば暗い雰囲気に包まれている。どこかの物語の敵陣地の神殿をイメージするといいだろう。
人影はなく、時折ぽたりと天井から雨漏りのように滴が落ちてくる。
周囲を見回せど、自分ひとり、荷物もなく、人探しをした恰好のまま、そこに立っていた。(1/1d3)
背後は漆黒に染まり、少なくとも、行くべきではない……そう感じるだろう。前を向けば、そこは規則正しい間隔に建てられた柱を臨む通路だ。
見える限りでは一本道だろう。なんにせよ立っていてもどうにもならないということはわかっている、進むだろう。
進んでいくとやがて、柱に蝋燭がかけられるようになる。僅かな灯だが、足元を確かに照らしてくれている。
まだ延々と柱は続いているが、道から外れ、柱の方へ寄ると、柱より奥は水に満ちていることに気付く。

水に<目星>:暗がりのせいで断言はできないが、薄汚れているように見える。
水に<聞き耳>:ほんの僅かに塩と鉄の臭いがする。
水に<博物学>:検査できているわけではないので、断言はできないが、海水にヘドロのようなものが浮かんでいるのだろうと思う。

周囲に<目星>:通路の先に蝋燭よりも明るい何かがあることに気付く。
周囲に<聞き耳>:柱の向こう(水)から時折水滴ではない水音がすることに気付く。

奥に進んでいくと、ランプが天井からいくつか吊り下げられている小部屋のような空間にたどり着く。
そこは乱雑としている。本があたりに散らばり、石畳の床にはチョークで書いたのだろう何かの計算式や、円形の何かが書かれている。
何人かが座れるような木製のベンチがあり、傍の大きなテーブルの上にも書類らしきものが散らばっている。
奥には扉が一つあり、柱は一度途切れる。

周囲に<目星>:特筆するようなものはないが、石でできた壁、床には罅が見受けられ、何か緑色のものが張り付いているところもある。
周囲・本に<目星>、<図書館>:一つだけタイトルのつけられた丁寧な装丁の本を見つける。

テーブル・ベンチに<目星>:テーブルやベンチに灰色のヘドロのようなものが付着していることに気付く。
テーブル上に<目星>もしくは<図書館>:散らばっていた書類を順番通りにまとめることができる。

床の数式に<物理学>、<博物学>:数学の解き方で問題なく解いていくことができるが、なぜか延々と計算が続いていくばかりで、終わりが見えずに困惑を覚える。(1/1d3)
床の円形に<芸術>、<目星>:完璧な円形を形作っているように見えるが、よく見ると線が時折ブレていて、線を引いた際の迷いが伺える。
床の円形に<オカルト>:魔法陣の類であることがわかる。たぶん習作で、効力はないだろうと察する。
床の円形に<クトゥルフ神話>:水生系の神話系生物の召喚の儀式に使うものでは?と考える。

ヘドロに<化学>:ヘドロからメタンガスのような臭いを感じ取れる。
ヘドロに<オカルト>:ヘドロの何か都市伝説のようなものをふと思い出すが、詳しいことは知らない。
ヘドロに<クトゥルフ神話>:「クトゥルフの奴隷」という単語が頭を過った。

床、壁の罅に<目星>:水が染み出ているように見える。
床、壁の緑に<目星>:苔のような何かに見える。
床、壁の緑に<生物学>、<博物学>:藻や海藻の類だと思う。


〇本
周囲・本に<目星>、<図書館>で見つけることができる本。タイトル「うみのなかまたち」
中身は絵本のように幼稚な絵ばかりで、
魚のような人型のものが、大きな魚の人型に向かって、人を持ち上げているような絵。
大きな魚の人型がタコのような頭部のものに跪く絵、タコのような頭部の周囲に群がるスライムのようなものたちの絵、
サメのような、どこか蛇染みたような……水生らしい大きな生物の絵、広く、暗いどんよりとした海の絵などが見受けられる。


〇テーブルの上の書類
テーブル上に<目星>、<図書館>で順番通りに直すことができる書類。以下抜粋。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・ヘドロ化
基準値に達した信者のみに可能
肉体を変化させることにより半永久的に活動可能であり、海の同胞を見ても動揺しなくなる。
逆に人がこのヘドロを見ると時折発狂する者もいる。
計画としては私を除く全信者のヘドロ化をもってこれを完了とする。

・神殿の水域について
水域にはサメを呼び寄せる。

・招来について
ヘドロ、私が中心となるものであるが、確実にするためには、
―同胞を呼ぶこと
―新たに人員を揃えること
が重要かと思われる。
人員に関して自我を擁している必要はなく、ただ呪文を唱えるように洗脳等加えればよいだろうと推察。
出来得る限り、才能を持った者がよい。またその中からヘドロに耐えうる人材がいるなら昇華させる。

・受け皿について
我らが主の意志は確かに我々に送られているはずなのだが、ここにいる誰もが断片的にしかそれを受け取れていない。
これを全て完璧に受け取れる受け皿が必要である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ある程度小部屋を探索し終えると、探索者の意識は扉の向こうに行くだろう。


<ヘドロたちの資料室>
扉の向こうも相変わらずの静寂である。扉を開けば、変わらずの柱の風景が続くばかりで、どこかループしているような気分に陥る。
だが、静寂の中にも僅かに音を聞き取ることができた。はっきりとした水の跳ねる音だ。
水族館などではよく聞ける、水生動物が水面に背びれを出して泳いでいるような、そのような水を切るようなスーッという音である。
探索者がイメージするのは、サメか、イルカか、それともシャチか。どれにしても、何かがいるという確信は得られる。
(以降、水域に近づいた際、幸運失敗でサメが現れる。目星に成功した場合その姿をはっきりと見てしまい、0/1。
 水に飛び込むようなことがなければ、サメは探索者には気づかずに悠々と泳いで消え去る)
柱の通路を照らすのは変わらず蝋燭のみで、ほの暗い。

通路先に<目星>:なにか蠢いているように見える。
通路先に<聞き耳>:引き摺るような音と、ぐちゅぐちゅというような音に混じって何か言葉の発音をしているような、そんな音が僅かに聞こえる。

先に行くと、今度は大広間のような空間に出る。奥に扉が一つと、周囲を見回せば本棚が並ぶ。本棚はガラス戸になっていて、湿気を少しでも排除するような作りになっている。
そこには灰色のでっぷりとした人型のような塊がいくつもいて、探索者がふらりと現れると彼らは黄色く小さな目を向けるだろう。(1/1d8)
彼らは探索者を一瞥するが、襲い掛かるような行動は見せず、思い思いの行動をしているようである。もしこれで探索者が発狂したら、宥めてくれるようなものも中にはいるだろう。
それでも戦闘行為に及ぶようなことがあれば、以下ステータスに乗っ取って処理をする。
元は人間であり、ある程度技能は人間時と共通であるため、極端に「ヘドロ」であることを阻害しない技能であれば使用可能である。

*クトゥルフの奴隷 HP16 MP10 SAN 該当なし db+1d4
STR 15 CON 15 POW10 DEX 5 SIZ 17 INT13 EDU ランダム(〜21ほど)
かぎ爪 30% 1d6+2+db
再生 1ラウンドごとに1d6回復

基本的にクトゥルフの奴隷は戸棚を開き、つたない手で本を捲っていたり、談笑している。
もし話しかけるようなことをするなら、吐き気を催すような薄汚さを思い起こさせる声で返答してくれる。

〇答えてくれること
・ここは我々の神殿である
・君は人員だろう
・もう一人、受け皿として新たに連れてこられた者がいる
・水域には近づかない方がいい
・これより先は神域であり、我々でもそう簡単には入れない
・書類上の「私」は未だ人として健在していて、この先に居る
・我々の目的は海の神の目覚めである
・出入り口は探索者がやってきた方向の先である
・だが身一つでは出ることはできない、海の中にここは存在しているためだ
・神域には神の像がある、それを一度でも触れると心に根付く
・根付いたそれを排除する方法は知らない、我々には必要ないからだ


クトゥルフの奴隷をここから連れ出すことはできない。

本棚に<図書館>、もしくはクトゥルフの奴隷に重要な書物の閲覧を希望する:深い青の本が出てくる。
周囲に<目星>:何か漢字が立て並ぶ巻物を読んでいるものがいるだろう。(ルルイエ異本、巻物の中国語版)


〇本
資料室のうちの一冊。誰かの手記か何かのようだ。以下抜粋。
――――――――――――――――――――――――――――
海の下に場所を作って頂いた。今後はここを拠点とする。
この場所を出入りするのは海の同胞と我々だけにする。

先日、一般人が波に浚われ迷い込んできたことを鑑み、鍵をかけることが急がれた。
次の会議はその鍵が議題となる。

鍵の製造を任された。
何か、身に着けて居られるものの方がいいだろうか。

アンクレットにすることにする。これを身に着けるように命を出して頂く。
この形状なら海の同胞の行動を阻害することもないだろう。

完成した、デザインもなかなかに好評である。
正しく言えば、持っている者に効果があるわけではなく、アンクレットから5m内にいる者ならともに地上へ連れていける。
これならもし鍵をなくした不届き者がいても連れてきてやれるわけだ。

鍵を配布した。ヘドロになったものたちは自分たちなりに上手く所持しているようである。
使用法は身に着ける、もしくは、5m以内に置いて海水に飛び込み、息を吐きだせばよい。
――――――――――――――――――――――――――――
クトゥルフの奴隷たちにこの「鍵」の話をすると実際に見せてくれるかもしれない。青いガラス玉と白い貝殻の案外かわいらしいデザインのアンクレットだ。


探索者が先に進もうとすると、流石にヘドロたちも注意を促し、やめるべきだと言うかもしれない。
だが積極的に行動を阻害することはない。


<神の御前へ>
扉を開き、先へ足を踏み出すと変化に気付くだろう。変わらず柱の続く通路だが、天井にシャンデリアが吊り下げられているのである。
はっきりとした明るさに包まれて、足元にはくっきりと影が浮かんでいる。

周囲に<目星>:通路に何か点々と落ちていることに気付く。
(目星しなくとも、進んでいくと落ちているものにたどり着いていく。)

それを拾い上げれば、探し求めている人の身に着けていたものや、愛用しているものである。点々と先まで道案内するようにいくつか落ちている。
釣られるようにそれらを拾っていくと、それらが僅かに湿っぽいことに気付くだろう。
奥へ奥へと進むと、人の声が聞こえるようになってくる。それは知らない男の声であり、実に愉快そうだ。

「最高の受け皿だね君は!神の意志をここまで受け取りながら、実に恍惚とその甘美な夢に溺れているじゃないか!」

その声に歩みは早まるだろう。

「私に教えてくれ、正しき神の意志を。受け皿たる君には鍵と共に、像とはいえ神の腕に抱かれるという素晴らしき権利が与えられているのだから、
君は受け皿たる義務を全うせねば、さあ、司祭に言葉を告げよ、巫女になりし受け皿よ」

そうしてたどり着いた神域。そこには天井に届かんばかりの巨大な大理石で出来たタコのような触手が無数に生えた頭部、蝙蝠のような巨大な羽根、かぎ爪のついた手を持つ像が鎮座している。
その前には高らかな笑い声をあげる男の背と、像の頭部の触手に絡めとられるようにして目を閉じる、探していた人の姿があった。(1d3/1d20)

触手に絡めとられるようにして目を閉じていたNPCはどこか高熱に苛まれるように身悶えながらも、その口からはか細い声を零している。
それは言葉のように聞こえるが、やがて―――例えるならば、激しい情事に喘いでいるような、鮮烈な快楽に身を置いているようなそれであると、探索者は狼狽えるだろう。(0/1)
時折仰け反ったり、動ける範囲で己の体を抱きしめている様を見て、目を逸らす、逆に目を離せなくなる、原因であろう男を睨みつける―――
探索者の行動には何一つ関係なく、男は探索者の気配を感じ取り、振り返る。
「やぁ、どなたかな。君はもう少しおとなしくしていてくれ給えよ、まだ人員は揃っていないのでね!」
と笑顔で男はそう話す。

男に<目星>:服のポケットから手帳らしきものが覗いている。
男に<精神分析>:一見は正常そうだが、はっきりとネジが外れたように狂っていると察してしまう(0/1)

周囲に<目星>:よく見ると、像の周囲には幾人も人が転がっている。彼らの足にはアンクレットはついていない。
人に<医学>、<応急手当>、<心理学>、<精神分析>:どうやら自失させられているらしい。目には光がなく、倒れたまま虚空を見つめている。(1/1d3)

NPCに<目星>:素足の右首にアンクレットがつけられ、左足には縄が巻き付けられている。その縄は男の左手の中に続いている。
NPCに<聞き耳>:熱に帯びた声を発している。
NPCに<医学>:怪我はない。だが何らかの原因によって発熱しているだろう様相だ。
NPCに<薬学>:NPCの様は、どこか麻薬類を使用したような、そんなようなものに見える。

「さて君にも心を捨ててもらおうかね。なんだその目は、ああ…?ああ、ああ、そうか、君、そういえば、ああ、ああ、そうかそうか」
「君、受け皿の関係者だったね?ん?ああ、……そもそも、君は人員として収集した覚えもない。ああ、勝手に入ってきたか?それはそれは才のある方だ」
「だがなあ、それは人員として成り立つのかね。どうかね、受け皿よ」
そう一頻り話すと男はまたNPCを振り返る。NPCは変わらず熱に浮かされている。
「ああ、受け皿はだめだな。神の熱に溺れているところだ、なかなかに煽情的でよいな。神に触れられるというそれは如何に甘美か、私は味わえぬわけだが、まあよい」

『あ、あ、――――――つめたい、つめたい、さむい、さむい、――――――ここは、いや、つめたい、でも、おかしい、きもちい、い……?
そんな、うそだ、かえりたい、かえりたい、つめたい、あつい、あつい、あつい、かえりたい、だれか、だれかたすけて、たすけて、―――』

突然声がはっきりと辺りに響く、それは確かにNPCの声である。浮ついた熱のなかで身悶えている。
いやだ、つめたい、あつい、と繰り返したその声が、はっきりと、やがて、探索者の名を呼んだ。
「………君は殺すべきのようだ」
男はそう結論付けて、探索者に振り返る。


司祭の男 HP10 MP14 SAN ?? db±0
STR 10 CON 8 POW 14 DEX 12 SIZ 13 INT 16 EDU 17
こぶし 50% 1d3
短杖 30% 1d6
回避 20%
呪文 クトゥルフのわしづかみ(ルルブp256)
基本的にはクトゥルフのわしづかみでSTRを奪い、動きをある程度弱めてから袖口から短杖を出し殴る、という戦法を取る。
STRを6以下ほどにされると自力で歩くのも難しくなってくる。できれば6以下になるまで呪文に固執する。MPが途中でなくなった場合、短杖を使う。

司祭の男との戦闘に入る前に、男は左手を高らかと上げる。背後の像がその腕に合わせるように動き、触手を釣り上げていく。
当然その触手のなかにいた受け皿―――NPCはそのまま釣り上げられ、NPCを支える触手が一本一本減っていくのが見えるだろう。
僅かな間にNPCは一本の触手に支えられる。……その触手が触れているのは首である。
熱に苦しみながらNPCはその触手を掴んで、どうにか酸素を求めてもがき始める。早くしなければ、NPCの命が途絶えてもおかしくはないだろう。
「まあ、最悪受け皿はまた探せばよいのだ」
男はそう言って短杖を袖から出し、構えるのだ。

NPCは2ターン毎にSTR(基礎値12)*5で振り、呼吸できたかを確認する。失敗した場合、-1P。
このポイントが5Pを切った場合気絶し、CON(基礎値12)*5で振り、失敗すると完全にHP0と同じ状態になる。蘇生行動されなければ死亡する。
NPCの生死に関わらず、探索者は男を殺すか気絶させるまで戦闘するだろう。なにもせず逃げた場合は後述するED分岐に記述する。
男を殺した場合、1/1d6。男が気絶、死亡すると像もするりと触手を緩め、NPCは落下する。受け止めるのにDEX*5。
受け止められなかった場合、-2Pが組み込まれる。
受け止められたNPCは探索者の顔を見て、曖昧に笑う。熱に魘されたままであり、体は火照り、指先などは長時間水に晒されたように冷たい。

司祭の男のポケットから手帳が零れ落ちていることにも気付けるだろう。

〇手帳
像に関しての私的な書き込みのようだ。その中から気になる項を発見できる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・根付いたものを取り除く術
いくつか発見したが、効力については検証中である。また効果時間が様々で、正確には測れてはいない。
単純なものから記述する。

一度殺害する
根付いていない者の体液(広義的)を接種/摂取させる
根付いた者の血液を交換する
儀式を行う
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この上記の手法のどれかを行う必要があるが、行うとすれば体液摂取だろう。広義的に体液(唾液、血液、組織液etc...)と呼ばれるものならば何でも構わない。経口摂取させれば完了。
冷えた体の先が、体温を取り戻したかのように赤らむ。


<根付きを解いて>
上記の手法を行った後。
探索者の耳は、ピシッという音を聞き取り、目は天を仰ぐ。
ピシッ、ピシッと音は連続していく。冷汗が頬を伝うだろう。天井を見た目は、大きな亀裂を見つけてしまう。
腕の中の人はまともに走れやしないし、泳げもしない。出入り口は自分が最初に立った、あの後ろだというが、不確かで、遠い。
頬に極限まで冷えた滴が、落ちてきた。
それを皮切りに天井が砕け散り、大量の水があふれ、轟音を立て浸水していく。浮き立つ潮の香に惑う暇もない。水圧に負け始めたか、次々と穴は増える。
水は床をあっさりと沈め、自失していた人々を包んでいく。浮かんでくる体は、酸素を求めて暴れ始めている。(1/1d3)
探索者の即座の決断が必要となる。

・その場から動かずにいる。
・水の浅いうちに最初の場所まで戻ろうとする。

基本的にはこの二つと思われる。他は各KPの調整を求む。


→その場から動かない:END A
その場に立っていれば、やがて水は足を取り、探索者は水中へ放り込まれる。カナヅチでもない限りは、普通に泳ぐことはできる。
NPCは高熱のため、自分からしっかりと動くことはできない。抱いて動くことになる。水はやがて、天に付き、流れ込む滝は消えていく。
穴に身を滑り込ませ、神殿の外に出た途端、探索者は体の節々に異変を感じる。水圧がかかっているのだと、圧に遠のく頭は考えることだろう。
自然と、耐えきれなくなった口が開かれ、そこから肺にため込まれていた空気が泡となって昇っていく。その先は、太陽が生み出す美しい青に染められている。
意識が暗闇に沈んでいくなか、ふと、足が地についたような、感覚がした。せめて、抱え込んだ人の背に手をまわして、摩る。熱い体は、涙が出るほど愛しい。
共にいこう。そんな思いを水のなかに溶かしながら、意識を手放した。

目が覚めれば、腕の中に重みがあること、呼吸ができていること、見知った寝台の上で、寄り添っていることに気が付くだろう。
湿った体は、真実を告げている、だがそれでも平穏を取り戻した、確かにそのことを感じているはずだ。


→最初のところまで戻る:END B
碌に動けないNPCを抱えてか、手を引っ張ってか……探索者は走る。ヘドロたちも、なにも無視してただまっすぐひたすらに。
ただ、水は容赦なくうねりながら壁を叩き、部屋を揉みくちゃにして、追ってくる。間に合わない。そう察することだろう。
せめて、と、手を取った相手を引き寄せて、抱きしめて、飲み込まれる瞬間を覚悟する。
迫った水は、激しさをもって探索者を飲み込む。荒れ狂う水の痛みに耐えながら、最期の世界を見ようと、目を開けてしまう。
視界に入った白い影。共に飲み込まれたのだろう本や、ヘドロたちが渦を巻き、その影を守る弧を作っていた。不思議な、光景だ。
その白い影は巨大な、それこそシャチなぞよりも大きい……サメの形をしているようだった。容赦なく開かれた口の中には確かに牙らしきものが立ち並んでいる。
周囲に、様々な種類のサメがやってきている。まるでこの白いサメの形をした何かに、呼ばれたかのようだ。(1d6/2d10)
食われるのか、と思った。瞬間、水圧に軋んだ体から、空気が排出されてしまった。その空気は泡となり立ち昇っていく。その先は、太陽が生み出す美しい青に照らされていた。
遠のく意識の中、抱きしめた体は熱い。
共にいこう。そんな思いを紡ぎながら、意識を手放した。

目が覚めれば、腕の中に重みがあること、呼吸ができていること、見知った寝台の上で、寄り添っていることに気が付くだろう。
湿った体は、真実を告げている、だがそれでも平穏を取り戻した、確かにそのことを感じているはずだ。


→NPC未救出で、最初のところに戻り、先に進んだ場合:END C
水圧に負け、意識をあっさりと手放してしまい、溺死する。


<ED分岐に関して>
各END報酬について記述する。

END A 「水明」
脱出:1d6
「共に」:1d8
「覚悟」:1d6


END B 「汚濁」
脱出:1d6
「共に」:1d8
「サメの父」:1d3


END C
ロスト


NPCが死亡し、探索者が生還した場合
NPC死亡:1/1d6のSANチェック


根付いたものを取り除かなかった場合
END A、Bどちらにせよ、NPCが海に行きたがり、いずれ失踪し、海に潜り溺死する。
NPC溺死:1/1d6のSANチェック


もし5m内というアンクレットの能力を利用して、倒れていた人を助けた場合。
共に帰還するが、自失状態のままである。
他NPC救助:1d3


<その他>
最後の亀裂は異変を感じ取った深きものどもに呼ばれた「すべてのサメの父」による振動のため。
元々水域を泳いでいたサメたちが出入り口から出てきていたので、「すべてのサメの父」も出入り口方面に向かっていった。
受け皿:単純にクトゥルフの夢をしっかり受信できる精神の弱かったりどうにかする人。
帰還後もNPCは高熱に魘されることになるだろうが、長時間海水に浸り、濡れたまま放置されれば当然風邪を引くわけだ。いずれ回復するだろう。
NPCの足にはアンクレットがついたままである。鍵としてのもの以外に何の役にもたたないそれをどうするかは、探索者次第だ。
NPCが死亡して探索者が生還した場合、腕のなかにいるのは遺体になってしまう。
他、その他諸々に関しては思いつきなので、自由に着色、改変して問題ない。

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