カメラ、写真に関連した漫画を紹介するWikiです。


著者たかみち
掲載誌・連載期間季刊GELATIN2009年はる号〜2010年はる号、2010年あき号
単行本ワニマガジンコミックス

 時々、ノーパソ(もしくはiPad)と無線LANとカメラだけ持って南の島に逃避行したい衝動に駆られます。沖縄の文化には元より興味を持ってましたし、わしたショップ(沖縄直送の食品やグッズを売るチェーン店)や沖縄料理屋があれば素通りせずにはおれないのが私です。そこで売られている米のジュースやレトルトのヤギ汁、あちらの素材を多用した料理もそんなに抵抗なく食べられました。泳ぐのも上手い(と言うより運動音痴の私が物になる数少ないスポーツ)ことから南国の海で泳いでみたいという思いもあります。なんて考えているうちにマジで全てをおっぽり出して旅行会社に連絡を取るところまで行きそうになるのですが現実の壁はつらいです。結局あちらから移住された方の多い場所に行くのが今は精一杯。仕事で行かせてもらうにしても、それを表明することも烏滸がましい身分ですから。

「それなら君を南国の離島に連れて行ってあげよう」
 果たして天啓か偶然の巡り合わせか、本書を手にした途端作者様のそういう声が聞こえてきました。本当はオリンパスμ-TOUGH6000に釣られて購入を決めたはずなのに。
 カメラについては後ほど改めて述べるとして、まずは漫画の解説です。舞台は沖縄県の離島の中にあるという設定の、久良慶(くらげ)島と那間古(なまこ)島で、そこに暮らす人達の日常を描いてます。ヒロインの小波間海(こはま うみ)は那間古島にあるダイビングサービスの職員で、そこのサイトに使うための素材写真を撮っていて、その間に起こる出来事が軸になってます。忘れ物を探したがっている少年と一緒に仕事現場に行き、またある日は島で一軒きりのスーパーで発注し損ねた商品を仕入れるのに船を出し、そして横浜から帰ってきた姉の陽子にはいつまでも島の空気のごとくマイペースに生きてないで目標を持って生きなさいと叱られて。自身かなり(良くも悪くも)マイペースだなと人に言われているだけに作中の空気には馴染めました。空や海の清々しい青さに引き込まれたのももちろんです。そういう南国の情景に、たかみち氏の素朴なタッチの絵や、普段着でも水着でも派手さのないデザイン(実際店長が女の子の水着姿を撮ってド顰蹙を買う一幕もありますが、単行本描き下ろしイラストという形で収録されたその写真はいやらしさのない、健康的なポートレートに仕上がってました)は良く合ってるんじゃないかと思いました。実際「コミックLO」の表紙でも人気は高い方ですし。

 登場するカメラは海のμ-TOUGH6000の他に、那間古島に観光に来た客の富士ファインピックスZ33WP、ダイビングサービス店長のキヤノンEOS5Dが登場してます。カメライラスト集に両方寄稿されて、カメラ本体や女の子とのバランスもきちんと考えて描かれていただけに描写はしっかりしてます。潜ることも考えて防水デジカメを出したのもいいですし、後にサイトに使われることになる、海が撮った覚えのないカットや、店長が店の宣伝のための写真に込めたテーマ、観光客が海中に落として、海が拾ったデジカメにちょっとした悪戯を仕掛けたりなど、カメラにまつわるエピソードも丁寧に描かれていて良かったです。カメラ好きならこれだけでも買う価値は十分ありましょう。

 人気の絵描きさんだけにアキバBlogせなか:オタロードBlogでも伝えられている通り、発売日には漫画専門書店で大陳展開がされていました。たかみち氏のファンやカメラ好きだけでなく、漫画の中で南国を体験したいというだけでも十分お勧めの一冊です。この寒い冬、気持ちだけでも今も温暖な離島で暮らすことができたなら。

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