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細胞と細胞の染色についての簡単な理解




真核細胞の構造は、図のようにざっくりと示されます。核(Nucleus)を持ち、形質膜(Plasma Membrane)(または細胞膜(Cell Membrane))に囲まれています。その中に微小管(Microtubules)アクチンフィラメント(Actin Filamentis)などによる細胞骨格構造があり、ミトコンドリア(Mitochondria)細胞質(Cytoplasm)小気胞(Vesicles)小胞体(Endoplasmic Reticulum)ゴルジ体(Golgi Apparatus)などが含まれています。
これらの細胞内に発達した独自の働きを持つ組織を細胞小器官(Organelle)と呼びます。

プロジェクト・ディスカバリーでは、細胞の構造を3色に染色しています。

青色に染色されている部分が、細胞の核(Nucleus)にあたる部分です。




赤色に染色されている部分が、細胞骨格の構造にあたります。核外部でほぼ細胞全体に広がる細胞質の染色(赤色)に関連する部分です。




青と赤で染色された部分を見ることで、細胞のざっくりとした形が把握できます。形質膜(細胞膜)は見えませんので、大体です。
これに加えて表示する緑色に染色されている部分が、上で触れた何かしらの細胞小器官(Organelle)になります。




プロジェクト・ディスカバリーにおいては、この緑色の部分つまりは細胞小器官(Organelle)がどのような役割を持ったものかを、核や細胞骨格の構造と比較しながら特定していくことが目的になります。
細胞構造をざっくりと把握した上で、細胞小器官が以下のどの部分に見えているかを判定します。

1.核(青色で示される核内部)
2.細胞質(赤色で示される細胞骨格の内部、つまりは細胞内に満ちる細胞質(内部)全体)
3.外縁(赤色で示される細胞骨格の外部、細胞の外側)

それぞれのカテゴリーの特徴を掴んでいきましょう。

1.核

核内部の染色(青色)に関連する部分です。細胞の質量の大部分を占める核は、大きな球体のように見えます。青色のマーカーには濃淡はありませんが、ところどころが黒く穴のように見える場合があります。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー内部、または外縁部に関連しているのでそこらへんに注目しましょう。

緑色の細かく小さなマーカーが青色のマーカーに重なっており、均一に染色されます。つまり青色と緑色を切り替えながら表示させてみると、青色のマーカーで表される範囲内に緑色のマーカーがほぼ均一に分布しているのがわかると思います。
核質と比べるとこちらは点の集合で均一であり、あちらはのっぺりとしていたり点の集合だったりしますが内部に黒い影(核小体)があります。比較的わかりやすいカテゴリです。

選択すると核質が選択不能になります。




核質

核質は核小体(少数の細長い円形の小さな物体)以外の全ての細胞物質を覆っており、青いマーカーと重なっています。青色のマーカーのみで表示させたときに見える黒い穴(影)が核内部にある核小体(nucleolus)という分子密度の高い領域です。青色のマーカーと緑色のマーカーを切り替えて表示すると、その二つがただの色違いに見えるほど緑色の点の密度が高いのが核質の特徴です。のっぺりとした色でわかりやすいこともありますが、中にはのようにやや(核質にしては)密度の低い点の集合である場合があります。その場合、内部に核小体を持っているかどうかで判定しましょう。均一でない(核小体を含まない)のが核質の特徴です。

選択すると、核小体核小体(縁)核小体(原繊維中心)が選択不能になります。




核小体(少数)

核を示す青色のマーカー内部でごく少数(5つ以下)の緑色のマーカーが確認できるカテゴリーです。核小体と名前の付くカテゴリーはいくつかありますが、これはPML体という0.5ミクロンほどの小さな構造のことをさしています。無印の核小体の構造と見比べると、その小ささがわかります。明確に見えている緑色のマーカーが小さい+数が少ない(密集していない)を判断基準にしましょう。

サンプル画像の4つめはよりぼんやりと緑色の小さい点状構造が存在して数が若干わかりにくいです(核スペックルか何かが反応している?)。これが核小体(少数・多数)のサイズだ、という大きさを覚えていくと判定しやすいと思われます。

選択すると、核小体(多数)が選択不能になります。




核小体(多数)

核を示す青色のマーカー内部で多数(6つ以上)の緑色のマーカーが確認できるカテゴリーです。核小体と名前の付くカテゴリーはいくつかありますが、これはPML体という0.5ミクロンほどの小さな構造のことをさしています。無印の核小体の構造と見比べると、その小ささがわかります。明確に見えている緑色のマーカーが小さい+数が多い(かつ密集していない)を判断基準にしましょう。

選択すると、核小体(少数)が選択不能になります。




核スペックル

核を示す青色のマーカー内に存在する緑色のマーカーがヒョウの斑点模様にも似たまだらな状態に見える構造を持っているものです。この核内物質はこれで1つの構造ではなく、20〜50個の点状の構造がほどよく密集することによって作られています。つまり、隣のマーカーと重なったりすることによってまだら状に見えるわけです。性質上均等に並んでいるわけではありません。不均質というのがひとつのキーワードです。独特なので比較的わかりやすい構造です。




核小体

核を示す青いマーカー内部にある小さな幾分細長い円形の物体です。小さいといっても他の構造体と比べるとかなり大きく、はっきりと示されています。また、青色のマーカー上で緑色のマーカーを切り替えながら表示すると、青色のマーカー内に見える穴(影)と重なって表示されるのが特徴です。

選択すると、核質が選択不能になります。




核小体(縁)

核を示す青いマーカー内部にある小さな幾分細長い円形の物体核小体の外縁がはっきりと染色されているケースです。核小体は小さいといっても他の構造体と比べるとかなり大きい上、縁が染色されるという独特の形状になるのでかなりわかりやすいです。核小体であるかどうかを判定する条件に、青色のマーカー上で緑色のマーカーを切り替えながら表示すると青色のマーカー内に見える穴(影)と重なって表示されるというものがあるのも思い出しておきましょう。

選択すると、核質が選択不能になります。




核小体(原線維中心)

核を示す青いマーカー内部にある小さな幾分細長い円形の物体核小体。核小体の内部は、円形になった繊維状部分とその周囲の顆粒状部分に分けられます。このカテゴリーで判別される染色部位はその繊維状部分の中心です。細胞分裂後に核小体の再形成に関わる部分になります。
このカテゴリーは、まず核小体の領域を判別する必要があります。青色のマーカー内に見える穴(影)が核小体の部分なので、青色のマーカー上で緑色のマーカーを切り替えながら表示すると緑色の小さな点状の構造が青色マーカーの穴の内部にまとまっているのがわかります。

選択すると、核質が選択不能になります。




核膜

核を示す青いマーカーの外周、つまり細胞内で核を形作る膜状の物質が緑色に染色されるケースです。青色のマーカー上で緑色のマーカーを切り替えて表示するとはっきりと外周が緑なのがわかるので、非情にわかりやすいケースです。






2.細胞質

細胞質は核以外のほぼ細胞全体に広がっています。赤色の染色で表される細胞骨格が、おおまかに細胞の形を決定し、同時に細胞質の範囲を教えてくれます。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー(核の染色)を含みません。また、外周部は違ったゾーンに含まれるので注意して観察しましょう。

細胞質

これは核以外の細胞領域を覆う細胞質が染色されたケースです。赤色のマーカーと緑色の細かい粒状のマーカーはほぼ重なっており、青色のマーカーで示される核の部分には見ることができません。核の方に行くにしたがって密度が増し、色が濃くなるケースが多いので特徴として覚えておきましょう。




アグリソーム

アグリソームはタンパク質の凝集体構造です。微小管で構成される細胞骨格の中心部(どこがとは言えないが、核の近傍かつ細胞骨格の穴となっている(黒く見える)部分)に運ばれて蓄積されるため、青色のマーカーのすぐ外側に固まった緑色のマーカーを見ることができます。赤色のマーカーと重ならないため微小管形成中心とは区別されます。




ミトコンドリア

有名なこのミトコンドリアは、幅0.5ミクロン、長さは1〜10ミクロン程度の楕円形から紐状まで広い形状を持つ細胞小器官です。パスタ状、などと表現されています。二重の膜で覆われ、内側の膜が内部に向けて突出しているという独特の形ですが、染色上でそこまで確認できるものは稀でしょう。ミトコンドリアは細胞全体に存在します。赤色のマーカーで示される細胞骨格構造に絡まるように緑色のマーカーが表示されており、それが球状〜紐状に見えるかどうかが判定を分けます。




棒および輪

非情にアバウトなカテゴリであるこれは、その実ある程度見分けやすいです。赤色で示されるマーカー内に、棒状だったり輪状だったりする構造物がポツンとあるからです。輪は棒が丸まって見えるものであると思われます。一体これは何なのか?それはこれからの分析を待つとしましょう。




細胞骨格(中間フィラメント)

中間(径)フィラメントは、文字通り微小管(赤色のマーカー)とアクチンフィラメントの中間の太さを持つことに由来する細胞骨格のひとつです。繊維状のタンパク質がより合わさってできており、細胞核の形を保つ働きなどを行います。
画像を見るとわかるように微小管(赤色のマーカー)とは微妙に重なっておらず、ときおり核の周囲に密集して濃い色の緑色のマーカーとなっているのが特徴です。




細胞骨格(微小管末端)

微小管(赤色のマーカー)の先端や中央に重なっている短いらせん状の構造です。先端のみが染色されていることもありますが、中には全体的に緑で末端部分だけが濃く太くなっていることもあります。赤色のマーカーと緑色のマーカーを切り替えながら、どのあたりに集中的に色がついているかを見極めて判定しましょう。




細胞骨格(微小管)

細胞骨格の中でも微小管は比較的大きく、紐状の物質で細胞核の周りに絡まるように存在します。染色では必ず赤色のマーカーとして表示されています。このカテゴリとして微小管が来るということは、微小管は赤色に加えて緑色にも染色されているということです。
赤色と緑色のマーカーが完全に重なり合って表示されるので、同時に表示させると色が混ざって橙色〜黄色〜黄緑色に表示されます。
とてもわかりやすいカテゴリです。




細胞骨格(アクチンフィラメント)

多数のアクチンがらせん状に重合した糸状の物体をアクチンフィラメントと言います。今回の染色ではアクチンフィラメントは細胞の輪郭あたりに主に存在し、細胞膜と平行に直線状の長い繊維質として表示されます。
中には細胞全体に表示されるものもありますが、いずれも直線で長くみえるので判別しやすいです。まるでゴッホのようなタッチに見えます。




細胞骨格(細胞質分裂の際の橋状構造)

細胞が分裂していく際、細胞がまだくっついている部分は今にも切り離されようとしているために内部の細胞骨格も密集した状態になります。この状態で染色されると、赤色のマーカーで示される微小管が密集して細胞間にかかる橋状に見えます
画像で見ると一目瞭然です。橋状構造のちょうど中心あたりに緑色のマーカーが存在することもあります。




微小管形成中心

細胞全体に広がる微小管は、中心体と呼ばれる細胞小器官に付着し、そこから伸びて広がっています。微小管形成中心と中心体は同じ場所をさすのですが、このカテゴリに属するものは中心体に付着している短い微小管の集まりのあたりをあらわしているようです。
アグリソームと異なり、核に重なっている場所にあることがあります。また微小管の話なので赤色のマーカーに重なっています。また微小管を示す赤色のマーカーだけを表示してみると、細胞核がある部分や細胞核の外周あたりに、微小管がそこから広がっている(微小管の中央)・・・というような印象を受ける箇所が見つかることがあります。そのあたりをヒントにした上で、示しているのが中心体か微小管形成中心かを判断しなくてはいけません。
中心体と異なるのは、形成される微小管をメインにしているので輪郭がぼやけた緑の線の集合体として表示されることです。




中心体

中心体は細胞にひとつしかなく、微小管を形成する始点となる細胞小器官です。内部は中心小体という直角に交差する構造物からなっており、今回染色されているものもそこを示すことがあります。
まず中心体は上に示す微小管形成中心と同じものなので、微小管を示す赤色のマーカーを頼りに微小管の中央を発見しましょう。
微小管形成中心とは異なり、ぼやけた感じではなく点、または二重の点(中心小体)として表示されます。アグリソームと異なり、赤色のマーカーであらわされる微小管に重なっていることが多いです。
(直角に交差しているっぽいのが一番わかりやすいのは4番目の画像です)




小胞体

小胞体は細胞核を包む膜状の細胞小器官です。細胞核の外周あたりから細胞膜(細胞の外側)に向けて網状に広がっています。小胞体は薄いものではなく内部にイオン物質等を貯蔵したりする役割を持つのでこのような荒い網状に見えるようです。
性質上均質に見える細胞質の染色とはこの独特の形状によって大まかに区別できます。




ゴルジ装置

ゴルジ体、またはゴルジ複合体とも呼ばれる細胞小器官のひとつで、中空の平たい円板状の小胞が何枚も重なった構造をしています。主に細胞核の周辺にあるか、細胞核に重なっています。緑色の粒子、というか紐のようなものが密集しているのでなんとなく形はつかめます。というかゴルジ装置の形はかなり多様なので、ざっくりと特徴を把握し、広く捉えることが重要です。
粒が密集した形から、ドーナツ状にくっついたものまで様々ということですね。
ミトコンドリアやアグリソームと見間違えないようにしましょう。




小気胞

小気胞(Vesicles)は、二重の膜と内部に向けて伸びる緒のようなものを持つ細胞小器官です。液体や様々なものを貯蔵したりする役割を持っているようです。緑色で示されるマーカーで見ると、とても明るくはっきりとした点として表されます。細胞内に均質に広がっているか、あるいは細胞核の側に固まって表示されます。ただし、細胞核の内部に見ることはできないようです。
画像で見ると疑惑の判定のマーカーがありますので、明るい点が均等に広がっている・・・というあたりから特徴を見分けるのがよさそうです。






3.外縁 細胞の外縁および外側の染色に関連

細胞構造の外側、というか外周部の特徴に関わるカテゴリーです。明確に細胞膜が示されているわけではないため、若干わかりづらいものもあります。

接着斑

細胞同士や、細胞(細胞骨格)と細胞外の構造を結びつける役割を持った小器官です。赤色のマーカーで示される細胞骨格(≒細胞のかたち)の外側に表示される短い紐のような染色になるので、形としては特徴的なものになります。
ごく少数存在するものから、アイドルのライブ会場のように見えるものまで多種存在するようです。




細胞間結合

生物が多くの細胞でできている以上、細胞は独立して存在することはできません。細胞同士や細胞外の構造・組織は互いに結びついています。それを行うのが上に示した接着斑などだったりするわけですが、このカテゴリーは実際に細胞間が結合している部分にのみ絞った染色となっています。
細胞膜、細胞の外周部、または画像内には複数の細胞が写っているのでその細胞が隣接している部分などに注目して観察してみましょう。そこに緑色で示されるマーカーが細胞や何かをつなぐように表示されていたらビンゴです。




原形質膜

本来の細胞膜ははっきりとした形を持っているものですが、この原形質膜は非情に流動的であり、赤色のマーカーで示される細胞骨格(微小管)の外側までのっぺりとした質感を持って広がっています。また、細胞の外側に、細胞を包み込むように存在することもあります。いずれにしても細胞全体にはっきりと表示されるので、わかりやすいカテゴリーになります。






4.その他

生物の組織の多様なたんぱく質パターン、細胞同士が異なる様相を見せるものを見分けるカテゴリーです。

細胞同士の差異

画像に写っているいくつかの細胞は、通常は同じ染色パターンを示します。しかしサンプルにあるように、明らかに細胞間で明度、緑色のマーカーの数などが異なったりする場合はこのカテゴリーを選択してください。






5.同定不可能

染色が確認できないカテゴリー、または染色パターンを識別できないカテゴリーです。

染色なし

画像の中に緑色のマーカーがまったく見られないパターンです。うっかり緑色をオフにしていないか、オンオフして確認しましょう。
また、画像によっては緑色の薄いマーキングがある場合があり、疑惑の判定に注意が必要です。




同定不可能

これは非情にあやふやなカテゴリーです。特殊なサンプルと何が違うのかというと、このカテゴリーは有意なパターンを見出すことができなかったものです。細胞全体が均一に染色されていたり、細胞外が染色されていたり、あるいは細胞核と細胞質部分がまとめて染色されていたりします。






特殊なサンプル

ごく稀に、画像の中に何か意味がありそうなパターン、しかしどのカテゴリーにも分類できないもの、が現れることがあります。同定不可能と違うのは、はっきりと何か意味がありそうなのにしかし分類できないというところです。
これは、ただの気の迷いである可能性もありますが、現在カテゴリーに入っていない新たな特徴を発見したのかもしれません。仮にそれが新しいカテゴリーとして認められるものであれば、将来的にプロジェクト・ディスカバリーのカテゴリーに追加されることもあるかもしれません。それはまさしく、新しい科学的な発見があったことを示しています。



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