最終更新: quote_mraz 2016年05月04日(水) 04:54:47履歴
真核細胞の構造は、図のようにざっくりと示されます。核(Nucleus)を持ち、形質膜(Plasma Membrane)(または細胞膜(Cell Membrane))に囲まれています。その中に微小管(Microtubules)やアクチンフィラメント(Actin Filamentis)などによる細胞骨格構造があり、ミトコンドリア(Mitochondria)、細胞質(Cytoplasm)、小気胞(Vesicles)、小胞体(Endoplasmic Reticulum)、ゴルジ体(Golgi Apparatus)などが含まれています。
これらの細胞内に発達した独自の働きを持つ組織を細胞小器官(Organelle)と呼びます。
プロジェクト・ディスカバリーでは、細胞の構造を3色に染色しています。
青色に染色されている部分が、細胞の核(Nucleus)にあたる部分です。
赤色に染色されている部分が、細胞骨格の構造にあたります。核外部でほぼ細胞全体に広がる細胞質の染色(赤色)に関連する部分です。
青と赤で染色された部分を見ることで、細胞のざっくりとした形が把握できます。形質膜(細胞膜)は見えませんので、大体です。
これに加えて表示する緑色に染色されている部分が、上で触れた何かしらの細胞小器官(Organelle)になります。
プロジェクト・ディスカバリーにおいては、この緑色の部分つまりは細胞小器官(Organelle)がどのような役割を持ったものかを、核や細胞骨格の構造と比較しながら特定していくことが目的になります。
細胞構造をざっくりと把握した上で、細胞小器官が以下のどの部分に見えているかを判定します。
1.核(青色で示される核内部)
2.細胞質(赤色で示される細胞骨格の内部、つまりは細胞内に満ちる細胞質(内部)全体)
3.外縁(赤色で示される細胞骨格の外部、細胞の外側)
それぞれのカテゴリーの特徴を掴んでいきましょう。
核内部の染色(青色)に関連する部分です。細胞の質量の大部分を占める核は、大きな球体のように見えます。青色のマーカーには濃淡はありませんが、ところどころが黒く穴のように見える場合があります。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー内部、または外縁部に関連しているのでそこらへんに注目しましょう。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー内部、または外縁部に関連しているのでそこらへんに注目しましょう。
核質は核小体(少数の細長い円形の小さな物体)以外の全ての細胞物質を覆っており、青いマーカーと重なっています。青色のマーカーのみで表示させたときに見える黒い穴(影)が核内部にある核小体(nucleolus)という分子密度の高い領域です。青色のマーカーと緑色のマーカーを切り替えて表示すると、その二つがただの色違いに見えるほど緑色の点の密度が高いのが核質の特徴です。のっぺりとした色でわかりやすいこともありますが、中には核のようにやや(核質にしては)密度の低い点の集合である場合があります。その場合、内部に核小体を持っているかどうかで判定しましょう。均一でない(核小体を含まない)のが核質の特徴です。
選択すると、核、核小体、核小体(縁)、核小体(原繊維中心)が選択不能になります。
選択すると、核、核小体、核小体(縁)、核小体(原繊維中心)が選択不能になります。
核を示す青色のマーカー内部でごく少数(5つ以下)の緑色のマーカーが確認できるカテゴリーです。核小体と名前の付くカテゴリーはいくつかありますが、これはPML体という0.5ミクロンほどの小さな構造のことをさしています。無印の核小体の構造と見比べると、その小ささがわかります。明確に見えている緑色のマーカーが小さい+数が少ない(密集していない)を判断基準にしましょう。
サンプル画像の4つめはよりぼんやりと緑色の小さい点状構造が存在して数が若干わかりにくいです(核スペックルか何かが反応している?)。これが核小体(少数・多数)のサイズだ、という大きさを覚えていくと判定しやすいと思われます。
選択すると、核小体(多数)が選択不能になります。
サンプル画像の4つめはよりぼんやりと緑色の小さい点状構造が存在して数が若干わかりにくいです(核スペックルか何かが反応している?)。これが核小体(少数・多数)のサイズだ、という大きさを覚えていくと判定しやすいと思われます。
選択すると、核小体(多数)が選択不能になります。
細胞質は核以外のほぼ細胞全体に広がっています。赤色の染色で表される細胞骨格が、おおまかに細胞の形を決定し、同時に細胞質の範囲を教えてくれます。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー(核の染色)を含みません。また、外周部は違ったゾーンに含まれるので注意して観察しましょう。
このゾーンに属するカテゴリは、青色のマーカー(核の染色)を含みません。また、外周部は違ったゾーンに含まれるので注意して観察しましょう。
細胞全体に広がる微小管は、中心体と呼ばれる細胞小器官に付着し、そこから伸びて広がっています。微小管形成中心と中心体は同じ場所をさすのですが、このカテゴリに属するものは中心体に付着している短い微小管の集まりのあたりをあらわしているようです。
アグリソームと異なり、核に重なっている場所にあることがあります。また微小管の話なので赤色のマーカーに重なっています。また微小管を示す赤色のマーカーだけを表示してみると、細胞核がある部分や細胞核の外周あたりに、微小管がそこから広がっている(微小管の中央)・・・というような印象を受ける箇所が見つかることがあります。そのあたりをヒントにした上で、示しているのが中心体か微小管形成中心かを判断しなくてはいけません。
中心体と異なるのは、形成される微小管をメインにしているので輪郭がぼやけた緑の線の集合体として表示されることです。
アグリソームと異なり、核に重なっている場所にあることがあります。また微小管の話なので赤色のマーカーに重なっています。また微小管を示す赤色のマーカーだけを表示してみると、細胞核がある部分や細胞核の外周あたりに、微小管がそこから広がっている(微小管の中央)・・・というような印象を受ける箇所が見つかることがあります。そのあたりをヒントにした上で、示しているのが中心体か微小管形成中心かを判断しなくてはいけません。
中心体と異なるのは、形成される微小管をメインにしているので輪郭がぼやけた緑の線の集合体として表示されることです。
ごく稀に、画像の中に何か意味がありそうなパターン、しかしどのカテゴリーにも分類できないもの、が現れることがあります。同定不可能と違うのは、はっきりと何か意味がありそうなのにしかし分類できないというところです。
これは、ただの気の迷いである可能性もありますが、現在カテゴリーに入っていない新たな特徴を発見したのかもしれません。仮にそれが新しいカテゴリーとして認められるものであれば、将来的にプロジェクト・ディスカバリーのカテゴリーに追加されることもあるかもしれません。それはまさしく、新しい科学的な発見があったことを示しています。
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これは、ただの気の迷いである可能性もありますが、現在カテゴリーに入っていない新たな特徴を発見したのかもしれません。仮にそれが新しいカテゴリーとして認められるものであれば、将来的にプロジェクト・ディスカバリーのカテゴリーに追加されることもあるかもしれません。それはまさしく、新しい科学的な発見があったことを示しています。
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