アランツァの世界（FT書房ゲームブック）

都市（ラドリド大陸　第二期）
・蜥蜴都市　シァアレ

　　なりたち
　シァアレがどのように誕生したのか、正確な情報はあまりない。
　少なくとも300年代には文献に登場し、ドラッツェンやレラヴィリアとしばしば戦争状態にあったという。
　赤錆川をはさんで蟻人都市クァッククラックをのぞむが、アリ人とトカゲ人は平和的共存関係にあるのか、大規模な戦闘はいちども記録されていない。
　冷酷で残忍な性格を持つトカゲ人は、太陽の光を求めて常に南下政策をとっている。
　今は亡きレラヴィリアと幾度も戦争が起こった。
　レラヴィリアがドラッツェンによって322年に滅ぼされた直後、シァアレは旧レラヴィリア領を強襲。
　カエル沼以北の領土を自国のものとしている。
　以来ドラッツェンとシァアレは仲が悪く、数百年にわたって交戦状態にある。
　シァアレを統治するのはその歴史がはじまって以来ずっと、彼らの間で神聖な存在とされるナーガという種族である。
　別の種族ではあるが彼らの間にあつれきはなく、12人のナーガがシァアレを繁栄に導く。
　
　　現在
　シァアレはトカゲ人の土地であり、都市内の正確な情報はほとんど存在しない。
　堕落都市ネルドなどで見かけられるトカゲ人はシァアレの出身者ではなく、蜥蜴都市の情報を得たければ過酷な拷問によるしかないのだ。
　痛みに強いトカゲ人には、それも有効な手段とは言いがたい。
　それでも長い歴史のなかで分かったことは、トカゲ人たちは人間と同じように家畜を育て、狩猟を行うことで生活していることである。
　彼らの家畜は大トカゲ、牛、豚、猿、人間、ドワーフ、コビットである。
　恐るべきことにシァアレでは、エルフをのぞくいくつかの種族が家畜化されている。
　オーク、オウガ、ゴブリンなどは食肉に適さないため、存在しない。
　エルフは妖精の血を引いているため飼育が難しく、これも存在しない。
　これらの「家畜」は知能も低く、文化的な背景をもたない。
　また、一部の強い権力を持つ商人をのぞいて、シァアレの地では人間は捕縛され、奴隷として扱われる。
　この地のトカゲ人は人間、エルフ、コビットを敵対視しており、他の種族も好かれてはいない。
　彼らは種族差別主義者であり、自分たち以外の種族を劣等種族だと思っている。





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