ようこそ!これは初学者向けのロジバン講座です.

mi prami do = mi do prami / 私はあなたを愛する

lo se cilre


  • ロジバンの基本的な文の作り方を学ぶ。
  • ロジバンの文は1つの述語(selbri)といくつかの項(sumti)からなり、それらを並べることで文を作る。
  • 述語になれる語は位置構造(Place structure, PS)という文の枠組みを持つ。
  • 「何か」を表す項{zo'e}や文の始まりを表す{.i}はロジバン文にとって重要な役割を果たす。



さて、それじゃあロジバンで文を作ってみようか。*1

わーい。やっぱり難しかったりする?

んー、ある面では難しいけど、ある面ではものすごく簡単かな。




まず、ロジバンで文を作るには、2種類の部品が必要です。

ほうほう、部品とは?

ひとつが述語(selbri)で、もうひとつが項(sumti)。まあ呼び方はさておき、文の根幹を為すのが、述語っていう部品。

文の根幹ってまた大層な、と思うんだけど。

そうかな? ロジバン文では、述語が「文の枠組み」を規定するからあながち誇張ってわけでもないよ。

文の枠組みを規定とは…?

たとえば、{dunda}って単語は述語になれる語のひとつなんだけど、辞書で引いてみると、「x1 は x2 を x3 (者)に与える」って出てくる。
つまり、{dunda}を述語とする文は「( )は( )を( )に与える」という文構造を持つってこと。

へえ。自然言語でいう語法が既に単語レベルで組み込まれてるってこと?

そうとも言えるね。自然言語から見れば変な文法だから、少しとっつきにくいかもだけど、別に難しくはないよね? この述語が決める「文の枠組み」のことを位置構造(Place structure)や簡単にPSと言ったりするよ。



さて。もう一つの部品、項は、述語で決められた文の枠組みの空欄に入れる語句のことを指すよ。

文の枠組みの空欄って、{dunda}の意味にある、x1, x2, x3 のこと?

そそ。そのx1, x2, x3に項を入れることで文が完成するの。
つまり、ロジバンで文を作るというのは、相応の述語の適切な空欄に項を入れるというのに等しいね。

ははあ。英語の三文型とか五文型とか覚えなくていい分、楽…なのかな?で、「適切な空欄に項を入れる」のはどうすりゃいいの?

最も基本的なやり方は、項をその順に並べる。例えば、『[項A] [項B] [述語] [項C]』といった文なら、[項A]は空欄x1に、[項B]は空欄x2に、[項C]は空欄x3に入るんだ。



百聞は一作に如かずかもね。試しに、代表的な述語になれる語を書いてみるね。

@ 述語になれる語 その1
nanmux1 は男(の人)
ninmux1 は女(の人)
prenux1 は人
pramix1 は x2 を愛する
zdanix1 は x2 の(ための)家
blanux1 は青色
dundax1 は x2 を x3 (者)に与える
klamax1 は x2 (終点)に x3 (起点)から x4 (経路)を x5 (方法)で行く/来る

あと、これから使う、項に使える代表的な単語も書いておくよ。

@ 項に使える単語 その1
mi
doあなた
ti(近距離にある)これ
ta(中距離にある)それ
tu(遠距離にある)あれ


一気に出しすぎだよ…。

まあまあ。まずはひとつ、私が作ってみるね。

mi dunda ti do

ははあ。{dunda}を使ってるから、文の形としては「x1 は x2 を x3 (者)に与える」なのは分かるよ。で、項の順番は、

mi  ti  do
私 これ あなた

だから、「私」がx1, 「これ」がx2, 「do」がx3に入って…、

私 は これ を あなた に与える

おお。完璧だ!

ふはは。

{mi dunda ti do}という風に文を書いたけど、実はこういう風にも書けるよ。
  1. mi dunda ti do
  2. mi ti dunda do
  3. mi ti do dunda

ほほう。文頭以外なら述語はどこに置いてもいいってことか。

そゆこと。「項の順番」が大事なだけだからね。上の3つは全部「mi, ti, do」の順番だから文の意味も同じってわけ。

ただ並べるだけ。 別に難しくないね。



じゃあ、少し練習問題を。

練習 : 次の文を訳してみよう!
1. 私は人だ。
2. これはあなたの家だ。


えっと、一気に答え書いちゃうよ?

どぞ。

んじゃあ、遠慮無く。

  1. mi prenu
  2. ti zdani do とか、 ti do zdani


はい、よくできました!

うへへ。





さて、覚えておきたいものに、{zo'e}という単語があります。項に使える単語だよ。
zo'e不特定項。その項の内容が文脈上明らかであったり、重要でないときに使われる。「何らかのもの」


英語でいう"something"かな? まあ確かに覚えておきたいだろうけど…、そんなに重要?

そんな人のために、この問題をどうぞ。
練習: 次の文を訳してみよう!
私はあそこに行く。

「行く」は{klama}だよね。「x1 は x2 (終点)に x3 (起点)から x4 (経路)を x5 (方法)で行く/来る」…おおう…。x3,x4,x5が無駄なんだけど…。

と、ロジバンではこういうことがよく起こるのです。そういうときに{zo'e}を使うんだよ。

ああなるほどね。「私はあそこに何らかの起点から何らかの経路を何らかの方法で行く」と解釈するわけね。

そゆこと。てなわけで、答えは?

mi klama tu zo'e zo'e zo'e だ!…うん。長い。

ですよねー。ロジバンは優しい子なので、文末のzo'eは省略してもいいことになっています。

つまり、

mi klama tu zo'e zo'e zo'e = mi klama tu

ということですか!

いえす!項が埋まりきってなかったら、zo'eが省略されてるんだなーと考えよう。



そういえば、どうして文頭に述語を置いたらダメなの?

ああ、えっとね…

Q. どうして文頭に述語を置いてはいけないの?
A. 文末のzo'eは省略できると言ったけど、実は文頭のzo'e(つまりx1のzo'e)も「x1 述語 x2 x3 ...」という形のときは省略できるんだよ。
逆に言えば、「述語 項A 項B ...」は、「zo'e 述語 項A(=x2) 項B(=x3)」ということ。このルールがあるから、文頭に述語が置けないの。
だから、{dunda}というのもれっきとした文(zo'e dunda zo'e zo'e)なんだよ。面白いよね。*2

なるほどねー。

そうだ。あともうひとつ、{.i}についても説明しとこう。{.i}は「ここから新しい文が始まる」という合図。日本語とか英語なら「ここで文が終わるよ」の合図がある(。とか.とか)よね。
普通、「話し始め」は、そこから新しい文ということは分かるから、{.i}は省略することが多いけどね。文を続けて言うときは、{.i}で区切ろう。
あ、ちなみに、{i}の前にピリオドがあるのは、母音で始まる語の前には小休止が必要だからだよ。*3
i文境界。文の境界を示す


はい。分かりました!

まとめ

  • ロジバンの文は1つの述語(selbri)といくつかの項(sumti)からなり、それらを並べることで文を作る。
  • 述語になれる語は位置構造(Place structure, PS)という文の枠組みを持つ。項は述語の作った「穴」を埋めて文を完成させる。
  • ロジバン文の基本的な作り方は次の通り:
  1. 文頭に{.i}を置く (ただし、話し始めのときは省略してもよい)
  2. 述語を考える
  3. 項を並べる
  4. 文頭以外に述語を置く
  • {zo'e}は「何か」を表す項で、項が述語のPSを埋めきっていなかったりするときに想定される。また、文頭に述語がくるときはx1に{zo'e}が想定される。
  • {.i}は文の開始語であり、日本語や英語でいう読点(。)やピリオド(.)に相当する。

@今回出てきた単語
nanmux1 は男(の人)
ninmux1 は女(の人)
prenux1 は人
pramix1 は x2 を愛する
zdanix1 は x2 の(ための)家
blanux1 は青色
dundax1 は x2 を x3 (者)に与える
klamax1 は x2 (終点)に x3 (起点)から x4 (経路)を x5 (方法)で行く/来る
mi
doあなた
ti(近距離にある)これ
ta(中距離にある)それ
tu(遠距離にある)あれ
zo'e不特定項。その項の内容が文脈上明らかであったり、重要でないときに使われる。「何らかのもの」
i文境界。文の境界を示す

○×チェックテスト

  1. ロジバンの文は、1つ以上の述語と1つの項からなる。
  2. 項はselbriといい、述語はsumtiという。
  3. {do dunda ti}という文では、x3にはzo'eが想定されている。
  4. {dunda tu mi}という文では、x1 = tu である。
  5. {.i}は、そこで文が終わるという合図である。

章末問題

次の文を訳してみよ。
  1. 私は男です。あなたは女です。
  2. あれは青い。
  3. 私は君を愛する。

解答

○×チェックテスト
  1. × : 逆。1つの述語と1つ以上の項からなる。ただし、項がない場合もある。(そのときはzo'eが想定されている)
  2. × : 逆。項はsumtiといい、述語はselbriという。
  3. ○ : 文末のzo'eは省略することができる。
  4. × : 述語が文頭にあるときは、x1にはzo'eが想定される。
  5. × : {.i}は文が始まる合図である。
章末問題
  1. .i mi nanmu .i do ninmu
  2. .i tu blanu
  3. .i mi prami do

ただし、最初の{.i}は無くてもよい。本講座でも、単文の場合は{.i}を省略していることがある。
もちろん、文末のzo'eを省略せずに書いてもよい。



補足

さらに、単語を覚えたいという人のために、もう少しだけ述語になれる語を書いておきます。

citkax1 は x2 を食べる
pendox1 (者)は x2 (者)の友人
ponjox1 は x2 (性質面)に関して日本/ジャポニカ系(言語/文化/民族)
lojbox1 は x2 (性質面)に関してロジバン系
tavlax1 (者)は x2 (者)に x3 (題目)について x4 (言語)で話す/語る
melbix1 は x2 (審美者)にとって x3 (性質)・ x4 (審美基準)において美しい/綺麗/麗しい/ハンサム/かわいい

この章では、述語になれる語はPSを持っており、それは「文の枠組みを規定する」と言いました。
実際、辞書の定義はそのように書かれており、直観的で分かりやすいです。
しかし、次の章でも少し触れますが、ロジバンには態がありませんし、動詞、形容詞、名詞といった区分もありません。
ですから、実際のロジバンの単語の意味…たとえば、dundaを引き合いに出すと、おおよそ次の文を重ねあわせたような意味になります:
  • x1 は x2 を x3 に与える。 (辞書定義)
  • x1 は x2 を x3 に与える贈与者だ。
  • x2 は x1 から x3 に渡される。
  • x2 は x1 から x3 への贈り物だ。
  • x3 は x2 を x1 から受け取る。
  • x3 は x2 を x1 からの受け取る人だ。

もうひとつ、PSを理解する方法があって、それは「述語は各項に役割を与える」というものです。
たとえば、dundaのそれぞれの項(の穴)には次のような役割が与えられると考えられます:
x1 : 贈与者
x2 : 贈与物
x3 : 受取人
このとき、述語は「ある関係性を表す語」として理解されます。つまり、dundaは「与(える)」という関係性を表し、その役割を項に規定するわけです。

それでも、述語は文の枠組みを規定するという理解はほとんどの場合で有用ですから、はじロジではそのスタンスを取ることにします。

このページへのコメント

分かりやすい!説明ありがとうございます。

Posted by Linoal 2014年09月24日(水) 00:52:39

コメントをかく


ユーザーIDでかく場合はこちら
「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。

メンバーのみ編集できます