ようこそ!これは初学者向けのロジバン講座です.

さて、これで入門コースは終わりです。

いえーい。

今回は、「私たちはまだ何を学んでいないのか」について考えていこうと思います。



学んでいない(かつ文を書くにあたって重要そうな)ものをリストにしてみました。
  • 否定 ・・・ ある文が正しくないことを言うこと。
  • 命令 ・・・ ある文で表される出来事を行えと命令すること。
  • 質問 ・・・ 適切な単語を相手から聞き出すこと。
  • 文を項として使う(抽象節) ・・・ 「私は本を読むのが好きだ」と言えること。
  • 文で項を説明する(関係節) ・・・ 「あそこで走り回っている犬」と言えること。
  • より限定的な述なれ語をつくる(be,bei) ・・・ 「x1はx2にx3からx4を経由してx5を使って行く」から「x1は東京に大阪から名古屋を経由して新幹線を使って行く」を作れること。
  • 項を追加する(sumtcita) ・・・ 「私は東京でお寿司を食べた」と言えること。
  • 時制と空間制(いつ、どこで何をした?) ・・・ 「私はちょっと前からずっと未来までここから前方に向かって継続的に走る」が言えること。
  • 相 ・・・ 「私は食べようとしている/始める/ている/終える/終わっている」が言えること。
  • 様々な冠詞 ・・・ 「私が念頭に置いているあの犬」が言えること。
  • 代項、代述なれ語 ・・・ 「私たち」「それ」「前述のそれ」「甲」「乙」「丙」「丁」が言えること。
  • 数字 ・・・ 1,2,3,4,5,...,10,11,... が言えること。
  • 量化 ・・・ 「2個の林檎」「たくさんの魚」が言えること。
  • 引用 ・・・ 「私は"kocon"という名前だ」「彼は『俺があの花瓶を割りました。ごめんなさい。』と言った」が言えること。
  • 接続詞 ・・・ 「私とあなた」「君がそこに行くなら、私はあそこに行く」が言えること。
  • 形態論 ・・・ brivla, gismu, lujvo, fu'ivla, cmene, cmavo の意味が分かること。

…なんだかまだまだ序の口だったんだね…。

まあそうだね。でも、今までに習ったこと、tanruや心態詞を駆使すれば大体のことは言えると思うよ。

そうだね。よーし、頑張るか!



さて、入門コースの最後に、時制について少し話しておこうと思います。

あ、そういえば今までやってなかったね。

おなじみのこの文を見てみよう。

mi klama ti

「私はここに行く。」じゃなかった?

そうとも取れるし、おそらくそれが一番自然な解釈だね。

ん、「自然な解釈」ってどこかで聞いた気がする。tanruのところだ。あのときは確か…。え、まさか。

流石にtanruのときみたいに「解釈は無限大」ってわけではないけどね。この「素朴な文」には実際はこれくらいのことが含まれてるの。

@素朴な文が「無言」で伝えること*1
  1. それはどれくらいいつのことか (ずっと前か、ちょっと前か、最近か、まさに今か、ずっと未来か、ちょっと未来か・・・)
  2. どれくらいにわたってか(小範囲か、中範囲か、大範囲か)
  3. その範囲においてどういった感じでか(絶え間なくか、規則的にか、典型的にか、習慣的にか)
  4. その範囲において何回起こったか (1回か、2回か、…)
  5. その範囲において「行く」行為はどの段階であったか(アスペクト)(将前か、最中か、中断か、再開か、開始か、完了か、終了か…)*2
  6. 事実か可能性か (そのことを実際に起こしたのか、潜在的に起こす能力をもっているのか)

なんじゃこれ。頭がパンクしそう。

確かにごちゃごちゃしてるね。1.や5.はともかく、2.や3.や4.や6.が暗黙に想定されてるのは分かるんじゃないかな?

どういうこと?

たとえば、2.3.4.に関していえば、「私は学校に通っていました」という文をみて、「永遠の間、絶え間なく(1秒たりとも無駄にせず)学校に通っていた」と思う?

まさかっ!これは「何年間か、規則的に(土日は休みとか)繰り返し学校に通っていた」って意味だと思うよ。

そうだよね。文脈上「永遠に絶え間なく」とはとらないし、「たった1回限り」とも思わないよね。

うんうん。そうか、よくよく考えれば、これらのことが想定されているのは日本語でも同じだね。

さらに、「すべてのアヒルは泳ぐ」という文は、「実際にすべてのアヒルが泳いでいる」というより「すべてのアヒルは泳ぐ能力をもつ」という意味でとるよね。
他にも「木は燃える」というのは「実際に燃えている」とも「木には可燃性がある」ともとれるよね。2.3.4.6 の省略は日本語でも当然のように私たちがやってのけてることなんだよ。

そう言われればそうだ。日本語でもこういうのをしっかり言い分けることってあんまりしないもんね。

ロジバンが日本語と違うところは1.と5.だね。日本語で2.3.4.6.について普段特に言わないように、ロジバンではその文が「過去/現在/未来」のどれについてのものかも省略できるの。

ロジバンは時制すらも文脈に任せられるんだね。便利だ!

だから入門コースでは時制については触れなかったの。文脈が許せば時制について考えなくていいからね。

すごいなあ。tanruの解釈といい、この話といい、ロジバンって本当に自由だね。

ちなみに、{zo'e}ってあったでしょ? あれも、そこの項が何なのかを文脈に任せるという意味もあったね。

お母さんに「学校行ったの?」って言われて、{klama} って言うだけで「ちゃんと行ったよ」という意味にもなりえるんだね。

そうだね。その文脈では「行く」のは明らかに「そら(私)」だし、行き先は「学校」だもんね。「過去」ってことも「行く能力ではなく事実についての文」ということもお母さんの質問から正しく解釈できそうだもんね。

まあでも、私がひねくれて「明日行く能力はあるよ」って意味で{klama}って言ってる可能性もあるけど…。

おい。もちろんそうとられる場合だってあるから、その場その場での「いい感じの解釈」というのはあるよね。

ロジバンって、日本語以上に「テキトー」な一面もあるんだね。

言語学には「言語間の決定的な違いは話者にどんな表現を強制するかの違いだ」というボアズ=ヤーコブソンの原理があるけど、この点からみれば、ロジバンはかなり「自由」な言語といえるね。

極力言わない。それができるって、面白いね。

今後、文構造がどんどん複雑になっていくけど、それは強制されることではないことには注意しておこうね。初級コースも頑張っていこう。お疲れ様でした .iusai


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