ようこそ!これは初学者向けのロジバン講座です.

lo ninmu ku mutce melbi / その女性はとても美しい。
ti plise tricu / これが、いつも林檎売りが休んでいる陰の木だ。

lo se cilre


  • 2つ以上の述なれ語(述語になれる語)をつなげることで作られるtanruについて学ぶ。
  • tanruは非常に緩い関係を表すため、解釈の仕方は無限大であるが、実際は自然な解釈がなされることが多い。
  • 3つ以上の述なれ語でできるtanruは左から右へ順に修飾の処理をしていく。(A B C D) -> (((A B) C) D)



今回はtanruというものをやります。tanru は「重ね語」と言ったりもするね。

たんる?

この前、述語になれる語にSE類をつけると、新しい述語になれる語が出来る…ってのをやったよね?

うんうん。

tanruというのは、「述語になれる語」に「述語になれる語」をつけて出来る、新しい「述語になれる語」のことなんだよ。

ほうほう。SE類にとどまらず、「述語になれる語」をつけても、新しい「述語になれる語」が出来る…って長ったらしいなあ…。

じゃあ今後、「述語になれる語」のことを「述なれ語」と略そう。ローカルルールだからね。*1

はーい。



改めて…。tanruとは、述なれ語に述なれ語をつけて作られる、新しい述なれ語のことです。

(おお、断然見やすくなった。) えーと、{blanu zdani} とか?

そうそう、そんなの。もちろん、{se dunda}も述なれ語だから、{blanu se dunda} もtanruだよ。
tanruは、左側の修飾述なれ語(seltau)と右側の被修飾述なれ語(tertau)からなるんだよ。

ふむふむ。{blanu zdani}なら、{blanu}が修飾述なれ語、{zdani}が被修飾述なれ語なんだね。



さて、tanruは述なれ語だから、PS*2をもっているはずだよね。tanruのPSはその被修飾述なれ語と同じになるよ。

なるほど。その意味はどうなるの?

tanruの意味は、「[修飾述なれ語]と何らかの関係がある[被修飾述なれ語]」となるよ。

んー?{blanu zdani}の意味は「青と何らかの関係がある家」?それって「青い家」じゃ…?

よし、それじゃあひとつ例を出してみるね。{plise tricu}について考えてみよう。
plisex1 は x2 (種類)のリンゴ
tricux1 は x2 (種類)の木

これは、{x1はx2(種類)の、リンゴと何らかの関係がある木だ}っていう述なれ語だよね。修飾述なれ語が{plise}で、被修飾述なれ語が{tricu}だ。

その通り。問題は「リンゴと何らかの関係がある木」とはいったいなんでしょう?

え、「りんごのなる木」じゃないの?

もちろんそれも当てはまるね。でも、考えてみれば、「幹の色がリンゴ色の木」も「ふもとに林檎が落ちていた木」もリンゴと何らかの関係を持っているよね。

たしかに。ふむふむ、tanruはそのいずれの意味でもあり得るということか。tanruってめちゃくちゃ自由だね。

そう。意味がひとつに束縛されていないから、「自分の言いたい意味」をこめることが簡単にできるんだよ。

でも、たとえリンゴと何らかの関係があったとしても、やたらヘンテコな意味を込めたら、相手に通じなくなるから意味なくない?

うん。別にtanruに限らず、話し手と聞き手の間で正しい意思疎通が行われないと言葉は意味を持たないよね。
だから結局、tanruの実際的な意味は「話者の意図した意味」と「聞き手の解釈した意味」のすり合わせの結果生じるんだよ。
というわけで、普通は、tanruは「自然な解釈」がなされると考えたらいいかな。{plise tricu} をみたら、普通の文脈においては「林檎のなる木」を想像する人が多いはずだよね。

そうだね。私もそういう意味だろうと思ったし。なるほどね、さして特別な文脈がなければ「当たり前に考えろ」ということか。

もちろん、文脈によっては {plise tricu}を「林檎売りのおっちゃんがいつも休憩している木」と解釈できるかもね。ここまでくると合言葉みたいになるけど。
あくまで、普通の文脈においては「自然な解釈」をすれば大体うまくいく、というだけだから気を付けてね。



参考として、よくなされる「自然な解釈」3パターンを挙げておくね。

@よくある「自然な解釈」
  1.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が名詞っぽい語 → 形容詞が名詞にかかるかのように解釈する
  2.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が形容詞っぽい語 → 副詞が形容詞にかかるかのように解釈する
  3.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が動詞っぽい語 → 副詞が動詞にかかるかのように解釈する

{melbi nanmu} (美しい + 男) は「美しい男」と解釈されることがほとんどだよ。「美容コメンテーターの男」より自然な解釈でしょ?
他にも{sutra bajra}(素早い + 走る)は「速く走る」、{mutce melbi}(すごい + 美しい) は「とても美しい」と解釈されることがほとんどだね。

まあ、当然って感じもする。

もちろん、述なれ語に名詞や形容詞や副詞とかの種類はないからね。あくまで「自然言語では形容詞として、名詞として定義されそうな述なれ語…」という意味だからね。

「自然な解釈」って、「自然(言語的)な解釈」だったりする?

そうかもしんないね。少なくとも「ロジバン的」ではないかも。何が自然かは各々の文化に依存するからね。

「自然な解釈」は「応急処置」みたいなものなんだね。あまり、頼りすぎないようにしよう。

tanruの魅力は、その解釈の可能性にあるから、「解釈は無限にある」ということを必ず頭の隅に置いておいてほしいかな。



ひとつ注意してほしいことがあるんだった。tanru も述なれ語だから、tanruとまた別の述なれ語をくっつけて、もっと大きなtanruを作ることができるのはわかるよね。

うん。{blanu plise}と{tricu}との2つの述なれ語から、{blanu plise tricu}というtanruが作れるってことだよね。

そうそう。ここで気を付けてほしいことが一つあって、3語以上からなるtanruは「左から右に」修飾の処理をしていくの。
{blanu plise tricu}を例に出すと、まず{blanu plise}というtanruができて、それから{blanu plise}と{tricu}で{blanu plise tricu}ができる。

意味的には「[青いリンゴ]の木」なのか。「青い[リンゴの木]」ってするときはどうすればいいの?

それは少しややこしいので、ここではやらないでおこうかなあと。
あと、{se dunda zdani}の{se}は{dunda}のみに係ることにも注意。{se dunda zdani}は{se dunda}と{zdani}からなるtanruってことね。
これも「{dunda zdani}に{se}を使って作られた述なれ語はどう書けばいいの」という話になるんだけど、これもここではやらないでおきます。

じゃあ、気になる人だけ、補習授業で教えるってことで。 →補習授業 tanruを括弧よくしよう

まとめ

  • 述なれ語に述なれ語をつけて作られる新しい述なれ語のことをtanruという。
  • tanruは、左側の修飾述なれ語(seltau)と右側の被修飾述なれ語(tertau)からなる。
  • tanruのPSはその被修飾述なれ語(tertau)と同じ。
  • tanruの意味は「[修飾述なれ語]と何らかの関係がある[被修飾述なれ語]」だが、通常は「自然な解釈」がなされると考えればよい:
  1.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が名詞っぽい語 → 形容詞が名詞にかかるかのように解釈する
  2.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が形容詞っぽい語 → 副詞が形容詞にかかるかのように解釈する
  3.  修飾述なれ語が形容詞っぽい語、被修飾述なれ語が動詞っぽい語 → 副詞が動詞にかかるかのように解釈する
  • 3つ以上の述なれ語からなるtanruは左から右に、すなわち読む順に修飾の処理をしていく。

@今回出てきた単語
blanux1 は青色
zdanix1 は x2 の(ための)巣/家/ねぐら/アジト
plisex1 は x2 (種類)のリンゴ
tricux1 は x2 (種類)の木
melbix1 は x2 (審美者)にとって x3 (性質)・ x4 (審美基準)において美しい/綺麗/麗しい/ハンサム
nanmux1 は 男
sutrax1 は x2 (動作/事)に関して速い/すばやい/敏速/俊敏
bajrax1 は x2 (表面)を x3 (肢)・ x4 (調子)で走る
mutcex1 は x2 (性質)に関して、 x3 (極性)に対して凄い; x1 はとても x2

○×チェックテスト

  1. 二つ以上の述なれ語をつなげて作られた新しい述なれ語のことをruntaと呼ぶ。
  2. tanruのPSは修飾述なれ語のものと同じである。
  3. 2つの述なれ語からできるtanruの、左の述なれ語が右の述なれ語を修飾する。
  4. {plise tricu}を「私が子供の頃林檎をぶつけて遊んだ木だ」という意味で使うことは流石に無理である。

章末問題

. 次のtanruの意味を「自然な解釈」、もしかしたらあり得る解釈2つ、計3つ考えてよう
  1. lo blabi gerku ku
blabix1 は白色
gerkux1 は x2 (種類)のイヌ

. 次の文を訳してみよう。
  1. mi ponjo prenu
  2. lo melbi prenu ku ninmu vecnu
  3. mi sutra klama lo kukte jikru barja ku
ponjox1 は x2 (性質面)に関して日本/ジャポニカ系(言語/文化/民族)
prenux1 は(心理学上の)人; x1 は人格を有する
melbix1 は x2 (審美者)にとって x3 (性質)・ x4 (審美基準)において美しい/綺麗/麗しい/ハンサム/かわいい
ninmux1 は女(の人)
vecnux1 (者)は x2 (品/サービス)を x3 (者)に x4 (価格/費用)で売る; x3 は x2 を買う
sutrax1 は x2 (動作/事)に関して速い/すばやい/敏速/俊敏
klamax1 は x2 (終点)に x3 (起点)から x4 (経路)を x5 (方法)で行く/来る
kuktex1 は x2 にとっておいしい/美味
jikrux1 は x2 (原料)の蒸留から出来た酒/アルコール飲料
barjax1 は x2 (品)を x3 (客)に提供する酒場/居酒屋/バー/パブ

解答

○×チェックテスト
  1. × : tanru である。
  2. × : tanruのPSは修飾述なれ語と同じである。
  3. ○ :
  4. × : 無理ではない。しかし、この意味で{plise tricu}が通じる人は親友くらいかもしれない。
章末問題
.
「x1はx2(種類)の、白と何らかの関係がある犬」のx1であるようなものが{lo blabi gerku ku}であることに注意
  • 自然な解釈 : 白い犬
  • あり得る解釈その1 : 白い小屋に住んでいる犬
  • あり得る解釈その2 : いつも真っ白なTシャツを着て散歩している男の飼っている犬

.
  1. 「私は日本と何らかの関係のある人だ。」自然な解釈では「私は日本人だ。」
  2. 「美と何らかの関係のある人は女と何らかの関係のある売りをする」たぶん「美しい人は女性販売員だ」もしかしたら「美しい人は売春仲介人だ」
  3. たぶん「私は美味しい酒のあるバーに急いで行く」 {kukte jikru barja}が{kukte jikru}と{barja}からなるtanruであることに注意。




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