coi .soran. 今回は、
内部量化についてやろう。
coi .sevan. ふむふむ。内部量化。「内部の量化」…量化?
ざっくり言うと、内部量化は「個たちの数をきちんと述べること」くらいの意味だよ。
なるほど。
確かに、今まで、「ロジバンの項は基本的には個たち(複数)」とは言ってたけど、その個数については触れてこなかったもんね。
でしょ。だから今回は、「2匹の犬たち」とか「たくさんの人たち」とか、数詞を使って複数の具合を表現できるようにしようという。
便利そうだ。で、そのことを「内部量化」って言うんだね。「内部」ってのは?
冠詞と述なれ語の間(項の内部)に数詞を書くから内部量化。例えば、
- lo mu gerku / 5匹の犬
- lo su'o re mlatu / 少なくとも2匹の猫(≒ cats)
- lo so'i prenu / たくさんの数の人
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
no | pa | re | ci | vo | mu | xa | ze | bi | so |
ro | so'a | so'e | so'i | so'o | so'u | no'o |
すべて | ほとんどすべて | ほとんど | たくさん | いくつか | 少し | 曖昧な数、ある数、典型的な数 |
su'e | su'o | za'u | me'i | da'a |
多くて〜 | 少なくとも〜 | 〜より多い | 〜より小さい | 〜以外すべて |
一応、忘れた人のために数詞書いておきますね。
助かる…!あ、{ro}ってどうやって使うんだと思ったけど、量化のときには役に立つね。
だね。項は基本、個たちだから、個であることを表したいときは{lo pa broda}にすればいいよね。
ふむふむ。
ん、ねえ、{lo}の項の内部量化は分かったけど、{le}とか{la}とか{loi}とか…他の冠詞の場合はどうなるの?
うん、それを今からやろう。その前に少し言葉の整理をさせてください。
- LO = lo/le
- LA = la
- LOI = loi/lei
- LAI = lai
- LO'I = lo'i/le'i
- LA'I = la'i
これは大文字だけど、セルマホ(cmavoのサブカテゴリ)を表してるわけではないので注意。要は、内部量化は6パターンあるってこと。
なるほど。渾名系(la,lai,la'i)はそれぞれ独立してるんだね。
少し事情があってね。じゃ、6つやっていこう。あ、数詞のことはPAって書くね。
まずはLO(某コミックじゃないよ)。これは、{LO PA broda}で「PA個のbroda_1」って意味だね。
LO PA broda / PA個のbroda_1
さっきやった通りだね。{le re rebla}で「あの2つの尻尾」か。
そうそう。で、{LA PA broda}なんだけど…これは「『PA broda_1』という名前のもの」という意味になる。
あー、数詞が「それが何個あるか」でなくて、
名前の一部になるのか。「三ツ矢サイダー」の「三」みたいな感じね。
そゆこと。
{LOI PA broda}は、「PA個のbroda_1からなる塊(集団的個たち)」という意味になる。要は塊(集団的個たち)の要素数を述べれるわけだね。
なるほど。{LO'I PA broda}も似たような感じで、「PA個のbroda_1からなる集合」?
ご名答。ロジバンで書き下してみるとこうだね:
- LOI PA broda = lo gunma be LO PA broda
- LO'I PA broda = lo selcmi be LO PA broda
分かる、分かるぞ! ところで、LAIとLA'Iは?
その2つは{LA PA broda}と同じように数詞が名前の一部となるのさ。
- LAI PA broda = lo gunma be LA PA broda / 『PA broda』という名前のものからなる塊(集団的個たち)
- LA'I PA broda = lo selcmi be LA PA broda / 『PA broda』という名前のものからなる集合
まとめてみるね。
LO PA broda | PA個のbroda_1(brodaのx1を満たすようなもの) |
LA PA broda | 「PA broda_1」という名のもの |
LOI PA broda | PA個のbroda_1からなる集団的個たち({LO PA broda}からなる集団的個たち) |
LAI PA broda | 「PA broda_1」という名のものからなる集団的個たち({la PA broda}からなる集団的個たち) |
LO'I PA broda | PA個のbroda_1からなる集合({LO PA broda}からなる集合) |
LA'I PA broda | 「PA broda_1」という名のものからなる集合({la PA broda}からなる集合) |
そこまで複雑ではないね。
さて、実は、「冠詞+数詞」にはもうひとつ素晴らしい機能があります。それは、
冠詞+数詞+項という形が作れるというのです。
意味は?
「[項]のうちの[数詞]個のもの」くらいの意味。もちろん冠詞によって意味合いはそれぞれ変わってきて
LO PA SUMTI | SUMTIの内のPA個のもの |
LA PA SUMTI | 「PA SUMTI」という名のもの |
LOI PA SUMTI | SUMTIの内のPA個のものからなる集団的個たち({LO PA SUMTI}からなる集団的個たち) |
LAI PA SUMTI | 「PA SUMTI」という名のものからなる集団的個たち({la PA SUMTI}からなる集団的個たち) |
LO'I PA SUMTI | SUMTIの内のPA個のものからなる集合({LO PA SUMTI}からなる集合) |
LA'I PA SUMTI | 「PA SUMTI」という名のものからなる集合({la PA SUMTI}からなる集合) |
※ 「〜の内の」と書きましたが、「3匹の犬のうちの3匹」というのもOKです。
※ 実は、「〜の内の」という表現はSUMTIが代詞や{LO broda}のときにのみ適切です。
SUMTIが{loi broda}や{lo'i broda}のときは、「その塊/集合がPA個集まったもの(PA個分)」くらいの意味になります。詳しくは次回やります。
たとえば、
- .i lo re mi'a cu citka le nanba / 私たちのうちの2人があのパンを食べました。
地味に使えそうだね。
そう、地味に使える。
- lo mulno kardygri cu gunma lo vo loi paci karda / フルデッキは13枚のカード4組からなる。
てなわけで内部量化でした。「内部に数詞を入れて量化する」から、内部量化。
ふむふむ。項に「冠詞+数詞」をつけるやつがちょっと難しい、というかわかりにくいかなあ。
OK。じゃあそれは次回もう少し詳しくやろう。