覇穹封神演義検証wiki - 十五話 SHADOW/光
玉鼎真人の仇を討つため、王天君に戦いを挑む楊戩。そんな楊戩の行く手を十天君・姚天君と金光聖母が遮る。十天君の中でも抜きん出た実力を持つ二人に後を任せ、王天君は姿をくらましてしまう。
楊戩は合流した韋護と哪吒と協力して姚天君と金光聖母と戦うが、二人の空間宝貝を組み合わせた『多重空間』の前に苦戦。
太公望も楊戩を助けに向かおうとするが、普賢に止められてしまい……。
(アニメ公式サイトから引用)



消されたスタッフ一覧


今回の主要制作スタッフは以下の通り。

◆脚本:池田臨太郎 ◆絵コンテ:葛谷真行 ◆演出:山口頼房 ◆作画監督:山下喜光、渡邉亜彩美

何故このような書き方をするかというと、この情報のコピペ元である覇穹の公式サイトの各話あらすじページに、今回はスタッフ一覧表記が無いからである。公式サイトの更新状況すら滞る事態なのだろうか。

15話あらすじページ(2018年5月6日撮影)


参考:14話あらすじページ。「第14話 寄生」という題名の直下に、主要制作スタッフの一覧が載っている。



実際の15話Bパート終了後のエンディングクレジットは下画像のものだった。作画監督は8名で、それを統括した「総」作画監督として、8話のエンディングクレジットでも見られた2名が担当したようだ。ほとんどの"作画監督"が原画スタッフ一覧にも名を連ねているが、特に渡邉亜彩美という方は総作画監督・作画監督・原画の作画担当者一覧すべてに名前が載っている。
アニメファンの間で語られる噂として「作画監督は1〜3人が普通。10人前後の現場はかなりヤバい状況。」というものがある。実際にも、我々は前回の不可解極まりない”総集”編を目撃したばかりなので、さもありなんといったところか。


人海戦術の甲斐あってか、今回のアニメーションは非常に良い出来だった(覇穹比)と、ネットでは好評である。

(2018年5月11日追記)
後日、16話放送開始の1時間ほど前という直前になって、この15話のあらすじページに主要スタッフ一覧が載ったが、なぜか総作画監督ではなく8名の作画監督を載せている。作画監督は総作画監督よりエラいのか?


眠る前に夢を見る楊戩


冒頭、「あの人」、つまり恐らく太公望に正体が妖怪であることを打ち明けられず、苦悩する楊戩。
左の首筋には王天君の寄生ダニに喰われている印が浮かんでいるが、なぜか前回14話と違って頭部に角が生えていないため人間形態を保てないほど消耗している体調ではなさそうなことに加え、その場所の背景には通天砲で破壊された形跡の無い崑崙山がハッキリと映っている。
一体このシーンはどういう状況なのか?前回、姚天君と金光聖母の多重空間に捕まり、内部に現れた王天君に斬りかかったところで「次回へ続く」となった楊戩とは別人なのだろうか?

恐らくは今回15話のCパートにて、戦いで力を使い果たし昏睡に陥った楊戩が見ている夢の内容をアバンタイトルで先取りして見せていると思われるが、わざわざ場面を入れ替える意味や効果が一体何なのかイマイチ不明である。アバンタイトル以降を観ても冒頭が夢だったことが明確に明かされないので場面間のつながりが悪く混乱を招くうえ、「楊戩は己の正体が妖怪であることに苦しみ、周囲に、特に太公望に打ち明けられないことに悩んでいる」ことなど、これまで散々描写されてきているので何の目新しさも無いからだ。視聴し易い時系列を犠牲にして、敢えて場面入れ替えを行ってまで見せるような内容ではないだろう。

7話のようにアバンタイトルのシーンが無い回も既にあるのだから、ネタが無くても義務で続けなければいけないものでも無いはずだが。


なお前話の項でも同じことに触れたが、この回想で楊戩は「妖怪なんです」と呟く。
こういった楊戩の自身の生まれに対する独白は恐らく次の回で見られるであろう印象的なシーンへと繋がるものなのだが、このアニメでは原作以上に繰り返し似たようなことを呟き続けているので若干鬱陶しいとすら感じている意見も見られた。
似たようなシーン、セリフをやたらに繰り返すことはこのアニメではよくあることだが、過ぎたるは猶及ばざるが如しと言ったところか。

やたらスローテンポな戦闘


このアニメは序盤は怒涛のカットで超高速で飛ばし、仙界大戦に入ってからは非常にゆったりとしたペースで進行している。
その為かこの回に限らず、戦闘シーンであっても不自然な間が入ったりもたついたような動きが散見される。
今回は動きのある戦闘シーン自体が多めだったのもあり、その不自然さがやや目立つ。
特に楊戩が張天君に変化して発生させた砂嵐に身を隠して不意打ちを決めた哪吒のシーンは、砂嵐の中から上半身だけ飛び出した哪吒が宝貝を発射するまでの数秒間そのまま静止する非常にシュールな絵面になっている。

総集編をサンドイッチした回のできばえ


多少は不満点もあるものの、全体を通して見ても覇穹封神演義の中では比較的まともとの呼び声が高い回となった。
これまでは意味不明な脚本と説明不足、それに加えて天下の謎回転や陽森の謎のポーズ、普賢の一人だけ浮き上がって攻撃を避けるなど動画面でも首をかしげるシーンが見られたが今回はそれもなりを潜めている。
音楽もこれまでは世界観と場面に合わずちぐはぐなところがあったが、今回はあまり違和感がないような曲とタイミングで流れている。
毎回これくらいの出来であったのならば、このようなwikiが作られることも無かっただろう。