ああごめん、300年ぶりだっけ? ひっさしぶりー。
目論見通り哪吒との諍いを収めた太公望は、宝貝人間としての哪吒の親・太乙真人から少々ヒネくれたねぎらいの言葉を送られ、太公望が「久々に会ったというのに!」と抗議すると太乙は上のような冗談でとぼける。
太公望の設定年齢は72歳なので、300年ぶりなわけがない。
しかしながら、この冗談に対する周囲の反応が全く無く、太乙はすぐに己の用件にとりかかろうとして場面が進行するため、これが冗談でなく
本当に彼らの再会が300年ぶりだったという誤解を招いても仕方がないような淡白な演出しかされていない。
原作2巻でもこれらの「台詞」の部分は下記の画像の通り一字一句同じなのだが、漫画ならではの吹き出しに対する作者からのセルフツッコミな注釈が入り、且つこれを利用して
長命な仙人たちは時間感覚が鈍いという劇中設定の説明を行う一コマになっているので、誤解のしようがない。
こういった漫画特有の画面をアニメーションに置き換えるなら相応の工夫が必要なのだが、
それが出来ないのが覇穹封神演義という作品であり、この場面に限らず、漫画表現とアニメーション表現の違いについて制作側の理解を疑わざるを得ないような異様な演出が今後もたびたび現れるのである。