エスペラント語の修正版として開発された人工言語、国際補助語です。

名詞

名詞は文字通り「名前」を意味します。それは、実際に見たり、聞いたり、触ったりできるものに属しており、例えば、テーブル、椅子、人,猫などと名前をつけることができます。
イド語では、その語が名詞なのかをすぐに見分けがつきます。それは、すべての名詞が語尾-oで終わっているからです。
イド語katohundotablo
意味ネコイヌテーブル

不定冠詞

英語には「a」と「an」の二つの不定冠詞があります。イド語にはありません。
イド語では「ovo」といえば英語の「egg」であり「an egg」を表し、また「tablo」といえば英語の「table」や「a table」などを表します。不定冠詞は必要ではなく、混乱も生じないことがすぐに分かるはずです*2
古代欧州の言語には冠詞はありませんでしたが*3、どの名詞の事を話しているのかハッキリしない事が多かったのでしょう。指示詞から次第に定冠詞が作られました。不定冠詞は大概、数字の1から派生して来た様です。特別指示はしないが、リンゴ等の名詞を指して、その中の不定の一つとゆう意味があったのですね。

定冠詞

イド語の定冠詞は「la」です。
イド語英語
matroa mother
la matrothe mother

es動詞

イド語の「esas」や「es」は、大雑把に言えば英語の「is」に相当します。しかし、「am」や「are」にも翻訳されるので、注意して下さい。単純に言えば、イド語で言っていることは、英語で「I is」や「he / she /it is」や「we is」と「they is」と同価値であるのです。
注意
「es」は「esas」の短縮形です。たとえ「es」が便利であったとしても、「esas」が普通の言い方です。学習者は自分の使う単語は好きなようにしてもかまいません。
次の単語を暗記して下さい
buxodomogardenohundokato
musotabloesas/esmevu
ネズミテーブル〜であるわたし(は)(を)あなた
yunoyunuloyuninoen
若者(十代の)少年少女〜の中
subsurla
〜の下に〜の上にその(定冠詞)
例文
Maria esas/es yunino.
マリアは少女だ。
Karlo esas/es yunulo.
カルロは少年だ。
La domo esas/es en la gardeno.
その家は庭の中にある。
Me esas/es en la gardeno.
私は庭にいる。
Me esas/es en la domo.
私は家の中にいる。
Vu esas/es en la domo.
あなたは家にいる。
Vu esas/es sub la tablo.
あなたはテーブルの下にいる。
Hundo esas/es sur la tablo en la domo.
犬は家の中のテーブルの上にいる。
Rex esas/es hundo.
レックスは犬だ。
Wilhelm esas/es kato.
ウィルヘルムは猫だ。
La hundo esas/es en la domo.
その犬は家の中にいる。
La kato esas/es sur la tablo.
その猫はテーブルの上にいる。
La buxo esas/es sub la tablo.
その箱はテーブルの下にある。
La kato esas/es sur la buxo.
その猫は箱の上にいる。
La muso esas/es en la domo.
そのネズミは家の中にいる。
La muso esas/es en la buxo.
そのネズミは箱の中にいる。
La muso esas/es sub la tablo.
そのネズミはテーブルの上にいる。

動詞ー現在時制

動詞とは、行為あるいは行いの単語です。例えば、「見る」「読む」「触る」などです。これらは全て行為です。
イド語は、動詞も語尾によって簡単に見分けがつきます。この本の中で学ぶ動詞は、現在を示しており、語尾が「-as」です。
現在時制は、その動詞の行為が「今」おきている時に使われています。
Me vidas la hundo.
私はそのイヌを見ている。
Vu tushas la kato.
あなたはそのネコを触っている。
今現在におきている行為なので、現在時制が使われます。英語では、二つ以上の現在時制がありますが、それで混乱してはいけません。例えば「I touch the dog.」と「 I am touching the dog.」
それについて考えれば、現在二つの行為がおきているのです。なぜなら、、両方の行為の意味はとても似通っているから、イド語では同じ方式でその両方を言うのです。すわなち「Me tushas la hundo.」は、「私はイヌを触る人だ」のであり「私は(一時的に)イヌを触っている」のあり、「Me lektas la libro.」は、「私はその本を読む(人だ)」あるいは「私はその本を(たまたま一時的に)読んでいる」の両方の意味になります。
ですから、英語からイド語に翻訳するときは、特にこのことを忘れないで下さい。
「I am touching」や「you are reading」を逐語的に翻訳しないで下さい。
イド語で自然に考えることができるまで、頭の中で「私は触る」「私は読む」と変換してから翻訳することが一番いい方法です。

接続詞「ed/e」

英語の接続詞「and」は、イド語では「ed」になりますが、「d」は語根の部分です。もし、続く単語が子音字で始まるものであれば、「d」は欠落して「e」になります。公式的には、どちらを使ってもかまいません。どちらの響きがいいのかですね。実際上は、ほとんどのイディストたちは、子音で始まる単語が続くときは「e」を使い、母音で始まる単語が続くときは「ed」を使っています。これから学習する他の3つの単語「a/ad」、「o/od」、「 ka/kad」にも同様に適用されますので注意して下さい。
単語集
drinkashavaslektasmanjas
飲む持つ読む食べる
prizaspromenasregardase/ed
好きだ歩く見る(look)〜と
tushasvidasaquofenestro
触る見る(see)
laktolibropomopordostulo
ミルクりんごドア椅子
例文
Me havas hundo.
私はイヌを飼っている(持っている)。
Me vidas la hundo.
私はそのイヌを見る。(見える)
La hundo vidas me.
そのイヌが私を見る。
Me prizas la hundo.
私はそのイヌが好きだ。
Me prizas lakto.
私はミルクが好きだ。
La hundo havas la lakto.
そのミルクは、イヌのものだ。
La kato drinkas la lakto.
ネコがそのミルクを飲んでいる。
Vu drinkas la lakto.
あなたはそのミルクを飲んでいる。
Me havas la pomo.
私はそのりんごを持っている。
Me manjas la pomo.
私はそのりんごを食べている。
La yuno manjas la pomo.
その若者がりんごを食べている。
Me regardas la muso.
私はそのネズミを見ている。
La muso vidas la aquo.
そのネズミは水を見ている。
La muso manjas la libro.
そのネズミは本を食べている。
La libro esas/es sur la tablo.
その本はテーブルの上にある。
Vu lektas la libro.
私はその本を読んでいる。
Vu lektas la libro.
あなたはその本を読んでいる。
kato regardas me.
ネコが私を見ている。
La kato regardas la pordo.
そのネコがドアを見ている。
Vu tushas la pordo.
あなたはそのドアを触っている。
La kato tushas la fenestro.
そのネコは窓を触っている。
Me tushas la fenestro.
私はその窓を触っている。
Me promenas en la gardeno.
私はその庭の中を歩いている。
Vu e la hundo promenas en la gardeno.
あなたとそのイヌは庭を歩いている。
La tablo e la stulo esas/es en la domo.
そのテーブルと椅子が家の中にある。
語彙
Bona jornoこんにちは
Til rividoさようなら
Quale vu standas?元気ですか?
Tre bone danko元気ですよ。ありがとう。
他のイディスト(イド語話者)に会ったら、あるいは会議や国際的な集まりに行った時などは、このシンプルな会話で始めてみましょう。
会話
ピーターとマリーの会話です。
P: Bona jorno!
P:こんにちは!
M: Bona jorno!
M:こんにちは!
P: Quale vu standas?
P:お元気ですか?
M: Tre bone, danko. Quale vu standas?
M:とても元気ですよ、ありがとう。あなたはどう?
P: Tre bone, danko.
P:元気です、ありがとう!
M: Til rivido!
さようなら!
P: Til rivido!
またね!
練習問題
  1. この会話の言い回しを練習して下さい。
  2. あなたの知っているイド語を使って考えて下さい。ドアに触れてみて下さい、そうして独り言で「Me tushas la pordo」と言ってみて下さい。本を読んで下さい、そして「Me lektas libro」と言うんですよ。できるだけ学んだ単語を多く入れて…。
  3. この講座にある全てのイド語の文章を声を出して、できるだけ多くの回数、読んで下さいね。

イド語の非公式的な世界

英語名とイド語化した名前の比較
英語を話さない人たちは英語の名前を発音できないこともあります。そこで、英語名をイド語化することも、あります。実験的なこころみですが、英語名とイド語化した名前の例を挙げてみました。
英語名イド語化名
CharlesKarlo [KAR-lo]
PaulPaulo [PAW-lo]
PeterPetro [PET-ro]
PhilipFilipo [fi-LI-po]
MaryMaria [ma-RI-a]
RexRex [Rrex]
RogerRogerio [r(r)o-GE-rio]
WilliamWilhelm [VIL-helm/WIL-helm] <- volo (will) +helmo : Volhelmo
非公式なイド語世界は、ジャズだ!
What a Wonderful World!
Se nur Haendel, Bach, Mozart, Beethoven, Tchaikovsky edc. existus' ma Louis Armstrong kun sua "jazo" ne trovesus en ca mondo.... quala tedanta mondon ni havus hodie. What a boaring world it would be ...
(日本語訳)
もし、ヘンデルやバッハやモーツアルトやベートーベンしか存在しなかったとしたら、いや、ジャズをやるルイ・アームストロングがこの世界にいなかったら…私たちは今日、なんてうんざりする世界にいたんだろう。なんて退屈な世界なんだろうか…。

What a Wonderful World!

詰まり、正式なイド語がクラシック音楽なら、『イド語の非公式的な世界』は私(ベブソン)のイド語ジャズの世界なのです。(:-P

Bebson HOCHFELD の宣伝文句(その1):


確かに、イド語はあまり支持者のいないマイナーな言語です。
https://www.youtube.com/watch?v=sbcaTNI-USM

日本の学校で英語を教えても、世界で各国の人間と自由に議論できる人材を育てる事には失敗しました。学校教育に頼らず、独学で自分自身を自由に表現できる言語を手に入れて世界中の人間から必要な情報を得て、世界で本当は何が起きているのか、日本人として如何の様に世界に対応し、また貢献して行けるのかを知る事が必要な時代が来ております。

イド語に熟達すれば、英語では決して手に入らない英語メディアに支配されていない、世界の深い情報を知る事になります。という事は、日本語マスコミの溢れ散るガセネタからも自由になるのです。世界の真実を知る事は、皆様方をより自由に心地良くします。

イド語を勉強して、その素晴らしい世界を体験してみて下さい。キット後戻りできなくなります。そして、伊藤氏に感謝します。

このページへのコメント

Riusuke Satoさま。ありがとうございました。
たしかに、「domo = 家」ですね。
原文が、「house」のように、「horse」の誤植でしたので、そのままノーチェック。
イド語で「馬」は、「kavalo」ですね。エスペラントでは「chevalo」。
お気づきの点がありましたら、また、お便り下さい。
(このコメント欄では、エスペラントの字上符が出力されないらしいデス)

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Posted by verbum303 2015年09月07日(月) 10:41:38 返信

こんにちは。ありがたく拝読しています。
Domo=馬 となっている箇所があります。家の間違いではないでしょうか。

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Posted by Riusuke Sato 2015年09月06日(日) 23:26:12 返信

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イド語文法編(4)

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