iMetry γ スペクトロメトリー ガイガーカウンター 放射線測定器 - 鉛による環境放射線遮蔽
自然界には微量の環境放射線が存在しています。そのため、被検体そのものの放射線を計測する場合は、環境放射線を遮断した環境の中で計測する必要があります。この環境放射線を遮断するには鉛遮蔽が必要です。計測にあたっては、バックグラウンドが大きいと、バックグラウンドの揺らぎにより微小な線量は測定できません。有意な計測を行うためには、放射線を遮蔽した環境を作り、その中のバックグラウンド放射線レベルを計測し、バックグラウンドの線量よりも小さな線量を計測する時は、コントロールのための検体も用意し、繰り返しの計測による比較、確認が必要です。
鉛遮蔽をしても、今度は主に212Pbの238.6keVの鉛由来のスペクトルと、鉛で防ぎきれなかったγ線と、検体から発せられるγ線が鉛にあたって放たれる80keV近辺の特性X線が残ります。80keVの特性X線についてはカドミウムと鉛の中敷を行うことにより相当量減衰することができますが、カドミウムは扱いが難しいので、現実には銅の1mmの中敷を5cmブロックの遮蔽箱に敷いて妥協することが一般的です。

鉛板の扱い方

  • 鉛板はインターネットで購入することができます。
  • 二万円ほど掛かりますが、放射線に対する理解がより深まるので有益です。
  • なお、鉛板は不用意に素手で触ることの無いように、鉛板自体をガムテープ等で養生して使用するように気をつけましょう。
  • 検体はビニール袋等に入れてください。

鉛板の効果の確認

  • 鉛板を下に敷いて、地面からくる放射能を鉛板の有無で比較してみましょう。
  • やさしおを用意してK40由来の放射線スペクトラムを計測してみましょう。迅速に計測するためにややさしおは、10袋前後必要になります。
  • その場合は、鉛板を下に敷いて、その上にiMetryを載せ、その上にやさしおを載せると、バックグラウンドの影響を受けにくくなります。
  • また、やさしおと、iMetryの間に約5mmのアルミ板を挿入すると、iMetryでのK40のスペクトルの同定に置いて、K40の放つβ線の影響をより受けにくくなります。