18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください

「おはようございます園長先生」

「おはようございます相場さん。短い間ですがよろしくお願いします」

「こちらこそお世話になります」


もう少女…子供ではないのは確かだが 大人の女性というには
そのまとう雰囲気は暖色の小さい花のように優しく柔らかい

幼稚園の園長室で初老の園長と話しているのは相場夕美 
ガーデニングと花をこよなく愛する18歳の大学生アイドルだ
彼女は大学生最初の長い夏休み期間 忙しいアイドル業の休暇中 
グアムやハワイに出かけていく事務所の他のアイドルたちとは違い
インターンシップの制度を利用して近所の幼稚園に研修に来ていた

「持田先生から紹介が来たことにも驚いたけど。この時期はご本業がお忙しいんじゃない?」
「あ、いえ。芸能界の皆さんも、この時期は休暇で海外に行ってらっしゃる方もいますから…」
「まあ、そんな時期にインターンシップなんて。真面目な学生さんなのね」
「いえ、前々からこのお仕事に興味もあったので…。受け入れて頂いてありがとうございました」

夕美の言葉に嘘はない 確かに、2週間のインターンシップで一般教養の単位を
2単位分読み替えられるというのは 前回の総選挙で総合4位にランクインし
様々なお仕事が急に増えた夕美にとって確かに魅力的ではあった

しかし夕美は、そんな不純な動機だけで幼稚園のインターンシップに申し込んだわけではなかった
理由がそれだけならば、事務所の方で楽なインターン先を適当に見繕ってもらうこともできた
そうしなかったのは、夕美が幼稚園の先生に多大な影響を受けていたからだ

自分が幼稚園の頃、とてもお世話になった先生の影響で夕美はガーデニングや花が好きになった
だからまだ完全に決めたわけではなかったけけど、自分の将来アイドルを続けないという選択肢を
選んだら…と考えたとき、幼稚園の先生とは悪くない選択肢に思えたのだ

「夕・美・先・生」

とそこに、聞きなれた声が聞きなれない呼び方で後ろから自分を呼んだ
振り向くと、事務所の同僚にして先輩でもある持田亜里沙がいつもの
ピンクのエプロン姿でたって微笑んでいた

「亜里沙さん!」
「あらダメよ夕美先生?ここでは亜里沙先生じゃないと」
「あっ…そうでした…」
「園児たちにとっては、夕美先生も同じ先生なんだから。気を付けてね?」

持田亜里沙はアイドルのスカウト受けた時点で幼稚園から退職しているが
今回夕美の受け入れ先であるこの幼稚園での勤務経験があった
その時の縁で、夕美をここに紹介してくれたのだ
さらに、退職しても当然幼稚園の教員免許はまだ所有しているため
夕美がインターンシップに来ている間のみではあるが
一時的に現場復帰して夕美の指導教官兼サポーターとして付いてくれることなったのだ
総選挙後のゴタゴタでこちらに手が回らないPのせめてもの配慮であった


少なくとも、夕美は最初はそう思っていた


ときは少し進んで夜、夕美は反省会の為に、亜里沙の部屋にいた
インターンの間、事務所の寮を出て亜里沙のマンションに居候しているのだ
その方が“色々都合がいい”とのPの判断であった
その亜里沙の部屋に、夕美の疲労がこもった溜息が響いた

「つ、疲れました〜」

子供が大人に比べて勝るところが確実にあるとすれば
それは何をしても起こらない相手を見つける事であろう

「フフフ…幼稚園の先生って意外と大変でしょ?」
「意外とどころか…子どもってスゴイですね色んな意味で」


結果からいうと、夕美先生は園児たちに大人気だった
園児たちは単純である カワイイ先生が好きだ 優しい先生が好きだ 遊んでくれる先生が好きだ
夕美は、幸か不幸かその全てに当てはまった
結果、他の先生が園児たちが付いている時以外、一日中園児たちに振り回されっぱなしだったのだ

「凄かったわね。夕美ちゃん才能あるんじゃない?」
「でも…今はそれでも良いですけど…」

夕美は不安だった。一緒に遊ぶことはできる。でも…先生の仕事はそれだけでない。
危ないことをしたら叱り、ケンカをすれば窘め…そんな事ができる自信が
今まで以上に無くなった いまの園は比較的良い子が揃ってはいるが…

「分かるわ」

そんな川島さんみたなことを言い、亜里沙は夕美の前に座った
手には湯気を立てるマグカップ ハーブのいい香りがした

「亜里沙さん…私」
「大丈夫、それを経験しにインターンに来たんでしょ?私だって最初は
 できないことだらけだったわ」
「…はい」
「不安な気持ちも分かるわよ。でも土台になる基本は一つよ」
「基本?」
「ええ…」

その瞬間、亜里沙の瞳に、一瞬暗いものがよぎった気がしたが
疲労による錯覚だろうと夕美は流した

「“園児の気持ちになって考える”。これさえ押さえておけば、大きな失敗はそうないわ」
「園児の気持ちになる…」
「先生って職業全てに言える事かもしれないけどね…さあ、明日も早いわ。朝は幼稚園バスに
 乗るんでしょ?これでも飲んで寝ちゃいなさい?」
「…はい!」

亜里沙が入れてくれたミルクは、ハチミツとハーブ入りでとても気持ちが落ちついた
そのせいだろうか…夕美は布団に入って間もなく、すぐに深い眠りに落ちていった


「夕美ちゃん?もうそろそろ起きる時間よ?」
「ひっ…あ、亜里沙さん?」
「フフッ…私以外に誰がいるのかしら?」

翌朝、夕美は亜里沙の声によって起こされた
いや…正確には起きてはいた いつもと違う違和感によって起こされた
ただしその違和感は、昨日の疲れの残りとか、ましてや枕が違うとか
そういった理由ではなかった

「夕美ちゃん?入るわね」
「ま、まって!亜里沙さん!」

いま、亜里沙に入られるわけにはいかなかった
さりとて、夕美の方が部屋から出ることもできない
亜里沙なら…その理由を一瞬で看破してしまうだろう

しかし、総選挙で夕美に味方した運命の女神は…今回は微笑んではくれなかった
夕美は、その“恥ずかしすぎる大失態”ゆえに、ベッドから起き上がることもできず
家主である亜里沙を迎えれるしかなかった


「夕美ちゃん?もう起きないと…あら?」
「あ…亜里沙さん。少ししたら行きますから…!」
「ふ〜ん?夕美ちゃん?」
「な、何ですか?」

妖しい笑みを浮かべた亜里沙が、夕美の横たわるベッドに近づく

「まさかとは思うけど…元幼稚園の先生に“ソレ”が隠せると…」

亜里沙はベッドのふちに腰かけ、夕美のタオルケットに手をかけた

「思ってるわけじゃないわよ…ね!?」
「ま、待って!それを取っちゃだめぇ!!」

残念ながら…と言うべきか否か、経験の差か、亜里沙の方が一手早い

「あらあら。夕美ちゃん…」

亜里沙が珍しく、呆れ果てたような目を夕美に向ける その眼は、以前の仕事で
後輩の美羽が言ったダジャレに対するそれより数段冷たかった

だが、それよりもさらに冷たいのは夕美の股間とベッド…
そう…夕美は、大学生になって幼稚園でも年長さんならほとんどしないような
恥辱的大失敗をものの見事にやらかしていた



「はぁ…夕美ちゃん?確かに昨日の夜に“園児の気持ちになって考えて”とはいったけど
 何も、おまたまで幼稚園児の…しかも年少さんに戻らなくていいのよ?」

亜里沙の口調はあくまで穏やかでやさしい だがそれが、逆に夕美の恥辱をあおった
夕美の目じりに意図せず涙があふれ出てきた

「ち、違うんです…!これは…」

言い訳などできない そうわかっていても、無駄な抵抗を諦められなかった

「これは“オネショ”じゃ…“オネショ”じゃないんです!!」

だが、その抵抗によって夕美は結果的に墓穴を掘った
言葉にしたせいで、自分のやらかした大失態が心に突き刺さった
大学生なのに…もう子供じゃないのに… そんな気持ちが夕美の心を激しくかき乱した
さらにそこに亜里沙の追撃が容赦なく襲い掛かる


「もう…夕美ちゃんたら、おまただけじゃなくて、気持ちまで幼稚園児に戻っちゃったの?
 よくいるのよ…オネショしたことを認めたくなくて、『これは汗だよ!』っていう子が…
 可笑しいでしょ?ごまかせるわけないのにね。今の夕美ちゃん、その子にそっくりよ?」

「オネショ…私、オネショしちゃった…」

もはやグウの音も出なかった。夕美は顔を真っ赤にしてうつむく
だが、うつむけば自分の股間が…びちょびちょに濡れて少し透けたパジャマと
黄色く染まった布団が目に入る 世界地図とは言えないまでも、かなりのシミであった

「…とりあえず立って?そのままじゃ気持ち悪いでしょ?」

夕美は促されて立ちあがった。オネショによって心をかき乱された上に
先輩の家の布団を汚してしまった罪悪感かが、夕美から抵抗する気力を奪っていた

「さ…パジャマのズボンを脱いで?パンツもね」

夕美は言われるがままにパジャマを脱ぎ捨てて、さらにパンツも脱いだ
小さい花のワンポイントが付いた純白のパンツ こどもっぽいかもしれないが
夕美のお気に入りだった

「フフッ、かわいいパンツが夕美ちゃんのオシッコで真っ黄色ね。さ、とりあえず干しちゃいましょ」

「え…干すんですか?洗うんじゃ…?」

「そのまま洗うと、その…申し訳ないけど汚いでしょ?少しでも乾かしてから洗濯機に入れたいから」

そう言われては夕美に拒否権などなかった。いや、そんなものは最初からなかったが
その後はもう、亜里沙に言われるがままに夕美は自分のオネショの処理をした


「パンツとズボンはそこに吊るして?上は…これなら後に直接洗濯機で大丈夫ね」
「あら、お布団はシミを向こう側にして干さないでね?私がオネショしたと思われちゃうから」
「布団が飛ばないようにしっかりとはさんでおいてね」

パシャリ…

そんな作業中、カメラのシャッター音が聞こえた気がして振り返ると
いつもの笑顔でスマートホンをこちらに向ける亜里沙の姿があった

「な、亜里沙さん!何してるんですか!?」

「あら?私は夕美ちゃんの指導教官よ?期間中、夕美ちゃんがやっちゃった
 “失敗”は、全て報告する義務があるわ」

「報告って…!」

「当然のことよ?園長先生にもだけど、このインターンの期間、私はPさんの代理でもあるんだもの
 勿論プロデューサーにも報告させてもらいます」

「Pさん!?それは!それだけはお願い!止めて下さい!」




「大丈夫よ。研修結果は総合的に判断するから、これから取り戻せばいいのよ。
 “キチンと私のいう事を聞いて”研修に励めば、失敗の報告の必要もなくなるわ」


夕美は、アイドルとしては間違っているかもしれないが
自分のPに淡い恋心を抱いていた 第三回の総選挙までいまいち結果の
出なかった自分を見捨てずにここまで連れてきてくれた人だ
その誠実な人柄に、夕美が惚れるまで長い時間は必要なかった
一体この世のどこに、自分がオネショをしてしまったことを思い人に知られたい人間がいるだろうか

だが、普段の亜里沙とは違う、極めて事務的な口調に夕美は一瞬押し黙ってしまった
それを好機とばかりに、亜里沙はさらにたたみかけた

「でもね?『大学生の夕美ちゃんが、幼稚園児でもしないような夜の恥ずかしい失敗をしちゃいました』
 なんて言っても、Pさんが信じてくれないかもしれないでしょ?だから添付資料としてこの写真を付けるの」

そういって亜里沙は夕美に自らのスマートホンの画面を見せた
そこには、パジャマを上だけ来て、淡い陰毛を見せつけるようにパンツを洗濯ばさみに吊るす姿
80cmのぷりぷりのお尻を丸出しにした無様な後ろ姿で、ベランダの手すりに布団を干す姿の夕美がはっきりと映っていた
どこからどう見ても、恥辱のオネショを必死に処理する女子大生アイドル、相場夕美以外の何者でもない

しかも最新のスマホのカメラの成せるわざか、パンツと布団のシミは完全に原色の黄色のままを映し出していた
時間がたって少しくすんではいるののの、そのせいでかえってオネショのシミっぽさが強調されていて
水をこぼしたという言い訳もできそうになかった

「でも…」

「さらに、万が一に備えてこれまでの会話も録音してあるわ」

亜里沙がスマートホンの画面を操作すると、明らかに夕美と分かる声が聞こえてきた
アイドルとして歌手もしている夕美の声は、普段の特訓の成果もあって非常に良く通り、マイク乗りも良い

『オネショ…私、オネショしちゃった…』

絶望的だった 最早、夕美を救う要素は何もない
全てが、夕美のオネショを証明するための物ばかりだった


夕美は、自分の運命を目の前の先輩アイドルに完全に握られたことをしった
自分は、亜里沙の何を見ていたんだろうか、憧れの仕事をした経験がある先輩?
誰にでも優しい年上のアイドル?それとも目の前で微笑む妖しい女性?

「とりあえず、シャワーを浴びて、今日から下着はいつもオムツをつけなさい
 おまたの管理も自分じゃできない恥ずかしい娘にはそれがお似合いね」

この日を境に、夕美が自分のパンツを履くことはほとんどなくなった




時はさらに移って夜 夕美にオムツを付けて寝かしつけた亜里沙は、深夜の事務所に来ていた
珍しくウサコは付けていない それは、『先生』ではなく『女』であるという彼女なりの意思表示であった
だから『先生』として彼と話すときと口調は全く違うそれであった



?「じゃあ全て予定通りなわけか」
 
 「ええ…少し怖いくらい。まさか1日目からいきなり夕美ちゃんがオネショするなんて思ってもなかったもの」

?「良く言う…。どうせ強力な睡眠剤な利尿剤をうまく盛ったんだろ?」

 「あらバレバレでしたか?」

?「盛ったのはそれだけじゃないな。あのシミの度合いから見て、元の尿の濃さは相当なもののハズ
  あえてビタミン剤が何か使って色を強く出したな?全く抜かりないというか…」

 「お好きでしょう?そういうの」

?「…ほんとにこれで良かったのか?」


 「ええ、これで良かった…ううん、これしかなかったのよ。」
 

亜里沙と彼は何度となく体を重ねた仲だった それこそ妊娠しても良いという程に
だが、幸か不幸かコウノトリが亜里沙のもとに舞い降りることはなかった
不安に感じた亜里沙が病院にいったところ、先天的な不妊症と診断された
おそらくは、事務所内で一番子供好きな亜里沙にとってその宣告はあまりにも…

亜里沙の心は、半ば壊れた


「夕美ちゃんだけ仲間はずれはカワイソウだもの」

彼は、そんな壊れそうな亜里沙を見ていられなかった 同時に、夕美の恋心に気づき始めてもいた
女のカンが、男の理性に勝ることもある 亜里沙もまた時をほぼ同じくして気づいていた
そんな二人が出した、狂気とも言える結論がこれだった

『夕美・亜里沙と彼の3人で新しい“家族”をつくる。』

ただし、亜里沙は妻として
夕美は…カワイイカワイイ赤ちゃんとして亜里沙に育てなおされるのだ
18歳の大学生でありながら、おまたのしつけが必要な赤ちゃんとして


彼は…二人からPと呼ばれる男は、この狂気を受け入れることが贖罪だと自分に言い聞かせた



エピローグ


「亜里沙さん!」

研修3日目の朝、夕美が亜里沙のいるリビングに飛び込んできた

「あらあら夕美ちゃん?昨日も言ったけど、“園児の気持ちになって考える”だけでいいのよ?
 夕美ちゃんはホントは大学生なんだから、そんなオムツ丸出しで歩いちゃだめよ?」

亜里沙の言う通り、今の夕美の恰好は、上こそパジャマを身に着けているが
下は亜里沙につけられたオムツが丸出しだった。どう見ても女子大生の恰好ではない

しかもそのオムツは、老人の介護用のような飾り気のない紙おむつものではなく
可愛い模様があしらわれた布オムツだった 布オムツは紙オムツに比べて厚い
そのため夕美は、足をちゃんと閉じて歩くことができず、まさしくオムツの取れない
がに股の幼女のような不格好を晒していた それに気づいた夕美は甲高い悲鳴を上げる


「えっ…!あっこれは違うんです…!」

「フフッ、いいのよ?朝からご機嫌ね。よく眠れたからかしら?」

亜里沙は二人分の朝食を用意しながら
そんなことは夕美にはどうでも良かった。昨日の晩、亜里沙にオムツを履かされたとき
ぐずる夕美に亜里沙はこういったのだ

『ダメ。念のためよ。昨日は疲れてたのよね?そうじゃなきゃ、大学生の夕美ちゃんが
 オネショなんて恥ずかしい失敗するわけないもの。だから…』

『朝までオネショしなかったら、明日の夜からはまたパンツでいいわよ』


そして夕美は今朝、おまたの不快感とは無縁な朝を迎えることができた
何百回、何千回と繰り返した当たり前のことがこんなに幸福なことだとは!!


「ええ…ぐっすり眠れましたし、寝起きもばっちりです!」

「それは良かったわ」



「それで亜里沙さん、今晩から…」

「2時間経ってるけど、オムツもまだ大丈夫みたいね」

「あら、気づいてなかったの?そのオムツ、昨日の夜に付けたのと柄が違うでしょ?」

嫌な予感がした、その嫌な予感のままに、夕美はベランダの方を向いた
嫌な予感だけは当たるものだ そこには、布オムツが合計3セット分も干されていた


「昨日の朝のオネショのシミの大きさが凄く大きかったから、心配になって夜の間、
 2・3時間くらいごとに夕美ちゃんのオムツを確認してたの。そしたらね…」
 
「うそ…」

「確認するたびにオムツがぐっしょりなんだもの。驚いちゃったわ」

「うそ…」

「おかげで昨日は夜に洗濯機を回しちゃったわ。夜までに乾くといいんだけど」

「うそ…」

「それとね。実は2回目に確認したとき…ごめんなさい、ちょっと手遅れだったみたいでね?
 吸収しきれなかったオネショがオムツから漏れちゃって、新しいお布団にまたシミがついちゃったの」

ふらふらと夕美は部屋に戻り、自分が横たわっていた敷布団をみた。そこには、確かに微かではあるが
まぎれもなくオネショと分かる程度のシミが残っていた
夕美は膝から崩れ落ちた。こんな酷いぬか喜びがあるだろうか?

「でもこれでハッキリしたわね」

後ろから追いついた亜里沙が語りかける

「夕美ちゃんは、もしかして“赤ちゃん返り”しちゃったんじゃないかしら?」

「赤ちゃん…返り?」

「そう。もともと夕美ちゃん、小さいころから“大人しくて良い子”で、手が掛からなかったんじゃない?」

確かに、両親からそんな話を聞いたことがあった

「だから逆に、親の愛情を受けにくかった…ご両親を責めてるわけじゃないわよ?でも、その代償が欲しい…
 もう一度、こどもとして甘えたい…そんな気持ちがオネショっていう赤ちゃんみたいな行動になって無意識に
 現れたのかも」

「赤、ちゃん」

「そうもう一度赤ちゃんに戻りたい…っていう夕美ちゃんの心が、オネショをさせたのよ
 そうでなきゃ、2晩も続けてオネショを、しかも布オムツを3セットも使うなんてありえないもの」



一呼吸おいて、亜里沙は止めをさすように鋭く、しかし優しく決定的な一言を告げた

「夕美ちゃんは、オネショ癖が再発した赤ちゃん娘になっちゃったのよ」

夕美の心が砕ける音が、亜里沙には確かに聞こえた

「私…どうしたらいいんでしょう?」

夕美の問いに対して、亜里沙は、園児たちに向けて見せる聖母の笑みを見せながらゆっくりと抱きしめた

「大丈夫」

母親がこどもに、娘にそうするように言い聞かせる

「私が夕美ちゃんの“ママ”になってあげる」

「ママ…ママ…!」

夕美は亜里沙に抱き付いた。それは、赤ん坊が母親に抱っこをねだる腕に亜里沙には思えた

(…夕美ちゃん、薬がもの凄く効きやすい体質なのかしら。昨日の晩のミルクに、ほんの少しだけ、
 自白剤に似た思考を鈍らせるお薬を混ぜただけなんだけど)

いずれにせよ、朝の窓から差し込んでくる光が写した影は歪な、しかしそれでいて
確かなキズナで結ばれた“親子”の姿そのものであった

「ねぇ夕美ちゃん?」

「なぁに?ママ」

「ママだけじゃ家族として寂しいわ。“パパ”もいればいいと思わない?」

その後、研修を終えてアイドル業に復帰した夕美は、超人気アイドルとして
様々な仕事をこなし、トップアイドルの一人として数えられるようになった

しかし、彼女が履いているスカートやズボンが以前より少し膨らみを増していることや
持田亜里沙とよく一緒にトイレに入る事に気づいた者はいなかった

そう…彼女の“パパ”を除いては



68人目 改め 2015/08/19(水)02:46:25 >>870-881より引用

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