機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

土井りゅうすけ議員(自民党)の質疑

土井委員

次に、今お答えいただきましたけれども、特区と連携して相乗効果が期待できるという点においては、先般、これも代表質問で教育長が答弁されましたけれども、川崎市内に残す方向性が示されました県立川崎図書館がございます。これも連携して効果が期待できると思うんです。この図書館はまさに知的財産や特許は企業の命というふうに言われている中で、これに関連する蔵書が充実したのが県立川崎図書館でありますので、まだ場所は決まっていないという知事の答弁でありましたけれども、特区と連携していくという視点があってもいいのではないかというふうに思っているんですけれども、教育長、ご答弁願えますか、この点について。

藤井教育長

お答えいたします。
川崎図書館には全国の企業や学会から最新の技術情報や研究成果が掲載された学会誌や技術報告書が寄贈され集積されておりますので、こうした資料等、多くの企業の方々が調査研究のために来館しております。川崎図書館は、こうした貴重な情報を提供することで企業の研究活動を支援するとともに、研究成果を特許の取得につなげるに当たって特許の手続についての指導助言を行うことなど、知的所有権センターとして企業活動の支援を行ってまいりました。京浜臨海部のライフイノベーション特区においては、多くの企業が医薬品や医療機器などの研究開発に取り組んでいくと承知しておりますので、川崎図書館のこうした機能は大いに役に立つというふうに考えております。そこで今後ライフイノベーション関連の企業の研究開発を支援していくと、こういった視点も大切であるというふうに考えております。
以上でございます。

土井委員

この特区の成長のためにいい答弁いただきましたけれども、ぜひとも県立川崎図書館と連携してやっていってもらいたいというふうに思います。



では一方で、京浜臨海部はどうなのかというふうなことでお聞きしていきますけれども、この特区では川崎が先んじて殿町地区をキングスカイフロントというふうに名づけまして、もう皆さんご案内のように川崎生命科学・環境研究センター、通称ライズというんですか、これを中核施設と位置づけて昨年12月に竣工しました。しかし、県の拠点施設というものがないわけでありまして、強いて言えば、これから国に対して区域の申請をするというかながわサイエンスパーク、それから県立がんセンターくらいですよね。こういった肝心の殿町の地域、今まさにメーンの川崎の殿町地域には県の拠点施設というのが全くないわけであります。そういった中で、先ほども申し上げましたけれども、国の健康・医療戦略室、これには神奈川県の関係者が就任したということでありますので、こういうチャンスを逃す手はないと思います。このチャンスに今注目の成長産業を育てるこの特区で県がぜひとも存在感を示していかなければいけないと思います。そして、積極的に関与していくためにもぜひとも拠点となる施設をこの殿町地区につくっていくことが大変重要であり必要だというふうに思っております。
経済状況が厳しいのはわかっています。しかし、やはり将来の国益や県益、県民益を考えた場合に将来の投資というのは必要だと思います。そういった投資については我々もあえて認めていかなければいけない立場にあると思います。以前、民主党政権ではそういった将来の国益につながるような科学技術の予算を仕分けして、2番でいいですか、2番ではいけないんですかと言った大臣もいました。我々はそうは言いません。将来の国益、県益、県民益を考えた場合、この投資は必ず未来に返ってくる投資であるというふうに確信しておりますので、どうかここでこの殿町地区に県が主導権を持つためにも拠点をつくるべきだというふうに思いますけれども、知事のお考えをお聞きしたいと思います。

黒岩知事

このライフイノベーション国際戦略総合特区の殿町地区に県の中核的な拠点が必要ではないか、私もまさにそう思います。これまで、まずはその施設というふうにきていません、それは正直なところです。とにかく私が今まで心がけてきたところは、このライフイノベーション、ここから始まるんだというメッセージを強力に出すという中で、民間主導でできる限りのところまでいきたいということです。
これは、今我々がやろうとしているのは産業政策です、産業政策は転がり始めるとこれは民間が絶対手を出してくるだろうと。今一生懸命頑張っていたのはむしろ海外とのネットワーク、それをきちんとつくるということ。これ海外とのネットワークがしっかり見えてくる、これがグローバル・コラボレーション・センターと言っているものですけれども、これがしっかり見えてきたときに、ああここに来ればこれは大変確かに成長戦略に直接かかわれるぞというふうなメッセージが届けば、さまざまな新規施策が出てくるだろう。それがある程度見えてきた段階で、ではどこに中核的な施設をどんなふうにつくればいいかということも見えてくるだろうということでありまして、それは次のテーマだと思っております。そろそろかなという気はしますけれども、県の主導によりましてそういった戦略的、総合的、そういう施設をぜひつくっていきたいと考えております。

土井委員

ぜひともこれこそ本当に日本の成長産業の最たるものですから、神奈川県がやはり主導権を持ってしっかりと誘導していくというようなことが大事でありますので、知事からは拠点をしっかりとつくっていきたいというようなお答えがありました。まさにこれ報道の域を出ませんけれども、先ほどの健康・医療戦略室のアドバイザーに就任するのではないかというふうな報道もされている中で、しっかりと神奈川が主導権を持ってこの特区を推進していっていただきたいと思います。
また、拠点を持つのであれば、先ほど図書館の件にも触れましたけれども、この特区の区域内に設置する考えはないのかなというふうに思います。先ほどお聞きしたけれども、県立川崎図書館、特区との連携を進めていくというふうにお答えをいただきました、藤井教育長から。今、川崎市の再開発計画で移転を余儀なくされている状況の中で、まだ場所は決まっていないよという答弁がございました。県が設置を検討している拠点の中に今、知事がお答えいただいたこの特区に拠点を検討しているという答弁がありましたので、この中にぜひ特区構想を推進する立場から川崎県立図書館を置くべきではないかなというふうに思いますけれども、知事、いかがでしょうか。

黒岩知事

この川崎図書館については、神奈川臨調のほうから県有施設を3年以内に全廃せよという厳しい見直しの中でずっと大きな議論になってまいりました。それで県民の皆様とまた議会の皆様との議論を通じて、やはりこの川崎図書館の持つ意義というものがこれも改めて浮かび上がってきたなというふうに私は思っております。最新の技術情報の集積、企業の調査研究を支援するというそういう産業支援機能、こういった部分は確かに大きな魅力だろうというもの、これはやっぱり必要なんだろうということであります。
これをどこに持っていくのかといったところでありますが、ライフイノベーションと言っているこの特区があるわけです。ライフイノベーションの目指している方向性とこの川崎図書館の持っているそういった潜在力とは、かなり軌を一にするところがあるのではないかなと実は考えております。それで、私としましては、この産業総合特区で想定しております産業情報センターと川崎図書館を統合していくということが効果的ではないかと考えておりまして、今後その方向で教育委員会と調整してまいります。
以上です。

土井委員

ありがとうございます。
県立川崎図書館についてはこの再開発計画、川崎市が上ったときからいろいろな話題になっておりまして、知事が緊急経済対策、神奈川臨調を立ち上げてからも、まあ新聞報道がにぎやかで、大変な迷走というかそういったような状況であったんですけれども、今の知事の答弁で方向性が見出せたと思っております。ぜひとも、本当に先ほども申し上げましたけれども、この日本最大の成長産業を集積する特区でありますので、神奈川県が今の状況では川崎が日本を引っ張っているような報道がなされていますけれども、そうではなくて神奈川県が川崎を引っ張っていって国を引っ張っていって主導してこの成長産業を育てていくんだという思いを持って、しっかり取り組んでいっていただきたいというふうに思います。我々も未来の神奈川を論じたときにこの特区の発展というのは本当に必要だと思っておりますので、私たちもしっかりと議論しながらこの特区構想を推進していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。

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