ー真の被害者救済につづく道ー

カネミ油症「新認定訴訟」で裁判所に送る署名を募ってるけど、
そもそも「新認定訴訟」ってどういう裁判なのかしら・・・?


Q.誰が誰を訴えているの?


カネミ油症の認定患者らは、1970年から1985年までの間に6件の民事訴訟の裁判を起こしました。
被告となったのは、PCBが混入したライスオイルを製造販売したカネミ倉庫、カネミ倉庫にPCBを販売した鐘淵化学(現・株式会社カネカ)、そして国などです。
この一連の裁判は1987年までにすべて終了し、患者らとカネミ倉庫・鐘淵化学との間には和解が成立しました。
(詳細は「カネミ油症とは3.被害者たちのたたかいをごらんください)

裁判が終わってから17年後の2004年になって、油症検診の診断基準に大きな変更が加えられました。
血液中のダイオキシン類(PCDF)の濃度を測って診断することになったのです。
新認定裁判では、この診断基準の変更以降に認定された被害者を「新認定被害者」と呼んでいます。

新認定裁判は、新認定被害者41名と、
1987年から2004年までの間に認定され、裁判から取り残されていた被害者14名の55名が原告となって、
カネミ倉庫株式会社を相手に2008年5月に福岡地方裁判所小倉支部に訴えを起こした裁判です。

Q.何を求めているの?


原告は、先の裁判が行われていた期間には患者として認定されていなかったために、加害企業に損害賠償を訴える機会がありませんでした。
認定された際に受け取ることができる一時金は、カネミ倉庫が支払う見舞金23万円だけです。
認定後の医療費はカネミ倉庫が負担することになっていますが、認定されるまでにかかった医療費は一切補填されません。
原告は、カネミ倉庫株式会社に 患者一人当たり1100万円の損害賠償を求めています。

Q.第一審判決はどうだったの?


今年3月(2013年3月21日)福岡地方裁判所小倉支部は、原告らが主張してきたとおり、被告カネミ倉庫の責任を全面的に認め、また、原告らがカネミ倉庫に対して損害賠償を請求する権利を有することも全面的に認めました。
ところが、判決は「除斥期間」によって原告55名全員の請求を棄却しました。
除斥期間は民法の規定で、加害行為が終了してから20年以上訴えを起こさなかった被害については賠償請求権が消滅するというものです。
カネミ油症事件においては、加害行為は遅くとも事件が発生した翌年である1969年12月31日に終了しており、1989年12月31日が経過した時点において損害賠償請求権が消滅したという判断でした。
原告は、この判決を不服として福岡高等裁判所に控訴しました。

Q.控訴審はどうなっているの?


先月10月28日に第一回控訴審が行われました。審理はまだ継続中で、第二回は12月16日に予定されています。
控訴審の争点は「除斥期間」です。
原告の多くは平成16年(2004年)に認定基準に血中のダイオキシン濃度が追加されたことで初めて認定されました。除斥期間を認めると、患者として認定される前に裁判を起こさなくてはならなかったとことになり、これは原告にとって不可能を強いるものです。
原告らは、除斥期間の1989年末までに訴えを起こさなかったことに自らの非がないことを訴えています。


語句解説

【認定患者】
カネミ油症は汚染されたライスオイルを摂取して健康被害の自覚がある人でも
「認定」されなくては被害者として認めらません。
認定を行うのは厚労省から委嘱をうけた「油症研究班」です。
事件発生当初の認定基準は皮膚症状を主な診断基準としたものでした。
その後何度か、診断基準の改定が行われましたが、被害を訴えた14000人以上のうち、油症患者として認定された人は死亡した人も含めて2210人で(2013年5月末現在)、それ以外の人は未認定のままにおかれています。

この控訴審の第一回審理が 2013年10月28日に行われたんですね。
そう、その審理をぼくhyromyが傍聴してきました。
傍聴記録を読んでね。控訴審第一審 一市民の傍聴録へ

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