前述したように、十代で起業をしており、身につけているアクセサリーは自社のもの。自ら身にまとうことで、広告塔としての役割も果たしているようだ。
また、彼女はアイドルである自分を“商品”と表現する。会社を経営し、モノを売り、客に対価を払ってもらう。そんな社会を経験している彼女だからこその表現だ。“アイドル桐生つかさ”は、商品価値を高め、レベルの高いパフォーマンスでファンを満足させることが仕事である。仮に、今の自分に自信がなくても、彼女はいつでも自信満々でなくてはならない。自分や周りの人間、身に着けてる衣装の評価を落としてしまうことになるのだから。
そんな彼女が表舞台に立つときは、ほぼ必ず緊張する。時に不安げに、時に必死な顔を見せ、汗水流して本番を成功させることに集中している。
「ショーのランウェイを歩くなら、本気になるしかないだろ。アタシは商品だし、衣装の魅力を引き出すのが仕事なわけ。だからこそ、今のアタシは世界で一番輝いてるって信じて歩くんだよ。それが嘘でもな」というセリフから、彼女の自己評価の真意を垣間みることができる。
ビッグマウスな反面、「心配性なんだよ」「完璧じゃねーと満足しないの!」「ある意味、臆病なんだよ」と、求めるレベルとのギャップにいつも頭を悩ませている。「あるよ失敗談。山ほど。今だって」と過去の経験について語ることもある。
このように、高い自己評価と大きな自信にあふれている彼女だが、負けず嫌いで、アイドル業と社長業のどちらも手を抜かず本気で取り組み、毎日の勉強と努力を欠かさない勤勉家である。