2016年10月17日から11月14日まで開催されたイベント。
 事前にアイのスプラッシュ画像に切り替わり、雑誌でもアイを大きくクローズアップし*1、Twitterでの先出し画像ではシャボン玉にアイやリツェーレが映っており、おせニャンのお知らせも人文字で「AI(アイ)」となっており、アイの小話の復刻でアイのイベントと予想されたが、蓋を開けてみれば全くの新キャラのアーデ、メモリアが主役のイベントとなった。
 そして開始早々、話やキャラの出来の悪さ、独自システムの「シャボンヌのいたずら」への対応の煩雑さが露呈し、ブーイングが飛び交う事となってしまった。

良かった点

 背景や音楽に関しては幻想的な雰囲気が良く出ており、高い評価を得ている。
 シャボンヌという厄介なシステムがあるもののイベントの難易度は低めで、スコア稼ぎやタイムアタックなどを考える必要もなく、周回の必要性が少ない事については評価する声がある。

悪かった点

ストーリー・キャラ全般について

 端的に言えば、2016年のコラボを除いたシリアス系イベントのストーリー・キャラでは最底辺の評価を受けていると言っても過言ではない。
 賛否両論にすら達せず、話が薄っぺらくつまらないという意見がイベント開始早々大勢を占めた。
 シナリオの文章が稚拙でライトノベルのテンプレートを雑に切り貼りしているといった意見や某有名アニメや某有名RPGの劣化*2と酷評されている。
アーデについて
 主人公であるが、ユーザーからの反応は極めて悪い。

 ヒロインのメモリアを特殊な事情から追いかけるキャラとなっているが、メモリアの意思そっちのけでメモリアを追いかけ*3、中途でメモリアを追って離脱したかと思えば戻ってきたり、拳銃を構えたムスティンに向かって猪突猛進等と非常に迂闊な点が多々見受けられ、ユーザー視点からの行動がどうにも安定しない。
 さらにポエムめいた独白*4がライターの語彙・表現力の乏しさのせいで気持ち悪く見えたりでストーカー扱いされてしまっている。
 極め付けとして、メモリア共々土台となる重要な過去の描写があっさりと済まされてしまい、ユーザーが感情移入、納得が出来ずに置いてけぼりとなってしまった。
 そして、黒猫の魔法使いを含めた他のキャラを完全に脇に置き、アーデとメモリアは自己完結して関係を修復、イチャコラする為、ユーザーとキャラの間に相当な温度差が生じてしまっている。

 そこから転じて、直視に堪えない、不快という声すらある。*5

 11月下旬のニコニコ生放送での新人王予想投票で直近のイベントの主人公でメアレス勢除外と恵まれた環境にも関わらず、アーデはダントツの最下位を獲得。うがぴよ氏がフォローに苦慮する場面が見られた。
 …が新人王グランプリの中間発表で男性部門で4位*6となった。
 その結果某掲示板では危機感を抱く者が多く現れ、4位前後のヒビキやフェリクスにたくさん投票してアーデ入賞を阻止しようとする動きが見られるようになった。
 最終的には新人王グランプリ6位となり、男性キャラ唯一の主人公にして直近のイベント主人公にも関わらず、4位のフェリクス(空戦のドルキマス2登場、脇役)、5位のリグス(天上岬2登場、脇役)に惨敗するという結果となった。

 12月に入ってからはクリスマス限定候補筆頭と予想され、再登場が強烈に危惧されていたもののクリスマス限定には選抜されなかった。
 しかし大多数の黒猫ユーザーが胸を撫で下ろしている所に、不意打ち気味に2017年正月限定でメモリアと共に登場。
 更に多大なヘイトを集め、最早名前を出すだけで荒れるというとんでもない事態になり、正月からその流れは更に加速した。
 正月版については後述。
アイについて
 イベント前は主役で、まるでアイのイベントであるかの様にとれたが居てもいなくても変わらない全くの空気である。*7また喋る速度が遅くてじれったくてイライラするとの意見もある。
 覇級にて申し訳程度の補完ストーリーが展開されたが、その内容も非常に薄い。これについてはユーザーから大きな失望を買った。
 予告画像にはアイの製作者のリツェーレの顔がシャボン玉の中に描かれており、何らかの形で登場すると予想されたが一切出てこなかった。
 ただ掘り下げはなかったもののキャラがブれる、崩壊するというこの手のよくある被害は免れている。

 ガチャの最後の一日の煽りで主役のアーデ、メモリアそっちのけで告知イラストにアイが登場した。
スワンについて
 黒猫の魔法使いが序盤に機械人形を拾う。これがスワンである。
 カードにはボイスがしっかりついているにもかかわらず、話には以後一切登場せず空気以前の存在であり、魔道杯でも一切のフォローもなかった。
 配布ということもあって性能自体に批判はあまりないが、ASはともかく潜在能力の内容や順番が(水の部分を火に置き換えれば)「まいみと全く同じ」であり、限定との差別化などに関して手を抜いたとも捉えられる。
 キャラ自体はイラスト、声共に中々に好評である。後にエーテルレイド、心竜レイド、心竜外伝などで接待されている。
敵について
 今回の敵であるムスティンがどうなったかは全く不明。
 「国家転覆を狙う反逆者」という二つ名があるが、その国家の事すら語られずに投げっぱなしで終わり、消化不良感が非常に強かった。
 
 正月アデメモの小話にてムスティンはかませ犬としてあっさりやられ、一応の決着を見た。
シャボンヌのいたずらについて
 4ターン周期で「あわあわ〜」という気の抜けたボイスと共に強制シャッフルがかかり、パネル効果もランダムで付与される。
 これがかなりの曲者で、ノーマルは兎も角ハードでは変換精霊の保険がないと冗談抜きで詰むことがある。*8
 パネル変換という明確な対策は存在するのだが、シャボンヌのシステムの説明「みんなの慌てた顔が大好物」が挑発的に見える事、演出の冗長さで強烈なヘイトを集めることになった。

 その結果、イベント開始早々シャボンヌは「害獣」認定されてしまい、叩かれることになってしまった。
 一応、煌眼を持たせたミカゼや夏ロア(水)を起用すれば2ターンでパネルを用意出来、空踏みや煌眼での回復ループなどが可能になるなど、必ずしも最悪というわけではなかった(雷には該当する精霊はいなかったが)。
 そもそも「メモリアを助けて!」と言っている割りにこの始末であり、本気で助けて欲しいのか慌てる姿を見てプレイヤーを馬鹿にしたいのか、何がしたいのか全く分からない。

 魔道杯のストーリーでは村をイタズラの為に襲撃し、ネタや冗談抜きで害獣と化し、ユーザーのヘイトを爆発させた。

 後述するが、黒ウィズミュージアムでは直接敵として登場。約13ヶ月振りの登場にその日、当時プレーしていた人は思い出した。奴らにいたずらされていた恐怖を…。
 22階層で1戦目からボス戦目まで全てで登場し、前回以上に更に酷いいたずらをするようになり更なるヘイト稼ぎを行った。
 プレイヤーの怒りを買った悪役はエネリーやマクシエルなどいるが、プレイヤーに直接的に攻撃して来た悪役は唯一このシャボンヌだけであり、その悪役っぷりはまさにレジェンドである…。
 それから数年後、クエス=アリアスでも登場。パネルリザーブのイタズラで凶悪さを遺憾なく発揮してくるが、ここまで来れたプレイヤーなら問題なく対処できるだろう。非常にうっとうしいのは変わらないが…
その他の問題点(話の薄さ、設定の甘さなど)
 メモリアの記憶消去後に放逐されたアーデ一行を黒猫の魔法使いが助けることになるのだが、単純に考えれば記憶消去の後すぐにトンボ返りしてきた形となり、そのあたりの描写も全くないので悲壮感等がまるでない。その割にメモリアが身体や精神共に異様に消耗しているのも謎である。
 レダの製作者が思い出を集めさせていた理由や、魔法陣の崩壊による危険性が予感されているにも関わらず壊して大丈夫だったのか等も全て投げっぱなしである。
 研究所の黒い部分やアーデの実験体といった事情も明示してはあるものの、話がそれで膨らむ訳でもない。

 最近はかなりの頻度で強力な描写があった黒猫の魔法使いが違和感を覚えるレベルで謎の弱体化をし、その分、実力のないアーデがなぜか出しゃばり活躍するという形になり、アーデに対するヘイトを更に高めた。
 外伝もあるが特筆すべきストーリーの補完等もない。ハードモードのストーリーもなく話の薄っぺらさはフォローされてはいない。

ガチャについて

 限定6種であり、明確な壊れ精霊等はいないが、いわゆる外れ枠もなく全般的に性能は高い。
 メモリアは特に強力で、銀アイやゼドーも手持ち次第では強烈な破壊力を繰り出すことが出来る。

 その後の心竜ガチャやエステレラガチャが振るわなかったこともあり、限定の性能に関しては当初より更に高い評価を得ている。

レディアント魔道杯について

 ストーリー面ではシャボンヌが前述のとおり、ネタ抜きで害獣と化した事やそれに対するアーデやメモリアの温過ぎる言動、対応は大きく不評を買った。
 研究所製の機械人形ワルツが出てきたせいでリツェーレやアイの意義に疑問符がついてしまった点も良く指摘される。

 報酬面では前回、前々回程ではないが比較的優良なものが揃っている。総合のワルツは闇特攻とピンポイントながらもSoul of Kingsの火龍相手に最適解となり、評価を上げた。

総評

 夏の暗黒期の惨状からクロム・マグナ零、空戦のドルキマス2、双翼のロストエデン2と何とか盛り返してきた流れを下手すると一時的に停滞させてしまった感はぬぐえない。
 ここ一年でストーリー、キャラの質が大幅に上がったせいでユーザーの見る目も必然的に厳しくなってしまい*9、本イベントは残念ながらそれに応えることはできなかった。

その後

 本イベントの後に2016年屈指の評価の黄昏メアレス2が開催され、停滞ムードを吹き飛ばした。
 本イベントはエヴァイベ八百万Zと並び出来の悪いイベントの代名詞となっており、特にアーデは悪例として度々槍玉にあがっていた。
 先述した通り、既存の人気キャラを除外しほぼ接待ともいえる状況下で更に運営の後押しがある中での新人王GPでのアーデが6位と醜態を晒した。
 それを無視してグッズ化*10、正月限定化が強行されたせいで爆発的にアーデ、ひいては本イベントに関するヘイトが増加し、現在は名前を出すだけでネタ抜きで袋叩きにあうというエヴァイベを彷彿させる状態と化した。

 そして、迎えた2017年の正月限定は2代目ちくわを彷彿させる割とどうしようもない性能に何とも形容しがたいAS名&SS名と、ガチャ開始後瞬く間にその存在そのものがユーザーに怒りと絶望を与えた。
 話もレディアント本編よりマシなものの強引な展開は相変わらずで掘り下げ等も大してされず、案の定本編外伝再びと言った感でイチャイチャし、人によっては直視しえないものであった。
 更に正月ガチャにおいてアーデと同じ火限定のイーニアが大当たりの多弾カウンターであり、アーデは騎士団共々ガチャブロッカーと化したことにより明確に実害と成った。
 アーデへのヘイトは留まる事を知らず、アーデは名実共に黒猫のウィズ史上最大の嫌われ者となり果てた。

 フォローしておくと、あからさまなぶっ壊れがなかった2016年Xmasガチャとは異なり、2017年正月ガチャはあからさまに強い正月イーニアなどが入っていたにも関わらず正月アーデ&メモリアは明らかにそれらより遥かに見劣りする性能にした運営が悪いのが正直な所だろう。

 正月の小話で非常におざなりではあるが本編未消化の相当部分を消化した感があり、区切りはついた。
 しかし運営があからさまに推していた事実から今後のアーデの再登場及びレディアント続編の可能性についてネタ抜きに恐れられ忌避されている。

 が、評価があまり良くなかったSUGARLESS BAMBINA幻魔特区スザクで評価を持ち直したという事例もあるため、名誉挽回してストーリーを完結しても良いと思うのだが…。

評価の見直し

 上記の通り登場当時は最悪な評価であったアーデ&メモリアの性能だが、覇眼3からのエクストラの難易度上昇に伴う難易度ダウンの潜在、アイドルωキャッツからの単色推しに伴う単色ヒーラーとして冗談抜きで評価が上がった。その後2018年6月の大魔道杯inエニグマフラワーズでは高速周回のキーとなる活躍を見せた。
 レディアント絡みで唯一評価が上がった事項かもしれない。

復刻

 2017年8月7日に夏の魔道士応援キャンペーンの一環として、おそらく初の本編未復刻での2人協力クエストのみ復刻。
 酷評されたストーリーは読むことが出来ず、「シャボンヌのいたずら」も出てこない。もうこれでいいんじゃないかな。

害獣再び

 2017年11月30日より開催中のイベント黒ウィズミュージアム第22階層でシャボンヌが再登場している。
 今度は毎ターン水パネルに変換してくるため、毎回真っ先に倒さないとパネル事故の元となる。
 また、12月4日に本編が初の復刻開催となった。何故復刻したし。
 新規や引退中で本イベントを知らなかったプレイヤーがストーリーを見て冷める、GameWithで設定について質問するも案の定まともに説明できる事項がないという二次災害すら引き起こしている。

正月2018

 2018年正月では、アイ&アイが限定で登場。
 ストーリーではレディアントに登場した他キャラは登場せず、続々・超魔道アルティメットハロウィンガールズの後日談的な内容となっている。
 本イベントとUGは共に「魔道を追及し、魔道を極める異界」が舞台であるとされていたが、このイベントで初めて明確に繋がりが描かれた。
 また、ストリーのストーリーではゼドーが登場している。
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