最終更新: kusakidoshoten 2018年01月13日(土) 15:36:38履歴
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NEW 古楽夢
今更?今頃?今一度 この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
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(11)鳴かぬなら どこにいるやらホトトギス
萬緑の候。里山を散策すれば、若いウグイスの鳴き方もだいぶ上達してきている。「特許許可局」時鳥の声はまだ聞かれない。そんな浮世離れの耄碌爺も、月に一度組合の市場に出て呆けを何とか食い止めている。
そして、[市場を楽しく盛り上げる]というのが、売り買いにさっぱり貢献できない爺のかねてからの役どころで。先日の古書市場、「置入札」から、いわばの第二部の「フリ」(一般で言う競り市)に進んでの話。
昨今、文芸書はあまり人気無く、振り手が10冊程の少し疲れて薄汚れた本を台の上に晒して「ハイ欲しい人!!」と”皆さんお疲れ気味だから速く進行しようぜ”、という雰囲気で発声したので、爺は即、手を挙げた。
「はい!!きょし(挙手)」
シャレてみたわけである。本が高浜虚子関係の本だったからである。余り受けず、本は即座に落札となり、私の手元にホイと投げられた。洒落が通じなかったので、ガックリだったが、丁度、先月の市で落札した久保田万太郎の話を書き継ごう、虚子の方からのアプローチも欲しいなあ、と思っていたので、幸運だった。つまり、久保田万太郎の師の松根東洋城と虚子の確執というか、「国民新聞」俳壇選者を巡る経緯をもう少し覗き見してみたい...と考えていたのだ。
選者から東洋城を外した原因は石川桂郎『俳人風狂列伝』 に書かれていて引用で読んだが、つまりは、彼の「一盗二婢・・・」癖らしい、しかし虚子側からの匂わせるような記述がないものかと、思ったのだ。一冊を鵜呑みにはしたくない。また読書読書であるが、どんどん本が積み上がり、まとめるどころか、風呂敷が制限なく広がり収拾がつかなくなりそうだ。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※「東洋城全句集」(全三巻) ネット上に1万円から2万円で出ている。手元不如意の古本屋、座右に置きたいが、これも市場に出るチャンスを待つしかあるまい。(こんな悠長な事では入手は到底無理だ)
落札本の間に虚子の生写真が挟まっていました 松根東洋城
角川写真文庫の巻末、大野林火のあとがきに、「虚子十句」が挙げられている。その中に門司の句あり。
"春潮といへば必ず門司を思ふ" ウーム。10句の中に入れるかな?ではある。「虚子十句」の嚆矢は、
"遠山に日のあたりたる枯野かな" (虚子) に尽きよう。
"茹で栗を 峠で買ふや 二合半" (東洋城)
"焼き餅を 頬張り渡る 梅の宮" (白骨)
"壇ノ浦 潮待つ船に 夏の風" (白骨) ※俳句の巨星と拙句並べて不遜な事です。
(12)サーカスがやってくる
先日TVで「木下サーカス」が特集されていた。かつての赤字を克服して、平成の今、沢山の人を楽しませていた。爺の子供の頃がサーカスの全盛で、実家の裏手の空地にもよく来たものだ。「キグレサーカス」だったかも知れない。両方来たのか、もはや記憶が確かではない。
店の使いの行き帰り、天幕の隙間からオートバイ曲芸の巨大な球形が覗けた。象や虎などの獣の匂いが辺りに立ち込め、空中ブランコのアナウンスが流れると、「店をほっぽらかして見に行きたいなあ」と嘆息したもの。
当時は水戸の一等地での商いで千客万来。「人様の遊ぶ時が稼ぎ時」と親から叩き込まれていたのである。まあ爺、今もその了見だ。いいや、皆が働いている時も働くという、貧乏暇なしの有様だ。
さてさて、サーカスでも、今回は歌謡曲の方の話である。[サーカス]。男女二人づつという、あまり無かった構成のグループ。このリードヴォーカルの叶正子さんが、東中野の叔母の若い頃にそっくりの美人で「好み」だった。「Mr.サマータイム」を引っさげてTVに登場すると、醸し出す色気にメロメロとなったものだ。
実はこれが錯覚で、叶さんの次男の嫁の原順子さんというのが、並んでコーラスを付けていたのだが、実はこっちのフェロモン、セクシーさに射抜かれていたのだった。彼女、グループに加わった際「今度サーカスに入る」と、ご母堂に報告したら泣かれたというエピソードを持つらしい。昔の子供は夕方まで遊んでいると「人さらいに捕まって、サーカスに売り飛ばされるぞ」と大人から脅されたものである。
この順子さん、誰かに似てるなあ....と胸のつかえになっていたが、先日、お笑いの[スピードワゴン]の「ハンバーグ!!」と言う方じゃない、右側の小沢さんに似てると気づいた。小沢さんが順子さんに似ている、とまあ逆なんですが、これってご本人には伝わらない方が良い情報なんでしょうね。
北九州にやってくる[サーカス]、順子さん夫妻が抜け、メンバーも入れ替わっているようです。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※2013年ポールが博多に来た時、「貧乏な本屋が行く場所じゃない」と意地を張って仕事をしていて行かず、周囲からアホ呼ばわりされた。
我が人生のすべてBEATLES、ポール・マッカートニー!!借金してでも、行くべきだったかも...
「いいのさあ、両の眼を閉じて、レコードさえ聞いてりゃ、彼の歌っている姿が瞼の裏に浮かんでくるんでえ!!」
小倉の旧厚生年金会館には、当代一の男性歌手、三山ひろし君が来るようで、2000円。ウーム4日分の食費...今度は爺の少し悩むところだ。「俵星玄蕃」が聞きたいが...まあ行かないのである。
先月、東中野の叔母が亡くなった。叔父を看取り家を処分、板橋の老後施設に入居してまだ2年にも満たなかった。「内々で葬儀を済ましました」と妹さんから電話があり、それでサヨナラでした。子供のいない夫婦で、我が子のように私を可愛がってくれた二人でした。もうすぐお浄土で会えますよね。
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コラム7に続く
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幕間の口上 さてさて「四句八句」か「知句多句」か
飛行機自体が嫌い、という訳ではない。空中を自分が飛ぶ、という事に震えあがるのみ。
乗るなら汽車か船だ。で、船の絵葉書は自家用の缶に入れて溜めたりしているのだが、
今日も、ある一冊の線引を確認していたら、ハラリと「鹿島丸」が足元に落ちた。
正に奇遇。先日来、高浜虚子の本を読んでいるところだ。
「鹿島丸」の詳細を調べてみると、虚子が1932年12月に横浜港に停泊中の欧州航路の同船で
開かれた俳句会に招かれたという記事にぶつかった。
本屋のみならず、読書子の多くが、こんな経験をされた事があると推察する。
ひとつの事に集中していると、関連のものが自然に飛び込んでくるという不思議さ。
で、このコラムも、少し俳句の話が多くなりそうな予感もしてきて、興味の無い向きには食傷と思い、
別枠を考えた。まずタイトルだ。即座に「四句八句」というのが閃いたが、既にどなたかが思い付いて
いるやも、とググってみたら、案の定、既にそのタイトルで本まで出ている。残念!!
第二案で「知句多句」を採用する事にしたが、格調が低いなあと、まだ前案に未練あり。
まあ所詮、敬愛する小沢昭一さんの「句あれば楽あり」のパクリなんですけど...
いずれにしても、11話の続きは別枠に書き継ぎます。
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※爺、実はメカとしての飛行機は好きなのである。現に先日浦安で開催された[レッドブルエアーレース]に、零戦の二二型がデモ飛行した勇姿を見て、鳥肌を立て感涙にむせんでいる。竜ケ崎飛行場から飛び立ったようだ。離陸シーンもUtubeで見られる。感動もの。零戦三二型は、古書組合の旅行で、太刀洗平和記念館に展示されているのを、撫でるように拝観してきたが、今回のように復元して飛行させた努力は如何ばかりか!!日本国、もっと努力せい!!対戦国のスミソニアン博物館の五二型は飛行可能というではないの!!しかし最速540km。爺乗ったら完全に失神である。
太刀洗平和記念館の零式艦上戦闘機 操縦席 栄二一型エンジン
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NEW 古楽夢
今更?今頃?今一度 この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
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(11)鳴かぬなら どこにいるやらホトトギス
萬緑の候。里山を散策すれば、若いウグイスの鳴き方もだいぶ上達してきている。「特許許可局」時鳥の声はまだ聞かれない。そんな浮世離れの耄碌爺も、月に一度組合の市場に出て呆けを何とか食い止めている。
そして、[市場を楽しく盛り上げる]というのが、売り買いにさっぱり貢献できない爺のかねてからの役どころで。先日の古書市場、「置入札」から、いわばの第二部の「フリ」(一般で言う競り市)に進んでの話。
昨今、文芸書はあまり人気無く、振り手が10冊程の少し疲れて薄汚れた本を台の上に晒して「ハイ欲しい人!!」と”皆さんお疲れ気味だから速く進行しようぜ”、という雰囲気で発声したので、爺は即、手を挙げた。
「はい!!きょし(挙手)」
シャレてみたわけである。本が高浜虚子関係の本だったからである。余り受けず、本は即座に落札となり、私の手元にホイと投げられた。洒落が通じなかったので、ガックリだったが、丁度、先月の市で落札した久保田万太郎の話を書き継ごう、虚子の方からのアプローチも欲しいなあ、と思っていたので、幸運だった。つまり、久保田万太郎の師の松根東洋城と虚子の確執というか、「国民新聞」俳壇選者を巡る経緯をもう少し覗き見してみたい...と考えていたのだ。
選者から東洋城を外した原因は石川桂郎『俳人風狂列伝』 に書かれていて引用で読んだが、つまりは、彼の「一盗二婢・・・」癖らしい、しかし虚子側からの匂わせるような記述がないものかと、思ったのだ。一冊を鵜呑みにはしたくない。また読書読書であるが、どんどん本が積み上がり、まとめるどころか、風呂敷が制限なく広がり収拾がつかなくなりそうだ。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※「東洋城全句集」(全三巻) ネット上に1万円から2万円で出ている。手元不如意の古本屋、座右に置きたいが、これも市場に出るチャンスを待つしかあるまい。(こんな悠長な事では入手は到底無理だ)
落札本の間に虚子の生写真が挟まっていました 松根東洋城
角川写真文庫の巻末、大野林火のあとがきに、「虚子十句」が挙げられている。その中に門司の句あり。
"春潮といへば必ず門司を思ふ" ウーム。10句の中に入れるかな?ではある。「虚子十句」の嚆矢は、
"遠山に日のあたりたる枯野かな" (虚子) に尽きよう。
"茹で栗を 峠で買ふや 二合半" (東洋城)
"焼き餅を 頬張り渡る 梅の宮" (白骨)
"壇ノ浦 潮待つ船に 夏の風" (白骨) ※俳句の巨星と拙句並べて不遜な事です。
(12)サーカスがやってくる
先日TVで「木下サーカス」が特集されていた。かつての赤字を克服して、平成の今、沢山の人を楽しませていた。爺の子供の頃がサーカスの全盛で、実家の裏手の空地にもよく来たものだ。「キグレサーカス」だったかも知れない。両方来たのか、もはや記憶が確かではない。
店の使いの行き帰り、天幕の隙間からオートバイ曲芸の巨大な球形が覗けた。象や虎などの獣の匂いが辺りに立ち込め、空中ブランコのアナウンスが流れると、「店をほっぽらかして見に行きたいなあ」と嘆息したもの。
当時は水戸の一等地での商いで千客万来。「人様の遊ぶ時が稼ぎ時」と親から叩き込まれていたのである。まあ爺、今もその了見だ。いいや、皆が働いている時も働くという、貧乏暇なしの有様だ。
さてさて、サーカスでも、今回は歌謡曲の方の話である。[サーカス]。男女二人づつという、あまり無かった構成のグループ。このリードヴォーカルの叶正子さんが、東中野の叔母の若い頃にそっくりの美人で「好み」だった。「Mr.サマータイム」を引っさげてTVに登場すると、醸し出す色気にメロメロとなったものだ。
実はこれが錯覚で、叶さんの次男の嫁の原順子さんというのが、並んでコーラスを付けていたのだが、実はこっちのフェロモン、セクシーさに射抜かれていたのだった。彼女、グループに加わった際「今度サーカスに入る」と、ご母堂に報告したら泣かれたというエピソードを持つらしい。昔の子供は夕方まで遊んでいると「人さらいに捕まって、サーカスに売り飛ばされるぞ」と大人から脅されたものである。
この順子さん、誰かに似てるなあ....と胸のつかえになっていたが、先日、お笑いの[スピードワゴン]の「ハンバーグ!!」と言う方じゃない、右側の小沢さんに似てると気づいた。小沢さんが順子さんに似ている、とまあ逆なんですが、これってご本人には伝わらない方が良い情報なんでしょうね。
北九州にやってくる[サーカス]、順子さん夫妻が抜け、メンバーも入れ替わっているようです。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※2013年ポールが博多に来た時、「貧乏な本屋が行く場所じゃない」と意地を張って仕事をしていて行かず、周囲からアホ呼ばわりされた。
我が人生のすべてBEATLES、ポール・マッカートニー!!借金してでも、行くべきだったかも...
「いいのさあ、両の眼を閉じて、レコードさえ聞いてりゃ、彼の歌っている姿が瞼の裏に浮かんでくるんでえ!!」
小倉の旧厚生年金会館には、当代一の男性歌手、三山ひろし君が来るようで、2000円。ウーム4日分の食費...今度は爺の少し悩むところだ。「俵星玄蕃」が聞きたいが...まあ行かないのである。
先月、東中野の叔母が亡くなった。叔父を看取り家を処分、板橋の老後施設に入居してまだ2年にも満たなかった。「内々で葬儀を済ましました」と妹さんから電話があり、それでサヨナラでした。子供のいない夫婦で、我が子のように私を可愛がってくれた二人でした。もうすぐお浄土で会えますよね。
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幕間の口上 さてさて「四句八句」か「知句多句」か
飛行機自体が嫌い、という訳ではない。空中を自分が飛ぶ、という事に震えあがるのみ。
乗るなら汽車か船だ。で、船の絵葉書は自家用の缶に入れて溜めたりしているのだが、
今日も、ある一冊の線引を確認していたら、ハラリと「鹿島丸」が足元に落ちた。
正に奇遇。先日来、高浜虚子の本を読んでいるところだ。
「鹿島丸」の詳細を調べてみると、虚子が1932年12月に横浜港に停泊中の欧州航路の同船で
開かれた俳句会に招かれたという記事にぶつかった。
本屋のみならず、読書子の多くが、こんな経験をされた事があると推察する。
ひとつの事に集中していると、関連のものが自然に飛び込んでくるという不思議さ。
で、このコラムも、少し俳句の話が多くなりそうな予感もしてきて、興味の無い向きには食傷と思い、
別枠を考えた。まずタイトルだ。即座に「四句八句」というのが閃いたが、既にどなたかが思い付いて
いるやも、とググってみたら、案の定、既にそのタイトルで本まで出ている。残念!!
第二案で「知句多句」を採用する事にしたが、格調が低いなあと、まだ前案に未練あり。
まあ所詮、敬愛する小沢昭一さんの「句あれば楽あり」のパクリなんですけど...
いずれにしても、11話の続きは別枠に書き継ぎます。
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※爺、実はメカとしての飛行機は好きなのである。現に先日浦安で開催された[レッドブルエアーレース]に、零戦の二二型がデモ飛行した勇姿を見て、鳥肌を立て感涙にむせんでいる。竜ケ崎飛行場から飛び立ったようだ。離陸シーンもUtubeで見られる。感動もの。零戦三二型は、古書組合の旅行で、太刀洗平和記念館に展示されているのを、撫でるように拝観してきたが、今回のように復元して飛行させた努力は如何ばかりか!!日本国、もっと努力せい!!対戦国のスミソニアン博物館の五二型は飛行可能というではないの!!しかし最速540km。爺乗ったら完全に失神である。
太刀洗平和記念館の零式艦上戦闘機 操縦席 栄二一型エンジン
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