コラム一覧7
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kusakidoshoten 2018年01月13日(土) 15:22:31履歴
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NEW 古楽夢
今更?今頃?今一度 この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
(13)稲垣足穂の箴言
『古楽夢』10回目、久保田万太郎全句集と一緒に入手した20冊余りの稲垣足穂の線引本。消しゴム片手に開いた
『パティエの赤い雄鶏を求めて』に「三島ぼし隕つ」の「追悼文」(?)があり、傍線を消しながらついつい読んでしまった。
三島由紀夫は引き立ててくれた恩人のはずだが、足穂はこの章で歯に衣着せぬ批判を浴びせている。死んで反論もできぬ相手をあげつらうのは如何なものかと思うが、三島から「初期作品しか認めない」という最後通牒を受けてもいて、生前、腹に一物あったのかも知れぬ。
大作家の憂国割腹自殺。当時日本中が蜂の巣を突いたような騒ぎで、偏向した分析記事あり、うがった裏目読みあり。理解不能で錯乱のうちに書かれた文も多かった。「三島ぼし隕つ」も一種の愛情の裏返しかな、と読み流したが、
それより次の禁忌条項の方が気になった。
凡そ人からあいつはバカだとか、年を取ったとか云われたくないなら、少なくとも次の四カ条は心掛けなければならぬ。
(1)食べもののことを口に出しては不可
(2)旅行乃至風景について口外無用。
(3)考証を持ち出すべからず
(4)詠嘆と述懐の禁止。
これらは病気あるいは薄志弱行の兆候だという。「三島由紀夫の上にはこの禁制が履行されていたが」と褒めた上で「本来的なナルシズムの処理を知らず、その放任に委されてご本人を滅ぼした」と『壮挙』を否定的に結論づけている。
本コラムはこの四箇条に沿って書き散らかされている訳で、足穂先生から言わせると店主は阿呆-惚けの極地という事になるわけだ。仰せの通りのこの有様は、とうの昔に居直っているので、今更どうという事もないが、足穂本の昨今の不人気-暴落は一体どうしたことなのか、口惜しさはむしろここにある。
先日、翌日右手が肩より上らなくなるという苦闘の末、全冊消し終えてヤフオクにUPした足穂本。500円のもの一冊が売れたのみなのだ。昔は市場で一冊2000円-3000円と値踏みしても落札できなかったものだ。自家目録「泥花」を出していた頃、「おくれわらび」に膨大な数の注文が入り大恥を掻いたのを覚えている。今や「多留保集」各巻800円でも音沙汰無し。隔世の感ありだ。
今日現在オークションには、当店も含めて総数214冊の稲垣足穂本がUPされていて、そのうち入札が入っているのはわずか2点。内1点は「小説新潮」で、内田百�痢ξ喇臠�子・上林暁の名も出ているから、足穂で売れたとも限らない。結局入札入りは「びっくりしたお父さん」のみだ。
松岡正剛もブログ『千夜千冊』に「最近はタルホを読まない世代というか、稲垣足穂の名前すら知らない連中ばかりがまわりに多くて、いちいち説明するのが面倒になってきた。ふん、もう教えてやらないぞ。」と書いているが、あれだけの人気を誇り、多くの若者に影響を与えた作家がどうして読まれなくなったのか!!
大馬鹿耄碌爺は、肩に膏薬を貼って、ただ「詠嘆述懐」するばかりだ。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
(14)「大東亜共栄圏」関連書籍リスト
子貢問政 子曰 足食足兵 民信之矣 (『論語』顔淵篇)
夏の高校野球真っ最中である。爺は、昔から球児の中のあるポジションに憧れてきた。投手でも、4番打者でも、渋い遊撃、苦労の絶えぬ捕手でも無い。TVカメラがほんの少し映し出してくれる、ベンチ内の「記録員」を格好いいなあ!と思うのだ。汗をぬぐい、スコアブックに三振「K」と書いたりするのだ。最近は女子部員も多く、爺「日本航空高校」のスチュワーデス姿の娘を特に目で追ってた訳ではない。(咳)
昔から人前にしゃしゃり出るのを潔しとしない性格で、(その割に一貫して引っ張り出されてきたのだが...)陰で作戦を練ったり、記録を残したり、という仕事を任せて貰いたいのだ。「縁の下の力持ち」がオヤジの遺した家訓でもある。
そんな爺には、古本屋という仕事は天職中の天職なのである。本を書いたり、研究したりという主体にはなり得ぬが、黒子-脇役として、存外重要で、世の為になっているのでは、と自負している。
先日、市場で落札した、昭和16年頃の国防関係の一口の中の一冊に、有用なリストが挟まっていた。巻頭に掲げた「大東亜共栄圏」関連書籍リストである。当時の国防意識検証の道標にと掲載。 (画像拡大してご覧下さい)
このリスト内の、「大東亜地政治学/松川二郎」「国体の本義/文部省」「日本民族論（民族科学大系)/杉森孝次郎他著」の現品をHPにUPした。現在の日本の繁栄と平和の礎を築いた先人の哲学、政治を終戦の夏に振り返るのも如何かと...(是非お買上の程を)
古本屋の使命は、お客様のお探しになっている本の蒐集、保存、販売、またそれの再度の買入。煎じ詰めれば、基本図書、貴重な本の「再流通」という事だが、もうひとつの大事な役割は、集書の指針になるような資料一覧の開示という事がある。
インターネット時代以前、当店は「古書目録」に頼って糊口を凌いできた。当時、諸先輩の専門目録は各分野の書籍を網羅するもので、当方の貧しい雑本目録の遠く及ばぬ所だったが、若かった爺は精一杯、そんな「本の海の灯台」のような存在を目指していたのだ。
その自家目録「泥花」も、いくつかのデータを連載し、古本屋のもうひとつの使命を果たした事がある。
「ガリバー旅行記目録」と「旺文社文庫総目録」「三修社文庫目録」だ。これらはお客様の集書整理された目録を掲載させて頂いたもの。「ガリバー...」はも松菱多津男氏製作・あとの二点は、鈴木克彦氏の作成によるもの。また「泥花」にお送り頂いた各種雑誌もあり、「有時」(岡田書店-岡田啓氏発行)「紙魚」(紙魚の会-西尾肇氏発行)などの目次一覧なども掲載しました。店主自身が成した仕事では、1989年に出した「参考価格附-サンリオ文庫総目録」。別刷で発行頒布し、全国津々浦々に行き渡ったので、まだ保存されている方もおられるやも...。データを秘匿せず、公開する事で、「お前が相場を作った」と、先輩から褒められた唯一の仕事だ。
目録は現物をまず手元に集めなくてはならぬ。サンリオ文庫は誤訳が多いと悪評で、当初さして値も付かぬ叢書だったが、集めてみると、ハヤカワSFには無い冒険的出版もあり、装幀も小粋で、全冊蒐集への挑戦を擽られるものだった。
「泥花」で定価販売をすると、無反応のものあり 重複注文の入るものありで、値頃が設定でき、売価を目録に付加できたのである。このサンリオ文庫蒐集も、実は店に飛び込んでこられたお客様の依頼でスタートしたもの。古本屋はつくづく受け身の仕事で、「すべて自分の手柄ではない」と当時自戒したものだ。
ネットの時代に入り、古本屋が個性的目録を作り、お客様と二人三脚で歩むというスタイルが消え果てて、淋しい限り。それでもやっぱり良書・基本図書は別の形で巡ってくれ、日本文化、思想の核として受け継がれていくのだから良しとしなくてはならぬ、と受け入れているこの頃である。
(「大東亜共栄圏」関連書籍リスト。市場を通しての入手で、出処が不明の為、見切り発車で掲載させて頂きますが、お申し出あれば、ご尊名など明記させて頂きます。)
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※[子貢問政 子曰 足食足兵 民信之矣]=子貢が政治についてお尋ねした。孔子様が言われた。『食物を十分にし、軍事を十分にし、人民に信用してもらうことだ。』 この「子貢、政 を問ふ」の最後は、[民無信不立]。よく政治家が口にする『信なくば立たず』だ。残念ながら[自古皆有死](古 より皆 な死有り)と、覚悟を決め、命を賭けて国民の為に働こう、という政治家が、今の日本に一体何人いるだろうか?
※「文庫の目録」に関しては、次回か別枠で書かせて頂きます。
(画像拡大してご覧下さい)
【追記】
(←在庫あります)
「泥花」の「旺文社目録」は1965年6月創刊から1987年の廃刊 までの全冊を網羅。この目録を目安に全冊蒐集を目指される方も出た。当時は、内田百�里箘惰Ｄ疉廖¬攣馨絞拭�田中小実昌、山田風太郎などに人気があった。
去年北九州の市場で、段ボール4箱程の同文庫の出品があり、勇んで落札した。定番名作ものは100円にして、「小倉駅ナカ古本祭」に並べ、好評だった。巻末の作家年譜など、他の文庫にない特色もあるのだ。
サンリオ文庫の中、デイヴィッド・ウイングローブ編『最新版SFガイドマップ』 [入門歴史編][作家名鑑編(上下)]の3冊はSF愛読者には必携。
ネット時代に入って当店の集めたものは、東京の営団地下鉄の発行していた「メトロニュース」。重複にこだわらず見つけたら買い、ストックが出来た後、100号位までを一応蒐集の範囲であろうと設定し、ヤフオクにUPした。当初出品は当店のみの出品で良く売れた。とは言っても一枚300円〜1000円程度の売価なのですが...現在は多くの方が出品され、値崩れ状態。手元の在庫を見ては溜息である。まあいつもの事で、サンリオ文庫の時と同じ結末になっただけ。サンリオの時は正直に明かせば、貧しい当店、高騰した相場に、資金的に付いていけず撤退したのです。
最近も「現状ゴミ扱い」で入手し易いジャンルを、密かに集めてはいるのですが、ネット上に見当たらないから売れる、とは限らないのが悲しいところ。いずれにしても、どんなジャンルでも、"コンプリート集書"なんて、時間のかかる仕事で「これでは古本屋は100歳まで生きていないと成し遂げられないぞ」と空元気で意気込むばかりです。
(画像拡大してご覧下さい)
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NEW 古楽夢
今更?今頃?今一度 この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
(13)稲垣足穂の箴言
『古楽夢』10回目、久保田万太郎全句集と一緒に入手した20冊余りの稲垣足穂の線引本。消しゴム片手に開いた
『パティエの赤い雄鶏を求めて』に「三島ぼし隕つ」の「追悼文」(?)があり、傍線を消しながらついつい読んでしまった。
三島由紀夫は引き立ててくれた恩人のはずだが、足穂はこの章で歯に衣着せぬ批判を浴びせている。死んで反論もできぬ相手をあげつらうのは如何なものかと思うが、三島から「初期作品しか認めない」という最後通牒を受けてもいて、生前、腹に一物あったのかも知れぬ。
大作家の憂国割腹自殺。当時日本中が蜂の巣を突いたような騒ぎで、偏向した分析記事あり、うがった裏目読みあり。理解不能で錯乱のうちに書かれた文も多かった。「三島ぼし隕つ」も一種の愛情の裏返しかな、と読み流したが、
それより次の禁忌条項の方が気になった。
凡そ人からあいつはバカだとか、年を取ったとか云われたくないなら、少なくとも次の四カ条は心掛けなければならぬ。
(1)食べもののことを口に出しては不可
(2)旅行乃至風景について口外無用。
(3)考証を持ち出すべからず
(4)詠嘆と述懐の禁止。
これらは病気あるいは薄志弱行の兆候だという。「三島由紀夫の上にはこの禁制が履行されていたが」と褒めた上で「本来的なナルシズムの処理を知らず、その放任に委されてご本人を滅ぼした」と『壮挙』を否定的に結論づけている。
本コラムはこの四箇条に沿って書き散らかされている訳で、足穂先生から言わせると店主は阿呆-惚けの極地という事になるわけだ。仰せの通りのこの有様は、とうの昔に居直っているので、今更どうという事もないが、足穂本の昨今の不人気-暴落は一体どうしたことなのか、口惜しさはむしろここにある。
先日、翌日右手が肩より上らなくなるという苦闘の末、全冊消し終えてヤフオクにUPした足穂本。500円のもの一冊が売れたのみなのだ。昔は市場で一冊2000円-3000円と値踏みしても落札できなかったものだ。自家目録「泥花」を出していた頃、「おくれわらび」に膨大な数の注文が入り大恥を掻いたのを覚えている。今や「多留保集」各巻800円でも音沙汰無し。隔世の感ありだ。
今日現在オークションには、当店も含めて総数214冊の稲垣足穂本がUPされていて、そのうち入札が入っているのはわずか2点。内1点は「小説新潮」で、内田百�痢ξ喇臠�子・上林暁の名も出ているから、足穂で売れたとも限らない。結局入札入りは「びっくりしたお父さん」のみだ。
松岡正剛もブログ『千夜千冊』に「最近はタルホを読まない世代というか、稲垣足穂の名前すら知らない連中ばかりがまわりに多くて、いちいち説明するのが面倒になってきた。ふん、もう教えてやらないぞ。」と書いているが、あれだけの人気を誇り、多くの若者に影響を与えた作家がどうして読まれなくなったのか!!
大馬鹿耄碌爺は、肩に膏薬を貼って、ただ「詠嘆述懐」するばかりだ。
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
(14)「大東亜共栄圏」関連書籍リスト
子貢問政 子曰 足食足兵 民信之矣 (『論語』顔淵篇)
夏の高校野球真っ最中である。爺は、昔から球児の中のあるポジションに憧れてきた。投手でも、4番打者でも、渋い遊撃、苦労の絶えぬ捕手でも無い。TVカメラがほんの少し映し出してくれる、ベンチ内の「記録員」を格好いいなあ!と思うのだ。汗をぬぐい、スコアブックに三振「K」と書いたりするのだ。最近は女子部員も多く、爺「日本航空高校」のスチュワーデス姿の娘を特に目で追ってた訳ではない。(咳)
昔から人前にしゃしゃり出るのを潔しとしない性格で、(その割に一貫して引っ張り出されてきたのだが...)陰で作戦を練ったり、記録を残したり、という仕事を任せて貰いたいのだ。「縁の下の力持ち」がオヤジの遺した家訓でもある。
そんな爺には、古本屋という仕事は天職中の天職なのである。本を書いたり、研究したりという主体にはなり得ぬが、黒子-脇役として、存外重要で、世の為になっているのでは、と自負している。
先日、市場で落札した、昭和16年頃の国防関係の一口の中の一冊に、有用なリストが挟まっていた。巻頭に掲げた「大東亜共栄圏」関連書籍リストである。当時の国防意識検証の道標にと掲載。 (画像拡大してご覧下さい)
このリスト内の、「大東亜地政治学/松川二郎」「国体の本義/文部省」「日本民族論（民族科学大系)/杉森孝次郎他著」の現品をHPにUPした。現在の日本の繁栄と平和の礎を築いた先人の哲学、政治を終戦の夏に振り返るのも如何かと...(是非お買上の程を)
古本屋の使命は、お客様のお探しになっている本の蒐集、保存、販売、またそれの再度の買入。煎じ詰めれば、基本図書、貴重な本の「再流通」という事だが、もうひとつの大事な役割は、集書の指針になるような資料一覧の開示という事がある。
インターネット時代以前、当店は「古書目録」に頼って糊口を凌いできた。当時、諸先輩の専門目録は各分野の書籍を網羅するもので、当方の貧しい雑本目録の遠く及ばぬ所だったが、若かった爺は精一杯、そんな「本の海の灯台」のような存在を目指していたのだ。
その自家目録「泥花」も、いくつかのデータを連載し、古本屋のもうひとつの使命を果たした事がある。
「ガリバー旅行記目録」と「旺文社文庫総目録」「三修社文庫目録」だ。これらはお客様の集書整理された目録を掲載させて頂いたもの。「ガリバー...」はも松菱多津男氏製作・あとの二点は、鈴木克彦氏の作成によるもの。また「泥花」にお送り頂いた各種雑誌もあり、「有時」(岡田書店-岡田啓氏発行)「紙魚」(紙魚の会-西尾肇氏発行)などの目次一覧なども掲載しました。店主自身が成した仕事では、1989年に出した「参考価格附-サンリオ文庫総目録」。別刷で発行頒布し、全国津々浦々に行き渡ったので、まだ保存されている方もおられるやも...。データを秘匿せず、公開する事で、「お前が相場を作った」と、先輩から褒められた唯一の仕事だ。
目録は現物をまず手元に集めなくてはならぬ。サンリオ文庫は誤訳が多いと悪評で、当初さして値も付かぬ叢書だったが、集めてみると、ハヤカワSFには無い冒険的出版もあり、装幀も小粋で、全冊蒐集への挑戦を擽られるものだった。
「泥花」で定価販売をすると、無反応のものあり 重複注文の入るものありで、値頃が設定でき、売価を目録に付加できたのである。このサンリオ文庫蒐集も、実は店に飛び込んでこられたお客様の依頼でスタートしたもの。古本屋はつくづく受け身の仕事で、「すべて自分の手柄ではない」と当時自戒したものだ。
ネットの時代に入り、古本屋が個性的目録を作り、お客様と二人三脚で歩むというスタイルが消え果てて、淋しい限り。それでもやっぱり良書・基本図書は別の形で巡ってくれ、日本文化、思想の核として受け継がれていくのだから良しとしなくてはならぬ、と受け入れているこの頃である。
(「大東亜共栄圏」関連書籍リスト。市場を通しての入手で、出処が不明の為、見切り発車で掲載させて頂きますが、お申し出あれば、ご尊名など明記させて頂きます。)
この話、あるいは皆さんご存知でしたかね。
※[子貢問政 子曰 足食足兵 民信之矣]=子貢が政治についてお尋ねした。孔子様が言われた。『食物を十分にし、軍事を十分にし、人民に信用してもらうことだ。』 この「子貢、
※「文庫の目録」に関しては、次回か別枠で書かせて頂きます。
(画像拡大してご覧下さい)
【追記】
(←在庫あります)「泥花」の「旺文社目録」は1965年6月創刊から1987年の廃刊 までの全冊を網羅。この目録を目安に全冊蒐集を目指される方も出た。当時は、内田百�里箘惰Ｄ疉廖¬攣馨絞拭�田中小実昌、山田風太郎などに人気があった。
去年北九州の市場で、段ボール4箱程の同文庫の出品があり、勇んで落札した。定番名作ものは100円にして、「小倉駅ナカ古本祭」に並べ、好評だった。巻末の作家年譜など、他の文庫にない特色もあるのだ。
サンリオ文庫の中、デイヴィッド・ウイングローブ編『最新版SFガイドマップ』 [入門歴史編][作家名鑑編(上下)]の3冊はSF愛読者には必携。
ネット時代に入って当店の集めたものは、東京の営団地下鉄の発行していた「メトロニュース」。重複にこだわらず見つけたら買い、ストックが出来た後、100号位までを一応蒐集の範囲であろうと設定し、ヤフオクにUPした。当初出品は当店のみの出品で良く売れた。とは言っても一枚300円〜1000円程度の売価なのですが...現在は多くの方が出品され、値崩れ状態。手元の在庫を見ては溜息である。まあいつもの事で、サンリオ文庫の時と同じ結末になっただけ。サンリオの時は正直に明かせば、貧しい当店、高騰した相場に、資金的に付いていけず撤退したのです。
最近も「現状ゴミ扱い」で入手し易いジャンルを、密かに集めてはいるのですが、ネット上に見当たらないから売れる、とは限らないのが悲しいところ。いずれにしても、どんなジャンルでも、"コンプリート集書"なんて、時間のかかる仕事で「これでは古本屋は100歳まで生きていないと成し遂げられないぞ」と空元気で意気込むばかりです。
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