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・宗教的にアナルセックスがタブー視されているのは、小児性愛との関連づけによるハロー効果にすぎない。
・イングランドでソドミー法が廃止されたのは1967年のことで、それ以前はアナルセックスや男性間の性交渉は犯罪だった。
・「自分は何を具体的に嫌悪しているのか?」を考え、対策することでアナルセックス嫌悪の洗脳を解除できる。

アナルセックスへの嫌悪、「ばっちい」、赤恥、気まずい、「純粋に間違っている」、そういった考えは人々がアナルセックスを楽しむ上での最大の障壁になる。アナルセックスへのこれらの感情的な反応は、その行為について考えることさえ億劫にさせる核心的な要因である。近代社会においては、これらの感情の理由を理解することは難しいかもしれない。紆余曲折の末、私たちの生きる第一世界の社会において、ゲイ的な関係は今や持て囃されつつある。皆が皆賛同している訳ではないとしても。ゲイの恋愛関係の大部分がアナルセックスを内包することはよく知られていることであろう。
科学的・医学的な話をすれば、「セーフセックス」を行なっている限りは、普通のセックスとアナルセックスにおける性病の感染率の差は全くの空論にすぎない。アナルセックスを忌避する肉体的・医学的・法的理由はどこにもない。旧態依然として肛門性交を禁忌とする宗教的戒律ももはや少数派であろう。故に、問題は「何故かくの如き汚辱stigmaがアナルセックスにつきまとうのか?」及び「何故アナルセックスへの耽溺を人々は忌避し憂慮するのか?」ということになる。
アナルセックスに関しての否定的な考えを煽動してきたのは、息の長い時代遅れの社会的プログラミングである。洗脳と相違ない社会的プログラミング、何世紀ものパラダイムに基づく社会的プログラミングである。

はじめにキリスト教ありき。ギリシャ人やローマ人はアナルセックスで羽目を外していたことで有名である。他の数多くの文化、特に部族や遊牧民の文化では、人口統制の目的でアナルセックスやホモセクシュアリティさえも推奨されている。キリスト教に先立つユダヤ教も、アナルセックスの実行に対して咎めはない。

「適法なkosher性的関係は、妊娠につながるものだけに必ずしも制限されてはいない。婚姻関係にある両人が喜ぶところであれば、アナルセックスやオーラルセックスも許されている。」
Kosher Sexより引用

西洋世界におけるアナルセックスの非難は新約聖書とキリスト教から始まっている。特に生殖を目的としないあらゆる性行為を、カトリックは今でも問題視している。しかし、過去500年の間、キリスト教は様々な性行為に関する姿勢を概して軟化させつつある。今日では、キリスト教の多くの宗派は同性婚を認可している。これは宗教的な信念と教徒の実際の行動との間で矛盾が生じている一例である。ゲイ的関係の重要な結末としてのアナルセックスの存在を理解せずに、同性婚や同性間の恋愛を認めるということはできないだろう。
また別の教義と実際の活動との食い違いとしては、避妊具の使用がある。研究によると、性的に現役であるカトリック女性の98%以上はバチカンにより禁止されているにも拘わらず何らかのかたちの避妊具を使用したことがあるようだ。カトリック教会が説教を垂れたところで、性行為にどハマりする教徒人口はどうやら減少したりはしないようである。
ここで新たな問いが投げかけられる。「何故アナルセックスは他の快感を伴う性行為よりも遥かに貶められているのか?」遠い過去において、アナルセックスは未成年男児への性的暴行と強く関連づけられていた。これは同性愛者が何故あんなに酷く処刑されてきたか、あるいは場合によっては今なお処刑され続けているかのほぼ確実な理由になっている。故に、アナルセックスがかくの如き悪名を被る羽目になったのは、他の外道頽廃の所業との連想に他ならないのだ。そういった連想、関連付けがなかったとして、アナルセックスはクンニリングスやフェラチオ、避妊具の使用と比べてどこがいけないのであろうか?　バチカンの司教ならこれらのあらゆる罪業に対して地獄への片道切符をもぎってくれることだろう。

イングランド国教会の首長として宣言する前年、ヘンリー8世はソドミーsodomy（訳註：『創世記』におけるホモ乱交の悪徳の市Sodomに由来する言葉。ひどすぎて神の火が落ちた。 e.g., 『ソドム百二十日』）を弾圧するための犯罪法として『Buggery Act 1533』を導入した。ソドミーの宗教的な定義を意識してか、その法律はBuggeryを「神と人間との意志に叛するような不自然な性的行為」として定義している。この中にはフェラチオやクンニリングスなどといった性的行動も含まれていた。
後年、裁判所によりアナル挿入と獣姦のみがBuggeryであるとして再定義された。つまり、アナルセックスという行為と獣姦という行為が同じ扱いだったのである（訳註：じゃあウマにアナル掘られた人はどうなったんだろう?）。

「ソドミー法とは、ある種の性行為を犯罪として定義した法律である。ソドミーという用語が意味するところの厳密な性行為に関しては滅多に法律上に明記されることはないが、典型的には不自然な、あるいは不道徳な行為であると裁判所により判断されたものがそれに相当する。ソドミーには一般的にアナルセックス、オーラルセックス、そして獣姦が含まれる。実際問題として、ヘテロセクシュアルの恋人らに対してソドミー法が適用されたことは滅多になかった。」（英語版wikiを翻訳）
（訳註：獣姦にしても英語版の方が内容が濃ゆい）

ソドミー法が廃止された束の間の期間もあったものの、1563年にエリザベス1世により再施行された。1600年代の半ばには清教徒が権力につき、オリバー・クロムウェルの指揮の下、強烈に潔癖な道徳水準を押し付けていった。
1861年まで、イングランドとウェールズにおいてはBuggeryは死罪であった。また、ソドミー法は1967年になるまで廃止されなかった。故に、ほんの50年ほど前まで、アナルセックスは対人間の最も悪辣な性行為であると法律により私たちは教え込まれてきた歴史があるのである。（訳註：キリスト教圏は大変みたいだね。「万の虫迄も若契の形をあらはすがゆへに日本を蜻蛉国ともいへり（本朝若風俗）」　ほんまかいな）

それから、私たちは自分たちの排泄物とコレラや赤痢といった病気の関連性に気がついた（1849年に遡る話である）。1800年の半ばと言えば、依然としてBuggeryが死をもって罰せられていた時期である。
HIVやAIDS、そしてその他の性感染症（STD）の拡散を防ぐための恐怖キャンペーンの累積に鑑みても、社会がアナルセックスに対してここまで下火傾向なのは全く不思議なことではない。
（訳註：ちなみに日本赤十字社のガイドライン的には「同性同士で性的接触を持った」場合、セーフセックスであろうとなかろうと、最後の性交渉がいつであろうと、献血不可となっている。これは感染症の流行地域への渡航歴がある人と同じ扱いであり、個人の用心深さだけで完全に性感染症を阻止する難しさを示している。輸血される側の安全管理のためにも、HIV〜B型・C型肝炎ウイルスのキャリアの可能性がある場合は、献血には行かず、保健所が無料・匿名で提供しているスクリーニング検査に足を運んでいただきたい）
例えあなたのパートナーが信心深くないとしても、数多くの様々な力により、私たちは生まれ落ちたその日から反アナルセックス的にプログラムされている。そのため、世界規模での洗脳の結果としての「心理的なばっちさ」を処理していく必要がある。
洗脳の解除は緩慢であれ系統だったプロセスであろう。目的はアナルセックスをノーマルなものとして捉えることである。信念は非常に重要である。アナルセックスについての会話は大切であるが、「何がばばっちいという考えや感情を誘発させているのか」を自分自身で特定することも大切である。時間をかけて、それが実際はばばっちくないと証明していくことが肝心要である。自分自身の清浄性に関して常に注意を払い続けよう。臭いもまた主要なばばっちさの要因である。それから、アナルへの感覚をオーガズムへとつなげていこう。

（原文：http://www.maxprivate.net/aversion-to-anal-sex/）