事務所に集まった卯月、美穂、響子はユニット
「P.C.S」としてフェスで新曲『ラブレター』を
披露することになった。久しぶりの活動に浮足立つ
3人だが、トレーナーや杏の後押しを受け、頑張ろうと
励まし合う。3人のドキドキの日々が今、始まった。
「P.C.S」としてフェスで新曲『ラブレター』を
披露することになった。久しぶりの活動に浮足立つ
3人だが、トレーナーや杏の後押しを受け、頑張ろうと
励まし合う。3人のドキドキの日々が今、始まった。
事務所 | |
卯月 | 美穂ちゃん、響子ちゃん、楽しみだねっ。 |
美穂 | うんっ。私、ドキドキして昨日はあんまり眠れなかったくらい! |
響子 | それはよくないですねっ。どこかでお昼寝します? |
美穂 | あぁっ、それは大丈夫! |
杏 | おはよー。 あれ、珍しいじゃん。卯月ちゃんに美穂ちゃんに響子ちゃん。 |
響子 | あっ、おはようございます、杏ちゃん。 |
杏 | 3人して事務所にいるなんて珍しいね。どうしたのー? |
卯月 | プロデューサーさんから呼ばれたんです。 だから、もしかしたらお仕事かなって話をしていて。 |
杏 | なるほどねー。 |
P | お疲れさま。 |
卯月 | お疲れさまです!プロデューサーさん! |
美穂 | さっそくなんですけど、私たちが集められた理由って、 もしかして……。 |
P | P.C.Sでの仕事だ。 |
響子 | 3人で、ユニットとしてのお仕事なんですね……! |
P | 新曲もある。 |
卯月 | わぁ……! やったね、美穂ちゃん! |
美穂 | うんっ! 3人でまたお仕事できるなんて、夢みたい……! |
杏 | ……ねーねー。 ピンクチョップなんちゃらって……なに? |
美穂 | チョップじゃないよっ!チェックだよっ! ピンク・チェック・スクール! |
杏 | へー? |
響子 | 以前、ちょっとだけ活動してたユニットなんですよ。 それが、こうしてまた一緒に活動できるなんて、すごいです! |
杏 | すごいんだ。へー。よく知らないけど、よかったね。 |
響子 | でも、久しぶりすぎて……。 みんなと合わせるの、うまくできるかな……。 |
P | 問題ないよ。 |
卯月 | と、いいますと……? |
P | ちゃんと呼んである。 |
美穂 | ……呼んで? |
トレーナー | お前達、きっちりしごいてやるぞ。覚悟してもらおうか。 |
卯月 | トレーナーさん!おはようございます! |
響子 | 宜しくお願いしますっ! |
美穂 | お願いしますっ!ふふっ。 |
杏 | おー。 |
なんだか、みんな嬉しそうだねー。 なんだかんだ言って、ワクワクしてるのが伝わってくるよ。 | |
響子 | だって、ずっと待ってましたから♪ ねっ。 |
卯月 | うんっ。 |
美穂 | そうだね。 |
杏 | ……待ってたって? |
響子 | みんなでいっしょに、歌える日のこと! |
杏 | あぁ、なるほどね。 ま、頑張ってー。特に手伝わないけど応援してるよー。 |
美穂 | 杏ちゃん、ありがとうっ。 |
卯月 | はぁ……楽しみだなぁ……。 |
響子 | 歌も、ダンスも、衣装も、みんなでおそろいですよっ。 |
美穂 | ほんと、はやく活動したいね! |
トレーナー | お前達、楽しそうにしているが、そう簡単なことじゃないぞ。 |
響子 | えぇっ? |
トレーナー | ほかのユニットが時間をかけて練習して、 じっくり信頼関係を築いてきたところを お前達はこれから一気に仕上げなきゃならない。 |
ファンの前に出たら、ユニット歴では言い訳できないからな。 パフォーマンスだけが評価だ。できるか? | |
響子 | ……できますかね? |
美穂 | できる……と思うけど……。 |
卯月 | 頑張りましょうっ。 |
P | みんなならできる。 |
響子 | ……はいっ! プロデューサーさんがそういってくれるなら! |
卯月 | じゃあ、これから頑張りましょう! 美穂ちゃん、かけ声、お願いっ! |
美穂 | よーしっ! P.C.S!頑張るぞーっ! |
卯月・美穂・響子 | おーっ! おーっ! おーっ! |
早速レッスンを始めた卯月、美穂、響子。
3人はトレーナーにみっちりしごかれる。
個人の能力はあっても、ユニットとしてのまとまりは
まだない。トレーナーとPのアドバイスを受け、
これから努力していこうと、さらにハートを熱くする
3人だった。
3人はトレーナーにみっちりしごかれる。
個人の能力はあっても、ユニットとしてのまとまりは
まだない。トレーナーとPのアドバイスを受け、
これから努力していこうと、さらにハートを熱くする
3人だった。
レッスンルーム | |
トレーナー | さて、早速始めてもらうぞ。 今回は、というかいつもそうだがあまり時間が無い。 私がきっちり見てやる。担当のトレーナーだ。 |
卯月 | トレーナーさん……。 |
美穂 | ベテランなだけあって、今回も厳しそう……。 |
響子 | 私、鍛えてもらうの初めてかも……。 |
トレーナー | 3人が合わせるのは久しぶりと聞いている。 まずはそうだな……意気込みでも語ってもらおうか。 |
卯月 | えっ……意気込みですか? |
美穂 | あ、誰からいく……? |
響子 | ど、どうぞっ! |
トレーナー | ……ふむ。 |
美穂 | はいっ!こ、小日向美穂です! ドキドキしてますけど、楽しみですっ! |
トレーナー | 次っ! |
卯月 | はいっ、島村卯月ですっ。 えっと、えーっと、えーーーっと、私、頑張ります! |
トレーナー | 次っ! |
響子 | はい!五十嵐響子です。 ちゃんと踊れるかなって、ちょっと心配ですけど、ついていきます! |
トレーナー | ……ふむ。 お前達、3人まとめてユニットの挨拶をしてみろ。 |
美穂 | えっ? ユニットの……。 |
響子 | 挨拶、ですか? |
トレーナー | アイドルユニットの挨拶だ、1つや2つくらいあるだろう。 |
卯月 | あっ、はい! |
美穂・卯月・響子 | せーの!私たち、ピンクチェックスクールですっ。 ピンク・チェック・スクールでーす♪ あっ、ピンクチェックスクールです! |
トレーナー | バラバラだな……まぁいい。 今日からフェスまで短い期間だが、 完璧なパフォーマンスを身につけてもらう! |
美穂・卯月・響子 | はいっ! はいっ! はいっ! |
トレーナー | 返事はぴったりか。では、始めよう。 |
1、2、3、4、5、6、7、8 ……島村!動きが硬い! | |
卯月 | は、はいぃっ! |
トレーナー | 次っ!小日向! |
1、2、3、4、5、6、7、8 ……小日向!緊張するな! | |
美穂 | そ、そんなぁっ!? |
トレーナー | 次!五十嵐! |
1、2、3、4、5、6、7、8 ……五十嵐!集中しろっ! | |
響子 | あうっ! |
美穂・卯月・響子 | ふぅ……。 ふぇ……。 はぁ……。 |
トレーナー | ふむ、ソロだと悪くない。 |
響子 | え……ほめられてました? |
卯月 | えぇっとぉ……。 |
美穂 | 怒られてたような……。 |
トレーナー | じゃあ、全体で合わせてみるか!いくぞ! |
美穂・卯月・響子 | はい! はい! はい! |
卯月 | はぁ、はぁ……。 |
美穂 | あっつい……。 |
響子 | ……うぅ。 |
トレーナー | うーむ。島村、気合いが入りすぎだ! 小日向は、自信を持て! 五十嵐、周りを見ろ! |
お前達、個人としてはそこそこだが、 ユニットとしてはまだまだだな。 | |
響子 | そんな……。 |
トレーナー | だが、まだ初日だ。 最初から完璧なユニットなんていない。これから、努力していけ! |
美穂・卯月・響子 | はいっ! はいっ! はいっ! |
トレーナー | 今日の残り時間は自主練にする。各自、きっちりやるように。 ではプロデューサー殿、今後のレッスンの打ち合わせを。 ちなみに、プロデューサー殿からは、なにか一言ありますか? |
P | お互いを大切に! |
美穂・卯月・響子 | はいっ! 頑張りますっ! わかりました! |
響子 | ……ふぅ。緊張したー。 じゃあ、さっそく自主レッスンをしましょうか! |
卯月 | その前に、まずはすこし休憩にしない? |
美穂 | うん、けっこう踊ってるもんね。 トレーナーさん、厳しかったなぁ……。 |
卯月 | はいっ、ドリンク!ひと息ついて、頑張りましょう! |
響子 | ……ありがとうございますっ!なんか、ユニットっぽいですね! |
美穂 | うんっ。これから、頑張っていこうね。 |
レッスンを成功させるため、卯月、美穂、響子は
自分たちにできることを探していた。
杏に相談すると、もっと仲良くなったら、と
提案される。3人は杏の言葉に首をかしげつつも、
仲良くなることから始めるのだった。
自分たちにできることを探していた。
杏に相談すると、もっと仲良くなったら、と
提案される。3人は杏の言葉に首をかしげつつも、
仲良くなることから始めるのだった。
事務所 | |
杏 | ……レッスンがうまくいかないって? |
響子 | そうなんです。先日、初レッスンをしてから、 もう何度か合わせてるんですけど、 トレーナーさんにあんまりほめてもらえなくて。 |
卯月 | うまくいかないっていうか……。 |
美穂 | そう、うまくいかないわけじゃないんだけど……。 |
響子 | なんでしょう……。 うまく合わないって感じですかね? |
杏 | んー……。 |
美穂 | 杏ちゃん。なにかヒントになるようなこと、あります? |
杏 | いやー。 それ、プロデューサーとかトレーナーさんに聞いたら? |
卯月 | それが、トレーナーさんは、 『技術は教えられるが、それは自分たちで見つけないと 意味がないことだ』って。 |
杏 | じゃあ、プロデューサーは? |
美穂 | プロデューサーさんは『お互いを大切に』って。 |
響子 | んー……どういう意味だったんでしょう? |
杏 | 聞きに行けばいいじゃん? |
卯月 | でも、私たち、なんとなく自分たちだけで 考えなくちゃいけないのかなって……。 |
美穂 | そうだね、ユニットとしてのお仕事なわけだし……。 |
杏 | ま、自分たちで頑張りたいってのもわかるし、 ならいいんじゃない。頑張れば。 私だったらすぐ聞きにいっちゃうけど。 |
響子 | んー。 杏ちゃんは、きらりちゃんとお仕事するときって どんな感じで頑張ってるんですか? |
杏 | どんな感じって……んーまぁ、いつも通りだよ。 あと、頑張ってないよ。 |
卯月 | いつも通り? |
杏 | いつも通りにしてたら息は合うから、 みんなの悩みは、正直よくわかんないや。 |
美穂 | いつも通り……。 |
杏 | いつも通りやれば、きらりがどう動くかわかるし、 私がなにするかも、きらりは察してくれるし。 |
響子 | ふんふん。 |
杏 | そういう意味ではー、とりあえずさー、 3人とももっと仲良くなったらいいんじゃない? |
美穂 | な、仲良くなったら……!? |
卯月 | どういうことですか? 仲悪く見えます? |
響子 | アイドルとしてのアドバイスがほしかったんですけど……!? |
杏 | あ、いやぁ、仲が悪いとは思わないよ。 けどさ、うまく合わないって息が合ってないってことじゃないの? |
卯月 | そうなのかな……? |
杏 | アイドルとしてとか、ユニットとしてとか、久しぶりだからとか、 まー、いろんな理由で気合いが入るのもわかるけどさ。 お互いのことをもっと知って、そこから始めたら。 |
響子 | は、はぁ……。 |
美穂 | うーん。 |
卯月 | とりあえず……そこから、始めましょうか。 |
杏 | うんうん。それがいいよー。 レッスンなんて、放り投げちゃえー。 |
響子・美穂 | それはダメですっ! それはだーめっ。 |
杏 | もー、マジメだなー。 |
レッスンをお休みし、街に出てきた卯月、美穂、響子。
買いものや食事を通して、メンバーの生い立ちや性格、
好きな食べ物など、今まで知らなかったことを互いに
知っていく。楽しい時間はあっという間に過ぎるが、
話したいことは尽きない。そこで、卯月は美穂と響子を
自宅でのお泊りに誘うのだった。
買いものや食事を通して、メンバーの生い立ちや性格、
好きな食べ物など、今まで知らなかったことを互いに
知っていく。楽しい時間はあっという間に過ぎるが、
話したいことは尽きない。そこで、卯月は美穂と響子を
自宅でのお泊りに誘うのだった。
街中 | |
卯月 | 美穂ちゃん、今日はレッスンをキャンセルしてどうしてここに? |
美穂 | 杏ちゃんからアドバイスをもらったじゃない? だから、仲良くなるために、 いろいろ経験してみるのはどうかなーって、思ったの。 |
響子 | それ、いいと思いますっ! |
卯月 | なるほどー。じゃあまずは……? |
美穂 | お買い物へ、レッツゴーっ! |
響子 | いろんな服や靴が、いっぱい……。 みんな、普段からこういうお店に来るんだ……。 |
美穂 | そんな、普段からなんて、そんなことはっ。 |
響子 | ほんと? けっこうイイお値段するから、 このお店に普段から来るんだと思ってビックリしちゃった……。 |
卯月 | 響子ちゃん、おしゃれなお店だから緊張してとか、 そういうことかと思ったら、違ったんだ。 |
響子 | あぁ、もちろん、それもありますよ! けど、自分の服にこんなお金かけるくらいなら、 弟たちの服を買ってあげようかなって、つい考えちゃって! |
美穂 | そっか、弟さんや妹さんがたくさんいるんだっけ? |
響子 | そうなんです。 弟たちに私のお下がり着せるわけにいかないから、 ついそういうことを考えちゃうんですよね。 |
卯月 | 家族思いの素敵なお姉ちゃんだねっ。 |
響子 | うふふっ。そうですか? そんな風に言ってもらえると嬉しいなっ。 |
美穂 | ふふっ。 私は、こういうかわいい服を見たり、着たりすると、 今でもやっぱり緊張しちゃうんだ。 |
卯月 | 緊張って? |
美穂 | それが、お恥ずかしい話なんだけど……。 私、洋服の趣味がちょっと子供っぽいっていうか、 幼いって言われたことがあって……。 |
響子 | へぇ、そうなんですか? |
卯月 | あっ。それってもしかして……昔着てた、くまさんTシャツ? |
美穂 | そう……えへへ。 私、熊本から出てきて、こっちの養成所にいる人たちが こんなにカワイイ服装してるって知らなかったから。 |
響子 | そうなんだ。今はとってもオシャレなのに、意外ですね。 |
美穂 | えへへ。ありがとうっ。 いっぱい勉強したもん。ファッションとか、メイクとか。 |
卯月 | 2人とも、偉いなぁ……! |
ファミレス | |
美穂 | はぁ……いっぱいお買い物したねっ。 |
響子 | もう、お腹ぺこぺこですっ。 |
卯月 | ここで何か食べていきましょうっ。 美穂ちゃん、何が好き? |
美穂 | 私は、馬刺しとか、辛子レンコンとか、明太子とか……。 |
響子 | 渋いですね! |
卯月 | さすが熊本出身って感じだね。響子ちゃんは? |
響子 | 手料理だと、凝ったものより弟たちが満足するメニューが多いです。 家庭料理が得意かも。カレーとか、ハンバーグとか。 あと、和食かな? 焼き魚に煮物とかですねっ。 |
美穂 | 和食が好きなんだね! |
卯月 | うちも朝ご飯は和食が多いかなぁ。 |
美穂 | じゃあ、ここで頼むのは? |
卯月 | パスタにします! |
響子 | って、和食じゃないんですかっ。 |
卯月 | えへへ……。 |
街中 | |
卯月 | ふぅ。ごちそうさまでしたっ。 |
響子 | はぁ……やっぱり、みんなと食べるご飯はいいですねっ。 |
美穂 | そうだねっ。 お喋りしすぎて、もうこんなに遅くなっちゃった! |
卯月 | じゃあ、ここでバイバイにする? |
美穂 | そうしようか。ね、響子ちゃん。 私たちは女子寮に戻る? |
響子 | そうですね。 ホントは、時間が許すなら、もうちょっと お話ししていたかったですけど……。 |
美穂 | だよね。でも、あんまり遅くなったら 卯月ちゃんのママも心配しちゃうし……。 |
卯月 | ……あ、そうだ♪ よかったら、2人とも、うちに泊まっていかない? |
響子 | へ? 卯月ちゃんのお家に……ですか? |
美穂 | いいねっ、P.C.Sお泊まり会! |
響子 | そんな、いいんですか? |
卯月 | うんっ!うちは、いつでも大歓迎だから。 ママもお友達を連れてくると喜ぶし。 |
美穂 | そうと決まったら、いこうっ! ……あ、でもこれってプロデューサーさんに 言っておいた方が良いのかな? |
卯月 | じゃあその間、私はママに電話するね。 |
響子 | あと寮の管理人さんにも連絡しておいた方が……。 |
美穂 | ふふっ。 こういうところ、私たちってマジメなユニットだねっ。 |
響子 | あははっ! |
卯月 | うふふっ! |
お泊り会で、卯月、美穂、響子はアイドルになった
理由や憧れ、アイドルへの大事な想いを打ち明け合う。
それぞれの想いを集めて、どんなユニットに
なりたいか、3人は話し合う。
「P.C.S」の名にふさわしい、温かくて仲のよい
ユニットにしたい。3人の想いが一つに重なった。
理由や憧れ、アイドルへの大事な想いを打ち明け合う。
それぞれの想いを集めて、どんなユニットに
なりたいか、3人は話し合う。
「P.C.S」の名にふさわしい、温かくて仲のよい
ユニットにしたい。3人の想いが一つに重なった。
住宅街 | |
響子 | 誰かのお家にお邪魔するなんて最近なかったから、緊張してきた……。 |
卯月 | ふふっ。緊張しなくていいよ。 |
美穂 | そうそうっ。お友だちの家なんだから♪ |
響子 | 美穂ちゃんは、卯月ちゃんのお家に行ったことはあるんですか? |
美穂 | うんっ。何度かね。 女子寮の私の部屋に来たこともあるし。 |
響子 | そうなんだ……じゃあ私、失礼のないようにしなきゃ……。 |
卯月の部屋 | |
響子 | お邪魔しまーす……。 ここが、卯月ちゃんのお部屋……。 |
卯月 | ゆっくりしていってね。 |
響子 | 女子寮の部屋より、やっぱり広いね……。 いいなぁ……。 |
美穂 | 寮はワンルームだもんね。 けど卯月ちゃんのお部屋は、広さより物が多いみたい……。 |
卯月 | そうそう、そのせいで片付けが大変で。 物が多いから……。あははは……。 |
響子 | でも、なんだか安心しますよね。 実家を思い出すみたいで……。 |
卯月 | やっぱり、寮生活って大変なのかな? 寂しかったりとか……。 |
響子 | 寂しいなって時もあるかなぁ……。 うちは、大家族だったから、ひとりに慣れてなくて。 |
美穂 | けど、寮は寮で、いいところもあるんだよ。 ロビーや食堂に出れば、周りに誰かいるし。 |
響子 | そうですね。 みんながアイドルになるために頑張ってるから、 自分も頑張ろうって思えますね。 |
卯月 | アイドルに憧れる人が集まる場所って、素敵だなぁ。 でも、そこに集まる人の理由は、みんな違うんだよね。 |
美穂 | そうだね。私は内気な自分を変えたくて、だったから。 地元で引っ込み思案なまま過ごすより、 憧れの場所に行きたいって思ったの。 |
卯月 | 美穂ちゃんらしいなぁ。 熊本の女は本当は強気、だもんね。 |
美穂 | そうかな……えへへ。 |
響子 | 卯月ちゃんは? どうしてアイドルになったんですか? |
卯月 | 私は、ずっと憧れてたの。アイドルに。 |
響子 | へぇ……。 |
美穂 | アイドルって、みんなを笑顔にするお仕事だもんね。 |
卯月 | うん……とっても素敵なお仕事だと思うんだ。 だから、養成所に通ってて。 |
響子 | そっかぁ……みんなちゃんとした想いがあったんですね……。 |
美穂 | 響子ちゃんは、どうしてアイドルに? |
響子 | 私は、たまたまなんです。 実家の近くへロケに来てたプロデューサーさんに、 たまたまスカウトされて。 |
美穂 | へぇ……そうだったんだ。 |
響子 | それで、最初は必要とされるんだったら、 この人のためにアイドルってものを頑張ろうって思ったんです。 アイドル自体に思い入れとかは、あんまりなくって。 |
だけど、だんだん活動してるうちに、同じアイドルの仲間とか、 スタッフさんとか、家族とか……。 なによりファンの人が応援してくれてるって気付いて……。 | |
今は、応援してくれるみんなのために、 アイドルをやりたいなって思ってます。 | |
だから、今はほんとに大事に思ってるんですよ。アイドルのこと。 | |
美穂 | うんっ。ちゃんと伝わってきたよ。 |
卯月 | みんな、それぞれ大事な想いがあって、アイドルやってるんだよね。 |
美穂 | そんな3人が集まって、どんなユニットになれるかなぁ? |
卯月 | うーん……仲良く、アイドル活動できたらいいなぁ……。 |
響子 | 仲良く、ですか? |
美穂 | スクールメイトとか、クラスメイトみたいな感じかなぁ。 なんとなくみんな仲良くて、ケンカもするけど、 文化祭や体育祭では団結する……そんな感じ……? |
卯月 | そういう、温かくて仲の良い雰囲気が出せるユニットに……。 なれたら素敵だねっ。 |
響子 | ファンの人とも、クラスメイトみたいになりたいですねっ。 |
美穂 | じゃあ、それをユニットの目標にしようっ。 ピンクチェック "スクール" だもんね。 学校みたいに広い心で、教室みたいに賑やかで! |
卯月・響子 | うんっ! はいっ! |
響子 | ちなみに、みんなは普段学校でどんな感じですか? |
美穂 | それは、卯月ちゃんのアルバムを見せてもらおうっ。 見せてっ。 |
卯月 | えぇ? えっと、このあたりに〜。 |
これ、昔のアルバムで……。 | |
響子 | ふふっ、かわいいっ。 |
卯月 | 恥ずかしいな〜。 |
美穂 | 今日はこの1枚を見られただけでも、来た価値があったね。 |
卯月 | そんなぁ〜。 |
響子 | でも、今日はみんなとお話しできて本当によかったです。 |
美穂 | みんなのことも知れたし、 ユニットとしてどう活動していったらいいかも見えてきたし。 |
卯月 | 明日からのレッスンも、本番も、頑張ろうね。 |
美穂 | ううん。 これから先、ユニットとして、3人で頑張ろう! |
卯月・響子 | うんっ! はいっ! |
フェス前の最終確認をする卯月、美穂、響子。
杏も応援に駆けつけ、3人の様子を見守る。
初めの頃は、まったく息が合わなかった3人だが、
絆を深め、互いをフォローしあえるようになった。
トレーナーからも合格点をもらい、自信をつける。
仲の良さをパワーに変えて、3人は本番に向かう。
杏も応援に駆けつけ、3人の様子を見守る。
初めの頃は、まったく息が合わなかった3人だが、
絆を深め、互いをフォローしあえるようになった。
トレーナーからも合格点をもらい、自信をつける。
仲の良さをパワーに変えて、3人は本番に向かう。
LIVE前日 | |
卯月・響子・美穂 | おはようございます! おはようございます! おはようございます! |
トレーナー | さて。今日は明日のフェス前の最終確認だ。 仕上がりを見せてもらおうか。 |
卯月・響子・美穂 | 頑張ります! 精一杯やりますっ。 ドキドキしますねっ。 |
杏 | んー、大丈夫ー? |
トレーナー | なんだ双葉、見学か。 |
杏 | あー、その、心配ってゆーか、どうなったかなーって思って。 |
卯月 | 杏ちゃん、見に来てくれて、ありがとうっ。 |
美穂 | 私たちなら、大丈夫だよっ。 |
響子 | 杏ちゃんのアドバイスも、隠し味みたいに効いてますから♪ |
杏 | か、隠し味……? まぁ、なんか大丈夫そうだね。とりあえず、見てるよー。 |
トレーナー | じゃあ、見せてもらおうか。スタンバイ! |
響子 | はいっ! |
美穂 | ……楽しもうね。 |
卯月 | ……うん。 |
響子 | 宜しくお願いします! |
トレーナー | そこまで! うん。十分だろう。 仕上がりとしてはまずまずだな。 |
島村、まだ立ち上がりが遅い。テンポを意識していけ。 | |
卯月 | はいっ。 |
トレーナー | 小日向、まだ硬さが残っているな。本番は気楽にいけ。 |
美穂 | はいっ。 |
トレーナー | 五十嵐、ようやく集中できるようになってきたな。 |
響子 | はいっ。 |
トレーナー | ……と、ダメだしはしておいたが……みんな、成長したな。 |
卯月・響子・美穂 | はいっ! ……へ? えへへっ。 |
トレーナー | 島村、五十嵐に笑顔を促したのはナイスフォローだ。 小日向、島村のポーズにうまく合わせたな。 五十嵐、2人の動きをよく見ていた。ほめてやろう。 |
3人とも、1つのチームとして機能するようになったじゃないか。 最初とはえらい違いだ。 まぁ、百点満点とは言えないが、合格点をあげよう。 | |
卯月・響子・美穂 | やったぁ! よかったぁ……。 ふふっ。 |
トレーナー | 喜ぶのはまだ早い! 本番は明日だ。 そこで完璧なパフォーマンスをするのが仕事だからな! |
卯月・響子・美穂 | はいっ! はいっ! はいっ! |
トレーナー | まぁ、この調子なら問題ないだろう。 ……ではプロデューサー殿、私はここで。 本番を楽しみにしていますよ。 |
P | お疲れさまでした。 |
卯月・響子・美穂 | ありがとうございましたー! ありがとうございましたー! ありがとうございましたー! |
杏 | みんな、よくなったね。ホント、最初とは大きな違いだよー。 |
美穂 | ありがとう! |
杏 | なにやったの? なんか、秘密の特訓とか? |
卯月 | うーんと……。 |
響子 | お買い物行きましたよね! |
美穂 | そうそう、それからご飯食べて……。 |
響子 | 卯月ちゃんちでお泊まり会して……。 |
卯月 | あとはレッスンして、 |
美穂 | 歌を収録して……。 |
響子 | たまにお茶して……。 |
卯月 | 宣材写真を撮って……。 |
美穂 | おしゃべりして……。 |
響子 | レッスンして……。 |
杏 | ってそれつまり……いつも通りじゃん。 |
響子 | でも、その間に仲良くなったんですよ! |
美穂 | アイドルとしても、普通の女の子としても、 お互いのことを知れたもんね。 |
卯月 | 仲の良さをパワーに変えて、本番も頑張ろうねっ。 |
響子 | うんっ! 本番が楽しみです! |
美穂 | じゃあ……本番もー、頑張るぞーっ! |
卯月・響子・美穂 | おー! おー! おー!! |
本番終了後。卯月、美穂、響子は今回のユニットの
お仕事を振り返る。「P.C.S」の3人らしい、
仲がよくあたたかいLIVEができたことを喜び合う。
アドバイスをくれた杏にもお礼を言い、控室に向かう
面々。そこで、Pからご褒美をもらえることに。
3人で相談した結果、Pに頼んだものは……。
お仕事を振り返る。「P.C.S」の3人らしい、
仲がよくあたたかいLIVEができたことを喜び合う。
アドバイスをくれた杏にもお礼を言い、控室に向かう
面々。そこで、Pからご褒美をもらえることに。
3人で相談した結果、Pに頼んだものは……。
LIVE終了後 | ||
卯月 | 終わっちゃった……。 | |
美穂 | 終わっちゃったね……。 | |
響子 | ステージって、一瞬で終わっちゃいますよね……。 | |
美穂 | P.C.Sとして歌ってみて、どうだった? | |
卯月 | すっごく、安心して歌えたみたい。 2人のことを、近くに感じて……。 | |
響子 | そうですね。 それに、私はすっごく楽しかったですっ。 | |
卯月 | うんっ。いっぱいレッスンしたから、みんなの歌や踊りを 見なくても感じられたし……。 なにより、みんながステージを楽しんでいるのも感じられて。 | |
美穂 | じゃあ……これって、大成功……かな? | |
響子 | きっと、そうですよっ。間違いないと思いますっ! | |
卯月 | 会場のファンの人たちも、一つになって楽しんでくれてたから……。 成功だよっ。 | |
美穂 | ふふっ。じゃあ、控え室に戻ろうか。 きっとプロデューサーさんも待ってるからっ。 | |
廊下 | ||
杏 | お、チョップ……じゃなくてチェックの3人組だー。お疲れー。 | |
響子 | お疲れさまです、杏ちゃん。 | |
美穂 | 私たちがうまくいったのも、 杏ちゃんのアドバイスのおかげ、感謝しなくちゃね! | |
杏 | え、そんなに? 杏、そんな大事なこと言ったっけ……? | |
卯月 | まずは仲良くしたらって、言ってくれたじゃないですか♪ | |
杏 | そういや、そんなことも言ったような言ってないような……。 | |
響子 | 言いましたよ♪ 杏ちゃんが忘れちゃっても、私たちのこの絆が証明ですっ。 | |
杏 | あー……うん。 べつに、そんなたいしたことはしてないし……。 それに、きっとここまで来られたのは、みんなの実力だよ。 | |
美穂 | そう言ってもらえると、嬉しいっ。ふふふっ♪ | |
杏 | まぁ、なんだ。なんか照れるなぁ。 ほら、はやく、プロデューサーのところにいってきたら。 | |
響子 | そうしますっ。こんど、杏ちゃんにはお礼しますね。 なにかお料理作ってあげます♪ | |
杏 | んじゃあ、噂のハンバーグをたのもっかなー。 | |
響子 | わかりました♪ 腕によりをかけて、作っちゃいますよ♪ | |
杏 | 楽しみにしてまーす。 | |
卯月 | それじゃあ杏ちゃん、またあとでっ。 | |
美穂 | また事務所でね! | |
杏 | はいはーい。 ふふっ。……ユニットってのも悪くないね。 | |
LIVE控え室 | ||
P | お疲れさま。 | |
卯月 | プロデューサーさん!お疲れさまでした! | |
美穂 | 私たちのステージ、見ててくれましたか? | |
響子 | 出来映えは、どうでしたか? | |
P | よかったよ。 | |
卯月・美穂・響子 | ホントですか♪ 嬉しいねっ! やりましたねっ! | |
P | 何かご褒美を用意するよ。 | |
響子 | ご褒美……ですか? | |
卯月 | 打ち上げとか……かな? | |
美穂 | うーん……オフとか? でも、みんなで相談して決めたいね。 プロデューサーさん、みんなで相談してもいいですか? | |
P | いいよ。 | |
ファミレス | ||
美穂 | ということで、緊急P.C.S会議を開きますっ。 | |
響子 | き、緊急P.C.S会議……! | |
卯月 | それで……ご褒美って、どういうのがいいのかな? 定番だと、やっぱり打ち上げかなぁ。 | |
美穂 | どこかいいところに連れていってもらうのはどうかな? 夜景の見えるレストランとか。 | |
響子 | みんなでカラオケとか、楽しいところに行くのも良いですよねっ。 | |
卯月 | それもいいなぁ……。 でも、それだと1回で終わっちゃうから、寂しいなぁ。 | |
美穂 | おっ、卯月ちゃん、なにか良いアイディアが……? | |
響子 | 1回で終わらない、ご褒美って大丈夫なのかな……? | |
卯月 | これからも、たくさんもらえるもの…………。 | |
事務所 | ||
P | 決まった? | |
美穂 | プロデューサーさんっ。 みんなで相談してきましたっ。 | |
響子 | ご褒美はほしいんですけど……。 1回で終わっちゃったらもったいないねって話になったんです。 | |
卯月 | それで、考えたんですけど……ご褒美は……。 | |
卯月・美穂・響子 | 次のお仕事をお願いしますっ♪ 次のお仕事をお願いしますね♪ 次のお仕事をお願いしまーす♪ | |
P | OK! | |
卯月・美穂・響子 | ふふっ♪ うふふ♪ あははっ♪ |
卯月 | ファンのみなさん、こんにちは!P.C.Sのスマイル担当、 島村卯月です!なんと私たち3人のユニットが、 フェスに参加させてもらえることになりました! |
ユニットとして、3人で大きなイベントに出させてもらうのは 初めてなんですよ! それと、新曲も歌わせてもらえることになりました。 | |
新曲『ラブレター』はとってもキュートな女の子の歌なんです。 こちらも、楽しみに待っていてくださいね。 以上、島村卯月でした!ばいばーい! |
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