まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

647 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/14(水) 01:01:14.93 0
雅→ももちぃ書いてた者です
感想もいろいろいただいて感無量でした
あれハッピーエンドにはしましたけれども
みやもも一緒に暮らしてたらこういうことになるんじゃねぇの

という小編



648 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/14(水) 01:01:38.15 0

古道具屋のショーケースにあったアンティークガラスの香水瓶に
雅の目は釘付けになっていた。
これ、置きたい。これ置いて毎日眺めたい。

玄関を入ったシューズケースの上
今は真鍮のオブジェをメインにしているけど
これを置いたらどうなるだろう。

朝は玄関の明かり取りの窓から入る陽を受けて
きらきら光るだろうカットガラスを想像したら
しばらくうっとりしてしまった。
今置いてるキャンドルホルダーは一旦よけて
アンティークガラスをメインに全体の色を明るめにしてもいいかな。
壁にかけてるファブリックも変えよう。

そう思ったら、ぱぁっと気持ちが弾んで
「これください」
勢いで会計を済ませると足取り軽く家に向かう。

帰ったらすぐやろう。
まずはファブリックの色選びから
そんなことを考えながら、玄関のドアを開けると
目に信じられないものが飛び込んで来た。

雅は、シューズケースの上のそれを震える手で掴むと
リビングに駆け込んだ。

649 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/14(水) 01:02:05.98 0

「玄関のとこにダッ   ッッッサいウェルカムボード置くのやめてよ」
背中を向けてテレビを見ていたももは、私の声に振り返り
ひどくショックを受けたような顔をしてこっちを見た。

「なに……言ってんのみや……かわいいでしょ」
「ピンク使うにしても合わせ方ってのがあるよね。なにこのハート、なにこのお花、なんなのこのだっさいリボン」
ひとつひとつ指差す手が震えた。「こんなもの……うちの玄関に置かないでくれる」
「帰ってきたときに可愛いボードに迎えられたら嬉しいじゃん」
「シューズケースの上は私が、考えて、小物をコーディネートしてんの」
「知ってる」
「今の私のショックがわかる?」
ももはとぼけたような顔をして首をこれ以上ないくらい傾げた。

「捨てるからね」
「いやぁああぁぁぁぁやめて」
ももは私からボードをひったくると胸に抱えてぎゅっと抱きしめた。
「ひどいね、みやってばひどいよね」
ボードに貼付けてある、顔を描いたハートに話しかけているももはスルーして
コートを脱ぎながらクローゼットに向かった。
「もも、来週末、フレンチ食べにいくからね」
「この間言ってたお店?」
「そう。ももの話もしといた。ブライダルコーディネーター連れていくからって」
「聞いた?デートだって♡」
「それ捨てたら連れてってあげる」
「……」
「ねえ、真剣に考えることなの……」

650 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/12/14(水) 01:02:29.20 0


「センスは壊滅的だけど判断は早いし的確だから一緒にやりやすいよ」
「そう言ってもらえてホッとしたわ」
「ヒアリングもちゃんとしてくれるから無駄なことはしないで済んでるし」
「紹介して良かったかなとか心配だったんだよね」
「今のところ定期的に受注はあるみたいだし、みやにこの仕事紹介してもらって良かったって思ってる」
「これからも頼むわ。くれぐれもあの子の創作物は人目につくとこに置かないように」
「ああ。あれ。見かけたらすぐ捨ててる」
梨沙子はニコリともせずそう言った。

スタイリストの学校で一緒だった梨沙子は、最初についた先生とあまりにも相性が悪く
一旦は田舎にひっこんだものの都会の風が忘れられず
原宿をフラフラ歩いてるところを私が見つけて捕獲し、ももの事務所に放り込んだ。
ピンク一色で安物のファンシーグッズがいたるところに置いてあった事務所は
梨沙子の手であっという間にカフェ風に生まれ変わった。
「好きにやらせてくれてるよ」
梨沙子は笑った。

「でも、さ、みや持ってんじゃん。あれ」
「ん?」
「フェルトのちっちゃい、ヘンなマスコット、いつも入れてんじゃん。お財布に」
「あー、まあ、そうだね」
梨沙子は口の端だけで笑うと、伝票を取って立ち上がった。
「お世話になってるからここは出しとく。またね」
「え、そんなのいいよ」
立ち上がりかけた私に構わず、手をひらひらさせながら梨沙子は店を出て行った。

お財布のマスコット。
初めてのデートの時に、ももがくれたやつ。
これだけは、捨てられないんだよね。

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