まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

378 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:27:12.29 0

——終電、なくなっちゃったね。

テレビのドラマとかでよくある台詞。
その裏の意味が分からないほど子どもじゃないつもり。
でも、あまりにも呑気な空気でつぶやかれたから、返事も呑気なものになった。
そうだねえ、って答えたのを、みやはどう受け止めたんだろう。

二人で飲もうよって誘いに、きっと深い意味はなかったんだと思う。
みやが選んでくれたお店は、ちょっと大人びた雰囲気で、お酒も料理も美味しかった。
「こんな店でも似合うようになっちゃったかあ」なんてちょっと冗談めかして言ってみたら、案外真剣な表情で頷かれて戸惑った。
思えば、あの時からみやはちょっと変だった。
まあ、単純に酔っ払ってただけかもしれない。今日はいつもより、ペースが早かった気がしたから。
お互い、時計を気にしてなかったわけじゃない。
でも、なぜだか離れがたくて——それはたぶん、みやも一緒で。
気づいたら、終電の時刻をとっくに過ぎていた。
だから、みやの台詞は、事実をそのまま口にしただけに過ぎない。
そのはず、だった。


「空いててよかったねー」
「そうだね」

本当は、タクシーでも拾って帰るつもりだった。
それなのに、なぜ、みやと二人でホテルなんかにいるんだろう。
たまたま空いてたツインの部屋。
ビジネスホテルというには少しお高めな料金で、その分部屋の中は綺麗だった。

「お泊まりとか、ちょっとテンション上がるー」
「そう?」

みやの頬にはまだほんのりと赤みが残っていて、酔っ払い状態は継続中。
けらけらと楽しそうにしてるのを見る分には、面倒くさいってほどでもないしいいんだけど。
わーい、って間抜けな声を上げながら整えられたベッドに飛び込むみや。
あなた、今年何歳になりましたっけ。

「すごーい、ふかふかー」
「よかったねー」

適当な返事をしながら、ももはもう一つのベッドに荷物を放った。
普段なら寝てる時間帯だし、瞼もそろそろ限界。
早いところ休もうと着替えようとしたところで、視界に入ってきたみやはなぜか頬を膨らまていた。

379 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:27:36.30 0

「……みや? どしたの?」
「べーつにー」

寝転がったまま手足を軽くじたばたさせたかと思えば、がばっと起き上がってベッドの縁へ腰かける。
そして、なぜか自分の太ももをパシパシと叩いて何かをアピールするみや。

「え、なに?」
「見れば分かるでしょー?」
「や、分かんないでしょ」

ももの返事が気に入らないのか、つん、とみやの唇が尖った。
さっきまではしゃいでたくせに、何が不満なんだろう。

「……来てよ」
「は?」
「こっち。ここ」

みやが指差すのは、さっき叩いてた自分の太もも。
えーっと、そこに座れってこと?
近づいていってゆっくり腰を下ろすと、きゅっと背後から抱きつかれる形になった。
どうしたんだろう、みやからこんなことしてくるなんて。
調子が、狂う。

「ねえ、これで——ちょっ」

満足した?って聞こうとしたのに、いきなり右へと傾けられてお腹の底にぎゅっと力が入った。

「なんなの?」
「……別に」
「もー、今日のみや、変だよ?」

おどけた風に言いながら、体を捻ろうとした……のは、阻止された。
みやに抱きつかれたままで横に倒されたから、みやの顔は相変わらず見えないままで。

「ほらほら、早く寝よ」

返事は、ない。
でも、ももの体に巻きついている腕が、ちょこっとだけ力を増したのを感じた。

「……みや?」

確かめように名前を呼ぶと、更にぐっと力が込められて。
単にじゃれついてきただけじゃ、ない?
心当たりはないけれど、何か理由はあるのかなって思って、そのままに好きにさせてみる。
みやは特にそれ以上身動きをするわけでもなく、もものことを抱きしめたまま静かに呼吸をしていた。
首のあたりに触れる吐息が熱い気がしたのは、きっとお酒を飲んだせい。

380 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:28:29.87 0

「ごめん、なんでもない」

しばらくそうしていると、ふわりと体が解放された。
何かよく分からないけれど、満足したんだろうか。
……ていうか、今謝られた?なんで?
でも、その疑問にも答えは与えられなかった。
お風呂、先どうぞって強制的に背中を押される。
振り返ろうとしたけど、無理やり脱衣所に押し込められてしまった。

「……なんなの、本当に」

独りごちても返事はない。
……変なみや。


いろんな疑問に気を取られて、正直どうやってシャワーを浴びたのかも覚えていない。
不思議なもので、そんな状態でも体は勝手に動いてくれた。
シャワーを終えると、部屋着に着替えたらしいみやがベッドサイドに座っていた。
次どうぞって背中に声をかけようとして、ももの頭にふっとあるアイデアが浮かぶ。
思いついたら、善は急げ。
そーっと近づいていって、わっという声と共にみやに飛びついた。

「ひゃっ?!」

想像以上にびっくりしてくれて、それはそれで満足。
さっきのお返し。
してやったりって顔でみやの顔を覗き込もうとしたら、意外なほどの力で弾き飛ばされた。

「……やめてよ」

みやの喉から搾り出されるような低い声音がして、反射的に身を引いていた。
さっき同じことしてきたくせに、なんで?

「照れなくてもいいのにぃ」
「そんなんじゃない」

いつも通りのノリでいけるかなって思ったけど、みやは全然乗ってこない。
もっと軽い感じで、ウザいとか言ってくれるのを期待してたんだけどな。

「じゃあ、なに?」
「なんでもない」
「いやいや、なんでもなくないでしょ」

ぱたりと分厚い扉が閉じられたみたいだった。
スタジオの防音扉みたいなイメージ。

「ねーえ、みやびちゃん?」

さっき思わず開けてしまった距離を、しれっと詰めてみた。
すると、わずかに後退するみやの体。
勝手にひっついてきたくせに、勝手に離れていくのおかしくない?
頭の中に積み上げられた疑問が、今にも崩れてしまいそうで。

「ねえってば……!」

ちょっと強引に、みやの肩に掴みかかる。
こっち向いてよって、そんな単純な気持ちから出た行為。
でも、みやの動きは思ったのと違っていた。

381 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:29:39.37 0

ぐっと唇に押しつけられる何か。
あまりに突然で、目を閉じる隙さえなくて。
だから、全部が目に飛び込んできた。
緩やかに閉じられたみやのまぶたも。
細かく震えて光を反射するまつ毛も。
きっと、ほんの一瞬のことだった。でも、それで十分だった。

「な……?!え、は?……え?」

唇に残る柔らかな余韻と、目に焼き付いている光景と。
一層赤く染まったみやのほっぺと、ちょっとだけ充血した瞳と。
それら全てを頭の中でまとめて、なんとか答えを導き出す。

……キス、された? みやに?

「……もう、いいでしょ」

みやはようやくそれだけつぶやいて、両腕で顔を覆ってしまった。
その様子に、やっぱりさっきのは夢じゃなかったと実感する。
でもそんな思考も全部、どこか遠い世界で展開されていた。

「みや、さっきのって——」
「はやく、寝よ」

疲れてるでしょ、って取ってつけたような言葉の端に滲む拒絶。
それだけ言うと、みやは逃げるように立ち上がっていて。
その手を掴んでいたのは、ほとんど無意識だった。

「……ま、待って」
「何?」
「え、っと……なん、だろ」

みやがどこかへ行っちゃわないように、指先を絡める。
だけど、肝心の言葉がうまく形にならない。
何をどう言ったところで、みやには届かないような錯覚に陥った。
どうしよう、こんなこと初めてだ。

「……思わせぶりなこと、すんなよ!」

ももが固まっていると、不意に驚くほどの力で指が振り解かれた。
その反動で、反転する視界。
次の瞬間には、みやに見下ろされる格好になっていた。
思えば、この部屋に入ってから、初めてまともに対峙したかもしれない。
そんなみやは、ちょこっとだけ泣いてるようにも見えた。

「止まんなくなるから、ホント、やめて」

顔の両脇を封じる、みやの両腕。
この体勢の意味も、もう分かるようになってしまった。
ついでに、頬にこぼれ落ちた雫の意味も、なんとなく。

382 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:29:58.05 0

「……これでも、抑えてんだから」

そんなみやの声を聞いていると、こっちまで喉が締め付けられたようで。
つまり、みやはももと、その……そういうことを、したいと。
でも、必死で我慢してるんだ、と。
ここまではいい。

「これで、納得した?」

ぼーっと思考を整理していたら、みやの表情が不意に何かを諦めたような色に変わった。
違う、そうじゃない。
そんな顔させたいわけじゃない。

「……みや」

もっかい、チューして?
そう言ったら、みやの瞳はこれ以上ないほどにまん丸くなった。
もも自身、口にした後でちょっとびっくりしている。
でも、確かめてみたいの。ちゃんと。

「うちの言ってたこと、聞いてた?」
「うん」
「まだ酔ってんの?」
「それは……お互い様じゃない?」

みやが答えあぐねている隙に、両腕をみやの体に回してみた。
少しだけ力を加えて、みやを誘導する。
今度はちゃんと目を瞑る余裕が与えられて、ふわりとした熱が唇に触れた。
みやが離れてしまったあとも、しばらく唇に残っていた熱が答えだと思った。

「もう、いい?」

寝ようよ、と掠れた声が降ってくる。
でも、そんなことより大事なことがあって。
ちゃんと、みやに伝えなきゃいけない。さっきの答え。

「……止まんなくて、いいよ」
「は?」

信じられないことを聞いたみたいに、みやの口から音が漏れた。
まあ、それが普通の反応だよね。

「いいって、言ったの」

だからもう一度。
みやにもちゃんと分かるように、ゆっくりと息を吐いた。
だんだんと理解したらしいみやの表情が変わっていく。
ももを射抜くのは、真剣な眼差し。

「……どうなっても、知らないからね」
「……ん」

383 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:30:47.12 0


パチンと室内灯のスイッチが切れる音がして、それが合図だった。
みやの手のひらにふんわりと頭を撫でられて、心地よさに目を細める。
本当にいいの?って聞かれたような気がしたから、いいよっていうつもりでみやの頭もそっと撫で返してみた。
そっと頬に触れるみやの指先に誘われて、瞼を閉じると三度めの口づけ。
さっきよりも少しだけ長くて、少しだけ深い。
生温かさにノックされて薄く唇を開いたら、自分のものじゃない熱が入り込んできた。
口の中、ふにゃふにゃしてるところを丁寧になぞられて、とくんと心臓が跳ねる。
初めての感覚だけど……嫌じゃ、ない。
嫌じゃないんだ、自分。新たな発見だった。

気がついたら、みやの手は胸のあたりをうろついていた。
服越しに伝わってくる、手のひらの温かさ。
やがて部屋着がするりと解かれる感覚があって、素肌が外気に触れる。
前だけはだけさせられて、そこに注がれるみやの視線。
不意にそれを意識してしまって、かっと頬に血が上る。

「そんなに、みないで」
「あー、……ごめん」

本当に無意識だったらしく、みやが頭を掻くのが見えた。
寝る時は下着つけないんだねってしみじみ言われて、やっと自分がお風呂上りだったことを思い出す。
そうだよ、だって苦しいじゃん?

「……ふわふわしてる」

聞いてないし。
みやの意識は、全部ももの胸に奪われてしまったようだった。
大きな動きで緩やかに揉みながら、みやは感嘆の声を漏らす。
そんなに? そんなに感動するポイント?
ツッコミの一つや二つ入れたいところだったけれど、そんな余裕はあっさり消えた。

「あ……っ」

不意に、膨らみの中心へと与えられた刺激。
指の腹が滑って、爪の先に優しくなぞられる。
今までの触れ方とは全然違って、勝手に肩がびくりと震えた。

384 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:31:06.94 0

「ここ、きもちい?」

みやに問われて、この感覚が気持ちいいというやつかと納得する。
だってこんなの、初めてだから。
みやに触れられるたびに、呼吸が浅くなっていく。心臓が速くなっていく。
お腹の底に、熱くてどろりとしたものが溜まっていく。
ももの体、どうしちゃったんだろう。
こんなの、知らない。

「……触っても、いい?」
「ぇ、あ」

言われたことの意味が取れなくて一瞬戸惑っていると、みやの指先がそうっと触れてきた。
下着越しに軽く押されて、粘つく何かを自覚する。
ああ、もしかして、これが。

「……ぬれて、る」

みやがあまりにもはっきり言うものだから、自分のそこがどうなっているかを少しだけ想像してしまった。
恥ずかしい、なんてもんじゃない。
やめてよって意味を込めてちょっと睨んだつもりだったけど、どう映ったかは知らない。
なんかいろんなところが緩みきっていて、表情を作る余裕なんてなかった。

「えっと、その……今日は、脱がさないから」
「……へ? あっ、ん」

言うが早いか、みやの指は既に動きを開始していた。
さっきとは、何もかもが段違いだった。
広い範囲を圧迫されたまま上下に動かされて、背中が反るのを止められなかった。
耳に届く声は、自分のものじゃないみたい。
下半身から与えられる刺激が、背筋を這い上がって脳まで響く。
みやの動きに合わせて腰が動いてしまうのは、どうしようもない。
みやのくれる甘さに、体中が満たされていった。
体の芯が蕩けきって、支えるものが何もなくなる。

——心許ない。

そんな感覚に襲われた瞬間、力強い腕に抱きすくめられた。
次いで頬に触れてくる唇は、安心感をくれた。

「大丈夫」

しっかりとしたみやの声に、強張っていた気持ちが解かれていく。
もも、って一際甘い声で囁かれて、きっとそれがきっかけだった。
体も心も全部、みやに預けて。
こちらへと押し寄せてくる大きな波に、身を任せた。

385 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:31:44.81 0


布団にくるまって、ベッドの端と端。
背中合わせで寝転がっているのは、たぶん滑稽な様子だったと思う。
でも、仕方ない。
終わった瞬間に、ありえないほどの恥ずかしさがなだれ込んできた。
それはみやも一緒だったようで、終わるやいなやあっちを向いてしまった。

「えっと……みや?」

恐る恐る名前を呼ぶと、意味のない音が返ってくる。
呼びかけてみたけど、何を話すかは決まっていない。
どうしたらいいんだろう、この空気。
話題に困っていると、衣擦れの音がしたと思ったらみやの腕が腰あたりに回された。
最初と同じ、背後からぎゅってされてる状態。

「さっきの……酔った勢い、とかじゃないから」
「へ? あ、そう、なの?」

本音を言えば、酔ってるせいで発生した事故みたいなものかもしれないと思う自分もいた。
でも今、それはみやによってはっきり否定された。

「あのさ、酔ってるからって誰とでも寝るわけないじゃん」
「そう、だよね……そっか、そんなわけ、ないんだ」

みやの言うことを少しずつ噛み砕きながら、じわじわとその意味が体に沁みていく。

「もも以外に、こんなことしない」

きっぱりとそう言い切るみやに、じんわりとしたものが胸に満ちた。
ももだって、みや以外にされたいと思わない。
みや以外に、想像できない。

386 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/30(月) 04:32:07.86 0

「……ごめん、なし崩しで」
「今更?」
「うん……そこは、なんか、お酒の勢いだった」

でも、ずっとそういうことしたいって思ってたのは、本当。
ずっと、我慢してたのも、本当。
耳の裏に触れるみやの声は真面目そのもの。
そんな些細なことに、ふと温かいものがこみ上げる。
なんだろう、この感情は。

「……全部、今日でパーになっちゃったわけだけど」
「そうだねえ」

みやが、ずっと大切にしてきたもの。
それを壊すきっかけを作ったのは、他でもないももなわけで。
だけど、壊してみたから見えたものも、きっとたくさんある。お互いに。

「みやは、どうしたい?」
「え?」
「明日の朝。ももとみやは、どうなってたらいい?」
「それ、うちに聞く?」
「うん」

みやの顔を見ないままにこんなこと言うのは、正直ちょっとずるいなって自覚はあった。
でも、ももは火をつけただけであって、もともとの火種はみやでしょ?

「……つ、付き合って、ほしい」
「よく、言えました」
「なんか、ずるい」

ももはどうなの、だって。
改めて向けられたその問いに、答えはほぼ見つかっているようなものだったけど少しだけ考えるふりをした。
知らなかった。
ももの中にこんな気持ちがあったことも、みやの中にあんな気持ちが眠っていたことも。
全部、全部、初めて知ったこと。

「もも?」

催促するように抱きしめられて、耳に吹きかけられる息がくすぐったい。
みやの手をしっかりと握って、それから、ももの気持ちをそっと告げた。

——みやとなら、いいよ。


おわり

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