まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

182 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止@無断転載は禁止2016/10/06(木) 15:36:04.90 0

短いしカプ要素ちょっと薄め。


断続的な電子音が、鼓膜を揺さぶる。徐々に間隔を縮めていく音は、ぼやけた世界を漂っていた桃子は現実に引き戻された。
「ん……」
耳障りな音に身じろぎながら、薄く開いた瞼の隙間。何とか確認したデジタル時計が示す時刻に、桃子は一気に覚醒する。
「え……えっ?」
既に遅刻ギリギリの時刻ではないか、と気づいた瞬間に桃子は跳ねるように身を起こしていた。やばい、とベッドから下りようとして、普段とは違う部屋の様子に桃子は動きを止める。
「あれっ」
見慣れないカーテンの隙間から差し込む陽の光が、ぼんやりと浮かび上がらせる室内は明らかに桃子の部屋とは異なる。
「……もも?」
戸惑う桃子の足元で、もぞもぞと動く毛布の塊が確かに桃子の名前を呼んだ。
「みや?」
フローリングの上に敷かれた簡易的なマットレス。その上で、毛布に包まる人影は間違いなく夏焼雅だ。
そこまで認識して、ようやく昨夜の記憶がうっすらと蘇ってきた。今朝の仕事は現地集合で、しかも桃子の家よりも雅の家の方が近い。そんなこともあって、昨晩は雅の部屋に泊めてもらったのだった。
「時間、大丈夫?」
「あ、えーと、たぶん」
やはり、泊まらせてもらって正解だった、と桃子は思う。今の時間に起床したのでは、自分の家からでは遅刻するところだった。
Berryz工房の頃はそれでも周りが同期だということに甘えられた部分があったが、カントリー・ガールズではそうもいかない。さすがに、プレイングマネージャーが遅刻するなんて笑えない。
「急げば間に合いそう」
「そう」
よかった、がんばって、と独り言のように雅がつぶやいて、寝転がったままの彼女の手がヒラヒラと振られる。
応援でもしているつもりなのだろうか、全然そうは見えないけれど。
気の抜けるような応援に頬を綻ばせたところで、二度目の電子音が桃子の思考に割り込む。スヌーズにしていたんだっけ、と目覚まし時計を止めると、桃子はよし、と立ち上がった。

183 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止@無断転載は禁止2016/10/06(木) 15:36:47.75 0

着替えを済ませ、身支度を適当に済ませると、桃子は急ぎ鞄を手に取る。
「ごめん、起こしちゃって」
「ううん」
確か、雅は今日はオフだ言っていた。彼女も朝はそんなに強くなかったはずだ、桃子がバタバタと周りで準備をしていても布団から出てこないのはその証拠。
また今度何かお礼をしよう、なんてことを考えながら、慌ただしくドアノブを掴んだところで、桃子の背中に雅の声がぶつかった。
「え、ちょっと、もも」
「ん、何?」
「や、ないわ、それは」
言うやいなや、毛布の塊はむくりと起き上がる。
「えっ、えっえっ何?」
ゆらりと立ち上がり、真っ直ぐに桃子を捉える雅の視線。いつになく真剣な眼差しに、心臓が跳ねたような気がした。
「髪、チョー爆発してる」
「え、嘘」
慌てて触れた髪の毛は、雅の言う通り見事に重力に逆らっている。急いでいたせいでろくに鏡など見ていないせいで、気付かなかったのか。
「直してる時間ないよう……」
ちらりと目をやった時計は、そろそろデッドラインだと告げていた。後輩たちにはネタにされるだろうが、今は遅刻しないことの方が優先させたい。
「あと、どのくらい?」
「ぎり5分?」
仕方ない、ここは素直に笑われよう、と桃子が覚悟を決めかけた時、雅の手がぐい、と桃子の腕を引っ張った。そのまま連れて行かれた先は洗面台の前。
「みや?」
「その髪、マジでシャレになんないから」
鏡に写る自分の髪型は芸術的とも言えるほどに逆立っていて、雅が言うようにシャレにならないのは確かだった。
「や、でも」
「5分でしょ? よゆー」
本気?と問う間もなく、慣れた手てつきで用いられる霧吹きが髪の毛を湿らせる。
「普通でいい?」
すらりと長い雅の指に見とれていたせいで、返答が遅れた。
「あ、えと」
「それともあれ? 天使の羽根?」
そう問う雅はまるでいたずらっ子のようで、桃子はそれを冗談なのだと判断した。
「あれはもう、魔法が解けたから」
「そうだったっけ」
口を動かしながらも、雅の手先は止まることなく桃子の髪をセットしていく。数分も経てば、先ほどの寝癖は嘘のように収まっていた。
「さすがみや」
「それほどでも」
そう言いながら、得意気に笑む雅。その横顔が好きだと言ったら雅はどんな反応をするのだろう、なんて。ふと思ってしまったのは何故だろう。
「ほら、遅れるよ」
「あ、やばっ」
ほらほらと急かす雅に背中を押され、思考はふわりとどこかへ溶けて消える。
「いってらっしゃい」
新婚さんみたい、とかいつもだったら出てくる軽口が、喉につっかえたのは知らなかったことにした。
「ん、ありがと」
見送る雅に手を振って、桃子はぱたりとドアを閉める。背中にほのかに残る温もりに、今日は良い仕事ができる、そんな予感がした。

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