まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

873 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/22(木) 20:07:44.03 0

ハウスキーパー雅ちゃん〈9〉

「ひどい」
雅はやっとの思いで言葉を絞り出した。モモがあからさまに傷ついた顔で目を伏せ、視線を泳がせた。
「なんにも、酷くないと思うけど」
傷つき、泣きたいのは雅の方だった。こんなにストレートに感情をぶつけられたことはなかった。胸の奥が痛い、というのは決して比喩ではなく、こんな風に実際に酷く痛むものなのだと知った。
雅は胸を押さえた。
「こんなの、どうしたらいいのかわからない」呟くと、モモは気を取り直したように再び顔を上げ、胸を押さえている雅の片手を取り、もう片方の手も握った。

「じゃあ教えて。みーやん、私のこと好き?」
「ちょっと、待って」
「なに」
「じゃなくて、だったらももは、私のことどう思ってるの」
互いに視線を交わす。バカみたいな会話だと思った。そんなことは知っている。今更どうしてこんなやりとりをしているんだろう。見つめ合う、モモの表情が輝いたように見えた。唇が開かれる。
「わかった。言うね」
雅は取り返しのつかない質問をしたことに気づいた。ううん、答えなくていい。そう思ったが遅かった。
モモの唇が動く
「みーやんのことが好き。好き、好き。……」
繋いでいた手を咄嗟に振り払い、言い続けるモモの口を押さえていた。モモは動じることなく、雅の手を毟り取る。
「好き」
雅は再び胸を押さえると、その場にずるずると屈み込んだ。

苦しい、苦しい、痛い。今、何が起きているのか、自分が嬉しいのか悲しいのか怒っているのか、それすらもわからなかった。とにかく、死んでしまいそうだった。
「死んじゃう」思うまま、雅は呟いた。

モモはゆっくりと雅の前にしゃがみ、片手で俯いた雅の頬に触れた。優しい指先だった。
「教えて。私のこと好き?」
強烈な鼓動が雅の全身を打っている。

「……好き」
音になったかどうかわからなかった。
モモは両手を伸ばして雅を抱き締め「ありがとう」と言った。

892 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/22(木) 21:19:42.02 0

暫くして、モモは体を離し、立ち上がった。
「晩ご飯は一緒に食べるね」普通に、そう言うと階段を上がっていった。雅は階段の手摺に掴まりよろけながら立ち上がる。
受け容れてしまった。モモの気持ちも、自分の気持ちも受け容れてしまった。ゆっくり息を吸う。
「……大丈夫」
まだ混乱していると思ったが、口にして自分に言い聞かせてみる。大丈夫。
わかった。好きなんだって、伝えていいんだって。
誰にだってお別れの日はやってくる。だったら、今の気持ちに正直になっていいんだ。きっと、もしかして、浮かれたっていい。
雅は肚を括った。もう今の気持ちに嘘をついたりしない。そう、決めた。

夕食の席に向かい合えば、いつも通りの会話だった。今日は雅が用意した唐揚げの味付けについてずっと話をしていた。
「塩味の唐揚げも美味しいね」
「そう?良かった。だいぶ前から塩味流行ってるからね」
「へぇ、そうなんだ。これ好きかも。いいと思う」
モモは大口を開けて唐揚げにパクついた。
会話の間、時折モモが嬉しそうにはにかむ顔を見て、雅は嬉しい気持ちになっていた。好きな人が、自分の気持ちを伝えたことで幸せになっている。そんな風に思える雅自身もまた幸せだと思った。

雅が洗い物に立つと、モモも横に立って初めて「手伝うよ」と言った。
「え、いいよそんなことしなくて」
「二人でやっちゃった方が早いでしょ」まるでらしくないことを言う。雅は可笑しくなった。

「あとでお部屋行ってもいい?」
雅がドキッとして恐る恐る横にいるモモの顔を見ると、モモはグラスの底に突っ込んだスポンジを凝視していた。
「いいよ」雅は顔を戻し、手にしていた皿を布巾で包む。その時、ピンッ!と音がして「いっ…た」とモモが呟いた。
「え、なに、切った?」
「割れた」
ぱかんと二つに割れたグラスがシンクに置かれ、モモは顔をしかめて左手の中指を見ている。
「ちょっと待ってて」

薬箱を持ってキッチンに戻る。
「絆創膏持って来た。大丈夫?」
モモはダイニングの椅子に座り、中指の付け根を摘んだまま振り返った。「だいじょぶ」
「洗った?」「手は洗ったけどグラスそのまま」「いいよ」
雅はモモの指を見た。たいした傷ではなさそうだったが、縦にすっと筋が入りそこから血が盛り上がっていた。
「わ、痛そう……」「うーんまあ」
ガーゼを渡してやり、モモが指に押し当てている間に絆創膏をはがすと、差し出された指に巻いてやる。
モモは絆創膏を巻かれた指を握ったり開いたりした。
「慣れないことはするもんじゃないね」

モモを自室に帰し、シンクに残っていたグラスを捨てる。脳裏にモモの血の赤が蘇る。初めて見たモモの痕跡、赤いジャムの色を、雅は思い出していた。

893 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/22(木) 21:24:28.65 0

モモは雅の部屋に入ってくると、すぐに抱きついてきた。雅も抱き締め返す。
ドキドキして全身蕩けそうだった。自分は今まで何に抵抗していたんだろう。顔を見合わせるとキスをした。唇から全身に熱が回る。

モモは雅をベッドに腰掛けさせた。
「なに?」
モモは返事せず、雅の前に膝立ちすると、上半身に抱き付くように両腕を回してきた。雅の腰に回った指先がTシャツの裾を捲り上げる。
「両手上げて」

モモが愛し合いたいというなら、もうこのまま応えてもいいと思った。雅はされるがまま、任せることにした。

肘を持たれ、袖を引っ張られる。モモの動きは雑だった。Tシャツを頭から引き抜かれる。モモはそれを後ろに放り投げた。
それから、肩を撫でられ、ブラの肩紐を摘まれる。雅は焦ってモモの手首を掴んだ。
モモは一瞬だけきょろりと目を動かし、雅の手に視線をやったが、構わず指を肩紐に引っ掛けた。
「見せて」ぐい、と肩紐が落とされる。
「あ、あの、もうちょっと、優しくして」
言ってしまってから雅は狼狽えた。どこかで、ひたすら受け身でいようという心理が働いていたのに、こんなことを言ってしまったらもう、引き返せないような気がする。

モモは少し悄気げたような顔をして「ごめん」と言うと、さっきまでよりは少し優しい手つきで雅の細い肩に触れた。背中に両腕が回され、ホックがはずれた。モモは雅のブラを抜き取ってしまうと、両肩に手をかけ、そのままベッドに横たわらせる。
締め付けがなくなると、いよいよ無防備になったような気がして、雅は小さくため息を漏らした。
「みーやん、すごい綺麗」
そう言われて雅は顔を赤くした。
雅の履いていた綿のジョガーパンツを下ろす途中、モモは膝をイイコイイコと撫でた。一気に全部脱がされるのがわかって、ショーツに手をかけられた時には、もう一切抵抗はしなかった。

894 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/22(木) 21:27:44.78 0

雅の衣服を全部脱がせてしまうと、モモは満足げだった。

すぐにベッドに這い上がってきたモモは、雅の腰の上に跨り、そのままぺたりと座り込む。
ワンピースの柔らかな綿の感触が肌を撫でてくすぐったかった。
「ももは、脱がないの」
「脱ぐよ。ちょっと待ってて」そう言うとモモは両手を自分の背中に回した。ぷちぷちと背中のスナップがはずれる微かな音を、雅は仰向けのまま聞いていた。
モモはワンピースをたくし上げると何かの殻でも脱ぐように一気に頭から引き抜き、首を一振りする。

極々淡いピンク色の下着は白い肌に馴染んでいたが、一目でわかる。雅が憧れていた、海外製の高級下着。繊細なレースに視線が釘付けになった。
モモは自分の背中に手を回し、ブラのホックを雑にはずすと毟るように腕から引き抜いた。それから躊躇なく腰を浮かせ、自分のショーツに両手をかける。
雅はそれを見上げていた。ひどい。と、思った。ゆったりとしたワンピースに隠されていたモモの体付きは、完全に大人の女のもので、月明かりに艶めかしい曲線が浮かび上がる。同性の裸なんて、別に何とも思わない。その筈なのに
覚えず、雅の喉が小さくコクと鳴った。
ショーツを足首から滑り落とすと、モモは雅の体の上に座り直して、こう言った。
「抱いて」

雅は戦慄した。それはマウントしておいて言う台詞なのか。思考停止して成り行きに任せてしまおうと思っていたのに、あろうことかリードを求められていた。
固まっていると、モモは言葉を継いだ。
「だって、やり方よくわかんないし」

……慣れないことはするもんじゃないってさっき言ってたばかりじゃん!
と、雅は思った。

〈10〉に続く

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