まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

676名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:46:12.500

定期演奏会の翌朝、一、二年生だけが朝練の時間に集合して、練習室の片付け前に全員で引退式での演奏について話し合った。
時間がなく、きちんとした演奏にならないならば、やらない方がいいという意見もあった。
お互いの主張を聞き、三年生へサプライズ演奏をすると決定した。
全員で練習室の片付けを行う予定だったが、放課後の練習前にはせめて各パート譜だけでも渡せるよう、桃子と雅は部室から楽譜を持ち出し授業ギリギリまでコピーしていった。
何とか全てのコピーが授業開始ギリギリに終わり、二人は楽譜のコピーを抱えたまま各々の授業へと向かった。
昼休みも、部室で急いでフルスコアを作っていく。
吹奏楽のオリジナル曲に比べればページ数は少ないが、昼休みだけで作り終えることは出来なかった。
放課後、三年生に見つからないようにパート譜を渡していく。
フルスコアも明日の朝練には渡してあげなければ間に合わない。
結局、練習後に完全消灯時間ギリギリまで残って何とか作り終えることが出来て、一安心出来た。
翌日からは朝練の時間や、放課後に仕事の引き継ぎや荷物を取りにやってくる三年生に見つからないように、練習を重ねた。
来月には慰問演奏もあるため、そちらの練習も行う。
土曜日、朝から桃子達は必死に先輩へ送る一曲を練習していた。
「今日の引き継ぎ式は13時からだから、遅くとも12時にはこの曲の練習終わりにするからね。あんた達自身が三年生に送りたいって言って演奏することに決めたんだから、胸を張って聞いてもらえるような演奏にしなさいよ」
石川先生の言葉は厳しい。
必死になって一曲に集中して、たった5日間弱しか練習は出来ていなくても、聞かせられる曲にはできた、と思う。
「午前中の練習はここまで。午後は引き継ぎ式からだから、バレないように、楽譜とか誤魔化しておきなさいよ」
「はい」
石川先生はなんだかんだ言いながらもこの無茶な練習を認めてくれて、仕上げるところまで持ってきてくれた。
先生、ありがとうございます。

677名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:46:54.990

13時前、次々と三年生がやって来た。
三年生達は一週間前まで座っていた演奏者側の席には座らず、指揮台を挟んでお客さん側に一列になって下級生に向かって座る。
「おぉー。今の時期から午後まで練習とか。張り切ってるねぇ」
「もも達の代の始まりですしね。最初くらいは皆張り切らないと」
「こーら。最初だけじゃダメでしょ。さゆ、練習見張ろうか?」
「ごめんなさい。ちゃんとするので、見張るのは止めてください」
ももちゃんは相変わらずだねぇ、と三年生達は笑った。
まさか、みっしげさんにバレてない、よね?
「はい、じゃあ、今からさゆ達16期生から、まいみちゃん達17期生への引き継ぎ式を始めます」
「こら、さゆ。ちゃんとやんなさい。最後まであたしの手を煩わせないでよね」
「はーい。石川先生に怒られちゃったことですしちゃんとしますか。えーと。では。
さゆみ達三年生は、今日をもって、吹奏楽部の活動の一切を皆さんへ引き継ぎ、離れることになります。籍はありますが、練習室へも来ることはありません。
3月の引退式までの間、皆が頑張る姿を見守っています。皆が自分達なりの第17期吹奏楽部を作り上げることを願います」
「先輩方、今まで私達の先輩でいてくださってありがとうございました。先輩方に守っていただいて、自由にさせていただいて、私たちはこうして成長してこれました。
今日から私達17期生がこの部を引き継ぎます。先輩方のように、しっかりと私達も後輩たちの頼りになる先輩になります。どうか、3月までの間、私達を見ていてください。今までありがとうございました」
「ありがとうございました!」
「先輩方、最初、今だけでいいので、目を閉じてもらえますか?私たちから先輩へ、渡したいものがあります。私達を大きな愛で包んで、励ましてくれてありがとうございました。感謝の気持ちを込めて送ります」

678名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:47:54.630

出来得る限り音を立てずに楽器を構え、石川先生の指揮に合わせて、演奏が始まる。三年生達が息を飲んだのが分かった。
泣いてしまいそうだったけれど、引き継ぎ式前に下級生だけで行ったミーティングの中での舞美の言葉を思い出す。
私達は届ける側だから、思いを涙で溢さずに、演奏に乗せて届けよう。
ももが先輩達へ送りたくて皆に我儘言って演奏することになった曲。

You Raise Me Up
  あなたは私を励ましてくれるから
  私は、今以上に頑張れるのです

先輩達へ私達の感謝の気持ちが少しでも届きます様に。
桃子は祈りながら思いを全て込めて演奏を終えた。
「聞いていただいて、ありがとうございました」
涙を流す三年生達から拍手してもらえて、ほっとため息をつく。
届いたかな。届いてたら、嬉しいな。
「もー。聞いてないよこんなの。この短い期間で練習したの?ありがとう。さゆみ達こそ、皆に励まされてたよ」
涙を堪えるように、少しだけ険しい表情のさゆみからお礼を言われた。
三年生も、演奏を終えた下級生も皆泣いていた。
よかった。届いたんだ。
引き継ぎ式は終わって、解散となった。
桃子がどうしても演奏を送りたいと言ったのだとばらされて、さゆみ達から覚えてろよという捨てぜりふを吐かれてしまった。
これで、3月まで、先輩達とは練習室では会えなくなった。
寂しいなぁ。
桃子達は三年生達を見送り、その日の練習を終えた。

679名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:48:26.370

引き継ぎ式を終え、一番最後に練習室を出た桃子と雅は、佐紀と千奈美と一緒にのんびりとカラオケへ向かっていた。
遅れたけど雅の誕生記念カラオケだと言って千奈美がはしゃぐ。
「ちいはいつも元気だねー」
「あの子の良いところだからねぇ」
「もも、のろけとか聞きたくないんですけど」
「いや、今のは別にのろけじゃないでしょ」
打ち上げでも利用したカラオケへ到着し、佐紀が受付を済ませる。
桃子達は自然に雅が先頭で部屋に入るように誘導して、後ろでこっそりと笑い合った。
ドアを開けたとたん、クラッカーが鳴らされ、全員で声を揃えて。
「HAPPY Birthday みや!」
雅は、ドアを開けた体勢で固まっていた。
「え?なに!?まぁ?まいみちゃん?くまいちゃんもなっきいも?え?なんでいるの?え?サプライズ?」
「ざっつらーいと!みーやん、驚かせてごめんね?皆でお祝いしたくってさ。サプライズしてみました」
「全っ然、気がつかなかったし。うわ。ビックリした。嬉しい。ありがとう、皆」
テーブルの上にはケーキも用意済み。火を点けて、部屋を暗くする。
Happy birthday to you 〜
全員で声を合わせて歌い、雅がろうそくを吹き消す。
皆でケーキを食べて、歌って、笑って。
みーやん、遅れちゃったけど、誕生日おめでとう。
プレゼント、悩んだけど楽器のお手入れに使うものをあげたら、ちょっとみーやん微妙な顔してた。ごめん。
そろそろ解散しようかって声があがったのは20時近い頃だった。
皆とはお店の前で解散して、雅と二人のいつもの帰り道。

680名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:49:18.420

「もも先輩、今日、ありがとう。皆でお祝いしてもらえると思ってなかったし、すごく嬉しかった」
「喜んでもらえたんなら、よかったよ。誕生日おめでとう、みーやん。なにげに同い年になっちゃったねぇ。もも、誕生日3月だから」
「そーなんだ。誕生日もも先輩と5ヶ月しか離れてないんだ。ってことは、もも先輩の誕生日は、みやお祝いしてあげられるね。今日のお返しに、みやがお祝いしてあげる」
「楽しみに待ってるよ。最近のみーやんはあれだね。ツンがどこかにいっちゃったね。雅ちゃんじゃなくてデレびちゃんだね」
「そっかな。そんなことないと思うけど。て言うか、元々みやツンデレじゃないし」
「そうそう。そんな感じそんな感じ。久々のツンデレみーやんだね」
「あの、もも先輩、プレゼント、ありがと。楽器大切にする」
「あー。ごめんね、ももセンスとか自信なくて。楽器用品だけなのも申し訳ないし、おまけでこれあげる」
そう言って、ミニチュアのサックスのチャームのついたストラップをあげた。
「えっと、ほんと大した物じゃないんだけど、サックスだけ外せるし、何かに付けて貰えたらいいかなーって。気に入らなかったら、引き出しの奥にでも仕舞っといて貰えばいいから」
「嬉しい。キーケースにサックスつける。ありがとう、もも先輩」
「こちらこそ喜んでもらえてよかったよ。要らないって言われたらどうしようかドキドキしてたよ。じゃあ、みーやん、また明日ね」
「あ。もうちょっとだけ、話したいけど、ダメ?」
「いいよ?どうかした?」
「あー。ん。やっぱり、いい。おやすみなさい」

682名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:55:04.640

「楽しかったから寂しくなっちゃった?」
「もも先輩、何でわかるの?」
「んー。なんとなくだけどわかった。みーやんはどうしてほしい?」
「ちょっとだけ、ぎゅってして、ください。今日誰もいないから、帰るのちょっとだけ、寂しくて」
「そっか。お家の人は明日帰ってくるの?じゃあ、荷物取ってきて今日はももんちおいでよ。明日は部活も3か月ぶり?ほんと久しぶりの休みだし。ももんちだと遠慮しちゃうなら、もも泊まりに行こうか?」
「いいの?もも先輩のおうちに迷惑だったりとか、もも先輩がご家族に怒られたりとか、しないの?」
「全然。弟もいきなり友達二人連れてきて今日泊めるとか言い出すことあるし、逆に泊まりに行くこともあるし。ちゃんと連絡さえすれば問題ないよ?みーやんはどっちのおうちがいい?決めていいよ」
「もも先輩がやじゃなければ、みやんちがいい。もも先輩、お家の人とか、ホントに大丈夫なの?」
「一回電話してみるよ。みーやんご飯は?もも着替えとか持ってきたいから一回は家に帰るつもりだし、ご飯食べてく?」
「そんなに迷惑かけたらダメだと思う。それならもも先輩の家に泊まった方がいいとは思うけど。やっぱり、今日は出来たらみやの家がいい」
「まー、お母さん次第だね。みーやんのこと好きっていってたし、ご飯食べてきなさいってなると思うよきっと」
お母さんに電話したら、やっぱりご飯食べてきなさいって言われた。
お泊まりするなら、それから行きなさいって。
それもどうかと思う。みーやんご飯食べてそのまま泊まればいいのに。

683名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/07/25(火) 19:56:22.760

みーやんと一緒に帰って、家族と一緒にご飯を食べる。
二回ももの家にお泊まりしたことあるみーやんだけど、ももの家族と一緒にご飯を食べるのは実は初めてだったりする。
弟がみーやんとご飯食べるの緊張しててちょっと面白い。
お父さん、お母さんは文化祭と定演ですっかりみーやんのファンになってたらしく、演奏がかっこよかったとか、ももより大人っぽいとか色々話してる。
子供っぽい娘でごめんなさい。
みーやんは人見知りが出てて、いつもよりちょっと大人しい。
ご飯が終わって、ももの部屋で着替えとか準備してたら、ベッドにもたれかかって、くてっとしたみーやん。
「緊張した。みや、めっちゃ緊張した」
「ももの家族、皆みーやんのこと大好きだよね、見ててちょっと面白かった」
「何度も目で助けてって訴えたのに、もも先輩助けてくれなかった」
「ごめんごめん。気づいてたけど、なんかおろおろしながら頑張ってるみーやんが可愛くてついね。でも、もうももの家族に慣れたでしょ?」
「まだ。もーちょっと。嫌われたらどうしよって、緊張する。弟君とか、殆ど話せなかったし」
「あー。あれはみーやんが綺麗だから緊張してただけ。嫌いとかないね、絶対。ももの家族全員みーやんのこと大好きだから。安心してよ」
「もも先輩も?みやのこと、大好き?」
「そりゃね。好きじゃないのにわざわざ泊まりに行くとかしないよ」
「そっか。ならいーや」
「みーやん、どうする?ホントにみーやんのおうちいく?分かったと思うけど、みーやんならももの家族いつでも大歓迎だよ?」
「んと、今日は、みやの家がいい。今度また、泊まりとか、遊びに来てもいい?また、テスト前とかも勉強教えてほしいし」
「わかった。もも用意できたし、みーやんのおうちにいこっか」
まぁお誕生祝いの続きってことでみーやんの希望を叶えてあげよう。

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