まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

394名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/04(金) 18:50:06.380

雅は無事に追試を全て合格して文化芸術祭本番を迎えることが出来た。
5教科と多かった為に焦ったけれど、どの教科もそれなりに点数は取れていたのでそこまで詰め込んで勉強もせずにすんだ。
仲直りしてからというもの、雅は当然のように気がついたら桃子の隣にいる。
自然と肩や腰に伸びてくる手。優しく見つめてくる瞳。
自覚した『好き』は日が経つにつれて大きく膨らみ続けていて、うっかり赤くなったりしないように平常心を保つのは中々大変だ。
8月までのももはどうして平然としていられたんだろ。
佐紀ちゃんはさっさと気持ちを伝えればいいのにって呆れてるけど、そういうのはタイミングとかきっかけとか色々と必要だと思う。
コンクール以来の府中の森芸術劇場は、今日も沢山の高校でざわざわしている。
「本番前の最終ミーティング始めます。石川先生お願いします」
楽屋で舞美の声が掛かって、全員に緊張が走る。
「お疲れ様。今日は殆どの学校が代替わりしての最初の本番になります。分かってると思うけど、来年のコンクールに向けての顔合わせみたいなものだから。
自分達のいいところをしっかりとアピールすること。以上。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「お疲れ様です。私達の代の最初の本番はもう済んでるけど、最初の顔合わせになります。いつも通り集中して、石川先生の指揮を見て楽しんで演奏しましょう。以上です。本番よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
桃子がフルートの子達とハイタッチしたり声を掛け合ってたら、背中を叩かれた。

395名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/04(金) 18:53:06.330

「あの、もも先輩。手、暖めてください」
「この前は大丈夫だったのに。みーやんは甘えん坊だねぇ」
茶化しながら、ちょっとだけ速くなる心臓のリズム。赤くはなってないよね?
握りしめた手は、やっぱり今日も冷たかった。
「この前は、あの、意地張ってたから。やっぱり緊張して」
「相変わらず冷たい手だねぇ。折角本番立てたんだからさ、頑張ってね」
「ん、がんばる。みや、ソロで目標があるから」
「目標?みーやんのソロって織姫様でしょ?彦星様のまあのソロとの掛け合いだよね」
「暖めてもらったから、大丈夫。楽しみにしてて。もも先輩を惚れさせちゃうソロがみやの目標だし」
思わず瞬きを繰り返してしまった。何それ、恥ずかしいんですけど。
心の中で平常心と三回唱えて暖かくなった手を離した。不自然じゃなかったよね?
係員の誘導に従ってステージ裏で待機する。
衣装のタイから勇気を貰って、一年生に笑いかける。うん、皆いい笑顔だね。
みっしげさんみたいに最強じゃないけど、ももはいるから一緒に演奏を楽しもうね。
今日のみーやんのソロは華やかで色っぽくて、どこか切ない音をしてた。
名は体を表すなんてよく言うけど、雅って名前は本当にみーやんにぴったりだと思う。
惚れ直したよ、なんて恥ずかしいから言ってあげられないけれど。

文化芸術祭演奏曲
祝典序曲
たなばた The Seventh Night of July

396名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/04(金) 18:58:28.470

一つの本番が終わったら、また次の本番に向けての練習の繰り返し。
時計の針が止まらないように、みーやんと演奏できる回数もどんどん減っていっちゃう。
このまま時間が止まっちゃえばいいのになぁ、なんて思ってしまう。
文化芸術祭が無事終わった翌日、石川先生からアンサンブルコンテストに出場する編成の発表があった。
年が明けてすぐに開催される、桃子達二年生にとっては最後のアンサンブルコンテスト。
吹奏楽部にとって夏のコンクール、冬のアンサンブルコンテストが大きな大会となる。
3−8人での演奏、各校2枠の出場権の二つの規定が大きなポイントになる。
フルート三重奏でも、木管八重奏でもいい。なんなら、木管金管打楽器混成だっていい。
自由に編成が選べるからこそ、この時ばかりは部内の空気が微妙になってしまう。
二つの出場枠をかけて部内で競うこの時期の雰囲気はあまり好きになれない。
遡って9月、アンコン出場を希望したのは木管二組、金管一組、管打混成一組の計四つ。
桃子は雅と一緒の木管五重奏。佐紀と舞美は金管八重奏。
それぞれが練習を重ね、出場権をかけた部内のオーディションは先月中に済んでいる。
去年はめぐたちが退部して部内オーディションにすら参加できなかった。
最初で最後の高校でのアンサンブルコンテスト、出られたらいいなぁ。
「アンコンに参加するは木管五重奏と金管八重奏。選ばれた人達はその分頑張ること。クリスマスコンサートもあるし、どちらもしっかりとね。
選ばれなかった子も3月の引退式で三年生に演奏を披露するんだから気を抜かないように。以上。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
胸の奥からじわじわとよろこびがこみ上げる。
アンコンに出られる事も、みーやんと一緒の本番がひとつ増えた事も同じくらい嬉しい。
練習は勿論その分大変になるけど、もも幸せだなぁ。

397名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/04(金) 19:00:41.260

仲直りしてから、殆どっていうか毎日みーやんと二人で帰ってる。
「もも先輩との本番が一個増えたね」
「ももアンコン出られるの初めてだから嬉しい。私のお気に入りかぁ。ジャズっぽいアレンジだし、みーやんと相性良さそうだなぁって思ってた。頑張らないとねぇ」
「頑張ろうね、もも先輩」
アンコン、木管はももとみーやんとくまいちょーって中々濃いめのメンバーだよね。
佐紀ちゃんと舞美、まあとちいがいる金管も似たようなものかもしれないけど。
「クリスマスもあるしね。司会もソロもあるし、頑張らなきゃ」
「みやもソロも多いし練習しっかりしないとヤバイかも」
練習しか考えてませんって顔で言うみーやんを、ちょっとからかってみようかな?
「みーやんは練習だけじゃなくて、今月末の期末テストも頑張らなきゃね。もう補習とか行ってる暇ないからね」
「もう補習とかならないように、頑張るし。もも先輩、テスト勉強みやに教えて?」
ちょこんって首をかしげて聞いてくるのは卑怯だと思う。
絶対に可愛く見えるの分かってやってるよね。ずるいよ。
「勿論教えてあげるけど、ちゃんとみーやん自身でも頑張ってね?…ももだっていつまでも教えてあげられないんだから」
「分かってるし。もも先輩と一緒に演奏とか勉強とか、今しか出来ないから。出来る間は一緒がいい」
「……そうだね」
もも、ダメだなぁ。自分で言い出したくせに、みーやんから言われると改めて残りの時間を意識しちゃって悲しくて、みーやんから目をそらしちゃう。
「あれだよ、もも先輩。三年生が言ってた、寂しいとか悲しいだけだと勿体ないってことだよ。一緒にいられるのを楽しもうよ」
「…もも寂しいとか言ってないもん」
「みやは、寂しいから。もも先輩、曲がり角まで手暖めて」
真っ直ぐももを見て、手を差し出すみーやんも寂しいんだって思ったら、ちょっとだけ寂しさは紛れた。
仕方ないなぁ甘えん坊め、なんて強がりを言って繋いだ手はももより暖かかった。
そのまま他愛のない話をしながら、みーやんから暖かさを分けてもらいながら帰った。

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