まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

858名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 18:32:25.690

部屋の扉を開けた瞬間に、座り込んでしまった。まるで張り詰めていた糸が切れてしまったように、体に力が入らない。

言った。言ってしまった。

今更実感がじわじわと湧いてきて、顔に熱が集中する。
人に告白することが、こんなにも勇気が必要な行為だとは知らなかった。
世間の告白経験者の人たちに、思わず尊敬の念を抱く。みんなすごいなあ。

何度息を吐いても、身体中に籠った熱を吐き出すことはできなくて苦しい。
シャワーでも浴びようと立ち上がる。

暖かいシャワーを頭から浴びると、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。

思考がクリアになるにつれて、一つの疑問が膨らむ。
シャワーのコックをひねり、お湯が止まった瞬間にその疑問は言葉として頭の中に浮かんだ。

−−「ちゃんと考える」って、何?

浴槽に体を滑り込ませる。夜風で冷えた体が芯から温められて、心地良い。
乳白色のお湯をすくって、手を開いて浴槽に戻す。そんな意味のない動きを繰り返しながら、頭に浮かんだ疑問に思いを巡らせる。

859名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 18:33:28.950

まず、そもそも私がももだったら、メンバーから告白されたとしても保留はせず、その場で断るだろう。
もものことを好きではなかったとしても、おそらくそうする。
やはり、15年間共に過ごしてきた仲間を恋愛対象として見ることはできない。
そう分かっているからこそ言えずにずっと胸にしまっていたわけなのだが。

考えてくれるということは、少しでも可能性があるということだろうか。
でも、私のことをそういう目で見たことはないと言っていたし……。
その場で断りづらかったから、咄嗟に出た言葉かもしれない。
ただ、ももがむやみに期待させるようなことをするとは考えがたい。

そこまで考えたところで、勢いをつけ、浴槽から体を起こした。ばしゃばしゃとお湯が跳ねる音がする。
考えても仕方ない。ももの感情はももにしか分からないのだから。
何をどう考えるんだとか、考えた結果何かがももの中で分かるのかとか、
それはももの問題であって、私にはどうにもできない。
私にできることは、ももの答えをじっと待つこと。
ちゃんと考えるって言ってくれているのだから、焦らせたり急かしたりはしないでおこう。

お風呂に入る前とは打って変わって、気持ちがすっきりしていることに気付く。
このまま何も考えずに眠ってしまおうと、布団に飛び込んだ。

860名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 18:34:05.290

−−−−

一人での仕事を終え、これから、Buono!の撮影だ。
告白をしてから二日経ったが、あれから会うのは初めてだ。昨日の今日ではないにしても、どうしても緊張してしまう。
ドアノブを握る手がじわりと汗ばんでいるのを感じながら、楽屋へ入る。扉を開くと、そこには楽しそうに談笑するももと愛理がいた。

私が入ってきたことに気付いて、愛理がこちらを見て笑顔で手を振った。
ももとは一瞬目が合ったがすぐに逸らされた、気がする。気のせいだろうかとその時は思った。

それからも、ももとは思うように会話が出来なかった。
声をかけようとしたタイミングで席を立たれたり、やっと話しかけたと思っても目が合わない。

このような態度を取られる心当たりがなかったから戸惑いを覚えた。
もしかして、冷静になってから考えた結果、やっぱり気持ち悪いと思われてしまったのだろうか。
その可能性にたどり着いた瞬間、一気に血の気が引く感覚がした。冷えた指先を握りしめた。
ももに嫌われるのは、私にとって何よりも避けたかったことだった。
だから、あの時だって−−

861名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/07(月) 18:34:28.300

撮影は無事終了した。次の仕事があると駆け足で去っていく愛理の後ろ姿を見送ったら、楽屋で二人きりとなってしまった。
普段であれば喜ばしい状況だが、今はむしろ、避けたい。

まだ集合時間までは時間があるが、PINK CRES.の楽屋へ移動しよう。
あまりの気まずさに、避難を決意した瞬間。

「みや」

ももからの呼びかけに、肩が揺れる。視線を向けると、ももが真顔でこちらを見据えて立っている。
一つ息を呑み、声を振り絞って、「なに」と答えた。

「……みやは本当に、二瓶ちゃんと付き合ってないんだよね?」
「付き合ってないよ。……なんでそんなこと聞くの」

質問の意図が読めなかった。私、あなたに告白しましたよね。
誰かと付き合いながら、告白するような人と思われているのだろうか。
そう思うと、苛立つというよりも、悲しかった。私は、そんないい加減な人じゃないのに。

「じゃあ、なんで……二瓶ちゃんからみやの匂いがするの」
「え……?」
「今日、二瓶ちゃんとすれ違ったんだけど、みやの香水の匂いがした」

最後の夜から、にへとは会っていない。だから、私も理由が分からなかった。
同じ香水を買って持っているとか?だが、にへの家でそのようなものを見たことはない。
見えるところに置いていなかったとしたら、それまでだが。

いずれにしても、分からないものは答えられない。
そう伝えようとした瞬間、すぐそばを駆けていくもも。

「待って」

通りすがろうとする腕を反射的に掴むも、すぐに振り払われる。

「……今は一人にして」

驚くほど冷たい声を残して、ももは楽屋を出て行った。
扉が閉まる無情な音を聞きながら、ただただ、その場に立ち尽くした。

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