まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

677 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/04(土) 19:21:41.13 0

社畜って辛い。

嘆いたところで現状は変わらないんだけど。
どうやっても逃げられなくて、馬車馬のように働かされて。
ブラックもブラック。どろっどろの真っ黒。
そりゃあ鬱憤も溜まるよ。むしろ鬱憤しかないよ。そんな生活が何年も続いたら人っておかしくなるんだなって身を持って知ったよね。
気付いたら、未成年とベッドインしてた。

「嘘でしょ……」
「人の事好き放題しておいてその言い方はどうなの」
知らない部屋。多分ラブホ。全裸の自分と女の子。私の肩や背中がピリピリと痛くて、相手の子には赤い痕がいっぱい。
私って攻める方だったんだね。知らなかった。
「その……つい出来心で」
「嘘。私が連れ込んだの。最初は誰でもよかったんだけど……あなたが相手で良かったかも」
「ここはお礼をいうところなのかな」
「さあ」
聞くと学校や家でのストレスで限界がきてしまったようで。
友達の家で勉強すると嘘をついて夜の街をうろうろしてたところで私とぶつかったらしい。
徹夜明けだったのとストレスMAXだったせいで記憶は曖昧だけど、ぶつかったお詫びにとご飯を一緒に食べてその流れでホテルにと誘われて今に至ると。
なんで正常な状態じゃなかったとはいえ制服を着た女の子の誘いに乗ったの数時間前の私……!いい大人なんだからそれなりの対応でかわすべきでしょ何やってんのほんとに……。
まぁ致してしまったことはもう仕方ない。
警察のお世話になることだけは避けたいしこれっきりにしないと。
「えっと、雅ちゃん……だっけ。勉強とか、大変なのは分かるけど、こういうことはもうしないほうがいいよ。補導されたら元も子もないし、私も捕まりたくないし」
「そうだよね。初めてだったけど勢いで馬鹿な事やったなって反省してる」
ストレスなんてどこで爆発するか分かったもんじゃないしね。
私も学生の時はいろいろ悩んだな。たまに見るニュースとかだと昔より今の学生のほうが大変そうだなって思う。
精神的に参っちゃうことが多いのかもねーって言いながら頭をなでてあげた。
「そっか。じゃあもうこんな事はしないでね」
「うん。ももだけにする」
「うんうん……うん?」
おかしいな。ちょっと待って。
「また、会ってくれる?」

顔を赤らめてそんな事を言われましても。
さっきまで反省してたよね? しょんぼりしてる顔が年相応で可愛いなって思ってたのに。
今の顔がなんていうか、女の顔。
女子高生とは思えない色気と艶気を醸し出してるんだけど一体何があったの。
「ももとするの……よかった、から」

そうだ私の所為だった……本当何してくれてんの数時間前の私……!
ていうかこういう時ってどうやって断ればいいのさ。生憎とこんなこと言われたの初めてだから穏便に済ます方法なんて一切知らないよ。
「いやいや! さっき馬鹿な事やって反省したんじゃないの!?」
「反省したよ。だからもう知らない人には声をかけたりしないし」
「だからといってももとするのがいいってわけじゃないよ!?」
警察のお世話にはなりたくないし。
今のご時世情報なんてすぐ出回るし。ネットって怖いんだよ、情報社会って恐ろしいんだよ。
「相手が男の人だったら危ないかもだけど、ももは女だし。普通に歩いてたら年の離れた姉妹か友達にしか見えないでしょ」
「やめるって選択肢を選ぼうよ。なんで危ない橋をわざわざ渡りたがるかな……」
「ももに抱かれて吹っ切れたっていうかすっきりしたみたい。だから、ももが責任取ってくれるのが一番手っ取り早くない?」
「ええ……なにそれ」
「ももが駄目なら他を探すけど」
その言い方はずるい。
選択肢がないのは私の方で。みやを放っておけるわけがない。
伸ばされた手をそっと握る。笑った顔はとても綺麗で、思わず見惚れてしまった。
「決まり。これからよろしくね、もも」
「……うん。よろしく、みや」
ぎしり、とスプリングの軋む音が大きく響いた。

678 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/04(土) 19:23:19.16 0

ちょっとだけ本音を言うならば。
ちゃんと記憶に留めておきたかったわけで。
「さっきと違って優しい」
「嫌だった?」
「ううん。でも、悪くない」
初めてじゃないけれど、今の私がみやとするのは初めてだし。
上手くできるか心配だったけど、なんとかなるもんだね。
もうこれで後には戻れなくなったけれど。
「いいんじゃない?軽いストレス発散だと思えば」
「軽い、ね…」
「でもももだってすっきりしたでしょ? 初めて見た時の顔とは大分違うもん」
「……そんなに違う?」
「鏡で見てみたら?」
洗面台に映る自分の顔は、どこか憑き物が落ちたような表情をしてた。
目の下の隈は仕方がないとしても、最近はずっとお通夜に行く人みたいな顔してると言われるくらい顔に生気がなかったから、自分でも驚いた。
今まで胸に抱えていたもやもやした重い何かがストレスだったとすれば、今はそれがどこにもなくて、とても軽い。
みやの言うとおり発散されていたみたいで、それは喜ばしい事なんだけど。
方法が方法だけに素直に喜べない。
「大人って細かい事を気にしすぎだよね」
「大人だから色んな事を気にするんだよ……未成年に手を出したことが世間に知れ渡った瞬間私は社会的に抹殺されるんだからね」

室内とはいえ全裸のままはやっぱり寒い。
もぞもぞとベッドに潜り込めば自然と距離を詰めてくる。
腕を絡ませる動作がとても自然で初めてとは思えないけど、シーツに咲く紅い花は本物なわけで。
この子とシてしまったんだなぁとまるで他人事のようにぼんやり考える。
「頻繁に会ったりしなければいいんでしょ」
「じゃあやっぱりこれっきりに」
「それはなし。ストレスは発散してもまた溜まっていくし。それに……ももにも興味が沸いたし」
なんて事をね。
私の鼻を弾きながら言われて、一体どんな顔をしたらいいんだろう。
興味を持たれたところでつまらない人間だと思うだけだろうに。
「大して面白くは無いと思うけど」
「うちにとっては面白いの。あ、連絡先、もものスマホに入れておいたから」
「いつの間に……でも言っておくけど仕事があるから頻繁には連絡できないし、会えたりも出来ないよ」
「そんなの分かってる。愚痴にたまに返してくれればそれでいいの」
「みやがそれでいいなら、いいけど」

「でも本当にどうしようもなくなったら……会ってくれる?」
それは悪魔の囁き。
道から外れる一歩手前。
「……いいよ」

助けて欲しいという懇願だって、すぐに分かったよ。
だから迷わず引き寄せて、震える小さな身体を抱きしめた。
助けてほしかったのは私も同じで。
こんな形とはいえ救われていたんだと思う。

スプリングの軋む音。
三度目は、なかなか鳴り止まなかった。

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