まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

465 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/04(水) 22:24:55.59 0

椅子に腰掛けた瞬間、押し寄せる高揚感と疲労感。年を重ねるごとに疲労感の割合の方が高くなってきているのは気のせいではないだろう。
ライブ後の楽屋はいつにも増して騒がしい。わーきゃーと騒ぐ姿を見て、若いなあと微笑ましく思う。
この子たちの成長を見届けたかったな−−と自らが決めたことながら、卒業するのが寂しくなった。

規則的な揺れに、思わず意識を手放しそうになりながら、窓の外をぼんやりと見つめる。
今は一人での帰路だけど、あの時は彼女と一緒に帰っていた。
駅のベンチで終電まで語り合ったり、二人で眠りこけて終点まで行ってしまったり。
それほど昔のことでもないのに、ひどく懐かしく感じる。今頃彼女は、幸せに過ごしているだろうか。

−−−−

「今日の差し入れはいちごでーす」

そう言いながら、佐紀ちゃんがいちごをテーブルに広げた瞬間群がるメンバーたち。
私も例に漏れず、テーブルに駆け寄った。いちごはどれも大きくて美味しそうだけど、それぞれ色と形が違う。
どの子がいいかなと品定め。と言っても、あまりに時間をかけすぎると他のメンバーに取られてしまう。
この子に決めたと手を伸ばした瞬間、指先に感じた衝撃。

466 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/04(水) 22:25:33.48 0

顔を上げると、同じようにこっちを見たみやと視線が合った。

「あ、ごめん」

お互い思わず手を引いてしまう。あれ、なんだろう。手が触れるなんて初めてじゃないのに−−

「み、みやもこの子がいいの?」
「あー、でも別のでもいいし。ももこれ食べな」

浮かんだ違和感を振り払うように尋ねる。みやは特に気にする風もなく、他のいちごを手にとって食べていた。
私は譲ってもらった子を手に取り、口に含む。甘くてとても美味しい。やっぱり私の目に狂いはなかった。

「『今日は差し入れでいちごをいただきました』−−っと」

ブログを書くのもアイドルの立派なお仕事。最後に番宣も添えて、完成。
携帯を枕元に置き、目を閉じる。ふと、今日手に触れた温もりを思い出した。今まで手が触れたことなど数えきれないほどあるはずなのに、どうしてこんなにドキドキするのだろう。
熱でもあるんだろうと片付けてしまいたかったが、体はいつも通りピンピンしている。
その夜は、ドキドキのせいで眠れなかった。

467 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/04(水) 22:26:30.56 0

−−−−

自分の中に生まれてしまった違和感は消えてくれなくて。あれからもふとした瞬間にみやと距離が近付くと、息が詰まってしまう。

「あ、もも」

今日は遠征先のホテルで宿泊。マネージャーさんからの連絡事項を聞いて解散した瞬間、佐紀ちゃんに呼び止められた。

「今日私の部屋でトランプしようって言ってるんだ。ももも来る?」
「そうなんだ。ちょっと顔出すよ」

夜更かしはお肌の敵だ。最近ただでさえ眠れない日々が続いているので、あまり遅くならないようにしたい。まずは先にお風呂に入ってしまおう。
シャワーを済ませ、佐紀ちゃんのお部屋へ訪問した。

着いた頃にはもう既にトランプ大会は始まっていた。私が来たことで全員揃ったらしく、新たにゲームを始める流れとなった。
千奈美がカードを切りながら、負けた者には罰ゲームを課そうと提案する。
えーと不満を漏らしながらも全員が楽しそうに罰ゲームの案を出していく。

468 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/04(水) 22:27:01.23 0

「じゃあ好きな人の名前言うのどう?」
「アイドル的にNG〜!」
「真面目か!」
「じゃあ好きなタイプにしよう。これならいいでしょ」

これって罰ゲームなんだろうか。と、配られたカードを受け取りながら思う。だが、その考えは甘かったと痛感するのはもう少し後のこと。

「じゃあもも、好きなタイプを発表してくださ〜い」
「いつも言ってるテレビ向けのはダメだかんね!」

負けてしまった。ちょうど、いつも言ってるやつを答えようとしていたら千奈美からの牽制が入る。困ったなあ……と頭を悩ませていると、ふと過ぎったのはあの日の手の温もり。
急に顔に熱が集中するのを感じる。顔が熱くてたまらなくて、思わず頬を押さえた。

「え、何もも顔あかーい」

周りから冷やかされ、余計に恥ずかしさが増し、顔を上げられない。だって、今顔を上げたら−−

469 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/01/04(水) 22:27:56.41 0
「もー、ももは乙女チックなんちゃらのしすぎだわ。もうみやが言うね。ご飯を美味しそうに食べる人!はい次いこー」

みやの一言で、私からみやへ注目の的が一気に変わった。思わぬ救いの手に、鼓動が速くなった。
そういう優しいところが、私は。

−−−−

続く

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