まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

576 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:06:49.62 0

"そういう優しいところが、私は"−−?
頭を過ぎった言葉に、ハッと我に返る。その後に何が続くかを考えるのが怖くて、配られた手札へ意識を集中させた。

トランプが5試合目を終えた時。そろそろ帰るねと腰を上げた。えー、と残念そうな声を上げながらも次のゲームの準備をする面々。
こりゃ遅くなりそうだなと思いながら、ほどほどにしなねと声をかけ、部屋を後にした。

ベッドに入るも、中々眠気が訪れない。さっきまでみんなで騒いでいたからか、部屋がとても静かに感じる。
落ち着かなさを覚えながらごろごろと寝返りを打つ。眠気の到来を心待ちにすればするほど目が冴えてきてしまう。
そうこうしてると、不意にさっき頭に浮かんだ想いが蘇る。

罰ゲームで好きなタイプを聞かれ困っていた私を、みやが助けてくれた時に感じた気持ち。
この気持ちに気付かないフリをし続けるには、何かを考える時間がありすぎた。きっと、眠れたら考えずに済んだのに。

577 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:07:21.12 0

もし、"そう"だとしたら、みやと手が触れた時にドキドキしてしまったことにも合点がいく。
でも、なんでたろう。子どもの頃からずっと一緒にいて、なんで今更。
きっかけを探そうと、今までの関わり合いを振り返る。
元々私たちは普段から一緒にいる方ではない。仲良く話すメンバーはそれぞれ別にいる。
Buono!での活動が始まってから距離は縮まったが、だからと言って一緒に行動するようにはならなかった。
そのため、プライベートで遊んだこともほとんどない。考えてみるも、中々これといった出来事にたどり着かない。

「あ、」

思わず声が漏れた。一つ心当たりがあった。

ソロでの仕事を終え事務所に戻ったら、書き物をするため残っていたみやと偶然会った。
少し話した後、帰る方向が同じため自然と一緒に帰る流れになった。

578 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:07:56.08 0

その日は収録があまり上手くいかず落ち込んでいたのだが、みやの前でそんな弱気な姿を見せるわけにはいかないと、明るく振る舞っていた。
ここは堪えて、一人で帰って泣けばいい。今までもそうやって乗り越えてきたのだから。
電車に揺られながら、たわいもない話をする。会話がひと段落つき、訪れた沈黙。その瞬間みやが口を開いた。

「もも、あんまり無理しないでよ」

そのみやの言葉はあまりにも自然で、何の防御もしていなかった私の心に直接響いた。
油断して作り笑顔が崩れる。泣きそうになるのを堪えながら、なんとか「ありがとう」と応えた。
そこからはまた普通の会話に戻り、別れた。

これを機に、頻繁にではないが、お互い仕事の相談をするようになった。みやはももが出演している番組を欠かさず観てくれているので、ここはこうした方が良いんじゃないかとアドバイスをもらったり、時にはあれ良かったよと褒めてもらったり。
みやはみやで、歌やライブの演出についてももにアドバイスを求めた。
579 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:08:24.55 0
空き時間に話したり、オフの日に遊んだりは今まで通りしなかったが、お互い他のメンバーには話さないようなことを話すようになったことで、段々とももの中でみやの存在が特別になっていったらしい。
それにしたって、"特別"にもほどがあるでしょとひとりごちる。

ただ、"気付く"のと"受け入れる"のとは全く別の問題だ。強引に考えることをやめ、目を閉じた。徐々に意識がぼんやりしていくのを感じながら、このまま眠れそう、と思った時。
ピンポーンとチャイムの音が部屋に響いた。

驚いて体が跳ねる。ふと時計を見ると時刻は1時を指していた。こんな夜中に誰だろう、と寝ぼけた頭で考える。
体を起こし、ゆっくりとドアに近づいて覗き穴に目をやると、そこにはみやが立っていた。

580 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:09:02.02 0

直前まで考えていた相手だったため、思わず心臓が高鳴る。え、なんで?と頭の中が?マークでいっぱいになる。
おそるおそるドアを開けると、みやは少し驚いたような顔をした。訪れていて驚くとはこれいかに。

「まだ起きてたの」
「……あ、なんか眠れなくて」
「そっか。ちょっと入ってもいい?」

寒いし、と付け加えながらみやは部屋の中を指差す。私は頷きながらみやを部屋へと通した。
みやは部屋の椅子に腰掛けると、ジャージのポケットから携帯を取り出した。私のものだ。

「部屋に忘れてたよ」
「え、ごめん。ありがとう」

わざわざ持ってきてくれたんだ。その優しさに胸が温かくなる。 やっぱりみやは優しい。

「……あと、さっきはありがとう」
「ん?」
「あの、罰ゲームの時の」

みやは少し目線を上げて考え込んだ後、あれね、と微笑んだ。

582 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/03/12(日) 23:10:16.74 0

「だってももめっちゃ顔赤いんだもん」
「……あれは、部屋が暑かっただけで」

言い訳にならない言い訳をしたら、みやは楽しそうに笑った。その笑顔はすぐにいたずらっ子のようなものに変わって。

「じゃあさ、みやにだけ教えてよ。ももの好きなタイプ」

内緒話をするようなトーンで言った。それでも
静かすぎる部屋には充分すぎるボリュームで耳に届く。心臓がドクンと跳ねた。

「え、なんで……」
「知りたいから。携帯のお礼ってことで」

椅子に座るみやに上目遣いで見つめられる。そんな風にお願いされたら、断れないよ。
顔に熱が集中するのを感じながら、呼吸を整えた。

「……優しい人、かな」

絞り出した答えはありきたりのものではあったが、アイドルになってから初めて人前でお約束の答え以外を話した。
まさか本当に答えると思っていなかったのか、驚いたような表情を見せる。一瞬の沈黙の後、みやは立ち上がって、

「わざわざ携帯持ってきてくれるような?」

そういたずらっぽく笑って言った。

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