まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

323名無し募集中。。。2017/12/03(日) 18:58:50.250

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2:15
 
 
 せんせい、とうわずった熱っぽい声が耳元を掠める。腕の中の身体は必死に逃げようとしているが、今更そんな可愛い抵抗を許すつもりもない。
 名残惜しそうにようやく離れた桃子の胸をぽかり、と軽く叩いた雅は、ぐいっと口元を拭って上目遣いで睨みつける。 
「何?」
「……や、ちょっと待ってって言ってる、のに」
 帰りたくないって言ったのは誰よ。からかうように囁くと、途端に身体をこわばらせた可愛い恋人(と呼んでいいのか、正直まだ頭が現実に付いていけていない)はもうっと頬を膨らませてそっぽを向いてしまう。
そんな仕草すら今の桃子には目の毒なのだが、彼女はまだそこのところをちゃんと理解していない。
 
「それに、雅ちゃんの言うとおりにしてたら、何もできないような気がする」
「……っ、いじわる!」
「何を今更。そんなん最初からわかってたとばっかり」
「わかってた、わかってましたけど!」
 柔らかい髪を撫でていた手をずらし、セーターの胸元に留まっていた手に自分のそれを重ねる。
少し汗ばんだ掌から自分の緊張が伝わってしまう気がして、怯えさせないよう指先に僅かに力を込めた。緊張しているのは彼女だけではない、と少しでも伝えたかった。
 
 こっち向いて、と囁くと真っ赤に染まった頬を撫でながら掬いあげるように唇を塞ぐ。ぴちゃ、とわざと音を立てて離れると、目を丸くして黙り込んだ彼女の瞼にも唇を落とす。
 
「なら、続けても問題ないよね」
 
 今夜は同じものしか食べていないのに、どうしてこんなにも甘く感じるんだろう。
もう何度も聞いたくぐもった声が洩れたけれど、そんなことを気にする余裕などとっくになくしていた。

 壁に背中を預け、息がすっかり上がって大きく肩を上下させる身体を抱き寄せる。膝の上に乗せて背中をぽんぽん叩くと、肩口に凭れ掛かった彼女がもぞもぞと身体を寄せてきて、思わず口元が緩んだ。
「……ねえ」
 なに、と動かそうとした唇は、すっかり熱を帯びた唇に塞がれる。目を丸くして見下ろす桃子にしてやったりと笑いかけてくる雅は、下唇に軽く噛み付いて満足げに吐息を洩らした。
「やられっぱなしじゃ悔しいから、反撃です」
「……そりゃどうも」
 渋々そう呟くと、心地良い笑い声が耳朶を叩く。さすがにそこまで一気に進める気はないのに無意識な彼女の煽りはひどくなる一方で、まともに顔を見ることもできない。
 もう満足した? と訊ねると、モモ先生こそ、と返され言葉に詰まる。めくれ上がったスカートから覗く艶めかしい太腿に、先刻から手を伸ばしたい気持ちを必死に我慢しているこちらの身にもなってくれないだろうか。
 
 モモ先生モモ先生、とうるさい口を押さえ、どうせなら名前で呼んでもらえないかなと頼むと、途端に顔が赤くなる。可愛らしくて困るなあ、と思わず顔がにやついたが、俯いたままの彼女は気付かない。
「えーっと……、〈桃子さん〉?」
「そこは〈モモ〉でしょ」
「……なら、も、モモも、みやのことちゃんと呼んでください。〈雅ちゃん〉とかじゃなくて」
 
さっきみたいにみやが寝てるときじゃなくて、ちゃんと起きてるときに。
 
生意気な唇を自慢げに尖らせた雅をもう一度抱きしめて、その耳許で愛おしくてたまらない恋人の名前を呼んだ。

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