959名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/19(土) 02:08:11.830
ここ数日、ももがうちに来ていない。
いや別に、来て欲しいってわけでもない。たぶん。
不思議なほど落ち着いてるから、ちょっと気になっただけ。
ほんの数日前まで落ち着きなく遊んでいた指先も。
四方八方に泳いでいた視線も。
今は全てが嘘だったみたいに穏やかだった。
千奈美とたかだかお菓子一つで喧嘩をして、茉麻に体重を預けに行く。
そんなにすぐ、治るようなものなんだろうか。
だとしたらうちは……もう要らないかな。
960名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/19(土) 02:09:26.520
ちょっと、と肩を叩かれた。佐紀ちゃん。
眉間に微かに寄った皺。
あんまり良い話じゃないと直感した。
そうじゃなかったら、わざわざ別室になんて連れて行かない。
みや、最近ももを連れ込んでない? 悪いこと言わないから、やめときなよ。
胸の奥の、一番柔らかいところ。
氷の塊でも押し当てられたかと思った。
なんのこと、と取り繕う余裕なんてなくて、なんで?と返す声は勝手に震える。
他の誰かに気づかれてるなんて、考えもしなかった。
今さら誤魔化さなくていいよ。佐紀ちゃんは静かに笑う。
大体1ヶ月くらいの間隔かな、波があるんだけど。今は落ち着いてるでしょ?
ホルモンの関係だと思うんだけどね。
佐紀ちゃんの言うことが本当なら、またその時はやってくる。
一瞬、体が少し軽くなった。あれ、なんで?
961名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/19(土) 02:09:51.850
佐紀ちゃんは……全部知ってるの?
そりゃね、一応キャプテンだしね。
じゃあ、じゃあ佐紀ちゃんはももと?
まさか、と笑い飛ばされた。
それだけはあり得ない、とも。あり得ない。それが普通の感覚?
お金で解決してるに決まってるでしょ。ももから聞いてない?
聞いてるわけない。初耳だった。
深入りしない方がいいよ、と諭す佐紀ちゃんの声は遠い。
何がどうなったら、深入りしたと言うんだろう。
元に戻れるかどうかで言うなら、もうとっくに戻れやしない。
好きにしたらいいけど。振り回されるのはみやだからね。
黙っていたら、佐紀ちゃんはそれだけ告げて部屋を出て行った。
手を離されたらしい。ぼやけた頭でもそれは理解できた。
ぬかるんだ地面に、足元がずぶずぶと飲み込まれていくような。
うちはもがくことすらしないまま、それに身を任せていた。
楽屋に戻ると、ももは変わらず談笑していた。
ももにとっては、束の間の休息。
静かに見守ればいいはずなのに、喉元が締め付けられる。
きっと今日も、ももは来ない。
ここ数日、ももがうちに来ていない。
いや別に、来て欲しいってわけでもない。たぶん。
不思議なほど落ち着いてるから、ちょっと気になっただけ。
ほんの数日前まで落ち着きなく遊んでいた指先も。
四方八方に泳いでいた視線も。
今は全てが嘘だったみたいに穏やかだった。
千奈美とたかだかお菓子一つで喧嘩をして、茉麻に体重を預けに行く。
そんなにすぐ、治るようなものなんだろうか。
だとしたらうちは……もう要らないかな。
960名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/19(土) 02:09:26.520
ちょっと、と肩を叩かれた。佐紀ちゃん。
眉間に微かに寄った皺。
あんまり良い話じゃないと直感した。
そうじゃなかったら、わざわざ別室になんて連れて行かない。
みや、最近ももを連れ込んでない? 悪いこと言わないから、やめときなよ。
胸の奥の、一番柔らかいところ。
氷の塊でも押し当てられたかと思った。
なんのこと、と取り繕う余裕なんてなくて、なんで?と返す声は勝手に震える。
他の誰かに気づかれてるなんて、考えもしなかった。
今さら誤魔化さなくていいよ。佐紀ちゃんは静かに笑う。
大体1ヶ月くらいの間隔かな、波があるんだけど。今は落ち着いてるでしょ?
ホルモンの関係だと思うんだけどね。
佐紀ちゃんの言うことが本当なら、またその時はやってくる。
一瞬、体が少し軽くなった。あれ、なんで?
961名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/19(土) 02:09:51.850
佐紀ちゃんは……全部知ってるの?
そりゃね、一応キャプテンだしね。
じゃあ、じゃあ佐紀ちゃんはももと?
まさか、と笑い飛ばされた。
それだけはあり得ない、とも。あり得ない。それが普通の感覚?
お金で解決してるに決まってるでしょ。ももから聞いてない?
聞いてるわけない。初耳だった。
深入りしない方がいいよ、と諭す佐紀ちゃんの声は遠い。
何がどうなったら、深入りしたと言うんだろう。
元に戻れるかどうかで言うなら、もうとっくに戻れやしない。
好きにしたらいいけど。振り回されるのはみやだからね。
黙っていたら、佐紀ちゃんはそれだけ告げて部屋を出て行った。
手を離されたらしい。ぼやけた頭でもそれは理解できた。
ぬかるんだ地面に、足元がずぶずぶと飲み込まれていくような。
うちはもがくことすらしないまま、それに身を任せていた。
楽屋に戻ると、ももは変わらず談笑していた。
ももにとっては、束の間の休息。
静かに見守ればいいはずなのに、喉元が締め付けられる。
きっと今日も、ももは来ない。
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