まとめ:雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ

310名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/21(月) 01:07:36.360

佐紀ちゃんの言葉通り、穏やかな時間はそう長くは続かなかった。

机の下で密かに擦り合わされる太もも。
夜道で何気なくカップルたちの本番を目撃してしまったような苦々しさ。
熊井ちゃんがふざけ半分に触れたのを、やんわりとももが払いのける。
逃れるように立ち上がるももが、横目で見てきた。すかさず視線を絡め取る。

うちがいなきゃ駄目なんだって思ってよ。

ぱちぱち。ぱち。ぱちぱち。
不自然なまばたきに、渾身の笑顔をお見舞いしてやった。
部屋を出ていくももの背中を追いかけて、今度は佐紀ちゃんに捕まる。
ほらね。佐紀ちゃんの口の端が吊り上がった。

311名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/21(月) 01:08:02.710

最後にももが家に来たのは数日前。
なのに、もう随分とその温度を味わっていなかった気がした。
喉の奥から溢れる甘い声。差し込む先の蕩けるような柔らかさ。懐かしい。
全身にそれを浴びながら、一心不乱に貪った。

玄関のドアが閉まる反動に、部屋全体が小さく揺れる。
パステルカラーの夢が、風に吹かれた砂のように崩れた。
隣に手を伸ばすと、シーツの冷たさが触れた。夢じゃない。
ベッドの誘惑を断ち切り、何とか玄関までたどり着く。
やっぱり、ももの靴はない。

適当に服を身につけて、サンダルを引っかけて外へ出た。
当てはないけれど、ベッドに戻ったところで眠れそうにもないから。
どっしりと重たい足を引きずりながら、街を行く。
深夜というにはまだ早い。
街には意外と人々が行き交っていて、まだ眠る気配はない。
大声で騒ぐ集団をやりすごし、濃厚な口づけをするカップルは見なかったことにした。
どいつもこいつもアルコールの臭いを発していて、きっと頭の中はお花畑だ。
やってらんない。

312名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/08/21(月) 01:09:34.130


どこをどうやって歩いたんだろう。
ふらっと立ち寄った公園のベンチの上、見覚えのある服装。

びっくりした。よく分かったね。

埃っぽい外気に混じって、確かにあの臭いがした。
うちを挑発するように鼻腔を貫く臭いは、相変わらず悪趣味で吐き気を催した。

……どこに行ってたの。
みやは知らなくて良いところだよ。

ムカつく。
うちには何の関係もないみたいな顔をして、壁を作りやがって。

お金で解決してるって、何。
佐紀ちゃん? しゃべりすぎだよ。

質問に答えろ。詰め寄っても、ももの壁は崩れない。

お金出せばそういうことやらせてくれるとこなんて、いくらでもあるんだよ。
ちょーっと高くはつくけどさ、その分秘密はちゃんと守ってくれるし。大丈夫。

何が大丈夫だって?
対価を払ってるから大丈夫ってか。……そんなわけない。
人目につくかもしれないという事実が、うちの気持ちにブレーキをかける。
そうでなかったら、やっぱり引っぱたいていたと思う。

お金出して、そういうことしてるってわけ?

簡単に言えばそうだねえ。みやびちゃん、よくできました。

じゃあ……誰でもいいの?

それ、みやが聞く?

喉元に冷たさが走る。誰でもいいからうちで良かった?
そんなの最初から、たぶん、知ってた。
改めて言葉にされてショックを受けるなんて、本当に今更。

ももだってさあ、好きでこんななってるわけじゃないんだよね。

やっぱもう、止めよう。こういうの。
グループの活動に支障が出ても困るしさ。
ももの正論に、横っ面をぶん殴られる。
そんなこと、分かってないほど馬鹿じゃない。
でも、分かった上で器用に立ち振舞えるほど、うちらは多分賢くない。

今日はこのままウチに帰るから。みやはもう帰っていいよ。

むしろ、さっさと独りにして。
言葉に潜む圧力に怯んだ隙に、空っぽなももの笑顔に突き飛ばされた。
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このページへのコメント

ももちがミステリアスですね。

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Posted by スイッチ 2017年08月25日(金) 01:06:33 返信

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