雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - スラスラスラ
395名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:21:34.240

あれはいつだったろうか、ピンククレスを結成してからしばらく経った時のこと。

スタッフさんやマネージャーさんも無しに、3人だけでご飯に行こう!って、他でもないみやちゃんが企画してくれた時があった。

お店もみやちゃんが探してきてくれて、美味しいご飯と、3人ともお酒が飲めるからっていうので、すぐに打ち解けられた。
早すぎても遅すぎてもきっとダメだった、最高のタイミングで、あっという間に距離が縮まった。

なにより、みやちゃんがうちらともっと仲良くなりたいから!って言ってくれたことが、本当に嬉しかった。


それから数週間後、ある日の2人での仕事終わりのこと。
なんだか元気のないみやちゃんが心配で、めずらしくあたしからご飯に誘った。

いつもはあんまり疲れた顔を見せないみやちゃんが、なんだか寂しそうな顔をしてるのが気になった。

397名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:22:47.110

「みやちゃん、大丈夫ですか?」
「なにが、?」
「疲れてます?それに最近、なんか…寂しそうな顔ばっかりしてる。」

ありがとね、大丈夫だよってみやちゃんは笑う。

せっかく2人きりなのに…。
何でも話してほしい、そう思った。
きっとこれは、たぶん、恋煩い。
女の勘ってやつだけど。

並びあったカウンターで、みやちゃんの横顔を見ながらあたしは聞いた。
「本当にいないんですか?彼氏」

先日、初めてピンクの3人で飲んだ時、やっぱり女子3人だからそういう話になって。
そういった話ができると、やっぱり仲は深まるもので、あたしは単純にそのことが嬉しかった。
順番に話して、みやちゃんは、今はいないよーって軽く流してたけど、その時のみやちゃんの様子からあたしはなんかひっかかってた。

だから2人きりになれたこのタイミングで、もう一回だけ、聞いてみようと思った。

「…うん、彼氏はいないよ。」

でも、付き合ってる人は…いる。

小さく響いたその言葉が、なぜか切なく感じられる。

「え、そうなんですか。」
「ごめんね、いままで黙ってて。」
「いえそんな、」

ハッピーな話題のはずなのに、どこか寂しそうな顔のみやちゃんに胸騒ぎがする。

ていうかあれ、いま、彼氏はいないって…
「え、それって、」

「これ以上は、言えないんだよー、ごめんね?」

頬杖をついたまま、切なく笑うみやちゃん。
ごめんね?ってあたしの頭を撫でてくる。
こんなに優しい人、この人を、こんな顔にさせているのは、いったい誰、??

なんとなく、でも、気づいていたんだ。

「誰にも、言わないんですか?」
「…うん。」
「それは、どうして?って聞いてもいいですか。」
「向こうがね、誰にも言いたくないみたいだから…言わないでって言われてるわけじゃないんだけど、なんとなくね。」

398名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:24:11.250

その言葉で、自分が言わせてしまったことの重さを思い知った。
「ごめんなさい、しつこく聞いてしまって。」
「ううん、そんなことない。多分あたしも、本当は誰かに話聞いてほしいって思ってた。だからありがとね。」


それから時々、仕事の合間に、スマホを見て、おそらくは恋人さんと連絡を取っているであろうみやちゃんを何回も目撃した。

悲しい顔をしている時もあれば、すごく幸せそうな顔の時もあって。

あんなにも強くて、優しい器の大きい大先輩だと思ってたみやちゃんの、そんな弱い顔を見てしまったら、心が締め付けられないわけがなくて。

でもこれは、誰にも気づかれちゃいけない。
気付いたら私は、決意していた。
私がみやちゃんを守らなきゃって。 みやちゃんが必死に守っているものを、私も守りたい、そう思った。

399名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:24:47.190

2人きりでご飯は、あの時以来だなとぼんやり思った。
ご飯自体はよく行くけれど、いつも誰かしら、ひかるや、マネージャーさんが一緒だったから。

「最近どうですか?」
「ん?」
「恋人さんと、」
「あー。うん」

まぁ、順調だよ、って、少し頬を赤くしながら答えてくれたみやちゃん。

その姿に、自然と胸が高鳴った。

恋するみやちゃんだ、可愛い。

いつも見せてくれる頼りになる優しい先輩とは違う、
恋する女の子の顔をしていた。


「幸せそうですね、よかった」
「ふふ、そう見える?」
「はい、特に最近は。」
「にへは鋭いねー」

実はひかるも気づいてますよ、っていうのはまだ言わないでおこう。

なんとなく、みやちゃんは最近その恋人さんと一緒に住み始めたんじゃないかなぁって思ってた。

400名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:25:49.880

思い当たる節はいくつかある。
順番に送ってもらうタクシーで降りる場所が変わったことや、会話の中で生活感が出てきたこと。

いつも行く店の話とか、買い物してるスーパーとか、
これでも東京育ちだから、会話で大体見当もついてしまう。

それからこれも、なんとなくだけど
たぶんみやちゃんは、恋人さんと一緒に住み始めてから、すこし落ち着いたように思えた。
前は時々不安そうに見えていたのが、今はない。

「そういえば、付き合ってどのくらいなんですか?」
「うーん、一年ちょいくらいかな」
「え、そんなに、?」
「なんだかんだね」

恋人さんの顔を思い浮かべているのか、無意識だろうけど、みやちゃんの顔は穏やかだ。

「前から知ってる人ですか?知り合ってから長いとか」
「うーん、まぁ。てかなんで?」
「いや、なんとなくですけど」

403名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:26:29.590

自分の周りの友達を見ていても、恋人の話をするときはみんなもう少し、キャピキャピというか、新しい事をワクワクして話す感じがあった。

みやちゃんのは、それとはすこし違う気がして。

もっと落ち着いていて、深い関係。
知り合って浅いのなら、きっとそうはならないだろうと思ったからだ。

ただ単に、みやちゃんがあたしよりも大人のお姉さんだからってのもあるんだろうけど。


「それより、にへはどうなの」
「へ?あたしですか?」
「そ、この前話した時はなーんかあんまり聞けずじまいだったなぁって。好きな人できた?」
「うーん、いないですね。なんか今は、仕事頑張ろう!っていう気持ちが強くて」
「そっか、ひかるもそんな感じだったし。2人ともすごいね。」
「いやいや、ほんと今は毎日に必死すぎて、そんな余裕ないかもっていうのが本音ですね」

そっか、頑張ろうねって、みやちゃんは優しく微笑んでくれた。あたしの大好きな笑顔。

405名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:28:37.000

からん、とお酒を飲み干すと、みやちゃんもぽつぽつと話し出した。
「あたしはね、あたしもか、。あたしも、今は仕事頑張りたいっていう気持ちがすごく強いんだ。」
知り合ってから初めて、みやちゃんがあたしに、本当の気持ちを語ってくれる気がして、あたしは体の向きを変えた。

「ピンク始めるときもね、色々悩んだのね。ゼロから全て始めるのって想像つかなかったし、いままでグループでやってた時は、大変だけどいろいろ先が見えてることも多かったから、気持ち的な負担が少ない分楽なこともあった。
それなのに、この歳で、いくら歌が好きだからって、それだけで本当にやっていけるのかなって。」

あたしの頭の中には、berryzさんの7人の顔が浮かんだ。

406名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:29:46.050

「でも、そんな時にね、いろいろ話を聞いてくれて、背中押してくれた人がいたの。
みやがやりたい事をやればいいよって。不安なのはみんな同じだし、失敗もするかもしれないけど、みやが歌を歌いたいなら、その気持ちは大事にしたほうがいいよって。」
「そうなんですか…」
「うん、それでね、その人もなんていうか…自分の決めた道?をまっすぐ行く人でね、いつもそれを見ててかっこいいなぁって思ってて。そういうのもあって、また頑張ってみよう、って、決めることができたの。それで、ピンク作って、にへやひかるにも会えた。」

そう言ってみやちゃんは、あたしの目を見る。
「怖かったけど、本当に今はやってよかった、って思ってる。にへやひかるが一緒に頑張ってくれるから、みやはもう何にも怖くない。本当に、出会ってくれてありがとうね」
不覚にも、泣きそうになってしまった。
「…はい、ありがとうございます。その、みやちゃんの背中押してくれた方にも感謝ですね、出会わせてくれた。」
「うん、そーだね。」
「あ、もしかして…付き合ってる人って、その人ですか?」
「あー、そう。うん、まぁバレるよね、今の話し方だと。」
あははーって照れ笑いをしながら、顔をくしゃっとさせる。そんなところも、今日初めて見ることができたみやちゃんの素顔。

410名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:32:21.320

「はーっ、あーあ。みやちゃんってほーんと、天然モテですねぇ」
「え、なによ」
「もうね、素で?キュンとさせる顔しすぎですよ、可愛すぎ。こりゃモテるわー」
「なに言ってんの」
「はいはい、あーもーかわいー」

ほんとに、みやちゃんの素顔を見れば見るほど、可愛くて、なんだか少し切なくて、胸が締め付けられてしまう。
だけどやっぱり、そんなかおをもっと見せて欲しい、とも思ってしまう。

「惚気、聞きますよ」
「は、なに」
「誰かに話したかったんでしょう?話してください」
「いやいや、そんなの急に」
「あたしとみやちゃんがさらに仲良くなるためには必要不可欠です。」

はい、どーぞー。とあたしはみやちゃんにグラスを差し出す。
しばらく無言でそれを見つめていたみやちゃんだったが、少しずつ口を開いた。
からん、と氷が溶ける。

「惚気…って言われても、、、話すことない」
「なんで?なんでもいいんですよ、こういつとこがかっこいいーとか、好きーとか」
「話したことないなぁ、」
「じゃあ、質問します。答えてくださいね」
「…わかった」

412名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:34:03.770

「よし。じゃあー、定番ですけど、どんなところが好きですか?」
うーん、と目を瞑って考え始めるみやちゃん。
なかなか出てこないみたい。ほんとに考えたことないのかな。
考えながらぐいぐい飲んでる。結構酔ってきてるのかな、こっちとしてはありがたいけど。

「なんかねぇ、」
「はい。」
「あまりにねぇ、長い時間一緒にいすぎてねぇ、その人と」
「ほー」
「好きなところ、とか、特別浮かばないわけ、わかる?」
「じゃあー、全部好きってことですね」
「うわーそうきたかー」
「もーみやちゃん、それじゃ答えになってない」

「うーん。強いて言うなら…」
「お?言うなら、?」
「か、かおかな」
「顔」
「うん。」

まさかの。見た目。
みやびちゃんのことだから優しいところ、とかそう言うと中身の話くると思ってたら、まさかの。

415名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:35:44.250

「なんか色々…いや、逆にしっくりきてます。そっかぁ、顔か〜」
「なに」
「みやちゃんて、面食いなんですね。きっと恋人さんは、ものすごい綺麗な顔してるんだろうな」
「そう…かなぁ」
あ、赤くなってる。思い出しちゃったりしてんのかなー。

「具体的にはどういうとこですか?顔の」
「もうっいいよー、顔は顔!」
「ここまできたら、照れないでください」
「照れ、るわ!」
手でパタパタ仰ぎながらのみやちゃん、いやほんとに可愛いです。やばい。こっちまで熱くなってきた。

「どうしたの」
「いやぁ、好きな人の話してるみやちゃんが可愛すぎてもう、」
「…」
「嬉しいです、みやちゃんとこういう話できて。」
「あたしはにへの話を聞こうと」
「ずっとしたかったんですよ」
「、もー!」

417名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:37:05.270

2人して熱くなりながらグラスを揺らす。
「じゃあ、照れついでにもう1ついいですか?」
「ついで、ってなんだ」
「告白の言葉は?」
「〜!絶対教えないわ!」
「また恥ずかしがる」
「恥ずかしいに決まってますよね」
「じゃあ質問変えますね、どっちからですか?」

ピタッと動きが止まるみやちゃん。あ、これには答えてくれるのか?

「…どっちから、とかはない。」
「え、どういうことですか?」
「なりゆき?っていうか、自然と」
「え〜〜!なにその、オトナの関係…」

きゃーってあたしは手で顔を覆った。
そんなんじゃないからってみやちゃんにペシってされる。

「なりゆきでどうやって付き合うんですか?ほんとに知りたい!」
「えー、どうやってって言われても…」
「気付いたら、とかはないですよね?だって、何かしらありますよね?きっかけとか」

418名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:38:18.130

「きっかけ…」

思い出しながらだんだんまたみやちゃんの顔が赤くなる。その顔を見て確信する。
「ねぇ、何があったんですか?」
「いわない」
「何か、あったんですね?付き合うことになった日に!」
「うるさいうるさいもー」
「顔真っ赤ですよ、さぁ!思い出しましょう!」

うるさいわー!ってほんとに恥ずかしそう。
これ言わせたらみやちゃんどうにかなっちゃうんじゃないかな。
「キスしたとか?」
「…まぁ。」
「そこから、結ばれたんですね、?」
「むすばれ…やめなさい!」

420名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/09/29(金) 02:39:22.530

また軽く叩かれたけどみやちゃんの可愛さにもう顔のにやにやが追いつかない。
「みやちゃん、大人ですね。」
「はいはい」
「あーもっと聞きたいー可愛いーー」

可愛さについ、隣にいた大先輩のみやちゃんをぎゅーと抱きしめてしまう。そんなことされてもされるがままで、もう何から何まで可愛いと思う。

「可愛い。ずるい、、可愛い!」
「ありがと。もういいよね。」
「よくないです、まだ聞きたいことたくさん」
「もうやだ!」

マスター、お会計!なんていうみやちゃんを必死で止めて、
結局あたしはずっとニヤニヤしながら、みやちゃんの恋人さんとの馴れ初めを聞いていたのだった。

次の日から、ピンクの現場には、
朝からみやちゃんの顔を見るなりニヤニヤが止まらないあたしと、そんなあたしを見てげんなりするみやちゃん、そんな2人を不思議そうにみるひかるっていう光景が出来上がったのだった。