雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - リバーシブル
793名無し募集中。。。2018/01/07(日) 18:18:52.010

——何か、新しいのが欲しいよね。

ベッドにごろりとうつ伏せて、桃子がぽつりと言った。

「えっと……もも?」

ん?とわずかに見開かれた瞳が、雅に向けられる。
その目がやけに真っ直ぐで純粋だったものだから、雅は言葉を失った。

「……何やってんの?」
「おもちゃ、調べてる」

事も無げにそう言って、桃子の視線は再びスマホに移る。
彼女のスマホの画面には、煽るようなピンク色の画像が並んでいた。
そう、おもちゃとは——子ども向けのそれではなく、いわゆる成人向けの、あの。
ブルブル震えたり、グルグル回転したりする、あの。

「……もも?」
「ん?」
「買うの?」
「だめ?」
「や……だめ、じゃないけど」

これいいかも、なんて呟く桃子をよそに、雅の胸中にはもやもやとしたものが広がった。
二人の夜の営みに、不満を覚えたことはなかった。
けれど、そう感じているのは自分だけなのかもしれない。
桃子の横顔を眺めながら、雅の感情はどんどんと沈んでいくばかり。

もしかして、桃子を満足させてやれていないのだろうか。
最近ちょっと、マンネリだったとか?
それとも、ずっと前から下手だと思われていたとか?

言ってくれればいいのに——。

雅の気など知りもしない様子で、桃子の視線はスマホに落とされたままだった。

794名無し募集中。。。2018/01/07(日) 18:19:10.170


数日後。何の変哲も無い段ボール箱に包まれて、それは家にやってきた。
伝票の品名欄には「雑貨」とだけ記載がされていて、雅は妙に感心した。
桃子の指が、ベリベリと雑に段ボール箱を破って中身を取り出す。
案外しっかりとした作りをした箱は、黒を基調としたシックな外見。
この箱だけを見て、中に何が入っているか当てられる者はいないだろう。

「あ、ローションも入ってる」

ろーしょん。生々しい響きに、雅は自分の頬に熱が差したのを感じた。
そんな雅を置いて、桃子はサクサクと梱包を解いていく。
箱の中から現れたのは、つるんとした細長い物体。

「なんか」
「うん?」
「思ってたのと、違う」

もっとどぎつくて扇情的な色や形をしているものかと思ったのに。
桃子の手に握られる機器は、雅の想像よりもずっとソフトな見た目だった。
オフホワイトのシリコンに包まれたそれは、思いの外柔らかい。

「どう? これでも厳選したんだけど」
「あ、あぁ……いいん、じゃない」

あ、ボタン、と桃子の指がスイッチに触れる。
震え始めたそれは、一気に正体を現したようだった。
ふと、それが桃子の中に埋まる様子が頭をよぎる。
ズキン。鈍く体の中心が疼いたのを感じた。

「さて、と……みや?」

桃子に手首を掴まれて、逃げ場は完全になくなった。
導かれるままにベッドへと押し倒されて、桃子を見上げてようやく雅は気がついた。

——ちょっと待って。みやが、される方なの?

244名無し募集中。。。2018/01/17(水) 12:23:59.520

「みや、」

上から降ってきた桃子の声はひやりと冷たく、雅の体に染み渡った。
ただ一言、名前を呼ばれただけだというのに一瞬でスイッチが切り替わる。
不意に、下着を押し上げる胸の尖りを自覚した。

「……いい?」

首肯する以外の動作を許さない声に、雅はこくりと頷きを返す。
こちらに注がれる桃子の目が、少し和らいだように感じたのは気のせいだったろうか。
瞳の奥の真意を確かめる前に、桃子はベッドを降りてしまう。
きっと電気を消しに行ったのだ、と既にふやけた頭で考えた。

雅をベッドに押し付けた乱雑さとは裏腹に、桃子の指は丁寧に雅の服を剥いでいった。
ボタンを外す時の不器用さと、服を脱がせる時のぎこちなさ。
どれもこれも相変わらずだ。頭の片隅に残った冷静な部分が、揺れる空気の中でそんなことを認識する。
そんなことでも考えていなければ、今から自分の身に起こることを期待して溺れてしまいそうだったから。
下着だけを残して全ての衣服を取り去ってしまうと、桃子は満足したように息を漏らした——ように聞こえた。
薄闇に浮かび上がる桃子の影に手を伸ばし、服の裾を引く。

「……もも」

自分だけは嫌だ、という思いを込めて呼びかける。
雅の言わんとすることを察したのか、桃子が小さく「ん」と返事をした。
布が擦れるざらついた音の後、床に不時着する衣服の音が響く。
いつも言ってるのに。放り投げたら、皺になるってば。
つるりとしたシルエットになった桃子の手首を掴んで、引き寄せた。

「こっち」

主導権を完全に奪われてしまう前に、せめて自分の望むことをしておきたい。

「すべすべしてる」
「ももだって」

言葉少なに、桃子は雅に体を擦り付けてきた。
桃子は、いつもする側に回ったらこんな風だっただろうか。
その"いつも"が思い出せないほど、最近は雅が施すばかりになっていたことに気がつく。
雅の記憶が正しければ、以前はもっと饒舌だったはずの桃子が今日はやけに大人しい。

245名無し募集中。。。2018/01/17(水) 12:24:19.210

桃子の薄い唇は、雅の全身あますところなく降り注いだ。
独特な柔らかさと、少し湿った感触。少しずつ、確実に熱が高められていく。
緩やかな刺激に身を任せていると、臍の少し左がぴりりと痺れた。

「ちょっ……こら」
「……だめ?」
「ももが、いつもだめって……」

きっと、そこは桃子の口づけによって痕になっているはずだ。
許されるならば雅だってつけたい。ただ、桃子が頑なに拒むからつけていないだけなのに。
不満の一つも言いたいところだったが、肌を通じて満足そうな桃子を感じたので雅はそれを呑み込んだ。

ふと、桃子の手のひらが布団と背中の間に潜り込んでくるのを感じて、雅は手伝うように背中を反らした。
想像通りの動作によって、ぷつりと胸が解放される。心臓がどくんと跳ねた。
恐る恐るというように、桃子の親指がそれをずらしたのが分かった。
はあっ、と桃子のため息にも似た吐息が、先端に降りかかる。
そのささやかな刺激だけで、一気にそこが自己主張を始めた。
全身の意識が、桃子の視線が、そこに集まる。

「……ぁ、っ」

満を持して、といった様子で桃子がそこに口づけしたのが分かった。
少し冷えた温度に触れられて、一気に全身が粟立つ。
最初は雅の反応を気にするように、何度か触れては離れ、また触れて。
やがて桃子の唇がぴちゃりと微かな音を立てて開かれて、唇とは違う弾力が先端を押し込んだ。

「……んぅぅっ……!」

桃子の小さな舌が、丁寧すぎるほど丁寧に先端を転がす。
時折、ちゅぅっと吸われて、その度に雅の体は緊張と弛緩を繰り返した。

629名無し募集中。。。2018/01/20(土) 17:13:51.880

雅の胸に唇を寄せる桃子の睫毛が、どこからか差し込んだ光を反射して静かに光る。
与えられる快感に浸っていると、不意に「あ、」と桃子が声を漏らした。
持ち上げられた顔に張り付く表情は、薄闇のせいか能面のように色がない。

「……も、も?」

桃子の黒目が雅を見つめたかと思えば、近づけられる顔に雅は目を閉じた。
ざわざわと揺れる瞼の向こうで、桃子の気配がゆっくりと距離を詰める。
やがて唇に舞い降りたものは、一瞬で離れていった。
物足りなさを感じてむずむずと唇を震わせると、再び温かさが触れて、離れて。
薄目を開くと、固く目を閉じた桃子の様子が伺えた。
それがキスを受ける時の桃子の癖なのは知っていたが、キスをする方になっても同じなのか。
その様子が可笑しくて、笑おうとすると代わりに空気が鼻を通り過ぎた。

招き入れるつもりで唇の隙間を開けてやると、戸惑うように桃子の舌が差し込まれたのを感じた。
「お邪魔します」なんてお伺いを立てなくても、いつだって入ってきて良いのに。
ぬるんと滑り込んできた桃子の舌先を、待ってましたとばかりに絡め取る。

「んんっ、ふ、ぁ……み、ゃ……っ」

舌の先の方を硬くして桃子の舌を撫でていると、ぐっと顔を引き剥がされた。
肩で息をする桃子の頬に、ようやく赤みが差した気がした。

「もも、が、してるのに」
「いいじゃん」
「……だめ」

雅が言葉を挟む暇もなく、今度は少々強引に唇を奪われた。
ぐいとこじ開けられた口内に、はっきりとした意志を持つ桃子が侵入してくる。
ぴちゃりと水音がして、唇が濡らされていくのを感じた。
じゃれ合うように触れ合うたびに、体の甘い疼きが増していく。
じわじわと酸素が薄くなり、思わず息を継ぐために桃子の唇から逃れた。

630名無し募集中。。。2018/01/20(土) 17:14:17.700

途端、だらしなく緩む雅の唇の間を、つう、と粘り気のある液体が伝い落ちる。こくりと喉が鳴った。
内臓へと滑り落ちる液体は、触れたところだけをじんわりと痺れさせる。

「もも」
「……ん」

短く返事をすると、桃子はゆっくりと体を起こし雅の上に馬乗りになる。
ぺたり。桃子のふくふくとした手のひらが、次を予感させるように鎖骨のあたりに張り付いた。
雅より少し高い桃子の体温に、そこだけが僅かに汗ばむ。
桃子のもう片方の手が、ベッドの端に転がされていた道具を手に取るのが見えた。

胸の肌の薄い部分に、ぐにぐにとしたものが押し付けられる。
かち、という無機質な音と共に与えられた振動に、雅は大きく仰け反った。

「あっ、ああぁっ!?」

神経を直接嬲るような強い刺激に、気道が閉塞する。
雅の反応に驚いたのか、桃子はすぐにそれを持ち上げた。

「みや?」
「……はあっ、はあっ……な、に」

それが触れていた乳首には、まだビリビリとした余韻が残っている。

「……えっ、と」

行為を続けるべきや否や。躊躇うように眉を寄せる桃子が容易く浮かぶ。
雅がそっと差し出した右手を、桃子の両手が包み込んだ。
触れてきた手のひらの温度が下がっているのを認めて、雅はすっと目を細めた。

715名無し募集中。。。2018/01/21(日) 19:55:40.380

「いいよ」

桃子の手のひらや指の腹を弄りながら、雅は努めて柔らかくそう口にした。
おずおずと桃子が頷いたのを感じ、そっと弄っていた指先を解放してやる。
雅に向き直る桃子を眺めながら、雅の胸の中ではむくむくと確信めいたものが芽生えつつあった。
いつもより言葉少なだったのも、やけに強引に事を進めようとしたのも、きっと。

「きんちょう、してる?」
「……っ」

小さく息を飲んだのが振動で伝わってきて、雅の頬は勝手に緩んだ。
不機嫌だったり、怒っていたりしたらどうしようと思っていたのに。
強張っていた体の中心から、徐々に力が抜けていく。
それでも、桃子が突然おもちゃが欲しいと言い出した理由は分からないけれど。

「……したいように、して」

すとんと桃子の肩が落ち、支えを失った手が雅の腹にぶつかる。
桃子の肌には熱が戻りつつあり、触れ合っているところがどくどくと脈打った。

改めて、といった様子で桃子が体勢を整える。
再び覆い被さってきた体に腕を回すと、抑えきれないといったように熱い息が溢れた。

「……あー、う……んと」

ちゃんと、するね。
普段の桃子は、呆れるほどスラスラと言葉が出てくる。
そのくせ、この瞬間に選ばれた言葉はやけにぎこちなかった。
何か言わなければと桃子なりに考えた結果と思うと、ふふ、と勝手に声が漏れた。

「もう……本気なのに」
「ごめ、ちゃんと……うん、ちゃんとして、ね」

ちゃんと。
砕けた響きなのに、不思議と背筋が伸びるような言葉だった。
ちゃんと。
ぼんやりとした桃子の輪郭もまた、すっと姿勢を正したようだった。

716名無し募集中。。。2018/01/21(日) 19:56:31.710


まっさらになった肌を全て感じ取ろうとするように、唇で、指先で、桃子は雅の身体中を愛撫する。
一度は収まったように感じていた熱も、戻ってくるのはあっという間。
余計な思考が徐々に削ぎ落とされていくのを感じながら、雅は瞑目した。
パチパチと体内で熱が弾ける。
少しでもその熱を逃がそうとして、雅の両手はいつしかシーツを握りしめていた。

「みや」

名前を呼ぶ声がする。
ああ、好きだなと思った。
曇りのない水晶のように透き通った声。
余裕のないまま頷きだけで返事をする。
合図をするように臍のあたりに吸い付いた桃子が、同じところをぺろりと舐めた。
まだ身につけたままだった下着の上から、桃子の細い指がそこを押さえる。

「……ぁっ……」

ひんやりとした感触に、ひどく濡れているそこを自覚した。
何かを確かめるように桃子の指が上下し、それを追うように雅は腰を動かした。
布を隔てている上に、桃子の指先はあくまで撫でるだけ。
もっと。口から飛び出そうになって、雅はぐっと唇を噛んだ。

717名無し募集中。。。2018/01/21(日) 19:56:59.040

下着のゴムに引っ掛けられた指先が、脱がせていい?と言外に尋ねてくる。
そっと腰を浮かせると、拙い動作で下着がずり下ろされた。
桃子の荒い息遣いが、確かに彼女の興奮を伝えてくる。
注がれる視線を感じて、ぴったりと合わせたくなる太ももを押し留めた。
立てた膝にゆるりと手が添えられて、優しくゆっくりと開かれた。
雅の足の間に収まった桃子の体は、やけにしっくりときた。

「っ、ひゃっ」
「……わ、ぁ」

雅の想像の中で、自分の体液が桃子の指をぬちゃりと汚した。
液体を掬い取るように動いた桃子の指が、離れてしばらく間が開く。
続きは、まだか。
下を見やると、指先で糸を引く様子をまじまじと眺める桃子。

「ちょ、やめっ……」
「……あ……ごめん」

惚けたようにつぶやくと、桃子の意識は再び雅の体へと移ったようだった。

「あー……その、」

何かを言い澱むように、桃子の語尾がもじもじと消えていく。
足の付け根に置かれた手のひらは、止まったままで動かない。
いい加減、体内に溜まった熱も限界だというのに。

「……も、いぃ、から」

自分だけが恥ずかしいわけじゃないんだからね。
心の中で叫びながら、雅はそう絞り出す。
わかった、と聞こえた桃子の声は、少しだけ落ち着きを取り戻したようだった。

放置されていた道具が、振動を始める音がする。
その音だけで、とろりと溢れた感覚があった。

737名無し募集中。。。2018/01/29(月) 16:51:48.680

「ん、っ……!」

細かな振動が太ももに触れて、勝手にびくりと体が震えた。
丹念に柔らかな肌を撫でられて、刺激に慣れさせるような動きで往復する。
違うところを刺激されているのに、下腹の奥がずきずきと甘く疼いて主張した。

「……ね、ぁっ、もも……っ」

触れてほしい場所へ導くように腰が揺れる。
偶然か必然か、それが膨れ上がった尖りを掠めた途端、瞼の裏に星が飛んだ。
やっと得られた刺激を離したくなくて、太ももでぎゅっと締め付けた。

「ぁ、もっ……! あっ、あっああぁっ」
「っ、は、みや……」

高められた熱が全身で弾ける。開ききった唇からは意味のない声があふれ出た。

……いっちゃった。

徐々に耳鳴りが収まっていく中で、桃子の吐息のリズムは速いまま。
大丈夫だから、続きしよう。

「……いい?」

しっかりと芯のある声に、桃子が腹を括ったのが分かった。
鳴り止んだ振動に、世界がしんと静まりかえる。

「……っ、は」

ひたりと秘所にあてがわれる感覚に、雅は次に与えられるであろう刺激を予感した。
ぐっと力が加わえられて、とぷりと入り込んだ先端に否応無く押し広げられる。
内膜が引き攣った。

「まっ、まってももっ」
「あ、い、痛かった?」

濡れてるのに、というつぶやきに、ぎゅっと自らの入口が収縮する。
そんなことは分かっている。けれど、痛みがあるのも事実で。
慈しむようにゆるゆるとそこを撫でていた桃子が、ふと手を止めた。
なるほど、なるほど。何かの呪文のように繰り返し、桃子がベッドを降りる音がする。

738名無し募集中。。。2018/01/29(月) 16:53:51.340

ベッドを小さく軋ませて戻ってきた桃子の手には、玩具と共に送られて来たローションの袋。
試供品の赤いプラスチックの袋は、ぱっと見には化粧品か何かに見えるだろう。

「ちょっと、まっててね」

放熱したばかりだというのに、ちりちりと燻る熱はむしろ高まっていくばかり。
まだかと問いかけようとした時、熱っぽい手のひらに膝を割られた。
にちゃ、と響く音が耳元に粘り着く。
探るように上下していた先端が、行き先を定める。

「……ぁ、……あっ」

内臓を押しのけるように侵入してくる物体は、滑らかに内壁を撫でた。

「はいっ……た」
「……いわなくて、ぃ」

強制的に広げられた体が、新たな刺激を欲して叫んでいた。
お願いだから、そこで止まってないで。
催促するように腰を捻ると、カチリと乾いた音が耳にぶつかった。

「ふぁっ!」

望んでいた刺激に、全身が打ち震えた。
背筋を駆け上がる甘い刺激に、びくびくと体が反り返る。
快感を追いかける雅の肌に、ふわりと桃子の肌が重ねられた。
シーツを握りしめる手をほどき、桃子の体を抱きしめる。
ふと、下肢に埋まる道具の先に、何かが擦り付けられるのを感じた。
腰だ。どうにもならない熱に浮かされたように、蠢く、桃子の。

「もも……っ!?」
「んぁ、っ……あっ、みや……っ!」

同じ温度だった。
漏れ出た桃子の声は驚くほどに濡れていて、雅を一層高ぶらせた。
背骨をなぞり、腰の凹凸をさすり、丸みを帯びた尻の弾力を感じ取る。

「んぁっ、ああぁっ」

道具の与える振動が、雅の中と桃子の外とを同じリズムで揺さぶった。
一緒に、という言葉は声にならなかった。

739名無し募集中。。。2018/01/29(月) 16:56:48.490


腹の上でくったりとなった背中をさすっていると、桃子の呼吸が次第に整うのが分かった。

「ね、もも……さっき」
「……」
「さっき、自分で」
「……きらい」

ぷいとそっぽを向いてしまったが、体を動かす気力はないらしい。
そんな態度なの、と責めるように腰を撫でると、桃子の体がびくりと反応した。

「そんなこと、言っちゃうの」
「だっ、だって……っ」

くるりと体勢を入れ替えると、一瞬で桃子を包む空気が弱まった。

「……してい?」
「ううぅ……」

良いとも悪いとも返してこない桃子に焦れて、キスを一つお見舞いしてやった。
ついばむように何度か唇を合わせていると、更に先を求めるように腕が首のあたりに回される。
吐き出される息の熱さが、もうできあがっているのだと告げた。

740名無し募集中。。。2018/01/29(月) 16:58:23.090

意識の外にあった道具に目をやると、それはシーツの上で転がっていた。
指で触れるとペタペタとしている。
ああ自分のものかと実感した瞬間、雅は一人で頬を染めた。
さっきまで、これが自分の中に入っていたとは。
まじまじとそれを見つめていると、伺うように桃子が雅を呼んだ。
熱っぽく湿った声に、一度は落ち着いたはずの雅自身が再び濡れる。

「……ねえ……入れても、いい?」
「……え、と」

だめなんて言わないよね、と雅は念を押すように「いい?」と口にした。
もじもじと桃子は視線を漂わせたが、戸惑いよりも期待の方が大きいはずだ。

「ひっ……あ」
「……ちゃんと、したげるから」

忘れないように潤滑剤を塗布し、既にベタベタになっている桃子の入り口へとそれを押し当てる。
時折、ぐりっと何かに擦れる感触があって、桃子の形が雅の手のひらに直接伝わった。

「やぁ……んっ、あ」
「っ、は……やば」

やがて行き止まりを感じて力を緩めると、未知の感覚のせいか桃子の腰が惑うように揺れた。
入った。入っちゃった。桃子が言いたくなるのもわかる気がする。
玩具の取っ手が入り口から覗く様子はひどく扇情的で、雅はごくりと唾を飲んだ。

「……み、や」
「ん?」
「……も、おね、が……あっ」

そうだった、ちゃんとするって言ったもんね。
桃子にすりすりと頬を寄せ、雅は突き出た道具のスイッチに指をかける。

「ぁ、ふっ……! んっ、く」

桃子の全身が大きく跳ね、細い腕が雅の体に縋りついてきた。
強すぎる快感のせいか、落ち着きなく手のひらが雅の背中を這い回る。

「ね、もも……これね、さっきまでみやの中にあったの」
「ぐぅっ……あっぁあっ、みや……っ!」

耳の中を溶かすように囁いた途端、糸が切れたように桃子の体がベッドに沈んだ。

741名無し募集中。。。2018/01/29(月) 16:58:38.370


2回目なんて久しぶりだったけど大丈夫だっただろうか。
思ったけれど口にしなかったのは、桃子の機嫌を損ねたくなかったからだ。

「すごい……ね? これ」

パリパリと乾いた表面をつつきながら雅が言うと、桃子は愛想なく「うん」と答えた。
愛想がないというよりは、照れているのかもしれないけれど。

「もしかしてさ、今までもこういうの」
「っなわけ!」
「だってもも、開ける時とか慣れてたし」
「それはっ……意識しちゃったら、だめじゃん、なんか」

まだ怠いのか横になったままで、桃子が唇を尖らせた。結局、ちょっと不機嫌にさせてしまった。

「じゃあ、初めて?」
「……そうだってば」
「なんで?」
「え?」
「なんで買ったの? これ」

手持ち無沙汰でいじっていると、偶然に引っかかったスイッチにブルブルと振動を始める。
なんでもない時に見ると、なんだか間抜けな光景だった。

「だって……いっつも、ももばっかだし」
「まあ……そうかも?」
「し、してあげたくても……ぐにゃぐにゃになっちゃうんだもん」

消えていく語尾に、目の前の震える物体などどうでもよくなった。
今、ものすごくいじらしいことを口にしたのではないか、この子は。

「ももっ!」
「むっ、無理! さすがにもう!」

覆いかぶさるようにして見下ろす桃子の唇が、雅には誘っているように映った。
今すぐにでも、そこにむしゃぶりつきたいのに。

「だって……もも可愛い」
「あぅ……」
「だめ……?」
「……明日、昼まで寝るよ?」

二人で出かけてゆっくりランチでもしようと思っていたが、予定は未定が世の常であり。

「全然、いい」

きゃっと可愛らしい悲鳴を上げた体を抱きしめて、雅はそっと桃子の唇を塞いだ。