雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 看病
705 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/08(木) 01:02:00.08 0

妙に避けられている。
予定よりも少し早く帰ってきた桃子。
どうしたのと聞く間も無く、そそくさと滅多に使わない自室に入って行った。
それに首を傾げながらも夕食の準備。
少ししてから物音がして浴室に入っていく後姿が見えた。
後はお皿に盛るだけの状態。
エプロンを外し、桃子が出てくるのをソファーで待つ。
お風呂上がり、いつもならドライヤー片手に近づいてくるくせに。
珍しく自分で髪を乾かしているのかドライヤーの音が聞こえてきた。
その音が止むと今度は顔を合わせる事なくちょっとやることがあるからとさっさと自室に引きこもった。
しばらく待っても出てくる気配のない桃子。
ドアをノックする。
返事を待つことなくドアノブに手を掛けるも鍵が掛かっていて入れない。

「何?」

「もも、ご飯どうする?」

「後で食べるから冷蔵庫に入れといて」

絶対おかしい。

「ねぇももここ開けて」

返事がない。

「十秒以内に開けないとドア、壊すから」

災害の時にと置いていたバール。
本当に役に立つとは思わなかった。
ドアの前に立ちカウントを始める。

「十、九、八、七、六、五、四、三…」

あと少しという所でドアが開いた。
薄暗い室内。
少しだけ開けた隙間から顔を出した桃子の視線はバールに集中していた。

「…ほんとに壊す気だったんだ」

呆気にとられたような桃子。

706 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/08(木) 01:02:59.88 0

でもそれよりも隙間から見えた室内に気を取られた。
滅多に使われることのない折りたたみのベッド。
それが部屋の中央に広げられていた。
見えている首筋に手を当てると明らかに高い体温。

「熱あるのなんで黙ってたの?」

ばつの悪そうな桃子。

「一晩寝たらすぐ下がるよ。移っちゃ悪いから入ってこないで」

すぐに閉めようとしたドアの隙間に手を入れ力を入れる。
普段よりも弱い力。
あっさり開いたドア。
腕を掴んで引きずり出す。
真っ赤な顔に潤んだ瞳。
ごちゃごちゃ何か言っているけれどそれらは全部黙殺した。
有無を言わせず寝室に連れていく。

「ここ使ったらみやが寝るとこないから」

「うっさい。病人は黙って言うことをきく」

弱々しく抵抗する桃子をベッドに無理矢理寝かしつける。

「みやにうつる」

「大丈夫だから」

「でも…」

「でもじゃない。ほら大人しく寝な」

抵抗しても無駄だと軽く睨みつけるとやっと諦めたように力を抜いてベッドに横たわった。

「もう薬は飲んだ?」

「まだ」

「ちょっと待ってて」

レトルトのお粥を温めながら引き出しから体温計と買い置きの風邪薬を探し出す。
急いで戻ると取り繕うのをやめた桃子はひどくしんどそうな様子だった。

707 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2017/06/08(木) 01:04:04.27 0

「起き上がれる?」

ひどく辛そうな様子に背中に腕を回し桃子の体をヘッドボードにもたれかからせた。

「…たべたくない」

「お薬飲めないから少しでもいいから食べよう?」

渋々といった様子で頷く桃子。
お粥を少量掬って軽く冷ます。

「あーん」

素直に開いた口に匙を入れる。
三口食べた所でもう無理と首を振られた。
おかゆを脇に退け体温計を取り出し測ると思ったよりも高い熱。
風邪薬と解熱剤を飲ませるとまた支えながらベッドに寝かせた。

「何か欲しいものある?」

「ない。だからみやは自分のことして?」

うつるのをまだ心配しているのがわかる。
こんな時は自分のことだけ考えればいいのにとちょっと不満に思う。

「ももがちゃんと寝るまでここにいるから」

そう言うとちょっぴり嬉しそうな桃子。
もっと素直になればいいのに。
持ってきていた冷却シートを桃子の額に貼り付ける。

「明日になっても下がってなかったら病院行こうね?」

薬が効いてきたのかとろんとした目。
うんともなんともつかない返事。
ベッドの端に腰掛け頭を撫でる。

「みーやんのて、きもちい」

フニャリと笑うとそれっきり寝息に変わった。