雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 夜這う
692 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:36:46.79 0

部屋のドアが開く音にも、ももの可愛い足音にも、ベッドのスプリングが軋む音にも、一切反応はなかった。
ただいま、午後11時。
ももの目の前には、すやすやと寝息を立てている人物——みやがいる。

久しぶりにホテルで同じ部屋になったっていうのに、ももがお風呂に入っている間に寝落ちちゃったらしい。
掛け布団は端の方に丸まっていて、ちょっと寒そうだったけどお構い無しにみやは寝入っている。
手元にはディスプレイが点灯したままのスマホが転がってて、誰かとLINEでもしてたのかなって感じの画面。
会話をしていたであろう誰かさんに対して、どろ、と湧き出る感情には蓋をした。
さすがに、他人のLINE見ちゃうのはダメだよね。
誘惑に負けちゃう前に、そっとスリープに切り替えておいた。

手探りで常夜灯をつけると、視界を構成する輪郭がちょっとだけはっきりした。
それは同時に、みやの顔もくっきり見えるということで。
多少明るくなろうが知ったこっちゃないって感じで、みや自身は眠り続けている。
無造作に流れる柔らかい髪の毛。わずかに上向いたまつ毛。薄く開いた唇。
誰だって寝顔は無防備なものだろうけど、特にみやはそのギャップがすごいと思う。
ぺたりとベッドに座り込んでた状態から、みやの隣にそろりと横になってみる。
呑気なみやの寝顔と向き合う形で、起こさないように、あくまで呼吸は慎重に。

こうして、みやの寝顔を眺めるようになったのはいつからだったっけ。
ホントは。ホントはね、こんなずるいことしたいわけじゃない。
でも、ももの気持ちを伝えたところで、きっとみやを困らせるだけだって分かってるから。
眺めるくらいは、許してよ。
だからこれは、誰も——みやだって——知らない、ももだけの秘密の時間。
みやと、運良く同じ部屋になった時だけの。

「ぉわっ」

もぞ、と小さく身じろいだかと思いきや、みやの腕がこちらに伸びてきた。
何となく意思を持っているような、そうでないような。
みやを起こしてしまいそうで、迫ってくるその腕を無理に避けるなんてできなかった。
されるがままになっていると、気づけばももはくるりとみやの腕に囲われていた。

693 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:37:15.52 0

「……みや?」

恐る恐る、その顔に呼びかけると、返ってきたのは規則正しい寝息。
起きたわけじゃ、ないよね。
確認した後で、ちょっとまずいことに気がついた。
普段なら、少しの間だけみやの隣をお借りしたら、ちゃんとももは自分のベッドに戻ることにしている。
でも今、みやの腕は思いの外しっかりとももの体に被さっていて。
これ、無理に動かして起こしちゃったら元も子もないじゃん。
まいったなあ、とため息をついていると、思いがけないことが起きた。

「ちょ、みや?」

被さってきたみやの掌は、ちょうど、ももの頭に添えられるような形になっていた。
その指先が、くしゃくしゃとももの髪の毛を撫で始めたのだ。
それも、理由は分からないけどすごく優しい手つきで。
寝ぼけてるんだろうけど、予想外すぎて心の準備ができてない。
ダメだ、これは。
みやにはその気がないって分かってても期待してしまう。
早く、離れないと。

「……っ?!」

離れがたいけど、そっと距離を取ろうとして——あえなく失敗した。
どうして。
どうして、みやの腕に力が入ってるんだろう。
まるで、ももが離れちゃうのを拒んでるみたいに。
ダメだよ、みや。本当に、期待しちゃうよ。

「みやー……?」

呼びかけても、反応はゼロ。
いやいや、今ならまだ引き返せる。ももの理性がそう叫ぶ。
そうだよ、まだ今なら、起こしちゃったとしても冗談で済ませる。
ちょっと寂しくなっちゃって、とかいつものノリで。ふざけた調子で。
いつもの”許してにゃん”で誤魔化せる。
そう思って、さっきよりも強めに体を引き離そうとしたのに。
できなかった。

「ちょっ、うそぉ」

これで寝てるの?って本当に疑いたくなるほどに強い力。
その間も、なぜか撫でてくる手は止まらなくて。優しすぎて。
ぱちん、と何かが弾けた音がした。

694 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:38:05.59 0


今まで、寝てるみやに触ったことはない。なんだか反則な気がするから。
でも、ちょっとだけ。今日だけ。
魔がさしちゃったのは、許してほしい。
だってみやが、優しいからいけないんだ。
ちょっと窮屈な体勢から、そっと指を伸ばしてみやの頬に触れてみた。
絹みたいに滑らかな肌って表現があるけど、それはみやのためにあると思う。
くすぐったかったのか、ちょっとだけみやの眉間に皺が寄る。
でもそれもすぐに消えて、みやの表情は穏やかなものに戻っていた。

「……きれい」

素直な感想が口をついて出る。
もうちょっとだけ、と大胆な気持ちに後押しされて、指先はそっと唇へ。
形の良いそこに指先を這わせると、また少しだけみやの顔は歪んで、でもまたすぐに戻った。
ずっと、触れてみたかった、そこに。

——今なら、許される?

頭をよぎった悪魔の囁きは、今のももには振り払うことができなかった。
ちょっとだけ、触れるだけだから。
そう言い聞かせて、体を伸ばしてみやの唇に触れてみる。
空気みたいに、本当にそっと。

「ん……? もも?」
「み、や」

あとちょっとで触れる、直前。みやの瞼が薄く開くのが見えた。
さっと血の気が引いた気がして、現実に、いきなり首を絞められた気がした。

「あ、えと、これは」
「何、やってんの?」

もっと激しく怒られたりするかと構えていたけど、みやの返事はまだふにゃりとしていて。
覚醒しきってないんだなって感じ。

「てか、あれ? ここ、うちのベッド……って、顔近くない?」

今そこなの?ってちょっと呆れた。

「こんなとこで何してたの?」

ああもう。
バレてしまったからには仕方ない。もういい、開き直ってやる。
ぐっとももに絡まっていたみやの腕を押し返して、無理やりみやを仰向ける。
その上に被さって、みやの両手首を捕まえた。
いわゆる、押し倒してるって形。

「え、ちょ、もも?」

みやの動揺などお構いなしに、左手を引っ張って。
ぐ、と押し当てた先はももの胸。痛いほどに脈打っている、左の上あたり。

「も、も?」
「分かった? こういうことだよ」

695 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:39:09.53 0

耳に届いた自分の声は掠れていて、なんかもう言い訳できないなあって我ながら思う。
困惑するみやの瞳に出会う。
そうだよね、当たり前だよ。
みやだって、もう大人だからさ。
自分が何をされそうになっていたか、理解できるよね。

「ごめ、ん」
「謝るようなこと、してたんだ?」
「そうなる、かな」
「……ふーん」

みやの声は、見下しているような、呆れているような色を帯びていた。
ああ、明日からどうしよう。仕事に支障、出ちゃうなあって。
逃げるように目を逸らした。

「ももって、本当に勝手だよね」

けれど、聞こえてきた言葉は予想外。

「みやっ……?!」

ぐるん、と世界が勢い良く反転する。
何が起きたのか分からなくて、咄嗟に目を閉じていた。
頭に柔らかい感触がきて、目を開けた先にはみやがいて。なぜか、笑っていて。

「え、何……?」
「目、閉じて」

みやの声に捕らえられて、身動きができない。
硬直する思考をよそに、唇に下りてきたのはふわりとした柔らかさ。
それが何を意味するか、視覚なんて無くても理解できた。

「どういう、つもり?」
「さあ、ね」

はぐらかされた答えの跡を追うことはできなかった。
もう一度、半ば強引に触れてくる唇。
ぬるりとしたものが隙間から入ってくるのが分かったけれど、抵抗する術なんて知らない。
押し返そうとした舌先は逆に唾液に浸されて、みやが口内で好き勝手に振る舞う。

「ちょ、ぁっ」

一方で、みやの指先が耳の中に入ってきたのを感じた。
ガサゴソとざわついた音が入ってきて、時折触れられるそこからじわじわと痺れが広がっていくような感覚。

「ももって耳弱いんだっけ?」
「知ら、なっ」

他人にこんな風に触られるのなんて、今日が初めてに決まってる。

「なんか……ゎいい」
「えっ? あ、んっ」

聞き返そうとした言葉は、形にさせてもらえなかった。
耳に意識を集中させていた矢先、鎖骨をすっとなぞられて、ぞくりと鳥肌が立つ。

696 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:40:09.49 0

「ももの鎖骨、綺麗だよね」
「今、ぁ、言うっ?!」
「思ったから言っただけじゃん」

そんなことはどーだっていい、とでも言うように、みやの指先はさらに先へと進む。
ちょっと待って、そこは、本当に……!

「あれ、もも、ブラ——」
「っ!」

みやの馬鹿、大馬鹿、大真面目に言わなくていいのに!
思わず両手でみやの口を塞いでいた。
馬鹿、って念を込めて見つめてみたけど、ももの視線は軽くいなされる。
ついでに、両手もさっさと引き剥がされて。

「ごめんって。あ、でも勃って——」
「ほんっと、んぁっ」

馬鹿!声にならなくて、心の中で叫んでやった。
でもそんな思考も、いきなり先端に触れてきた指先にあっという間に溶かされる。
本当は、触れられる前から自覚してた。だんだん硬くなってたことくらい、分かってたよ。

「ね、直接触っていい?」
「聞かな、ぁあ」
「ん。じゃあ好きにする」

前開きのパジャマを着てたのは、ただの偶然。
あっという間にはだけさせられて、外気に素肌が晒された。
体温より少しだけ低い室温さえも、今は刺激にしかならなかった。
そんなことを思っていたら、不意にみやの指先に胸を掴まれた。

「すごーい、ふわふわ」
「ちょ、人の胸で遊ば、な、ぁっ」

ねえ!最後まで喋らせてくれたっていいのに!
弄ぶようにふにゃふにゃと触っているだけだったみやの指先が、唐突に先端を弾いてくる。
突然の強い刺激に、体がびくりと震えるのを抑えられなかった。

「硬くなってる」
「そりゃ、ぁんっ、ぅ」
「……舐めていい?」

いちいち聞くなって言ったじゃん、って思ったけど、口を開けば吐息しか出てこない。
でもみやには伝わったらしく、湿り気を帯びた温かさがぐっと先っぽに押し付けられて。

「ああぁっ!」

舐められる、噛まれる、吸われる。
みやの吐息にさえも、背中が反るのを止められない。

「脱がしていい?」

だから、聞かなくていいって言ってるのに。
ちら、と視線が合わさって、みやが緩く微笑んだ。

697 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:40:55.77 0

「やっぱさー、触って欲しいのって」

——ここ?

「ゃあっ、んっ」

パジャマの布越しに、みやの指先に一度だけ上へなぞり上げられた。
期待していた刺激には程遠い、もっと欲しい、思わず腰が浮いてそれを追いかける。
それを見たみやが、満足げに表情を崩した気がして。
でも、それを確かめる暇さえないまま、気づいたら下着ごとすべて奪われていた。

「っ……」

空気に触れさせられて、自分がどれだけ濡れていたかを思い知らされる。
そしてそれは、今、みやの目にもばっちり映っているということで。

「へえ」

何がへえなのか。
もうだいぶふやけてしまった思考では、みやの心情なんて推し量れない。
問いかけはやっぱり言葉にならないまま、無遠慮に指先が押し当てられて。
そんな雑な刺激にも、とろりと溢れるのを感じた。
みやは何も言わないまま、ゆるゆると指先を上下させる。
もっと、ちゃんと、触って欲しいのに。

「ね、もも」
「な、に、んぅっ、あっ」

掬い取られて、塗り広げられて、焦れったさだけが募っていく。
かと思えば、不意にその刺激はぴたりと止められた。

698 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:41:24.45 0

「ゃ、だぁ、みやっ」

体の中に溜まっている熱が、逃げ場を求めて暴れている。
もう辛い、もう、もう。

「……って、言って」
「え……?」

そんな余裕のない中で。
みやの言葉が信じられなくて、耳を疑った。
今、なんて。

「好きって、言ってよ」
「えっ、ぁっ、んぅっ」

再開される、緩慢な動き。
まとまりかけた思考はまた、四方八方へと散っていく。

「でも、みや……ぁっ」
「聞かせてよ」

みやの口調はあくまでも柔らかで、なんでかみやが泣いている気がした。

「すき、みや、すき」
「ん、——ゃ、も」

みやが何か言ったのが聞こえて、けれど問い返すことはさせてもらえなかった。
ぬるりとした液体が擦り付けられて、みやの指先にぐっと力が増すのが分かった。

「ぁっ、あぅっ、んっ、あぁぁぁ……っ!」

小さな粒が、押されて、潰されて、擦られて。
ぎゅっと閉じた瞼の向こうで、すべてが真っ白になった。


*  *  *

699 : 名無し募集中。。。@無断転載は禁止2016/11/25(金) 00:42:06.80 0

瞼の向こうに明るさを感じた。
かすかな電子音が聞こえた。
ぎゅ、って温かさに包まれた気がした。

「ん……?」
「あ、おきた」
「え? わっ」

びっくりした。心臓が飛び出るかと思った。
だってみやの顔、近いんだもん。
っていうかもも、今みやの腕の中にいるの?

「な、何?」
「ほら、びっくりするでしょ? フツー」

尚もみやの意図が掴めないでいると、ほら、昨日のって言われてようやく記憶が蘇ってきた。
そうか、これは昨日の仕返しなのかってところまでが繋がって。
その先を、思い出した。
みやの吐息の熱さとか、唇の柔らかさとか、肌の滑らかさとか……あと、ももに触れてくる時の視線とか。
それらを鮮明に思い出した途端、昨夜の行為までが繋がった。
嘘、あの後ずっと寝ちゃってたってこと?

「もうちょっと寝ててもいいけど」

どうする?起きる?って尋ねてくるみやはあくまでいつも通りで。
あれは夢だったんじゃなかろうかって気になってきた。
でも、でもね。
ももの腰とか、足とか、とりあえず全身の倦怠感がそうじゃないって訴えている。
もしかしたらあれが、みやの答えだったとしたら。

「……ねえ、みや」

ん?って言いながら、ももを映すみやの瞳は今まで見たことがないくらいに穏やかで。
今ならきっと、たどり着ける気がした。

「最後、なんて言ったの?」

みやはそっと微笑んで、そして——。