雅ちゃんがももちの胸を触るセクハラ - 4人家族(節分編)
95名無し募集中。。。2018/02/03(土) 13:18:25.810

「いや、それはさすがにちょっとどうかと思うよ」

2月2日の夜。
ちょっと見て欲しいものがあるんだけどと部屋を追い出され待つ事一時間。
いいよと声を掛けられドアを開けるとそれはもう本格的な鬼の姿になったみや。
本格的過ぎてもはやみやである事がわからない。

「えー頑張ったのに」
「いやいや、怖いから。お面だけにしようよ。きっと泣いちゃうよ」

それでもねばるみやを説き伏せて迎えた2月3日の夕方。
手巻き寿司にするために大量に買ってきた刺身ブロック。
欲望に負けて次々にカゴに入れてしまったその量は冷静さを取り戻すと明らかに多すぎで。
まあみやも好きだからこれぐらい食べれるなんて言い訳しながらトレーから取り出していく。
それを手巻き寿司用に切っているといつの間にか横にはももちゃんとみやちゃん。
期待に満ちた目で見つめてくるその手には既に醤油の入った小皿。
思わず吹き出してしまう。

「ちょっとだけだよ」

目測を誤って細くなってしまった一本を半分に切って二人のお皿の中に入れる。
口に入れて満面の笑みを浮かべる二人。

「もーひとくちだけ」
「夜食べられなくなっちゃうからだーめ」
「だめ?」

しょんぼりとしながら上目遣いで見てくるみやちゃんに心が揺らぐ。
視線を逸らすとその先にはうっすら涙を浮かべるももちゃん。

「…もう一口だけだよ」

なんて言いながら結局、全種類味見したももちゃんとみやちゃんはご満悦といった表情。
多めに買っていてやっぱり正解だった。
後はご飯が炊けるのを待つだけ。
片付けて一息つこうとしたところに予想外の一言が投げかけられた。

「エビフライはつくらないの?」

96名無し募集中。。。2018/02/03(土) 13:19:18.430

みやちゃんのは心底、不思議そう。
ももちゃんも横で力強く頷いていた。

「エビフライ?」
「そーぱんこつけるかかりなの」

全く用意していない上に揚げ物。

「ごめんね。エビフライはまた今度にしよう」
「えっ…」
「ほら大っきい豪華なの買ってくるから」

取り繕うように言ってもみるみる元気が無くなって行くみやちゃん。
ひどい罪悪感。
思い出すのはみやちゃんの誕生日。
またももちゃんに威嚇されみやちゃんに無視されるというつらい一日がくるかと思うと既に落ち込みそう。
どんどんと悪くなる空気。
下手にじゃあ作ろっかとも言えず焦りだけが募って行く。

「ただいまー」

玄関から聞こえてきた声にダッシュで駆け寄って行く二人。
みやの手にはお惣菜屋さんの紙袋。

「はいコレ」

中身は大きなエビフライ。

「エスパー?」
「何言ってんの?前みやちゃんが節分にはエビフライ巻き作るって言ってたから買うしか無いねって話してたでしょ」

言われて初めて思い出す。
確かに恵方巻きのCMが流れていた時にそんな会話をしたような。

「また忘れてたの?ダメダメだねー?」
「「だめだめー」」

心に突き刺さるけれどダメダメと言い続ける二人はとても楽しそうだから甘んじて受け入れる。

「じゃあ荷物置いてくるからももは豆まきの準備しておいてよ」

そうしてみやを待つ事二十分。
出てきたみやにももちゃんとみやちゃんは動きを止めた。
少しだけみやだとわかる要素はあるけれどまあ怖い。

「納得してくれたんじゃなかったんだ…」

近づいてくるみやに片手に握りしめた豆を泣きながら猛然と投げつける二人。
泣いてるのにまだ鬼の役をやめないみや。
一刻も早く退治するべく自分も豆を握りしめ、投げつけた。