朝鮮学校無償化についてのウィキです。

【記者の視点】在日へのまなざし、ためらいなき「排斥」=報道部デスク・石橋学
2013年10月10日

 横浜市が朝鮮学校に支給している補助金の交付を国際情勢に応じて停止できるよう、要綱を変更する考えを明らかにした。すでに県も補助金を打ち切っているが、子どもの学びやに政治の問題を持ち込むのは道理に合わないと私は思う。同時に、朝鮮学校へ向けられる国や自治体のまなざしに、司法の場で「人種差別」と断じられたヘイトスピーチ(憎悪表現)に通じるものを感じている。

 朝鮮学校の関係者は戸惑いとともに振り返る。「われわれは、それを『ミニ日朝会談』と呼んでいます」

 ことし2月、北朝鮮が核実験に踏み切った直後のことだ。県の担当者から電話が入った。「どのように考えているのかコメントを出してほしい」。いわく、県による補助金の支給が、今のままでは県民の納得が得られず、継続するのが難しいという。

 朝鮮学校は運営しているのも、教員も、通っている子どもたちも、日本で生まれ育ち、骨をうずめていく在日コリアンだ。北朝鮮政府の代表でもなければ、代弁者でもない。

 「ここは学校で、われわれは子どもたちに勉強を教えているだけなのに。核実験をしてすいませんと言えば、補助金を出してもらえるのか。まるで人質を取られた気分。担当者は上からの指示を受けているだけなのでしょうが」

 北朝鮮が人工衛星の打ち上げと称して弾道ミサイルの発射実験を行ったと報じられた際も、同じように見解を求められたという。

 数日後、黒岩祐治知事は補助金の打ち切りを発表した。

 「朝鮮学校と北朝鮮は違うという声は承知している。子どもに罪がないことも重々分かっている」

 県議会での答弁は、核実験を理由にした補助金打ち切りが道理にかなっていないことを認めながら、理不尽にも子どもたちに制裁を肩代わりさせることを物語っていまいか。


■逸脱
 補助金の支給には当然ながら条件が定められている。要件を満たしているなら、粛々と執行する。それが行政の原則だ。黒岩知事は、そのルールを自ら逸脱した。

 横浜市が検討している要綱の変更は「現行では支給取りやめの根拠が薄い」(市教育委員会学校支援・地域連携課)ため、新たな条件を書き加えようというもので、より異様に映る。

 学校関係者の戸惑いからも分かるように、北朝鮮と朝鮮学校を同一視することは筋違いだ。

 教育の場に政治の問題を持ち込むべきではないという原則があるのに、国際情勢のいかんが補助金を止める理由になり得ると信じて疑うところがない。

 補助金がなくなれば学校の運営は苦しくなり、授業料の引き上げを余儀なくされるかもしれない。授業料を払えず、子どもが学校に通えなくなるといった事態も起きるかもしれない。日本も批准している子どもの権利条約にもあるように、人種や民族、思想信条にかかわらず、子どもが学ぶ権利は保障されなければならないのに、配慮は感じられない。

 そもそも横浜市の補助金の趣旨は「国際港都横浜における国際交流の増進と私立学校の振興」にある。1982年から要綱にうたわれてきた理念は、あっさりゆがめられる。外国人学校を差別的に扱えば、国同士の関係悪化に拍車がかかるだけで、ひいては国際情勢をさらに悪くさせるだけだろう。

 あらゆるためらいのなさは、どこから来るのか。背中を押す、前例があった。

 安倍政権はことし2月、高校無償化の対象から朝鮮学校を外した。省令を改正し、対象を狭めることで除外した。理由の一つに挙げたのが、解決をみない北朝鮮による拉致事件だった。

 外交の問題を持ち出して朝鮮学校を例外扱いするお墨付きを得て、続いたのが県であり、横浜市だ。横浜の場合は、対象から外すためにルールを変えるという手法までも国に倣ったといえる。


■無意識
 「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「スパイの子ども」−。在日特権を許さない市民の会(在特会)が京都朝鮮第一初級学校の近くで行ったヘイトスピーチと呼ばれる街頭宣伝について京都地裁は7日、「人種差別」と断じた。

 表現は違えど、いわれのない補助金の打ち切りが発するメッセージはどこかで重なっている、と私は思う。

 当人たちに自覚はないかもしれない。では、在日3世の朝鮮学校教員の次のような言葉は、どのように聞こえるだろう。

 「朝鮮学校は補助金を打ち切られても仕方がない、運営が行き詰まり、学校がなくなっても構わない。そう言われているように聞こえる。在日の子どもたちに朝鮮の言葉や文化、歴史を教えるな、ということなのか。それは朝鮮人として生きることを否定することだ。つまり、死ねと言っているのと同じだ」

 国や自治体の政策がヘイトスピーチを正当化させてしまう。自治体の無自覚はだからこそ罪深い。


◆朝鮮学校補助金問題
 横浜市が、朝鮮学校に支給している補助金を国際情勢に応じて支給しないこともできるよう交付要綱を変更する考えを明らかにしたのは4日の市会決算特別委員会。

 横山正人氏(自民党)が支給対象について「日本と国交や経済交流のある国、地域に限定すべき」と主張。その上で「国際情勢などに応じて補助金を支給しないこともできるよう、根拠を整理すべき」と述べ、要綱の変更を求めた。

 これに対し、鈴木隆副市長は「外国人学校への補助事業は国際情勢の変化など難しい背景を持っている。今後、国際情勢などに応じて適切でないと判断する場合は支給しないこともできるように補助金の交付要綱を改正したい」と答えた。

 横山氏は「拉致と核開発の二つの問題が解決されなければ補助金を支給すべきではないのではないか」とただし、鈴木副市長は「5月に市長は『状況によっては執行について再考せざるを得ない』と答弁している。状況の改善が見られていない現状では、朝鮮学校への補助金は執行する状況にはないと考えている」と述べた。

 市教育委員会によると、市内に3校ある朝鮮学校への補助金は本年度予算に計約250万円計上しているが、北朝鮮の核実験を受け交付手続きを見合わせている。

 そのほか横浜山手中華学校や横浜インターナショナルスクールなど6校に計約1072万円計上。これまで、市内にあり、主に外国人を対象にした教育機関で、県に認可を受けた学校であること−などを要件に支給してきた。
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