流星群〈ミーティア・ライン〉

流星群〈ミーティア・ライン〉

データ

効果範囲内における光の分布状況を偏らせる収束系魔法。
真夜を「極東の魔王」「夜の女王」と呼ばしめている魔法。

有機物・無機物を問わず、また物体の硬度・耐熱性・可塑性・弾力性を問わず、対象物は光が通り抜けられる穴を穿たれる。
透明度の高いガラスであっても、光の透過性が100%でない以上、穴を穿たれる。

ロジックの面から見れば、光の分布を介して対象物の構造情報に干渉し、固体・液体を熱や圧力によらず直接気化させる、つまり気体に分解する分解魔法の一種とも言える。

室内やトンネル内のような閉鎖空間で特に高い威力を発揮する。

見かけ上のプロセス

対象空間が、多数の小さな光球が浮かぶ闇に閉ざされる。
光球が無数の光条と化し、攻撃対象を貫く。

本質的なプロセス

収束系魔法で、光の分布を著しく、かつ強制的に偏らせ、光が存在する座標を小さな球・細い軌道として設定する。
光の通り道に設定された空間、およびその構成要素としての物体は、「光が透過する」という状態にその在り方を改変され、結果的に穴を穿たれる。

「光が偏って存在する線」自体が定義されているため、反射・屈折・遮断で防御することはできない。
一方向から光を照射するものではないため、魔法によるシールドでも防御できない。
全方位をカバーする球形のシールドで包んだとしても、光子の移動とは関係なく「光を100%通すライン」が作り出され、穴が穿たれる。

対抗魔法による防御もほとんど不可能で、光という物理現象を媒介としているために『領域干渉』で阻止することは困難を極め、「光の分布」という単一要素に対する干渉力が真夜を上回っていなければ発動は止められない。
一旦発動されれば、「光の分布が偏っている」という事象が既に顕在化しているため、改めて『領域干渉』で対抗することはできない。
対物理防御でも、対魔法防御でも、その両方を同時発動する十文字家の『ファランクス』でさえも防御は不可能である。

ただし、『流星群』は構成要素としての物体を含む限定空間の構造情報に対して「間接的に」干渉する魔法であるため、構造情報に「直接的に」干渉する達也の『分解』に対しては決定的に相性が悪く、光を介して空間構造に干渉し作り上げられた「夜」の結界は、空間構造に対する直接的な干渉で簡単に砕け散る。

（出典：8巻222･223･225～227P）

魔法