2日
地域を明るくしようと、大阪市西成区の住民らによる手作りの電飾イベント「イマナリエ」が2日、今宮ふれあい広場(萩之茶屋)など同区の3か所で始まった。来年1月31日まで、午後5〜10時に点灯される。今宮社会福祉協議会や同区の消防、学校の関係者らが昨年、「暗いと思われがちな町のイメージを良くしよう」と初めて実施し、2回目。同区天下茶屋北の特別養護老人ホーム「ローズ」駐車場で点灯式が行われ、ツリー2本と光のカーテンが青や赤などに彩られた。同区天下茶屋の「大阪自彊(じきょう)館いきいきセンター」も合わせ、LED(発光ダイオード)約20万個を使った通天閣や富士山、トンネル、雪だるまなどの電飾15点が楽しめる。同広場を訪れた同区の無職武田利男さん(72)は「町が美しく輝き、自分も元気になった」と見入っていた。
4日
- 不用になったスキー道具を路上に不法投棄したとして、大阪府警西成署は4日、大阪市北区の会社員(57)を廃棄物処理法違反容疑で現行犯逮捕したと発表した。同署によると、会社員は3日午後7時20分頃、同市西成区萩之茶屋の路上で、スキー板(長さ1・8メートル)とストック(同1・15メートル)を不法投棄した疑い。「正規の廃棄手続きが面倒だった」と容疑を認めている。現場付近では橋下・大阪市長の掲げる「西成特区構想」で小中一貫校の設置が検討されており、住民から「大人がごみを不法投棄してもいいのか」などと苦情が寄せられていたという。
- 4日午前5時頃、大阪市西成区千本北の棟続き住宅から出火。木造2階建て4棟のうち、西端の棟の1階約10平方メートルを焼いた。この棟の1階で、住人の無職橋本成江さん(82)が倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが、死亡が確認された。近所の人によると、橋本さんは足が不自由で車いすを使っていたという。西成署によると、橋本さんは一人暮らし。
6日
覚せい剤の売買を一掃する対策の強化を−。大阪市西成区の萩之茶屋地区住民らが6日、区内の覚せい剤撲滅を求める陳情書を松井一郎知事と橋下徹市長に提出した。学校周辺や子どもの自転車の前かごに使用済みの注射器が平然と捨てられる実態を訴えた住民に対し、松井、橋下両氏は「普通の町」になるための対応を約束した。陳情書の提出者は萩之茶屋地域社会福祉協議会、萩之茶屋連合町会、NPO釜ケ崎支援機構、簡易宿泊所組合などの各代表者。橋下氏が掲げる「西成特区構想」の教育環境改善強化をめぐって、住民側は、覚せい剤などの売買が横行する環境が構想の障壁になっている現状を訴えた。萩之茶屋地域社会福祉協議会の田中康夫会長は大阪市役所で「特別なまちにと言うのではない。子どもが外で遊ぶまち、普通の町に出来るよう、ぜひ行政の力を」と松井、橋下両氏に協力を求めた。陳情書を受け取った松井氏は「普通の生活ができる場所に出来るよう府市一体で取り組みたい」と約束し、橋下氏も「落書きやゴミ放置と同様『なんとなくいいのでは』という雰囲気を何とかしないといけない。地域と共に取り組んでいく」と答えた。
11日
大阪府の松井一郎知事は11日、府警の田中法昌(のりまさ)本部長と会談し、覚醒剤の密売など薬物事案の摘発が相次ぐ大阪市西成区の状況を改善するための専門チームを府と府警、大阪市の合同で立ち上げることを決めた。専門チームは来年度から5年間かけて、薬物対策に重点的に取り組むとともに、ごみの不法投棄など同区の抱える問題に対応することで、犯罪の生まれにくい土壌を作るのが狙い。府警薬物対策課によると、同区のあいりん地区での薬物事案の摘発者数は、年間400人以上に上り、府内の全摘発者数のうちの約5分の1を占めるという。松井氏は記者団の取材に、「『西成は犯罪の巣窟じゃない』と伝える組織を徹底して作る」と述べた。
15日
日雇い労働者を支援する「小さな親切」運動大阪本部(大野正利代表理事)は15日、あいりん地区(大阪市西成区)の萩之茶屋南公園(通称・三角公園)で、讃岐うどんの炊き出しを行った。同本部は会員の高齢化などで解散を決めており、歳末恒例の炊き出しもこれが最後。訪れた労働者らは湯気の立つ出来たてのうどんを味わっていた。讃岐うどんの製造販売会社「めりけんや」(香川県宇多津町)が、今年も冷凍うどん約1500食分を用意。同本部の会員ら約30人が大きな鍋で麺をゆで、ワカメなどの具を添えてどんぶりを手渡した。日雇い労働者の児玉泰輔さん(55)は「年末で仕事が少なく、生活を切り詰めている。体が温まり満腹になるうどんはおいしくて、ありがたい」と話した。炊き出しに併せて、NPO法人・ふれあい広場「コスモス」(大阪市城東区)はタオルに絵手紙を添え、仁川学院高(兵庫県西宮市)の1年生4人は同級生らと指編みしたマフラーをそれぞれ配った。同高1年、辻吉秀さん(16)は「『ありがとう』と声をかけられ、やって良かった」と話した。同本部実行委員の鈴木和巳さん(62)は「あいりん地区のほぼ全員が、『アベノミクス』の恩恵を受けることなく、苦しんでいる。私たちの活動はこれで終わるが、若い人たちが志を引き継ぎ、支援を継続してほしい」と願っていた。
17日
路上にごみを不法投棄したとして、西成署は17日、廃棄物処理法違反容疑で、大阪市西成区長橋の牧師(68)ら男3人を現行犯逮捕したと発表した。同署によると、現場は日雇い労働者らが集まるあいりん地区(西成区)の南海電鉄高架沿いの市道。今月3日にも同じ場所にスキー用品を捨てたとして、別の男が同容疑で現行犯逮捕されている。この場所への不法投棄で摘発されたのは、今年に入って18人に上るという。牧師の逮捕容疑は16日午前11時20分ごろ、同区内の市道沿いに、カセットコンロやカップラーメン、猫のふんなどが入った袋を捨てたとしている。不法投棄を警戒中の署員が発見した。牧師は「臭いので教会の近くに捨てるのが嫌だった」と供述している。
19日
大阪市の橋下市長が掲げる「西成特区」構想で、小中一貫校が新設される西成区のあいりん地区周辺。2015年度の開校に向けた工事も始まり、地域に子育て世代を呼び込むことも期待されている一方、学校予定地の周辺では不法投棄が後を絶たない。地域住民らは「通学路がごみであふれないように」と美化に取り組み、市や府警も取り締まりなどに本腰を入れ始めた。「西成には路上にごみの山があり、みんなが捨てに来ると聞いた」。西成署が3日、不用になったスキー道具を路上に捨てたとして廃棄物処理法違反容疑で現行犯逮捕した男(57)はこう、供述したという。男が投棄した場所は、あいりん地区の西端となる南海本線ガード下(萩之茶屋)付近の路上。現場を歩くと、不法投棄を禁止する貼り紙の前に、家庭ごみや冷蔵庫、金庫、段ボールなどが山積みになっていた。西成特区構想では、市立萩之茶屋、弘治、今宮の3小学校を統廃合し、市立今宮中の敷地に15年度、小中一貫校を新設する。投棄現場は今宮中に面した市道で、現状のままだと、児童・生徒は毎日、〈ごみの山〉のそばを登下校しなくてはならなくなる。地域の美化などに取り組む「あいりんクリーン推進協議会」の村井康夫副会長(62)は「不法投棄がなくならないと、西成のイメージは悪くなる一方だ。子供たちも『ごみは道端に捨てればいい』と考えるようになり、教育上も良くない」と胸を痛める。市が昨年度に回収した不法投棄ごみ5400トンのうち、あいりん地区での回収分は1500トンに上り、市は同地区で、日曜を除く毎日、投棄ごみを回収。市職員も日中に随時、巡回しているが、市担当者は「回収しても、時間がたつと元に戻る。イタチごっこだ」と頭を悩ませる。一方、府警は住民や市からの要請を受け、取り締まりを今まで以上に強化している。西成署は11月以降、ストーブやオルガン、引っ越しで出た粗大ごみなどを路上などに捨てた14人を現行犯で逮捕した。大阪市の場合、粗大ごみを捨てるには大きさや品目に応じて200〜1000円の手数料が必要だ。不法投棄は多くが費用を惜しんでの犯行だが、廃棄物処理法違反による罰則は5年以下の懲役か1000万円以下の罰金で、個人で初犯でも数十万円の罰金が科せられるのが一般的という。同署の広瀬誠副署長は「不法投棄は決して軽微な犯罪ではない。今後も厳正な取り締まりを続ける」と、言葉に力を込めた。
26日
大阪府の松井一郎知事は26日、大阪市西成区のあいりん地区を視察した。6日に同地区がある萩之茶屋地域の住民らから覚せい剤撲滅への対策を求める陳情書が出されたのを受けたもので、市立今宮中学校などを訪問し、地域の実情を尋ねた。同中学の二井雄二校長との意見交換を終えた松井知事は「同中学では学力テストの結果が全国平均を上回るが、西成というだけで悪いイメージが先行している。一部エリアで覚せい剤が取引されているのは事実。取り締まり強化で府と市、警察が一緒になり、偏見のあるイメージを払拭(ふっしょく)したい」と話した。
地域からの陳情を受け、府と大阪市、大阪府警は現在、対策に向けた5カ年計画を策定中。松井知事は「年明けにも市長、府警本部長と共に発表したい」と語った。
29日
29日午前7時25分ごろ、大阪市西成区千本中の駐車場で、近くにある洋菓子会社勤務でケーキなどの配達業務中だったアルバイト男性(45)が背後から来た男に体を押さえつけられ「出せ出せ」と脅された。男は男性が身につけていた売上金約70万円入りのウエストポーチのひもをはさみのようなもので切断して奪い、駐車場の近くに止めていた自転車で逃走した。男性にけがはなかった。大阪府警西成署が強盗容疑で捜査している。同署によると、男性は商品ケースに入れたケーキやパンを駐車場近くの系列店に配達。空になったケースを荷台に積んでいるところを襲われた。男は30代ぐらいで、上下黒っぽい服装に目出し帽をかぶっていた。
30日
コンビニで従業員をのこぎりで脅し、現金を奪ったとして大阪府警西成署は30日、強盗容疑で大阪市西成区天下茶屋、無職、恵川照利容疑者(71)を逮捕した。逮捕容疑は30日午前6時50分ごろ、同区岸里東のコンビニ「ココストア西成岸里店」に押し入り、レジにいた女性従業員(52)を「金を出せ」と持っていたのこぎりで脅迫。現金約7千円を奪って逃走したとしている。同署によると、この直前に近接する別のコンビニでも同様の手口の強盗未遂事件があり、同署が緊急配備。2件目の店から自転車で逃走していた恵川容疑者を署員が見つけ、現行犯逮捕した。「金が欲しかった」といずれの犯行も認めているという。