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16.EB-477棲息変異個体 - 18/03/15 20:53:47 - ID:ZFTxhO47+Q
―20039_10_21_0130
採掘場護衛開始当日、五体のアンドロイド…五人の少女は隊舎のロビーに集っていた。テーブルスクリーンをタップしつつ、うぃきがブリーフィングを開始する。
「まず、司令官と副司令よりお詫びの言葉を頂きました。“無理をさせて済まない、だが官僚連中にはその内、報いを受けさせてやるさ”とのことですわ」
「大丈夫、大丈夫ですよ」
続いてEB-667鉱床の立体地形図が表示された。そげは無言で眼帯型端末に地形図を入力して狙撃ポイント候補を絞り、ごりは戦槌の機構動作を確認している。
「EB-667鉱床の採掘場は一般的な鉱石採掘場よりも、比較的小さな鉱床ですわ。頑強な鉱石群の所為ですわね。遊撃部隊のお仕事は本隊の援護と中心部の防衛です…が」
「うぃきどの、浮かないかおでありますね。何かもんだいでありますか?」
スクリーン上に毒々しい色をした仰々しいロゴと社名らしき文字が表示される。
「PMC…企業が勝手に雇ったの。どぶねずみ以下、いけない害獣さんね」
PMC(民間警備会社)は昨今の戦争でその在り方を大きく変えた。国では無く企業の子飼いとして資金を潤沢に吸収し、成長した彼等は軍用アンドロイドすら圧倒する事もある。ごりがPMCロゴを指差す、崩れているがANTだろうか。
「のら隊長、私はこいつらは知ってます。外辺境でご一緒した事がある…アンドロイドと知れば、味方でも後ろから撃ってくる。生体至上派がお気に入りの連中だ。挙句の果てに“効いてる効いてる”だのと笑いやがった」
「小官も前VTU戦争で斥候にでた時、ANTとやらをみました。“なんだ、機械かよ。こんなんで[お上品]できるわけねーだろ”と、あと「ろり。だめ、です、よ、だめ、です!」
のらきゃっとがその細指でろりの唇を塞ぎ、うぃきは少しだけ表情を緩めた。
ろりを抱えながら、のらきゃっとは思考を切り替える。
「彼等は一応、ほんとうに一応、味方。まずは仮想敵、奇形なまもの。そちらは」
元気よく手を上げたのは狙撃ポイントを確認し終えたそげである。
「あ、のら、それは私が知ってます。隣の鉱床にも同じ種類のが居るみたい。ただ、ものすごいでっかくて、ジョーク記事扱いだってさ。テレビで見た」
うぃきがそげのふわふわ情報を精査したところ、解析班によれば奇形生物の外殻にVR鉱が含まれていることが判明した。
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