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19.EB-477棲息変異個体 - 18/03/15 21:03:10 - ID:ZFTxhO47+Q
―20039_10_21_0250
崩れ落ちるそげを見て、のらきゃっとの中で、何かが切れた。
「そですか…奇数です、家、奇遇です」
「コイツなに言ってんの?」
妖艶に瞳を細め、ナイフの様に鋭い犬歯を覗かせる。凄絶ながらも美しい微笑みであった。のらきゃっとは、彼の目を見て宣言する。
「僕も同じ事を考えてたんです。そげ、やりなさい」
機会を見ていたらしい、雷光を纏う獣が駆動音を響かせながら跳ね起き、剣を持った若いANTの脚を払って引き倒した。上を取ってから、ゆっくりと大槍を突き出す…否、大槍に見えたモノはアンチマテリアルライフルである。
「了解です、のら、戦闘行動を開始します…。これなら距離は関係ねーなぁ?」
引き金を引けば閃光がANTのパワード・スーツに突き刺さり、地面に縫い付けた。
脇腹を押さえつつ、そげもまた微笑んでいる。
うぃきが無機質な声で広域通信を送った。まるで死刑宣告の様な。
『アンドロイドの生存権に関する協定違反及び先程の行為を無差別テロと認定。ANT社員を敵性存在指定、遊撃部隊はコレを排除します。これは司令部の正式な通達です』
“ふざけやがって!”残っていたANTの一人がそう言おうとした、そう言ってレーザーキャノンを構えようとした。“そうしたかった”のであるが
細腕ながらも筋肉はバネの様にしなやかであり、かつては通常のでちゅうと同じであった爪先は合金に勝る程の強度を誇る。迂闊なANTは刹那の間に背後へと回り込まれ、音も無く鋭利な爪で喉首を掻き斬られ、そのまま凶悪な牙に頭蓋を噛み砕かれて餌食となった。執行者はPrototype_Assault_Cat。遊撃部隊で一番優しい“ろり”である。
「小官は命令を完全に理解しました。小官は抵抗するANTを排除するであります」
血塗れの軍服と吐き出された肉片を見てANT達はさらに逃げ出し、数を減らしていく。
「さて、私が出るまでもなかったわけです。やりました。完全勝利です。やったぜ」
のらきゃっとはふんすとふんぞり返った。
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