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35.タンスの引き出し - 18/03/18 11:12:19 - ID:N9jq8qssow
「じゃあまずはお名前を教えてください!」
「戦闘型アンドロイドのらきゃっと、製造番号は」
「のらきゃっとさんですね!お願いします!!」
まだ名乗り切れていないのに割り込まれた
「わたし製造番号まではそこまで気にしないんです、えへへ…」
「で、何か質問があるのですよね」
「はい、中々戦闘用の人で話をしてくれる人がいなくて助かりました!」
「出来れば手短に、まだ訓練は残っているので」
「あ…ごめんなさい、なら早速質問なんですが」
「あなたはなぜ戦うのですか?」
…???
「いえ、やっぱり変ですよねこんなこと聞くのは…気分を害したのなら謝ります」
「いいえ、問題ありません」
「なら…やっぱり守りたい物などがあるのでしょうか!」
「私は戦闘用アンドロイドです、上官の指令に従い任務を」
「えぇっとそうゆうことじゃなくってですね…」
また割り込まれた
「のらきゃっとさん自身に守りたいものがあるのでしょうか…!」
目を輝かせながらこちらに詰め寄ってくる女性 少し怖い
「そうですね、国の先兵として戦う以上守るべきものは国なのでは」
座ったベンチを端まで移動し答える
「国のため。ですか…うーん…」
「この国ってそんなに守る価値ってありますか?」
すごいことを言う人だ。上官が聞いていたら憲兵が飛んできていただろう
「だっていつまでも戦争続けてますし…これではアンドロイドさんがかわいそうです!」
女性が言ったことは事実だ。戦争が開始されてもう173年と8か月になる
「わたしの生まれるずっと前からこんなこと続けて…」
そこから女性は自分の考えを早口で連ねる 手短にとは伝えたのだが
「…って思うんですよ!!やっぱりおかしいですよ!!」
「あなたの考えは概ね理解しました。ですがそれを口外するのは控えた方が」
「うっ…ごめんなさい…」
肩を落としうなだれる女性 だけれど、分かったことはある
この人は分け隔てなくアンドロイドのことを本気で思っている
「でも…でもきっと行動を起こさないとこの世界は変わりません!」
「だからわたしは紙とペンを取ったのです!!」
高々と手に持ったメモ帳とペンを空に掲げる女性
よく観察するとところどころに汚れやヒビがあることが確認できた
「なのでまずアンドロイドさん達の意見を集めてるんです!」
…珍しい人だ
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